平成14年7月1日
金融庁

「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部改正について」の発出について

当庁は、7月1日付で、関係金融機関の資金洗浄対策担当責任者宛要請文書「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部改正について(通知)」(別添1)及び「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部改正に関する参考資料について」(別添2)を関係金融業界団体に手交して加盟金融機関への周知徹底方を依頼した。なお、通知文書は当庁ホームページ*上に掲載している。

* http://www.fsa.go.jp/fiu/fiu.html

本件についての問い合わせ先

金融庁 Tel:03-3506-6000(代表)
総務企画局総務課 特定金融情報室 情報係(内線3277)


別添1)

金総第1026号
平成14年7月1日

関係金融機関
資金洗浄対策担当責任者 殿

金融庁総務企画局
特定金融情報管理官
大久保 良夫

組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部改正について(通知)

本年6月12日、公衆等脅迫目的の犯罪行為のための資金の提供等の処罰に関する法律(平成14年法律第67号。別紙参照。以下本通知において「テロ資金提供等処罰法」という。)が公布され、テロ資金提供等処罰法附則第3項の規定により、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成11年法律第136号。以下本通知において「組織的犯罪処罰法」という。)の一部が改正され、本年7月2日(テロ資金提供等処罰法第5条(刑法(明治40年法律第45号)第4条の2に係る部分に限る。)の規定にあっては本年7月11日)から施行されることとなった。

組織的犯罪処罰法の改正の概要及び留意点は下記のとおりであるので、通知する。

  • 組織的犯罪処罰法の改正の概要

    組織的犯罪処罰法に規定する犯罪収益に、テロ資金提供等処罰法第2条(資金提供)に規定する罪に係る資金が追加されるとともに(組織的犯罪処罰法第2条第2項第4号関係)、組織的犯罪処罰法の別表に、テロ資金提供等処罰法第2条(資金提供)又は第3条(資金収集)の罪が追加された(組織的犯罪処罰法別表第64号関係)。

  • 留意点

    今回の改正により組織的犯罪処罰法に規定する犯罪収益の概念が拡大されることから、財産上の不正な利益を得る目的で犯したテロ資金提供等処罰法第2条又は第3条の罪の犯罪行為により生じ、若しくは当該犯罪行為により得た財産若しくは当該犯罪行為の報酬として得た財産又はテロ資金提供等処罰法第2条に規定する罪に係る資金についても、組織的犯罪処罰法第54条第1項の規定による届出(いわゆる疑わしい取引の届出)の対象となる。

    一般的には、業務において収受した財産が上記のようなものであるか否かを取引の外形的な事実のみから判断するのは困難な場合も多いと考えられるが、少なくとも、官報による告示、報道等により公衆等脅迫目的の犯罪行為に関係がある者とされている者については、疑わしい取引の届出において遺漏のないようにすることが必要である。


別添2)

金総第1026号
平成14年7月1日

関係金融機関
資金洗浄対策担当責任者 殿

金融庁総務企画局
特定金融情報管理官
大久保 良夫

組織的犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部改正に関する参考資料について

本年7月2日、公衆等脅迫目的の犯罪行為のための資金の提供等の処罰に関する法律が施行され、それに伴い組織的犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部が改正されますが、この法改正とタリバーン関係者等と関連すると疑われる取引の届出についての従来からの要請との関係等に関して、参考資料を作成しましたので、業務の参考として下さい。


問)
 公衆等脅迫目的の犯罪行為のための資金の提供等の処罰に関する法律が本年7月2日に施行されますが、これにより、金融機関は、テロ資金に係る疑わしい取引についても届出をする必要が生じるのですか。
(答)
 公衆等脅迫目的の犯罪行為のための資金の提供等の処罰に関する法律の施行により、疑わしい取引の届出について定めた組織的犯罪処罰法の関連部分も改正され、これにより、テロ資金に係る取引である疑いがある場合には、疑わしい取引として届出をする必要が生じます。
(問)
 タリバーン関係者等と関連すると疑われる取引については、今後も疑わしい取引として届出をする必要があるのですか。
(答)
 金融機関等は、タリバーン関係者等か否かにかかわらず、テロ資金に係る取引を含め、犯罪収益に関する疑いのある取引については届出義務があります。
 タリバーン関係者等に関連する取引については、薬物犯罪収益に関する取引の疑いがあり、組織的犯罪処罰法上届出を行わなければならないので、そのことを金融機関等に周知させるため、金融機関等に届出を行うよう要請しましたが、現在もその疑いがあるので、引き続き届出を行ってもらう必要があります。
(問)
 疑わしい取引の届出を行わなければならないタリバーン関係者等については、今後もリストが追加される可能性があるのですか。
(答)
 金融庁は、明らかに組織的犯罪処罰法上の疑わしい取引にあたり、かつ、届出を行わなければならないことを金融機関等に特に周知させる必要がある場合には、届出の要請を行うことを検討します。
 タリバーン関係者等についても、その必要があれば、追加の要請を行うことがありえます。
(問)
 金融庁は、今後、タリバーン関係者等以外のテロリストについても、疑わしい取引の届出を行うよう金融機関等に要請をするのですか。
(答)
 金融機関等は、金融庁からの要請の有無にかかわらず、テロ資金を含め、犯罪収益に関する疑いのある取引については届出を行う義務があります。
 今後、タリバーン関係者等以外についても同様の要請を行うか否かは、具体的ケースに応じて判断することになりますが、明らかに組織的犯罪処罰法上の疑わしい取引にあたり、かつ、届出を行わなければならないことを金融機関等に特に周知させる必要がある場合には、届出の要請を行うことを検討します。

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