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平成16年3月31日
金融庁

ジェー・ピー・モルガン・チェース・バンク東京支店に対する行政処分について

  • 1.  ジェー・ピー・モルガン・チェース・バンク東京支店(以下、「銀行支店」という。)については、不祥事件等届出書、並びに、銀行法第24条第1項及び第48条に基づく報告により、以下のとおり、法令等遵守(コンプライアンス)に関する経営姿勢及び内部管理態勢に重大な問題が認められた。

    • (1)銀行支店は、平成13年5月以降、銀行法第10条第2項第14号に規定する金融等デリバティブ取引業務を、グループ証券会社であるジェー・ピー・モルガン・セキュリティーズ・アジア・プライベート・リミテッド東京支店(以下、「証券支店」という。)に実質的に代理させて行っているが、平成15年5月以降、当庁による指摘を受け、かかる代理による当該業務の運営は、銀行法第47条の2(平成14年3月31日以前は同法第8条)違反であると認識し、業務改善に向けて取り組んでいたものの内容等が不十分であり、法令違反の現況が改善されていないこと。

    • (2)法令違反の状態で運営されていた当該業務において、平成14年12月から平成15年7月までの間、証券支店の金利オプション・トレーダー(銀行支店の従業員であり、証券支店への出向者。以下、「事故者」という。)自身が管理する円金利オプション取引の評価・損失を隠匿する目的で、社外のブローカーと結託して不適正な時価評価の操作を繰り返したこと。

      この結果、「虚偽の時価情報」が反復・継続して銀行支店の顧客に提供され、これに基づいて決算情報が作成された場合には、当該期間の顧客の月末及び期末の決算情報の一部が歪め続けられた可能性があるとともに、銀行支店の自己勘定取引部門、ニューヨーク本店及びロンドン支店の当該ポジションの評価も歪められ、リスク管理上の重大な問題を引き起こしたこと。

    • (3)銀行支店では、当庁の指示により当該不正行為が各顧客に与えた影響の調査が行われた後においても、該当する顧客に対し、当該不正行為の発生と顧客の取引に与えた影響に関する自主的な情報提供や説明が適切に行われていないこと。

    • (4)銀行支店の顧客の与信管理情報や取引の執行状況・実績にかかる記録についても、当該業務を代理する証券支店にて使用・作成されており、顧客情報等の適切な管理が行われていないこと。

    • (5)事故者による当該不正行為は、銀行支店の自己勘定取引を行っているトレーダーや時価を管理するミドル部門から指摘が行われていたにもかかわらず、内部牽制が有効に機能せず、結果的に当該不正行為の発見に長期間を要したこと。

      また、内部監査部門においても、適宜・適時な改善等が指示されていないなど、その機能が十分に発揮されていないこと。

    • (6)平成15年7月に当該不正行為が発覚した後、内部調査及び当庁への報告が行われていたものの、銀行支店では法令等遵守(コンプライアンス)の観点から経営として迅速な対応がなされず、事故者の当該不正行為による顧客に対する影響等の調査、不祥事件等届出の要否の判断、銀行法違反の認識、業務運営・管理責任者等の責任の所在の明確化などに関する一連の検討・判断・報告が、当庁の指示を受けるまで適切に行われず、最終報告までに半年以上も要することとなったこと。

  • 2.  以上を理由として、当庁は、本日、銀行支店に対して、銀行法第47条第2項、第3項及び第26条第1項に基づき、下記の行政処分を行った。

    • (1)法令等遵守態勢を確立し適正な業務運営を確保するため、以下の観点から、法務・コンプライアンス問題に対する内部管理態勢を確立・強化すること。

      • 法令等遵守にかかる経営姿勢の明確化

      • 不祥事件等の法務・コンプライアンス問題の発生に際して迅速かつ機動的な対応が可能な態勢の整備

      • 法務・コンプライアンス部門の機能強化(人的構成と体制の構築を含む)

      • 役職員の法令・諸規則に対する理解と遵守の徹底

    • (2)銀行法第10条第2項第14号に規定する金融等デリバティブ取引の業務運営、取引執行・管理にかかる法令等遵守(コンプライアンス)の徹底及び不正行為等の再発防止を図るため、以下の観点から、当該業務にかかる業務運営及び内部管理態勢(人的構成と体制の構築を含む)を確立・強化すること。

      • 業務の適正な運営・管理

      • 顧客に対する適正な情報の提供及び説明態勢の確保

      • 顧客の与信管理情報や取引の執行状況・実績にかかる記録の適正な管理

      • 内部牽制機能及び内部監査機能の強化とフォローアップ体制の強化

      • 関係する役職員の責任の所在の明確化

    • (3)上記(1)及び(2)にかかる業務の改善計画を平成16年4月30日までに提出し、直ちに実行すること。

    • (4)以後、当該業務の改善計画の実施完了までの間、計画等の進捗・実施状況を3ヶ月ごとに報告すること。

本件に関する問い合わせ先

金融庁 TEL 03-3506-6000(代表)
監督局銀行第一課(内線3751、3752)

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