平成21年7月8日
金融庁

監査法人及び公認会計士の処分等について

株式会社ペイントハウス(以下「ペイントハウス」といいます。)が作成した財務書類について、証券取引法に基づく監査証明を行った公認会計士に対して、並びに、株式会社ゼンテック・テクノロジー・ジャパン(以下「ゼンテック」といいます。)が作成した財務書類について、金融商品取引法に基づく監査証明を行った監査法人ウィングパートナーズ及び監査法人の業務を執行する社員(以下「業務執行社員」といいます。)として監査証明を行った公認会計士に対し、本日、下記の処分を行いました。

  • 1.監査法人

    • (1)処分の対象

      監査法人ウィングパートナーズ

      (所在地:東京都渋谷区東三丁目13番11号)

    • (2)処分の内容

      • 業務の停止1ヶ月
        (平成21年7月15日から平成21年8月14日まで)
      • 業務改善命令(業務管理体制の改善)
    • (3)処分理由

      監査法人ウィングパートナーズについては、ゼンテックの平成20年3月期の財務書類に係る監査において、同監査法人の業務執行社員が、相当の注意を怠り、重大な虚偽又は脱漏のある財務書類を重大な虚偽及び脱漏のないものとして証明した。

  • 2.公認会計士

    • (1)処分の対象

      • 公認会計士 赤坂 満秋(登録番号: 第8922号 住所:東京都世田谷区)
      • 公認会計士 吉野 直樹(登録番号:第10355号 住所:神奈川県横浜市)
      • 公認会計士 (登録番号:第号 住所:東京都世田谷区)
    • (2)処分の内容

      • 公認会計士 赤坂 満秋について
        業務停止1年6ヶ月
        (平成21年7月15日から平成23年1月14日まで)
      • 公認会計士 吉野 直樹について
        業務停止1年3ヶ月
        (平成21年7月15日から平成22年10月14日まで)
      • 公認会計士 について
        業務停止3ヶ月
        (平成21年7月15日から平成21年10月14日まで)
    • (3)処分理由

      赤坂会計士と吉野会計士は、ペイントハウスの平成17年8月期の財務書類に係る監査において、相当の注意を怠り、重大な虚偽のある財務書類を重大な虚偽のないものとして証明した。

      赤坂会計士と会計士は、ゼンテックの平成20年3月期の財務書類に係る監査において、相当の注意を怠り、重大な虚偽のある財務書類を重大な虚偽のないものとして証明した。

  • 3.事案の概要

    • (1)ペイントハウス案件

      ペイントハウスは、平成17年10月21日に社債管理会社との間で和解契約を締結したことにより、約117億円の債務免除が行われたが、当該債務免除益約117億円を、平成17年8月期に計上した重大な虚偽のある財務書類を作成していた。

      赤坂、吉野両会計士は、債務免除の実現時期について、ペイントハウスの主張や法律専門家の意見書を入手したことなどから、社債権者及びペイントハウスの意思は8月末に債務を免除することにあると考え、平成17年8月末時点で債務免除は行われており、債務免除益を平成17年8月期に計上できる旨の判断を行った。

      しかしながら、赤坂、吉野両公認会計士は社債権者の意思が8月末に債務免除をすることにあることを証明するために十分な監査証拠は収集していなかった。また、平成17年8月末に債務免除益を計上できるとの結論について複数の否定的な見解を入手していた。このため、債務免除益の実現時点について、更に別の法律専門家の意見を聴くなど、追加的な検討が必要であったところ、当該検討を怠り、債務免除益が平成17年8月末に計上できるとの誤った判断を行った。

    • (2)ゼンテック案件

      ゼンテックは、@実態のない事業譲渡に基づくのれんの計上、A架空売上の計上、B売上の繰上計上、C債権譲渡契約の偽装による貸倒引当金計上の回避の方法により、重大な虚偽のある財務書類を作成していた。

      会計士は、@について、実質的な事業譲渡が行われたと判断してのれんの計上を認めていたが、事業譲渡契約が締結されないまま相手方が営業を続けている状態で、ゼンテックの子会社の事業の実態の観察や事業譲渡契約の交渉状況の確認等を十分行わないまま、のれんの計上を認めていた。

      また、A及びCについて、取得した商品リストにない商品の売上や、ゼンテックの説明と契約書の記載内容の相違といった、入手した監査証拠間の矛盾について追加的な確認手続を行なっていなかった。

      赤坂会計士は、総括的な立場でゼンテックの監査に関与していたが、監査調書の査閲等を十分行わなかったことから、会計士が上記の事項について十分な監査手続を行わなかったことを看過した。

  • 4.業務改善命令の内容

    • @品質管理体制整備に係る責任の所在の明確化を含む、今後の監査法人の業務運営に関する改善策を作成すること

    • A社員のうち3名が業務停止となったことを踏まえ、業務管理体制及び監査業務遂行体制の見直しを早急に行い、十分な時間と人員を確保した監査を実施するための業務計画を作成すること

    • B本年4月に提出した改善計画書の変更計画を作成すること

    • C上記の改善策を作成し平成21年8月10日までに報告するとともに、その実施状況を、平成21年4月13日付改善計画書の実施状況と併せて、平成21年9月30日、平成22年3月31日及び平成22年7月8日までに報告すること

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