平成13年12月5日
金融庁

中央三井信託銀行株式会社及びさくら信託銀行株式会社の産業活力再生特別措置法に基づく事業再構築計画の認定について

1 .認定計画の概要

中央三井信託銀行株式会社及びさくら信託銀行株式会社から、平成14年1月15日付けで提出された「事業再構築計画」について、産業活力再生特別措置法第3条第1項の規定に基づき審査した結果、同法第2条第2項第1号に規定する事業構造変更及び同項第2号に規定する事業革新を行う者として同法に定める認定要件を満たすと認められるため、1月24日付けで事業再構築計画の認定を行った。

今回認定した申請者2社の事業再構築計画では、これまで以上に専門性を発揮し、顧客ニーズを的確に応えていくため、持株会社の設立等の経営機構改革・事業再構築を行うこととしている。

本件の認定により、持株会社設立等にかかる登録免許税の軽減の特例を受けることが可能となる。

2.事業再構築の実施時期

開始時期 平成14年2月~終了時期 平成16年3月

3.申請者の概要

中央三井信託銀行株式会社

 資本金 3229億円

 代表者 古沢 熙一郎

 本店所在地 東京都港区芝三丁目33番地1号

さくら信託銀行株式会社

 資本金 100億円

 代表者 多賀 圀一郎

 本店所在地 東京都中央区日本橋本町三丁目4番10号

問い合わせ先

金融庁 Tel:03-3506-6000(代表)
監督局銀行第一課  中村(広)(内線3322)、曽根(内線3753)


様式第三

認定事業再構築計画の内容の公表

1.認定年月日 平成14年1月24日

2.認定事業者名 中央三井信託銀行株式会社、さくら信託銀行株式会社

3.事業再構築の目標

(1) 事業再構築に係る事業の目標

○ 環境認識

金融・資本市場および経済のグローバル化が急速に進み、我が国における金融ビッグバンの展開により、銀行経営は新たな時代を迎えている。すなわち、時価会計の本格導入、ペイオフの解禁など国際的なスタンダードが導入されるとともに、情報通信技術の飛躍的な発展により、金融業態間の相互参入、異業種や外国企業などの新規参入が続くなど競争は激化している。

さらに、我が国の景気の後退と株価低迷が続いている中、昨年9月に米国における同時多発テロ事件が発生し世界的な経済停滞が懸念されているなど、銀行の経営をめぐる環境は一層厳しいものになっている。

○ 目標

このような環境認識のもと、中央三井信託銀行株式会社は、これまで以上に専門性を発揮し、お客様のニーズに的確に応えていくため、持株会社を設立するとともに、当社の100%子会社であるさくら信託銀行株式会社(三井アセット信託銀行株式会社に名称変更予定)に対して会社分割制度を用い年金信託・証券信託部門を移管する経営機構改革を行うことを予定している。また、その際、三井系をはじめとする親密企業のご協力を得て資本充実を図ることにより、財務基盤・顧客基盤を大幅に強化することを計画している。

これにより、信託業務をコアとする高度な金融サービス・商品を提供する「トラスト・リーディング・バンク」として、透明性の高い効率的な経営の下で、お客様の期待に即応し、広く社会に貢献する企業グループを目指す。

(2) 生産性の向上を示す数値目標

平成15年度に平成12年度との比較において、持株会社傘下銀行合算ベースの自己資本当期利益率を5.7%上昇させる。

4.事業再構築の内容

(1) 事業再構築に係る事業の内容

○ 中核的事業

次の2部門6事業

  • リテール信託・バンキング部門 : リテール信託、バンキング、証券代行、不動産
  • ホールセール信託部門 : 年金信託、証券信託

○ 選定理由

中央三井信託銀行は、平成12年4月の中央信託銀行と三井信託銀行の合併時以降、信託業務の発展性に着目し専門性を強化すると同時に、経費削減策を大胆かつ前倒しで進めてきたが、これらの施策を更に徹底するとともに、お客様やマーケットの評価を勝ち得ていくため、今般の「経営機構改革」「資本増強」を企図した。

この一連の「経営機構改革」「資本増強」の理念は以下の通りであるが、この取組みを通じて、株主価値の最大化の実現を図る。

  • 持株会社制度導入・分社化による顧客ニーズへの即応
  • 健全性・透明性の高いガバナンスの確立による社会的信頼の獲得
  • 資本増強による顧客・市場の信認の獲得

こうした理念のもと、申請者においては、グループとしての企業価値の極大化を目指し、経営資源を最適に活用していく観点から、持株会社設立後、中央三井信託銀行と三井アセット信託銀行を持株会社傘下とした上で、商法に定める会社分割方式を活用し、中央三井信託銀行の持つホールセール信託部門を、平成14年3月に三井アセット信託銀行へ移管する。なお、新グループの名称については、高度な専門性を発揮し、信託(=トラスト)ブランドの維持向上を図る意を込めて、「三井トラストフィナンシャルグループ」(Mitsui Trust Financial Group)とすることとする。

(2) 事業再構築を行う場所

中央三井信託銀行株式会社 : 東京都港区芝三丁目33番地1号

さくら信託銀行株式会社 : 東京都中央区日本橋本町三丁目4番10号

(平成14年2月1日「三井アセット信託銀行株式会社」へ商号変更予定)

三井トラスト・ホールディングス株式会社:東京都港区芝三丁目33番地1号

(平成14年2月1日設立予定)

(3) 事業再構築を実施するための措置の内容

別表のとおり

(4) 事業再構築の開始時期及び終了時期

開始時期 平成14年2月~終了時期 平成16年3月

5.事業再構築に伴う労務に関する事項

(1)  事業再構築の開始時期の従業員数

<平成13年9月末(実績)> 7,169名

(2) 事業再構築の終了時期の従業員数

<平成16年3月末(計画)> 約5,530名

(3) 事業再構築に充てる予定の従業員数

<平成16年3月末(計画)> 約5,530名

(4) (3)中、新規採用される従業員数

<平成14年度(予定)> 約50名

(5) 事業再構築に伴い出向又は解雇される従業員数

<平成14年2月初予定(持株会社設立時)>

三井トラスト・ホールディングス株式会社へ出向 約60名

<平成14年3月末予定(会社分割時)>

三井アセット信託銀行株式会社へ転籍・出向 約1,000名

なお、従業員数は嘱託、パート、派遣社員を除く。


別表

事業再構築の措置の内容

措置事項 実施する措置の内容及びその実施する時期 期待する支援措置
事業構造変更
 
会社の設立による中核的事業の開始、拡大又は能率の向上
株式移転による中央三井信託銀行株式会社の持株会社の設立
実施時期:実施時期平成14年2月

名称:三井トラスト・ホールディングス株式会社
住所:東京都港区芝三丁目33番地1号
代表取締役社長:古沢熙一郎
資本金:2,600億円

租税特別措置法第80条
勧告等によってする登記の税率の軽減

資本の相当程度の増加による中核的事業の開始、拡大又は能率の向上
持株会社設立後、中央三井信託銀行株式会社の持つさくら信託銀行株式会社の株式を持株会社へ譲渡した上で、持株会社の完全子会社となったさくら信託銀行株式会社が、吸収分割の方法により、中央三井信託銀行株式会社よりその中核的事業である年金信託業務および証券信託業務にかかる事業を承継し、年金信託・証券信託にフォーカスした信託銀行として営業を開始する。
実施時期:平成14年3月

(1)吸収分割を行う会社の概要
(分割をする会社)
名称:中央三井信託銀行株式会社
住所:東京都港区芝三丁目33番地1号
取締役社長:古沢熙一郎
資本金:3,229億円

(承継する会社)
名称:さくら信託銀行株式会社
(平成14年2月1日「三井アセット信託銀行株式会社」へ商号変更予定)
住所:東京都中央区日本橋本町三丁目4番10号
取締役社長:多賀圀一郎
資本金:100億円

(2)吸収分割後の会社の概要
名称:中央三井信託銀行株式会社
住所:東京都港区芝三丁目33番地1号
取締役社長:古沢熙一郎
資本金:未定

名称:三井アセット信託銀行株式会社
住所:東京都中央区日本橋本町三丁目4番10号
取締役社長:未定
資本金:未定

持株会社である三井トラスト・ホールディングス株式会社が親密企業の協力を得て増強した資本を、中央三井信託銀行株式会社が受けいれることにより同社の財務基盤の強化および信用力の向上を実現し、その中核的事業であるリテール信託、バンキング、証券代行、不動産の各業務の効率化を図る。
実施時期:平成14年3月

普通株式の増加により発行する資本金
普通株式の発行により資本金が増加する会社の名称
名称:中央三井信託銀行株式会社
住所:東京都港区芝三丁目33番地1号
取締役社長:古沢熙一郎

・増加前の資本金:  3,229億円
・増加する資本金の額:未定
・増加後の資本金:  未定
・増資の方法: 持株会社による増資
・増資の時期:平成14年3月(予定)
租税特別措置法第80条
勧告等によってする登記の税率の軽減
(吸収分割時および持株会社による傘下銀行の増資時の資本増加の登記に係る登録免許税の軽減)
事業革新
 
第2条第2項第2号ハ
平成14年2月の持株会社設立および同年3月の会社分割により、機能別に子銀行の経営態勢を構築することで、「役務(金融サービス)の新たな提供方式」を実現する。


さらに、各子銀行において様々な事業革新を行うことにより、「役務(金融サービス)の提供の著しい効率化」を実現する。


具体的には、平成15年度(16/3月期)に平成12年度(13/3月期)との比較において、持株会社傘下銀行合算ベースの「業務粗利益1単位当たり」の経費を24.0%減少させる。

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