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平成16年5月20日
金融庁

ドイツ銀行東京支店に対する行政処分について

  • 1.  ドイツ銀行東京支店(以下、「銀行支店」という。)に対する当庁の検査(平成16年2月通知)、及び、銀行法第24条第1項に基づく銀行支店からの報告によると、以下のとおり、業務運営・管理にかかる法令違反等が確認され、法令等遵守(コンプライアンス)に関する経営姿勢及び内部管理態勢等に基本的な問題が認められた。

    • (1)銀行支店は、前回の当庁の立入検査結果(平成12年2月通知)を受け、業務改善に取り組んできたが、今般の当庁の立入検査により、法令等遵守及び経営管理態勢等を含む、多くの項目等について、未だ十分な改善が図られていない業務実態が認められたこと。

    • (2)特に、銀行支店とグループ証券会社であるドイツ証券会社東京支店(以下、「証券支店」という。)との間の業務運営上の適法性の検討やファイアーウォールの確立・監督が不十分などの理由から、前回の立入検査後以降も引き続き、以下のような法令違反や事故等が発生していること。

      • 平成13年8月以降、銀行法第10条第2項第14号に規定する金融等デリバティブ取引業務を、媒介と称して、証券支店に実質的に代理させて行っているが、かかる業務運営は、銀行法第47条の2(平成14年3月31日以前は同法第8条)に違反していること。

        法令違反の状態で運営されていた当該業務において、証券支店による銀行支店の顧客に対する営業・取引執行状況が未管理のまま、顧客の取引にかかる意思確認や取引内容の報告が証券支店から銀行支店に適正に行われていない取引も多数確認されたこと。

      • 平成13年2月から15年8月までの間には、内部管理不在の状況下、証券支店のトレーダーが、銀行支店の銀行勘定にある有価証券(債券)を証券支店の勘定との間で、銀行支店の承認を得ずに売買していた事故が発覚したこと。

    • (3)さらに、銀行支店の管理部門の統括責任者による証券支店が組成した案件の貸出及び匿名組合等への出資等の取引の承認責任者の兼務、銀行支店内における弊害防止措置の適用除外の承認を受けた業務部署の混在配置、銀行支店による証券支店の業務の一部代行、銀行支店の行員の転籍に伴う顧客の非公開情報等の電子記憶媒体等によるグループ他社への持出し、顧客に対する与信情報等の不適切な管理など、前回の立入検査後以降も、銀行支店と在日ドイツ銀行グループ各社との間の業務運営について、改善に向けた必要な措置や対策等が講じられていない問題が認められたこと。

    • (4)この背景として、前回の立入検査後に確認された業務改善事項にかかる具体的取組方法、内部の責任者の任命、及び、業務運営・管理部門に対する具体的な改善指導の徹底を欠いたこと。併せて、今般の立入検査の実施時期まで、経営として改善に向けた取組や内部監査等による定期的な取組状況のフォローアップなどに継続性・一貫性を欠き、経営管理及び内部管理態勢上の責任の明確化が図られてこなかった問題が認められたこと。

  • 2.  以上を理由として、当庁は、本日、銀行支店に対して、銀行法第26条第1項の規定に基づき、下記の行政処分を行った。

    銀行法第26条第1項に基づく命令

    • (1)法令等遵守にかかる内部管理態勢(人的構成と体制の構築を含む)を以下の観点から確立すること。

      • 法令等遵守(コンプライアンス)に取り組む経営姿勢及び経営責任の明確化

      • 法務・コンプライアンス部門の機能強化

      • 役職員の法令・諸規則に対する理解と遵守の徹底

      • 在日ドイツ銀行グループ各社との間のファイアーウォールの確立と顧客情報の管理の徹底

      • 内部牽制機能の整備・強化

      • 内部監査体制の整備・強化、及び、内部監査のフォローアップの実施

    • (2)銀行法第10条第2項第2号に規定する有価証券の売買等、及び、第14号に規定する金融等デリバティブ取引の業務運営、取引執行・管理にかかる法令等遵守(コンプライアンス)の徹底、並びに、当該業務にかかる事故等の再発防止を図るため、以下の観点から、当該業務にかかる業務運営及び内部管理態勢(人的構成と体制の構築を含む)を確立すること。

      • 業務の適正な運営・管理

      • 顧客に対する適正な情報の提供及び説明態勢の確保

      • 顧客の与信管理情報や取引の執行状況・実績にかかる記録等の適正な管理

      • 関係する役職員の責任の所在の明確化

    • (3)上記(1)及び(2)、その他、検査結果通知及び報告命令に記載された事項にかかる業務の改善計画(改善計画を着実に実施するための経営管理態勢の整備・確立及び実効性確保にかかる責任の所在の明確化を含む)を平成16年6月21日までに提出し、直ちに実行すること。

    • (4)以後、当該業務の改善計画の実施完了までの間、計画等の進捗・実施状況を3ヶ月ごとに報告すること。

本件に関する問い合わせ先

金融庁 TEL 03-3506-6000(代表)
監督局銀行第一課(内線3751、3398)

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