平成14年9月30日
金融庁

株式会社親和銀行、株式会社九州銀行の産業活力再生特別措置法に基づく事業再構築計画の変更認定について

1.変更計画の概要

株式会社親和銀行及び株式会社九州銀行から提出された「事業再構築計画」に基づき、申請者2者を産業活力再生特別措置法(以下「産業再生法」)第2条第2項第1号に規定する事業構造変更及び同項第2号に規定する事業革新を行なう者として、産業再生法第3条第1項に基づき、平成14年3月29日付けで認定を行っている。

今回、当初計画に記載されていた持株会社の設立の前提となる、「金融機能の早期健全化のための緊急措置に関する法律」に基づく承認を受けて発行した無担保転換社債(劣後特約付)の優先株式への転換に伴う事業構造変更の内容追加等の理由により、申請者2者より「認定事業再構築計画の変更認定申請書」が提出されたため、産業活力再生特別措置法第4条第1項の規定に基づき、当該変更にかかる認定を行った。

2.事業再構築の実施時期

・開始時期 平成14年4月

・終了時期 平成17年3月

3.申請者の概要

株式会社 親和銀行

 資本金   209億円

 代表者   松浦 弘和

 本店所在地   佐世保市島瀬町10番12号

株式会社 九州銀行

 資本金   173億円

 代表者   太田 弘久

 本店所在地   佐世保市島瀬町4番24号

問い合わせ先

金融庁 Tel:03-3506-6000(代表)
監督局銀行第二課 堀本(内線3391)、横山(内線3393)


様式第六

変更認定事業再構築計画の内容の公表

1.認定した年月日

平成14年9月27日

2.変更認定事業者

株式会社親和銀行及び株式会社九州銀行

3.変更後の認定再構築計画の目標

(1) 事業再構築に係る事業の目標

○ 環境認識

金融ビックバンが本格的に進展する中で、金融技術・情報通信技術の著しい発達等の環境変化も加わり、地域や業態間の垣根を越えた金融機関による競争は一層厳しさを増している。

こうした環境の中で、株式会社親和銀行及び株式会社九州銀行(以下「両行」)は、多様化・高度化するお客様の金融ニーズに的確に応えるとともに、経営の効率化と収益力の強化を図り、新時代に相応しい経営体質への転換を図ることが喫緊の課題と認識している。

このような認識に立ち、両行は、将来の合併を前提として、株式移転方式による共同持株会社「株式会社九州親和ホールディングス」を平成14年4月1日に設立し、経営統合を行うこととした。両行は、統合効果の最大化を追求し、単独行では成し得ない業務の再構築に取り組む。

○ 目標

両行は、今般の経営統合を機に経営資源の活用について「選択と集中」を促進し、採算性の低い資産の整理・統合と自らの得意分野・新技術への重点投入によって、事業再構築に取り組む。

ついては、「地元中小企業・個人事業者および個人に対する金融仲介業務」を両行の中核的事業(得意分野)と位置付け、対面・非対面チャネルの体制を整備し、それを支える営業店のクイックレスポンス体制の強化ならびに新しい統合ネットワークシステムを構築することによって最適のサービスを効率的に提供できるビジネスモデルを構築する。

(2) 生産性の向上を示す数値目標

16年度(17/3月期)には平成12年度(13/3月期)との比較において、持株会社傘下銀行合算ベースの自己資本当期利益率が19.63ポイント改善すると見込んでいる。

4.変更後の認定事業再構築計画の内容

(1) 事業再構築に係る事業の内容

○ 中核的事業

地元中小企業・個人事業者および個人に対する金融仲介業務

○ 選定理由

両行は、上記事業部門(中核的事業)を通じて、地域金融システムの安定化に資することは、地域金融機関である両行の重要な役割であると認識している。

また、主力営業エリアにおける既存取引先の深耕と、今回の経営統合により拡大する営業エリアにおいて、両行がこれまで独自に培ってきた営業面のノウハウを活かすことによって、新規取引先の開拓を図り、新しい顧客基盤の拡大を目指す。

このような観点から「地元中小企業・個人事業者および個人に対する金融仲介業務」を今回の業務再構築計画における中核的事業と位置づけ、対面・非対面チャネルの体制を整備し、それを支える営業店のクイックレスポンス体制の強化ならびに新しい統合ネットワークシステムを構築することによって最適のサービスを効率的に提供できるビジネスモデルを構築する。

(2) 事業再構築を行う場所

株式会社親和銀行:佐世保市島瀬町10番12号

株式会社九州銀行:佐世保市島瀬町4番24号

株式会社九州親和ホールディングス:佐世保市島瀬町10番12号

(3) 事業再構築を実施するための措置の内容

別表のとおり

(4) 事業再構築計画の開始時期及び終了時期

開始時期:平成14年4月~終了時期:平成17年3月

5.事業再構築計画に伴う労務に関する事項

(1) 事業再構築の開始時期の従業員数

平成14年3月末実績      2,786人

(うち株式会社親和銀行    1,729人)

(うち株式会社九州銀行    1,057人)

(2) 事業再構築の終了時期の従業員数

平成17年3月末計画      2,520人程度

(3) 事業再構築に充てる予定の従業員数

平成17年3月末計画      2,520人程度

(4) (3)中、新規採用される従業員数

平成14年度採用実績        31人

平成15年度採用予定        23人程度 

平成16年度採用予定        30人程度

(5) 事業再構築に伴い出向又は解雇される従業員数

平成14年8月末実績

九州親和ホールディングスへの出向 75人

(うち株式会社親和銀行      48人)

(うち株式会社九州銀行      27人)


<別表>

事業再構築の措置の内容
措置事項 実施する措置の内容及びその実施する時期 期待する支援措置
事業構造変更
  会社の設立による中核的事業の開始、拡大又は能率の向上
 株式会社親和銀行と株式会社九州銀行は、多様化・高度化するお客様の金融ニーズに的確に応え、経営の効率化と収益力強化を図るため、平成14年4月に共同持株会社「株式会社九州親和ホールディングス」を設立し、経営統合を行った。


 こうした経営体制の下で中核的事業として「中小企業・個人事業者、個人のお客さまへの一層円滑な資金供給」の拡充を行うものであるが、両行においては、この事業を強力に推進するため、チャネル体制の整備やクイックレスポンス体制の強化、新しい統合ネットワークサービス構築による情報支援体制の高度化を図る。


 株式移転による株式会社親和銀行と株式会社九州銀行両行共同での持株会社の設立
 社名:株式会社九州親和ホールディングス
 住所:長崎県佐世保市島瀬町10番12号
 代表取締役社長:松浦 弘和
 設立日:平成14年4月1日
 資本金:200億円
租税特別措置法第80条勧告等によってする登記の税率の軽減
  資本の相当程度の増加による中核的事業の開始、拡大又は能率の向上
 九州銀行は、地元中小企業・個人の皆さまへのより一層の安定的かつ円滑な資金供給に役立て、地域金融機関としての使命を果たすため、「金融機能の早期健全化のための緊急措置に関する法律」による資本増強について金融庁より承認を受け、平成14年3月25日に無担保転換社債(劣後特約付)を発行。


 九州親和ホールディングスは、潜在株式を含め完全子会社としての形態を維持するため、平成14年5月23日、無担保転換社債型新株予約権付社債(劣後特約付)を発行し、整理回収機構は子会社九州銀行が発行した無担保転換社債(劣後特約付)を払込。


 九州親和ホールディングスが発行した無担保転換社債型新株予約権付社債(劣後特約付)ならびに九州銀行が発行した無担保転換社債(劣後特約付)の優先株式への転換によって、自己資本の充実ならびに財務基盤の安定化が可能。


 優先株式の発行により増加する資本金
(1 )九州親和ホールディングス
優先株式の発行により資本金が増加する会社の名称等
 名 称: 株式会社 九州親和ホールディングス
 住 所: 佐世保市島瀬町10番12号
 代表者: 代表取締役 松浦 弘和
増加する資本金の額
 150億円
増加後の資本金
 350億円

(2

)九州銀行
優先株式発行により資本金が増加する会社の名称等
 名 称: 株式会社 九州銀行
 住 所: 佐世保市島瀬町4番24号
 代表者: 取締役頭取 太田 弘久
増加する資本金の額
 150億円
増加後の資本金
 323億円
租税特別措置法第80条勧告等によってする登記の税率の軽減
事業革新
  第2条第2項第2号ハ
「役務(金融サービス)の新たな提供方式」


 従来、営業活動・サービスが充分に行き届いていなかった中小企業・個人事業者、個人のお客さまに対して、対面・非対面チャネルの体制を整備し、それを支える営業店のクイックレスポンス体制を強化することによって、最適のサービスを効率的に提供できるビジネスモデル(お客様サポート戦略)を構築する。


 これまで、すべての営業店において一律に提供してきたフルバンキングの機能を見直し、長崎県を中心とした店舗稠密地区においては、エリアを統括しフルバンキング機能を提供する「中核店」と、地域特性に応じ店舗の役割を明確にした「サテライト店」を設定する。この「中核店」と「サテライト店」とが一体となった営業活動を展開することによって、エリア全体としてこれまで以上のサービス力強化を図る。
 併せて、イーネットやローソンとの提携によるコンビニATMならびにインターネットバンキングの機能拡充などにより、非対面チャネルの充実を図る。


 また、上記のチャネルの整備に加えて、次の営業店事務処理の効率化施策を実施することにより、お客様サービスのクイックレスポンス体制の構築を図る。
 (1) 審査体制、行内決裁体制のスピードアップに向けた体制の見直し。
 (2) イメージ処理を可能とした新営業店端末機の導入。
 (3) 債権書類の本部集中化。
 (4) 自動審査システムの導入。


 情報系・勘定系に加え、音声系ネットもインターネットプロトコルで統合する新しい統合ネットワークを再構築し、これにより、クイックレスポンス体制の充実、情報支援体制の高度化を図り、お客さまへのタイムリーなサービス提供を目指す。


 さらに、両行は、持株会社による経営統合後、統合効果の最大化を目指し、15年4月に合併を予定しており、今後、重複店舗やシステムならびに本部組織の統合により、業務再構築期間中に58億円の統合効果を実現し、大幅な経営コストの削減を図る。

(数値基準)


 今後、上記のとおり地元中小企業・個人事業者、個人のお客さまに対して、最適のサービスを提供することによって収益力を強化し、併せて効率化のための諸施策を実施し体制整備を図ることによって、スリムで強靱な経営体質を築くことが可能となる。


 具体的な数値基準として、平成16年度におけるコア業務粗利益1円あたりの経費を平成12年度との比較において8.55%低減させる。
 ※コア業務粗利益=業務純益 + 一般貸倒引当金繰入額- 債券5勘定尻 + 経費
 

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