平成15年9月24日
 
株式会社北陸銀行の産業活力再生特別措置法に基づく事業再構築計画の認定について
 

.認定計画の概要
 株式会社北陸銀行から、平成15年8月22日付で提出された「事業再構築計画」について産業活力再生特別措置法第3条第1項の規定に基づき審査した結果、同法第2条第2項第1号に規定する事業の構造の変更及び同項第2号に規定する事業革新を行なう者として、同法に定める認定要件を満たすと認められるため、9月24日付で事業再構築計画の認定を行った。



.事業再構築の実施時期
 ・開始時期 平成15年9月
 ・終了時期 平成18年3月



.申請者の概要
  株式会社北陸銀行
  資本金 1,404億円(平成15年3月期)
  代表者 木 繁雄
  本店所在地 富山市堤町通り1丁目2番26号

 
問い合わせ先
 金融庁監督局銀行第2課
  TEL 03-3506-6000(代表)
      (内3320、3366)

様式第三


認定事業再構築計画の内容の公表



.認定年月日   平成15年9月24日



.認定事業者名  株式会社北陸銀行



.事業再構築の目標

 


(1)


 事業再構築に係る事業の目標
 昨今の金融界を取り巻く環境は一段と厳しさを増しており、銀行単独あるいはリースやカード会社単独という形態では、激しい競争に資する収益力の確保は困難となってきている。
 特に、関連会社の役割は、当行の取引先に対する金融サービスの補完的な提供と位置付けており、営業活動の大宗は銀行取引先と重複しており、そのような先に対して銀行業以外の金融サービスを提供するという限定的なものとなっている。
 このような環境の下、これまでのグループ経営体制を見直し、持株会社を軸とした一元経営体制を確立し、より地域に密着した総合金融サービスを提供すべく、「株式会社ほくぎんフィナンシャルグループ」を設立し、持株会社を軸とした一元経営体制の実現によるグループ総体での複合的な営業力・収益力の増強を図っていくものである。


(2)


 生産性の向上を示す数値目標
 平成17年度の自己資本当期利益率を平成14年度との比較において9.0%ポイント上昇させる。



.事業再構築の内容

 


(1)


 事業再構築に係る事業の内容

 

 中核的事業
 ほくぎんフィナンシャルグループが行う以下の業務。

 
 

中小・中堅法人、個人事業主及び個人に対する金融仲介業務

リース業務

クレジットカード業務

ベンチャーキャピタル業務



 選定理由
 事業再構築において、これまでのグループ経営体制を見直し、持株会社を軸とした一元経営体制を確立し、より地域に密着した総合金融サービスを提供すべく、「株式会社ほくぎんフィナンシャルグループ」を設立し、グループ総体での複合的な営業力・収益力の増強を図るとしている。
 具体的には、グループ内外の連携を強化し、グループ内の経営資源の傾斜的配分を行なうことにより、中小企業・個人家業向け貸出や消費者ローンの増強に従来以上に注力していくとともに、ファイナンスリースを中心としたリース業務や外部提携先との連携によるクレジットカード業務及び地元ベンチャー企業の発掘・育成を行なうベンチャーキャピタル業務などについてもグループの中核的事業と位置付けて強化し、収益の増強を図るものである。


(2)


 事業再構築を行う場所

 株式会社北陸銀行

富山市堤町通り1丁目2番26号

 株式会社北陸カード

富山市新富町1丁目2番1号

 北銀リース株式会社

富山市荒町2番21号

 北陸保証サービス株式会社

富山市丸の内1丁目8番10号

 北陸キャピタル株式会社

富山市丸の内1丁目8番10号

 北銀ソフトウエア株式会社

富山市東田地方1丁目5番25号


(3)


 事業再構築を実施するための措置の内容
 別表のとおり


(4)


 事業再構築の開始時期及び終了時期
 開始時期:平成15年9月〜終了時期:平成18年3月



.事業再構築に伴う労務に関する事項

(1) 事業再構築の開始時期の従業員数
   平成15年3月末実績      3,423人

(2) 事業再構築の終了時期の従業員数
   平成18年3月末計画      2,817人

(3) 事業再構築に充てる予定の従業員数
   平成18年3月末計画      2,817人

(4) (3)中、新規採用される従業員数  200人程度

(5)事業再構築に伴い出向又は解雇される従業員数
 <平成15年9月予定(持株会社設立時)> 出向40人程度



(別表)
事業再構築の措置の内容
 
措置事項 実施する措置の内容及びその実施する時期 期待する支援措置
事業構造変更
  会社設立による中核的事業の開始、拡大又は能率の向上
.株式移転による株式会社北陸銀行単独での持株会社設立。
実施時期:平成15年9月


.設立する持株会社の概要
名 称:株式会社ほくぎんフィナンシャルグループ
住 所:富山県富山市堤町通り一丁目2番26号
代表者:取締役社長 木 繁雄
資本金:5百億円
株式移転比率: 1:1
租税特別措置法第80条の2
認定事業再構築計画等に基づき行う登記の税率の軽減
他の会社の株式取得による中核的事業の開始、拡大又は能率の向上
.株式を取得する持株会社の概要
名 称:株式会社 北陸カード
住 所:富山市新富町1丁目2番1号
代表者:取締役社長 加納 十久雄
資本金:36百万円
取得する株式総数:624株
取得後の出資割合:87.39%
派遣する役員数:なし

名 称:北銀リース 株式会社
住 所:富山市荒町2番21号
代表者:取締役社長 小谷 徹夫
資本金:100百万円
取得する株式総数:11,240株
取得後の出資割合:70.25%
派遣する役員数:なし

名 称:北陸保証サービス 株式会社
住 所:富山市丸の内1丁目8番10号
代表者:取締役社長 石黒 達郎
資本金:50百万円
取得する株式総数:100,000株
取得後の出資割合:100%
派遣する役員数:なし

名 称:北陸キャピタル 株式会社
住 所:富山市丸の内1丁目8番10号
代表者:取締役社長 千田 宗之
資本金:250百万円
取得する株式総数:400株
取得後の出資割合:5%
派遣する役員数:なし

名 称:北銀ソフトウエア 株式会社
住 所:富山市東田地方町1丁目5番25号
代表者:取締役社長 桜井 康
資本金:30百万円
取得する株式総数:600株
取得後の出資割合:100%
派遣する役員数:なし
事業革新
  第2条第2項第2号ハ
平成15年9月の持株会社設立以降、持株会社を中心とした経営管理体制、営業体制を構築するとともに、各子会社等の間の連携強化及び外部機関との戦略的提携を行なうことにより、役務(金融サービス)の新たな提供方法を実現する。


.営業連携体制の強化
 
持株会社及びその子会社等の役員等で構成される「マネジメントコミッティ」及びその下部組織として「グループ営業戦略会議」の設置等によりグループ各社間の連携を強化し、地元に対して総合金融サービスを提供し、外部企業との戦略的業務提携も図りながら、グループ総体の収益極大化を目指す。


.営業戦略と経営資源の傾斜的配分
 
(1)  持株会社
 
グループ全体の基本方針・営業戦略を策定し、グループ内営業戦略の確実な実践とグループ内のシナジー効果を発揮できる態勢を構築する。
具体的には、持株会社役員、子会社等社長、子銀行の地区事業部長及び本部部長からなる「マネジメント・コミッティ」を組成し、一元戦略のもとに持株子会社の経営管理を行なうとともに、関連各社の企画部門および人事・総務部門を持株会社の経営企画管理部に集約することにより効率的な経営を目指す。また、不良債権回収部門の一元化を図るため、サービサーを今年度中に設立する予定。
グループ各社が従来から業務提携を深めてきた企業との戦略的アライアンスの一層強化して、外部ノウハウを採り入れるとともに、銀行からも若手・中堅行員を派遣してグループ各社の営業力を強化する。
グループ全体の一元経営管理体制を構築するため、・持株会社は、各子会社の収益性・将来性等を総合的に判断して、グループ横断的に重点部門や重点地域への経営資源の傾斜配分を行なう。
持株会社設立後、平成16年度中を目処に北海道銀行
と経営統合することを見据えて、銀行を含めた持株子会社等各社の北海道地区戦略を見直し、その取り組みを強化する。

(2)

 北陸銀行
 
「地元回帰・リテール強化」を最重要経営課題として取り組んでいる中、特に、中小企業・家業・個人向け貸出に注力する。
具体的には、法人向け「ほくぎんプラザ」の新設や「ローンプラザ」の拡大・営業時間延長などによるインフラ・チャネルの整備、また、スコアリングモデルを活用した新型ローンの発売等商品開発にも注力し、リテール部門の収益力・生産性の向上に努める。
また、北海道銀行との経営統合にあたり、両行の得意分野を活かし、幅広いお客さまにより充実したサービスを提供するとともに、地域を越えたビジネスマッチングなど広域基盤をベースとした独自のビジネスチャンスの開拓を目指す。また、両行合算での顧客基盤の維持・拡大を大前提としつつ、北海道地区で重複するインフラの統合・共同化等により営業の効率化を図る。

(3)

 北陸カード
 
JCB・VISAのデュアルブランドを掲げ、それぞれの特性や強みを生かした営業活動を展開し、カード会員数の増強を図る。
グループ全体としては、銀行のリテール戦略推進と並行してJCB・VISAカード会員増強運動も展開し、シナジー効果も発揮してまいります。その結果として、両ブランドを合わせたカード会員数を平成18年3月までに現状の約27万名から32万名(約18%増)までに増加させる計画としている。
一方、北陸銀行の主要カードローン商品である「スーパーNOW」の保証業務については、銀行のカードローン増強施策により保証残高が20%増加すると見込んでおり、また代弁率の実態に合った保証料率に見直すことにより、現状比250%増の保証料収入を計画している。

(4)

 北銀リース
 
従来より様々な角度からバックアップを受けてきたオリックスと連携・協力関係をより一層強化し、ファイナンスリース部門の更なる増強を図る。
また、現在堅調に伸びているオリックスオートリースへのオートリース取次業務を更に増強すべく、グループ企業内はもとより、グループ企業の取引先等への取次ぎも強化する。
また、従来は銀行からの転籍者主体の人員構成で営業活動を展開してきたが、今後は銀行から若手行員を派遣するなど人員の傾斜的配分を実施し、その活動力を高めていくことで営業基盤を拡大していく方針としている。

(5)

 北陸キャピタル
 
北陸・北海道地区を中心としたベンチャーキャピタル会社としての役割をより一層強化すべく、地方公共団体や地域の研究機関等と連携して、再生ファンドやベンチャーファンドを組成し、地域のベンチャー企業の発掘・育成や新規事業の支援に特化した活動に専念する。

(6)

 北陸保証サービス
 
銀行の信用保証会社として、適正な審査基準のもとクイックレスポンス体制を整えることはもちろんのこと、お客様のライフプランに合わせたローン販売促進の一翼を担うべく、審査体制を充実させる。
また、現在、当行は徹底したリテール戦略のもと、住宅ローンなどを中心とした消費者ローン増強策を展開しており、平成18年3月末までに有担保保証残高50%増を目指す。

(7)

 北銀ソフトウエア
 
グループ全体のコンピュータ・システム関連事業を一括して請け負うIT関連企業として、そのシステム開発及び運用スキルを高めていくと同時に、ローコストオペレーションの実現に向けて注力する。
また、地公体等のシステム開発を中心とした外部向け営業部門への人員の傾斜配分を行い、外部販売比率を現状の14%から20%台に引き上げていく中から、収益力を高めると同時に、グループ全体のシステム関連費用を低減する。


.管理部門の集約化
 
グループ各社で重複する管理部門(企画・人事・総務・財務)については、合理化を実施することにより、グループ全体の効率化を進める。
具体的な数値基準として、平成17年度における粗利益1円あたりの経費を、平成14年度との比較において9.1%低減させる。