平成20年4月30日
金融庁
金融庁は、平成20年4月16日、公認会計士・監査審査会から、同審査会が監査法人夏目事務所に対して行った検査の結果に基づき、公認会計士法第41条の2の規定による当該監査法人に対する行政処分その他の措置を講ずるよう
勧告
を受けました。
同勧告を踏まえ、金融庁は本日、次のとおり当該監査法人に対して、同法に基づき、処分を行いました。
(1) 処分の対象
監査法人夏目事務所
(2) 処分の内容
戒告
(3) 処分の理由
監査法人夏目事務所においては、当該監査法人の関連会社が公認会計士法上の大会社等に該当する会社から、同法第2条第2項に規定する非監査証明業務である財務書類の調製に関する業務により継続的な報酬を受けているにもかかわらず、当該会社の財務書類について監査証明業務を行っていました。この行為は、同法第34条の11の2の規定(大会社等に係る業務の制限の特例)に違反すると認められました。
(4) 事案の概要
当該監査法人は、公認会計士法上の大会社等に該当する会社(被監査会社)と監査契約を締結し、監査証明業務を行っていました。
一方、当該監査法人の関連会社は、被監査会社から連結財務諸表作成に必要なデータを電子メール及びファックスで受信し、そのデータをもとに連結貸借対照表及び連結損益計算書に係る連結修正仕訳、連結財務諸表に係る精算表並びに連結キャッシュ・フロー計算書案を作成し、当該会社に提出していました。
当該関連会社は、本件業務の提供により、継続的な報酬を受領していました。
また、同勧告を踏まえ、金融庁は本日、次のとおり当該監査法人に対して、公認会計士法第34条の21第1項の規定に基づく指示を行いました。
なお、「監査法人の行う第2条第1項の業務の運営が著しく不当と認められる場合において、同項の業務の適正な運営を確保するために必要であると認めるとき」に該当すると認められる業務運営の状況は別紙のとおりです。
(1) 著しく不当な業務の運営を改善するため、法人の意思決定や職務権限に関する内部規程の整備など、組織的な業務運営についての改善策を策定し、確実に実施すること。
(2) 改善策について、平成20年6月6日までに報告するとともに、その実施状況を平成20年10月31日及び平成21年4月30日までに報告すること。
お問い合わせ先
金融庁 Tel: 03-3506-6000(代表)
総務企画局企業開示課 (内線3661、2768)
監査法人夏目事務所の運営は、下記のとおり著しく不当なものと認められる。
記
1. 当該監査法人においては、統轄代表社員が常に意思決定に関与し、その同意なしに意思決定できない状況にあることなどから、その他の社員は、監査法人としての組織的な業務運営の必要性を認識していない。そのため、法人の意思決定や職務権限に関する内部規程が整備されていないほか、地方事務所の管理も適切に行われていないなど、監査の品質管理のための組織的な業務運営は不十分である。
2. 当該監査法人においては、法令上提供可能な業務であるか否かを検討しなければならない状況があるにもかかわらず、何ら検討していないなど、法令等遵守態勢は不十分である。
3. 監査業務の実施においては、リスク・アプローチに基づく監査計画の立案が不十分であるなど、監査の基準に準拠していない監査手続が広範にみられる。また、監査調書の作成が不十分であり、監査手続の実施における検討過程が記録されていない監査業務があるほか、監査調書の管理が不十分である。
4. 監査業務に係る審査においては、審査を実施していない監査業務があるほか、監査上の重要な項目を検討していない監査業務を看過しているなど、審査態勢は不十分である。