第13回金融機能強化審査会 議事要旨

1.日時:

平成24年8月2日(木)13時00分〜15時30分

2.議題:

  • 経営強化計画(紀陽ホールディングス・紀陽銀行、豊和銀行及び東和銀行)の審議

3.議事内容

  • 事務局より、紀陽ホールディングス・紀陽銀行、豊和銀行及び東和銀行から提出された経営強化計画の概要等について説明が行われた。

  • 紀陽ホールディングスの片山社長(紀陽銀行頭取)より経営強化計画の概要について説明が行われた後、質疑応答が行われた。概要は以下の通り。

    • 大阪府南部へ積極的に進出することで規模を維持する計画となっているが、地元である和歌山県の方々の声を教えてほしい。
      • 以前は、当行がどこかへ行ってしまうのではないかと心配する声も聞かれたが、和歌山県内の経済力の低下が鮮明となっている中で地域のためにリスクテイクをするためには、もっとエリアを広げて当行自身が力をつけることが大事との意見が現在では多くなっていると感じている。

    • 今回の計画では「ピクシス営業室」が大きな鍵となるようだが、その陣容やこれまでの実績を教えてほしい。
      • 例えば、中小企業の新技術について、大学の先生と協働して製品化や販路獲得支援を行った事例が数件ある。また、当行から中小企業へ出向して経営者をサポートしたり、当行の顧客網を活用して工場監督の経験者を紹介したりしている。さらに、中小企業にとっても海外展開は避けられないことから、「グローバルサポートデスク」というチームを立ち上げ、各種の要望に素早く対応できる体制を作り上げてきたところ。

    • 計画を達成する上で最大のリスク要因と、それを軽減するための取組みについて教えてほしい。
      • この計画期間内で公的資金を返済したいと考えており、最終利益に大きなダメージを与えることなく、着実に剰余金を積み上げることが重要。そのため、国債金利の上昇リスクと大型倒産の発生リスクが最大のリスクと考えている。前者については、金利動向等を十分注視しつつ、デュレーション調整や機動的な運用に努める。後者については、大口先の抜本的な事業再生等に取り組んでいる。

    • 中小企業を中心に後継者不足が問題となっているが、当行の取組みを教えていただきたい。
      • できるだけ我々のエリア内で承継させたいと考えており、何件か実績もある。後継者不足に悩む経営者の本音を素早く捉えられるか否かは、地域密着型金融による顧客との絆の強さによるところが大きい。本気でコミュニケーションをしっかりとることにより、当行で適切に対応出来るよう努力している。

    • 大阪府南部を中心とした営業基盤の強化について、和歌山県との違いなど、特にポイントとなる点は何か。
      • 大阪府南部へ改めて進出するのではなく、もともと当行が地域密着型金融を進めるべきエリアであると思っている。金融機関同士の競争は厳しいが、メガバンクが相手であることも多く、地域金融機関としての強みを全面に出していく。時間的な距離の近さに加え、これまでの努力によって地元企業経営者と当行経営陣のコミュニケーションも緊密であり、当行の強みを十分に発揮できるエリアだと思っている。

  • 豊和銀行の権藤頭取より経営強化計画の概要について説明が行われた後、質疑応答が行われた。概要は以下の通り。

    • 当行の計画は、外部ノウハウの活用が1つの特徴かと思うが、外部ノウハウの積極的な活用と内部の人材育成とのバランスについて、どのように考えているか。内部で費用をかけても強化していきたい部分はどこか。
      • これまでも、例えば、営業企画、支店指導、事務の効率化等、多くの分野で西日本シティ銀行からの人材派遣を受けている。ノウハウ蓄積のきっかけとしては外部の力を借りざるを得ないが、長期的には基本的に内製化していきたい。内製化が進んだ分野もあるが、費用対効果の面で外部の知識を借りざるを得ない分野も多い。現在は過渡期であると認識している。また、内部で強化していきたい部分としては、顧客分析や収益管理のほか、店舗の耐震検査等、人命や顧客サービスに支障を来たす部分について、最低限の投資は必要と考えている。

    • 中小企業向け貸出比率や経営改善支援先割合等では、非常に良い数字を出しているが、経済効果や地域社会への貢献の面で具体的にどういう効果が出てきたか。地域密着型金融を営業現場にどう浸透させ、顧客企業の事業再生や成長支援等に、どう優先順位をつけて取り組んでいくか。また、公的資金を導入して地域を支えていく上で、債務者区分とは違う物差しも必要になるかと思うが、この点についての考え方を教えてほしい。
      • これまで医療・福祉・介護分野を重点産業の1つと位置づけて取り組んできた。大分県も高齢化の進行が非常に早いが、建設資金を支援した介護施設が地域の高齢者をパートタイムで雇用し、地域の雇用創出や生きがい作りにつながっている例がある。また、地域密着型金融の徹底については、商談会のような形ばかりではなく日常業務の中で顧客のニーズをつなぎ、販路拡大等を支援するといった発想が、行員から出てくるようになってきた。債務者区分とは違う物差しについては、難しい質問だが、最終的には自社事業遂行に対する真摯な姿勢・意欲や従業員・得意先等に対する責任感をきちんと持っている経営者であれば、銀行としても全面的にいろいろな形で協力できると考えている。

    • 貸出先数は大幅に減少しているが、貸出残高が増えているのはなぜか。今後、貸出残高を増加させる計画を達成するため、貸出先数を増やすのか、それとも、特定先への貸出残高を増やすのか。
      • 前計画は、どちらかと言えば法人向けに傾注してきたこともあり、貸出先数の主な減少要因は、個人ローン(消費者ローン)である。今後は、顧客に支持されるサービスを提供することで、法人、個人ともに貸出先数を増やし、裾野を拡大していきたい。

  • 東和銀行の吉永頭取より経営強化計画の概要について説明が行われた後、質疑応答が行われた。概要は以下の通り。

    • 顧客支援を行うに当たり、外部のコンサルタント等との関係構築は、現時点でどの程度進んでいるのか。また、実際の活用分野について、顧客のニーズを見ながら柔軟に対応していく考えか、それとも、これから重点的に取組みたい分野が既に決まっているのか。
      • 本部の支援体制のうち、ビジネスソリューションチーム及び医療関連チームについては、既に外部コンサルタントや担当行員も決まっており、実際に支援を行っている。毎月の顧客との相談会で当該コンサルタントと一緒に顧客のニーズを聞き、相談内容をその場で解決するような取組みも行っており、今後とも提案力を強化していきたい。また、群馬県も埼玉県も高い技術を持った企業が多く、特許の申請件数も多いため、知的財産に関する支援についても、国際特許事務所や弁理士の紹介等、基本特許から周辺特許の取得までシステマティックに支援できるようにしていきたい。

    • 能力・役割・成果貢献度を重視した人事制度の改定が「効率化戦略」として掲げられているが、地域密着型金融の強化にも資する制度ではないか。
      • 本年4月から総合職・一般職の区分を導入し、女性行員の渉外行員への登用等を進めている。フルバンクの女性支店長も誕生しており、ご指摘の通り、地域密着型金融の強化にもつながると考えている。

    • 「お客様応援活動」として様々な施策が並んでいるが、海外進出は失敗している企業も少なくなく、支援が難しい分野である。むしろ地域の面的な再生支援などに集中的に経営資源を投入することも考えられるのではないか。
      • 経営資源の配分については、ご指摘の通り、地域で地道に取り組める分野に集中している。ただ、海外に進出せざるを得ない下請け企業等に対して、メイン銀行である当行が相談に十分応じられないという事情もあり、できる限り外部の力を借りながら、少しでもお役に立てるよう取り組んでいる。

  • 3行の頭取が退室した後、3行の経営強化計画について討議が行われた。その際の主な意見は以下の通り。

    • 地域の活性化に資する取組みを行う上では、「選択と集中」も必要。海外進出支援や技術支援等について、顧客と一緒に外で出て行けば良いわけではなく、企業の高い技術力等をできるだけ地元で生かせるような取組みにつなげてもらいたい。監督当局としても、そうした観点からのフォローアップをお願いしたい。
    • 公的資金を受け入れた金融機関の長所、短所等について、ユーザーの視点等からよく分析し、地域金融機関の経営者が公的資金の活用を積極的に検討できるようにしていくことが重要。
  • 以上の討議の後、審査会として紀陽ホールディングス・紀陽銀行、豊和銀行及び東和銀行の経営強化計画について了承することとされた。

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)

監督局 総務課・銀行第二課(内線3391、3392)
本議事要旨は暫定版であるため、今後変更があり得ます。

前のページに戻る