平成14年10月10日
金融庁

株式会社福岡シティ銀行の産業活力再生特別措置法に基づく事業再構築計画の認定について

1.認定計画の概要

株式会社福岡シティ銀行から提出された「事業再構築計画」について産業活力再生特別措置法(以下「産業再生法」)第3条第1項の規定に基づき審査した結果、同法第2条第2項第1号に規定する事業構造変更及び同項第2号に規定する事業革新を行なう者として、同法に定める認定要件を満たすと認められるため、10月9日付で事業再構築計画の認定を行った。

2.事業再構築の実施時期

・開始時期 平成14年2月

・終了時期 平成16年3月

3.申請者の概要

株式会社 福岡シティ銀行

 資本金   382億円(平成14年3月期)

 代表者   四島 司

 本店所在地   福岡市博多区博多駅前三丁目1番1号

問い合わせ先

金融庁 TEL 03-3506-6000(代表)
監督局銀行第二課 堀本(内線3391)、横山(内線3393)


様式第三

認定事業再構築計画の内容の公表

1.認定した年月日

平成14年10月9日

2.認定事業者

株式会社福岡シティ銀行

3.認定再構築計画の目標

(1) 事業再構築に係る事業の目標

中小企業・事業者及び個人マーケットへの経営資源の集中を一層強め、顧客のニーズに的確に応える新商品の開発、審査・管理手法の高度化、法人・個人各層に最適なサービスを効率的に提供できる体制を整備することにより、リテール分野におけるリスクとリターンを最適にコントロールし、収益の極大化を目指す「シティ・ニューリテールモデル(e-RRR戦略)」を確立する。

(2) 生産性の向上を示す数値目標

16年3月期には13年9月期との比較において、自己資本当期利益率が34.94ポイント改善すると見込んでいる。

4.変更後の認定事業再構築計画の内容

(1) 事業再構築に係る事業の内容

○ 中核的事業

地元中小企業(特にスモールビジネス層)及び個人取引

○ 選定理由

当行は、これまで地元の中小企業・事業者及び個人の顧客の健全なニーズに迅速に応えていくとともに、質の高い金融サービスの提供を通じて企業の成長と個人の顧客の生活の充実に資することが地域に根差す金融機関としての最大の使命と認識し、積極的な融資推進を図ってきたが、今後もこうしたリテール分野への経営資源の集中配分を進めていく方針であるため。

(2) 事業再構築を行う場所

株式会社福岡シティ銀行:福岡市博多区博多駅前三丁目1番1号

(3) 事業再構築を実施するための措置の内容

別表1のとおり

(4) 事業再構築計画の開始時期及び終了時期

開始時期:平成14年2月~終了時期:平成16年3月

5.事業再構築計画に伴う労務に関する事項

(1) 事業再構築の開始時期の従業員数

平成13年9月末実績      2,260人

(2) 事業再構築の終了時期の従業員数

平成16年3月末計画      2,077人

(3) 事業再構築に充てる予定の従業員数

平成17年3月末計画      2,077人

(4) (3)中、新規採用される従業員数

平成14年度採用実績        32人

平成15年度採用予定        25人程度

(5) 事業再構築に伴い出向又は解雇される従業員数

出向及び解雇の予定はなし

<別表1>

事業再構築の措置の内容
措 置 事 項 実施する措置の内容及びその実施する時期 期待する支援措置
事業構造変更
  資本の相当程度の増加による中核的事業の開始、拡大又は能率の向上
 長崎銀行との経営統合を機に、地元の中小企業及び個人のお客様への安定的かつ円滑な資金供給を行うために、「金融機能の早期健全化のための緊急措置に関する法律」に基づく承認を受け、平成14年1月31日、劣後特約付転換社債の発行により700億円の資本注入を受入れ。


 上記社債につき、平成14年9月30日をもって優先株式に転換。


 劣後特約付転換社債の優先株式への転換により増加する資本金

(1)

劣後特約付転換社債の優先株式への転換によって資本金が増加する会社の名称
名 称:株式会社福岡シティ銀行
住 所:福岡市博多区博多駅前3丁目1番1号
取締役頭取:四島 司

(2)

増加する資本金の額350億円

(3)

増加後の資本金732億円


 上記の公的資金については、新商品の開発、審査・管理手法の高度化、法人・個人各層に最適なサービスを効率的に提供できる体制の整備等、新たなリテールビジネスモデル「シティ・ニューリテールモデル(e-RRR戦略)」の確立のために活用する。これにより、中核事業と位置づける「地元の中小企業(特にスモールビジネス層)及び個人のお客様への一層円滑な資金供給」が可能となるとともに、収益力・能率が向上する。
租税特別措置法第80条
勧告等によってする登記の税率の軽減
事業革新
  第2条第2項第2号イ
「商品の構成又は提供に係る役務の構成の相当程度の変化」

 審査・管理手法の高度化により、従来銀行がその保守的な姿勢から対象としていなかったミドルリスク・ミドルリターンマーケット向け商品を開発する。


 平成14年6月より、当行の自動審査システムを活用し保証協会から保証審査権限の委任を受ける、保証協会との当行単独提携商品「シティビジネスローン」を開発。これにより、中小零細企業・事業者を主たる対象とする保証協会付保貸出への迅速な対応が可能となった。


 今後、自動審査システムのバージョンアップ及び事業者専用スコアリングモデルを構築し(平成14年度下期中完了予定)、銀行融資と商工ローンとの間に位置する空白市場をターゲットとする「クイックビジネスローン」の品揃えを拡大する(平成14年度下期中発売予定)。これにより、零細企業・事業者に対しての一層円滑な資金供給が可能となる。


 平成14年4月より、当行の個人ローン自動審査システムを活用し九州総合信用より保証審査権限の委任を受ける新型ローン「パーソナルローンSP」を開発し、個人のお客様の資金ニーズに迅速にお応えすることが可能となった。


 また、平成14年8月、消費者金融会社との提携商品「シティキャッシュエース」を発売するなど、様々な新商品の開発に取り組んでいる。これにより、従来銀行から疎遠であった消費者金融や信販利用のお客様にまで対象を広げることが可能となる。


 住宅ローンについても、住宅ローン審査システムの高度化(平成14年10月完了予定)や管理センターの機能強化(平成14年10月取組開始)により、品揃えを拡大する。これにより、比較的リスクの高いお客様に対する貸出が可能となる。

(数値基準)


 上記の取組みにより、平成16年3月期に平成13年9月中間期との比較において、新商品による業務収益の合計額が経常収益に占める割合を3.15%引き上げる。
 
  第2条第2項第2号ハ
「商品の販売若しくは役務の提供の著しい効率化」

 従来、営業活動・サービスが充分に行き届いていなかった中小企業・事業者、個人のお客様に対して、最適なサービスを効率的に提供できる営業体制を確立し、リテール資産の増強を図る。


 保証協会付保貸出先を集中管理する「リテールビジネスセンター」の機能を拡充し、営業店の事務負担を軽減するとともに、営業店では手薄になりがちであった小口融資先に対して専門スタッフが電話・DM・FAXによる貸出推進を行うことにより、営業店業務の効率化を進め、当行独自のリモート営業及び管理の手法を確立していく(平成14年10月取組開始)。


 個人取引についても、営業店の業務負担軽減とお客様への高度な提案をサポートするために、個人ローン受付センター、テレバンクセンターの機能充実を図っていく(平成14年10月取組開始)。


 また、インターネットバンキングによる法人向けサービスや個人ローン販売(平成14年度下期中開始・販売予定)、ATMブースの営業拠点化(平成14年度下期中実施予定)を進め、低コスト無人チャネルの強化に取組んでいく。


 上記のセンター機能の強化、無人チャネルの強化に加え、現在展開を進めているエリア営業体制を本格軌道に乗せることで、リテール資産の増強を図る一方、店舗の整理・統合を進め、人員の削減を行う。


計画期間中のリストラ効果
店 舗: 9か店 (△ 約7.2%)
人 員: 183名 (△ 約8.0%)
人件費: 年間19百万円 (△ 約0.1%)

(数値基準)


 具体的な数値基準として、平成16年3月期に平成13年9月中間期との比較において、コア業務粗利益1円当たりの経費を5.98%低減させる。
 

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