平成16年12月27日
金融庁

リレーションシップバンキングの機能強化に関する
アクションプログラムの進捗状況について

(平成15年度〜16年度上半期)

  • 昨年3月に公表した「リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラム」に基づき、金融庁は、平成15〜16年度の「集中改善期間」における中小企業金融の再生と地域経済の活性化に向けた取組み等について、昨年8月末までに各中小・地域金融機関が策定した機能強化計画の提出を受け、その概要について昨年10月に公表したところです。

  • 同プログラムにおいては、中小企業金融の再生に向けた取組みについて、金融機関毎に半期毎の進捗状況を公表し、各業界団体においてこれらを取りまとめ、公表するとともに、金融庁において、同プログラムに記載されている施策の進捗状況及び金融機関の取組み実績を取りまとめ、公表することとされています。

  • これを踏まえ、平成15年度から16年度上半期までの進捗状況について、各業界団体においては、11月30日に全国地方銀行協会及び第二地方銀行協会が公表を行ったところであり、また、本日、全国信用金庫協会と全国信用組合中央協会が公表を行ったところです。金融庁においても、本日、平成15年度から16年度上半期までの施策の進捗状況及び金融機関の取組み実績について取りまとめ、公表を行うこととしました。

お問い合わせ先

金融庁 TEL 03−3506−6000(代表)
監督局銀行第二課細田・宇野(内線3699)
  〃  協同組織金融室 原村・津崎(内線3737)


平成16年12月27日
金融庁

リレーションシップバンキングの機能強化に関する
アクションプログラムの進捗状況について
(平成15年度〜16年度上半期)

I .これまでの経緯

  • 昨年3月に公表した「リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラム」に基づき、金融庁は、平成15〜16年度の「集中改善期間」における中小企業金融の再生と地域経済の活性化に向けた取組み等について、昨年8月末までに各中小・地域金融機関が策定した機能強化計画の提出を受け、その概要について昨年10月に公表したところ。

  • 同プログラムにおいては、中小企業金融の再生に向けた取組みについて、金融機関毎に半期毎の進捗状況を公表し、各業界団体においてこれらを取りまとめ、公表するとともに、金融庁において、同プログラムに記載されている施策の進捗状況及び金融機関の取組み実績を取りまとめ、公表することとされている。

  • これを踏まえ、平成15年度から16年度上半期までの進捗状況について、各業界団体においては、11月30日に全国地方銀行協会及び第二地方銀行協会が公表したところであり、また、本日、全国信用金庫協会と全国信用組合中央協会が公表。金融庁においても、本日、平成15年度から16年度上半期までの施策の進捗状況及び金融機関の取組み実績について取りまとめ、公表を行うこととした。

(参考)対象金融機関数

合計: 598金融機関

地方銀行: 65 (埼玉りそな銀行を含む。)
第二地方銀行: 49
信用金庫: 303
信用組合: 181
(注)信用組合には、職域組合・業域組合が含まれており、地域組合では131組合。

II .施策の進捗状況

  • アクションプログラムに掲げられた施策については、当局において各種会議の立上げ、監督指針の策定等着実な実施を図るとともに、機能強化計画の概要について取りまとめ・公表し、各金融機関の取組みの推進を図ってきたところ。

  • 主な進捗状況は以下の通りであり、同プログラムにおいて金融庁が実施すべきものとして掲げられた施策は同プログラムの今後のフォローアップを除き全て実施されている。

  • (1)各財務局で「産業クラスターサポート金融会議」を立上げ(15年5月下旬〜6月中旬)

  • (2)各財務局・財務事務所で「地域金融円滑化会議」を立上げ(15年6月中旬〜下旬)

  • (3)取引先企業への支援業務に係る銀行法上の取扱い等に関し、事務ガイドラインを改正・公表(15年6月30日)

  • (4)「新しい中小企業金融の法務に関する研究会報告書」の公表(15年7月16日)

  • (5)与信取引に関する顧客への説明態勢及び相談苦情処理機能に関し、事務ガイドラインを改正・公表(15年7月29日)

  • (6)「リレーションシップバンキングの機能強化計画の概要について」を公表(15年10月7日)

  • (7)「リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラムの進捗状況(平成15年度上半期)について」を公表(16年1月16日)

  • (8)検査マニュアル別冊(中小企業融資編)を改訂(16年2月26日)

  • (9)中小・地域金融機関の主な経営指標を当庁ホームページへ掲載(16年4月2日)

  • (10)中小・地域金融機関に対する利用者等の評価に関するアンケート調査結果の公表(16年4月27日)

  • (11)「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」(監督ハンドブック)の策定(16年5月31日)

  • (12)「リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラムの進捗状況(平成15年度)について」を公表(16年6月30日)

  • (13)「リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラムの進捗状況について(平成15年度〜16年度上半期)」を公表(16年12月27日)

III .金融機関の地域密着型金融の機能強化に向けた取組み

  • 1.概要

    16年度上半期までの1年半の「集中改善期間」内における間柄重視の地域密着型金融(リレーションシップバンキング)の機能強化に向けた中小・地域金融機関による取組み実績とこれについての評価及び今後の課題の概要は、以下のとおり。

    • (1)取組み実績

      • 経営改善支援のための体制整備や政府系金融機関との連携など、地域密着型金融を推進するための基本的な態勢の整備等については、既に相当数の金融機関において取組みが行われ、定着が図られている。

      • ビジネスマッチング情報を提供する取組みの強化やスコアリングモデル、財務制限条項を活用した担保・保証に過度に依存しない融資等の中小企業金融の円滑化に向けた取組み等については、強化・拡充が図られてきている。

      • デット・エクイティ・スワップや企業再生ファンドの組成・出資などの事業再生に向けた取組み等については、ノウハウの取得や案件の発掘等、実行に移すまでに一定の期間を要することもあり、成果に結びついていない金融機関もあるものの、件数や融資額等において着実に増えている。

    • (2)評価及び今後の課題

      • 地域密着型金融の機能強化に向けた取組みは、総じて、着実に進捗していると考えられる。また、地域金融機関は、地域密着型金融の中心的な担い手として、今後とも地域経済の活性化や地域の中小企業への金融の円滑化のために、このような取組みを推進していくことが求められるのではないかと考えられる。他方で、創業・新事業支援や早期事業再生などの分野をはじめ、その効果が顕在化するまでには一定の時間を要する取組みが少なくない。したがって、今後ともこうした取組みを継続していく必要があると考えられる。

      • 今後の課題としては、イ)地域の特性等を踏まえた「選択と集中」による個性ある地域密着型金融の推進、ロ)事業再生等における実効性ある取組みと具体的成果の早期実現、ハ)収益性向上・健全性確保に結実させる取組みの推進、が考えられ、これらの点を踏まえた地域密着型金融の更なる機能強化に向けた取組みが期待される。

  • 2.金融機関の取組み実績

    業界団体が取りまとめた各金融機関における中小企業金融の再生に向けた取組み等の16年度上半期までの実績をもとに、その主な傾向をまとめれば以下のとおりである。

    なお、主な特色ある取組みの具体例についてはPDF別紙1を参照。

    • (1)創業・新事業支援機能等の強化

      創業・新事業支援機能等の強化については、総じて、融資審査態勢をはじめとする態勢面の強化が進んできており、こうしたなか、産業クラスターサポートローンや創業支援融資商品による融資等についても成果があらわれつつある。

      • 融資審査態勢の強化

        15年度には、ほとんどすべての銀行が、それぞれの状況に応じて業種別担当者の配置・増強、業種別審査体制の構築、審査に関する組織内の情報共有化の促進等、融資審査態勢の強化に向けて取り組んできたところであるが、16年度上半期には、信用金庫においても業種別審査体制の構築・強化や審査に関する組織内の情報共有化の動きがみられるなど、総じて、融資審査態勢面の強化が進みつつある。また、全業態を通じて、人材育成のための各種研修が実施されている。

        (参考)15年度以降16年度上半期までの実績(以下同じ)

        人材育成のための各種研修受講者数 延べ176,283人(同111,706人)

        (注) ( )書きは15年度の実績(以下同じ)

      • 産学官とのネットワークの構築・活用等

        既にすべての銀行が参加している「産業クラスターサポート金融会議」やほとんどすべての銀行が実施している産学官ネットワークとの情報交換・関係強化に関しても、16年度上半期に信用金庫において取組みが進むなど、中小企業の技術開発や新事業の展開を支援するための体制が構築されてきている。

        こうしたなか、16年度上半期においては、銀行を中心に産業クラスター計画を支援するためのつなぎ融資(産業クラスターサポートローン)が着実に伸びてきているほか、創業支援融資商品による融資についても、16年度上半期に融資制度の創設・強化が目立った信用金庫において顕著に増加しているなど、着実に進展している。

        (参考)

        ・ 産業クラスターサポートローン   64件、  13億円 (   31件、 6億円)
        ・ 創業支援融資商品による融資   3,574件、 331億円 (2,274件、230億円)
      • ベンチャー企業向け業務に係る政府系金融機関等との連携強化

        16年度上半期には、信用金庫において、ベンチャー企業向け業務に係る政府系金融機関との情報交換など、ベンチャー企業の育成支援に係る政府系金融機関との連携強化が進んでいる。こうしたなか、政府系金融機関との協調融資が増加している。なお、日本政策投資銀行と連携し、知的財産権担保融資を実施した銀行もある。

        企業育成ファンドへの出資についても銀行を中心に着実に実施されている。

        (参考)

        ・ 政府系金融機関との協調融資   704件、   668億円 (331件 、330億円)
        ・ 企業育成ファンドの組成又はファンドへの出資実施金融機関数、当該ファンドへの出資額
          88機関、   165億円 (80機関、104億円)
    • (2)取引先企業の経営相談・支援機能の強化

      経営情報やビジネスマッチング情報を提供する取組みの強化は、15年度に引き続き16年度上半期においても進んでいる。

      また、各金融機関とも要注意先債権等の健全債権化等に向けた取組みの強化を図っており、その結果、銀行においては、16年度上半期までに経営改善支援を行った債務者のうち、約2割において債務者区分が上昇している。

      • 経営情報やビジネスマッチング情報を提供する仕組みの整備

        16年度上半期には、信用金庫を中心にビジネスマッチングの情報提供の仕組みの導入・強化が進んでいる。また、約9割の金融機関が、業界団体等の実施する中小企業支援スキルを向上するための外部研修への職員の参加・派遣を行っているなど、取引先企業に対するコンサルティング機能や情報提供機能の強化を図っている。こうしたなか、ビジネスマッチングの成約件数は大幅に増加している。

        なお、広域のビジネスマッチングニーズに対応すべく、県境を越えた複数行等の連携のもとでの経営情報の提供・マッチングに向けた積極的展開の動きもみられる。

        (参考)

        ・ ビジネスマッチングの成約件数   12,519件   (7,334件)
        ・ 中小企業支援スキル向上のための各種研修受講者数
          延べ187,266人   (同121,339人)
      • 要注意先債権等の健全債権化等

        これまでに、ほとんどすべての銀行と約8割の信用金庫で新たに担当部署の設置・増強を図るなど、要注意先債権等の健全債権化等に向けた体制整備強化が図られている。16年度上半期には、コンサルティング会社等の外部機関との連携強化や経営改善マニュアルの策定が進むなど、要注意先債権等の健全債権化等に向けた取組みは、一層強化されてきている。こうしたなか、銀行においては、16年度上半期までに経営改善支援を行った正常先を除く債務者のうち、約2割に相当する約7,300先において債務者区分が上昇している。(「地域銀行における要注意先債権等の健全債権化等に向けた取組みの概要」についてはPDF別紙2参照)

    • (3)早期事業再生に向けた取組み

      早期事業再生に向けた取組みについては、事業再生を行うためのノウハウの習得過程等にとどまっているなど成果に結びついていない金融機関もあるものの、中小企業再生支援協議会の活用等により着実に企業再生に向けた取組みが進んでいるほか、デット・エクイティ・スワップ等の手法を活用した企業再生についても、件数や融資額において着実に増えている。

      • 中小企業再生支援協議会の活用

        ほとんどすべての銀行と8割近い信用金庫において、中小企業再生支援協議会との連携強化・情報交換を図っており、16年度上半期には、同協議会の調整機能等を活用した早期事業再生への取組みが引き続きみられる。

        (参考)中小企業再生支援協議会の活用 1,062件(666件)

      • 企業再生ファンドの組成等

        地域の中小企業を対象とした企業再生ファンドの組成等の取組みについては、政府系金融機関や他の地元金融機関と連携してファンドを組成、あるいは外部機関の組成するファンドへ出資する動きが続いている。

        なお、県境を越えた広域企業再生ファンドの組成の動きもみられる。

        (参考)企業再生ファンドの組成又はファンドへの出資実施金融機関数、当該ファンドへの出資額

        75機関、158億円(39機関、100億円)

      • デット・エクイティ・スワップ、DIPファイナンス等の活用

        デット・エクイティ・スワップ(債務の株式化)、デット・デット・スワップ(債務の劣後ローン化)、DIPファイナンス(再建中の企業に対する運転資金の供給)等の手法については、ノウハウの習得過程等にとどまっているなど成果に結びついていない金融機関もあるものの、外部機関との連携強化が進んでおり、これら手法を活用した企業再生も着実に増えている。

        (参考)

        ・ デット・エクイティ・スワップ   39件、219億円   ( 29件、 175億円)
        ・ デット・デット・スワップ   19件、126億円   ( 6件、  55億円)
        ・ DIPファイナンス   330件、708億円   (216件、603億円)
      • 企業再生支援に関する人材の育成

        ほとんどすべての銀行と約9割の信用金庫が、職員の外部研修への参加・派遣を通じて企業再生支援に関する人材(ターンアラウンド・スペシャリスト)の育成を積極的に図っている。

        また、こうした研修に加え、地元企業など現場での研修や外部機関との連携の強化等を通じて、企業再生支援に関するノウハウの取得や人材等の確保・活用を図っている金融機関もみられる。

        (参考)人材育成のための各種研修受講者数 延べ100,209人(同67,458人)

    • (4)新しい中小企業金融への取組みの強化

      担保・保証に過度に依存しない融資への取組みについては、スコアリングモデルや財務制限条項を活用した融資の推進など、全体的に促進が図られてきている。また、私募債の引受けやCLOの取扱いなど中小企業の資金調達の多様化に向けた取組みについても着実に進んでいる。

      • 担保・保証に過度に依存しない融資の促進

        スコアリングモデル(信用格付モデル)を活用した融資については、全業態を通じて促進が図られてきている。また、財務制限条項(財務諸表が一定の水準を達成できない場合に金利等の融資条件が変更される特約)を活用した融資についても、2割にのぼる銀行が取り組んでおり、融資実績は着実に増加している。また、5割を超える金融機関が与信モニタリングマニュアルの作成等によりローンレビュー(貸出後の業況把握)の徹底を図っている。さらには、第三者保証のあり方を見直す動きも広がっている。

        このように、約8割の金融機関において、担保・保証に過度に依存しない融資のための取組みを実施している。

        (参考)

        ・ スコアリングモデルを活用した商品による融資
        222,362件、 20,118億円 (132,067件、 11,403億円)
        ・ 財務制限条項を活用した商品による融資
        3,383件、 1,089億円 ( 2,264件、 482億円)
      • 中小企業の資金調達の多様化

        中小企業の資金調達の多様化を図る取組みについては、私募債の引受けやCLO(ローン担保証券)の取扱いなど証券化等の取組みを行う金融機関が着実に増加しており、また、売掛債権担保融資に取り組む金融機関も大幅に増加している。

        この結果、銀行を中心に私募債の引受け、CLOを中心とした債権流動化、シンジケートローンへの参画等について実績があがっていることに加え、全業態を通じて売掛債権担保融資の実績も伸びている。

        なお、今般の法改正(債権譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律の一部改正)による債権譲渡及び動産譲渡の公示制度の整備を見据え、動産評価専門会社と共同で、売掛債権・在庫等の資産を担保とした融資スキームを構築し、実施した銀行もある。

        (参考)

        ・ 私募債   4,396件、 6,433億円   (2,816件、 4,146億円)
        ・ 債権流動化、証券化   3,357件、 3,167億円   (1,279件、 1,833億円)
        うちCLO   2,335件、 796億円   ( 828件、  414億円)
        ・ シンジケートローンへの参画(アレンジャー)
          412件、 4,882億円   ( 220件、 2,530億円)
        ・ 売掛債権担保融資   18,305件、 1,559億円   (9,268件、 895億円)
      • 財務諸表の精度が相対的に高い中小企業に対する融資プログラムの整備

        財務諸表の精度が相対的に高い中小企業に対し金利や担保・保証等の面で優遇を行う等の融資プログラムの整備を図るため、外部機関と連携した融資商品の開発・強化や独自の新商品の開発に取り組んでおり、5割を超える銀行が外部機関との連携により、銀行の約3割が独自に、新商品開発・強化を行っている。こうしたなか、当該融資商品による融資実績は大幅に増加している。

        (参考)

        当該商品による融資 24,542件、2,671億円(8,893件、982億円)

    • (5)顧客への説明態勢の整備、相談・苦情処理機能の強化

      いわゆる「説明責任ガイドライン」(「与信取引(貸付契約及びこれに伴う担保・保証契約)に関する顧客への説明態勢及び相談苦情処理機能」に関する監督指針)を昨年7月に公表したこと等を踏まえ、既にほとんどの金融機関において、相談・苦情処理機能の強化のため、営業店指導・内部研修や原因分析・改善等に向けた取組みを実施している。16年度上半期においては、全業態を通じ多くの金融機関が顧客への説明に関する行内規則等の見直し、融資関連約定書の改定、顧客向け説明資料の作成等を行っているほか、説明態勢に係る内部監査機能を整備するなど、顧客への説明態勢の確立に向けた各種の取組みが行われている。

    • (6)ガバナンスの強化

      ディスクロージャーの一層の充実のため、すべての株式非公開銀行において、株式公開銀行と同様に四半期開示を実施している。また、9割を超える信用金庫と3割を超える信用組合において、総代会の仕組みや総代の選考方法を公表し、その透明化を図っている。

    • (7)地域貢献に関する情報開示

      ほとんどすべての金融機関において、各業界団体が公表した「地域貢献に関するディスクロージャーのあり方」を踏まえつつ、引き続き、ディスクロージャー誌やホームページ等において地域貢献に関する情報開示を行っているほか、銀行の約3分の1において地域説明会を開催している。

    • (8)地域の金融システムの安定性確保

      地域の金融システムの安定性確保の観点から、協同組織金融機関については、協同組織中央機関が、個別金融機関の経営の健全性確保等に万全を期すため、再編等に資本増強が必要な個別金融機関に対して優先出資の引受け等を行う資本増強制度等を創設し、その活用を図る等、従来から、協同組織金融機関の中央機関としての一定の役割を果たしてきている。こうしたなか、15年度においては、信金中央金庫が563億円、全国信用協同組合連合会が9億円の資本増強を行っている(なお、16年3月末の残高ベースでみると、信金中央金庫は2,239億円、全国信用協同組合連合会は224億円の資本増強を行っている。)。

      • (注)上記「参考」に記載している実績の計数については、従来から各業界団体等が金融機関に対し実施したアンケート結果をもとに取りまとめているが、15年度の実績については、今回のアンケートにおける15年度実績について取りまとめたものであり、平成16年6月30日に公表した「リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラムの進捗状況(平成15年度)について」における同項目の「15年度の実績」とは異なる場合がある。

  • 3.金融機関の取組みについての評価及び今後の課題

    • (1)金融機関及び利用者(借り手)の見方

      16年度上半期までの地域密着型金融の機能強化に係る進捗状況に関し、財務局において実施した金融機関に対する進捗状況のフォローアップ及び中小企業金融モニタリング並びに金融庁において実施した各方面からのヒアリング等の結果を概観すれば、金融機関及び利用者(借り手)による見方は以下のとおり。

      • 金融機関の見方

        • 取組みは着実に進捗

          ほとんどの金融機関が自らの地域密着型金融の機能強化に向けた取組みについて、概ねスケジュールどおりに進捗していると認識している。特に、審査体制や政府系金融機関との連携などの態勢面の整備や担保・保証に過度に依存しない融資への取組みについて進んでいると評価している。また、こうした取組みを通じて、地域金融機関が地域において果たすべき役割を改めて見直すなどにより役職員の意識・姿勢が変わってきているほか、借り手においても自発的な経営改善に向けた意識改革が進みつつあるとの見方もある。

        • 継続的な取組みが必要

          地域密着型金融の取組みについては、早期事業再生の分野など、その具体的な成果が顕在化するには時間を要するものも多く、継続的に取組みを実施していくことが重要であるとの意見が多い。

        • 優先順位を勘案した重点的な取組みが必要

          アクションプログラムに掲げられた項目全てについて一律に対応する必要がある等の認識から、地域の特性や金融機関の規模、対応能力等を十分に踏まえて優先順位をつけるなどの重点的な取組みが行われていないため、具体的な実績があがっていないとの声が少なくない。

      • 利用者(借り手)の見方

        • 中小企業への融資に対する姿勢や支援に向けた取組みが改善

          総じて、金融機関が積極的に利用者の実態把握に努めるなど、中小企業への融資に対する姿勢や支援に向けた取組みが改善しているとの認識がなされている。こうした点で金融機関の地域密着型金融の機能強化への取組みを評価する声は多い。なかには、商工会議所等への中小企業金融に係る相談・苦情件数が減ってきている、地域金融機関が企業のコンサルティング的な役割を果たすようになっているとの意見もある。

        • 事業再生等の取組みは依然として十分とはいえない

          人材・ノウハウの不足等により、金融機関の早期事業再生や経営指導についての取組みが十分とはいえないとの意見がある。

          また、担保主義から脱却していない、信用保証への傾倒が見られる、企業の潜在的な力量や将来性を評価する「目利き」の能力が十分でない等の指摘もあり、金融機関の個別の取組みに対して、依然として十分とはいえないとの意見も多い。

    • (2)金融機関の取組みについての評価及び今後の課題

      (1)の金融機関及び利用者(借り手)の見方も踏まえた、金融機関の地域密着型金融の取組みに対する評価及び今後の課題は以下のとおり。

      • 取組みは着実に進捗しており今後とも継続が必要

        15年度から16年度上半期までの1年半の間においては、経営改善支援のための体制整備や政府系金融機関との連携など、地域密着型金融を推進するための基本的な態勢の整備等について既に相当数の金融機関において取組みが行われ、定着が図られている。また、ビジネスマッチング情報を提供する取組みの強化やスコアリングモデルを活用した担保・保証に過度に依存しない融資等の中小企業金融の円滑化に向けた取組み等の強化・拡充が図られてきているところであるなど、総じて、地域密着型金融の機能強化に向けた取組みは着実に進捗している。

        他方、中小・地域金融機関は、地域密着型金融の中心的な担い手として、今後とも地域経済の活性化や地域の中小企業への金融の円滑化のために、このような取組みを推進していくことが求められるのではないかと考えられる。また、創業・新事業支援や早期事業再生などの分野をはじめ、その効果が顕在化するまでには一定の時間を要する取組みが少なくない。したがって、今後ともこうした取組みを継続していく必要があると考えられる。

      • 地域の特性等を踏まえた「選択と集中」による個性ある地域密着型金融の推進

        地域密着型金融の推進については、本来、アクションプログラムに基づき、「集中改善期間」内に、各金融機関の経営判断のもとで、地域の特性等に応じて自主的に策定された機能強化計画に沿って各種取組みを実施していくべきものであるが、優先順位を勘案した重点的な取組みが行われていないため、総花的・形式的な取組みにとどまっている金融機関も少なくない。

        これらの金融機関については、地域の特性や金融機関の規模、対応能力等を十分に踏まえ、「選択と集中」により、個性的かつ効果的に地域密着型金融の推進を図っていく必要があると考えられる。

      • 事業再生等における実効性ある取組みと具体的成果の早期実現

        事業再生等の取組みについては、具体的な成果があがっている金融機関と、ノウハウの習得過程にとどまっている金融機関があるなど、その取組み度合いにバラツキがみられる。また、依然として担保主義から脱却していない、企業の将来性等を的確に評価する「目利き」の能力が十分でない等の指摘もあり、更に事業評価能力を向上させていく必要がある。このような地域経済の活性化や中小企業金融の円滑化に資する取組みを促進するため、債務者や金融機関の特性・能力に応じて、人材育成を図ることはもとより、外部機関との連携や外部の人材の活用を図るとともに、情報開示を促進するなど、実効性のある手段を活用し、より多くの金融機関において具体的な成果の早期実現を図っていく必要があると考えられる。

      • 収益性向上・健全性確保に結実させる取組みの推進

        例えば、地域銀行において、16年度上半期までに経営改善支援を行った債務者のうち約2割に相当する約7,300先において債務者区分が上昇しており、こうした取組みを通じて不良債権比率も着実に低下しているなど、健全性の確保等のための取組みには、一定の効果があったものと考えられる。他方で、収益性・健全性の確保に向けた取組みが、地域金融機関全体に浸透し、十分な効果を発揮するためには、なお一定の期間が必要であり、今後ともこうした取組みを継続・拡充していくことにより、具体的な実績に結びつけていく必要があると考えられる。


別紙1 PDF「主な特色ある取組みの具体例」(PDF:156KB)
別紙2 PDF「地域銀行における要注意先債権等の健全債権化等に向けた取組みの概要」(PDF:138KB)

平成16年12月27日
金融庁

リレーションシップバンキングの機能強化に関する
アクションプログラムの進捗状況について
(平成15年度〜16年度上半期)

1.これまでの経緯

  • 昨年3月に公表した「リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラム」に基づき、金融庁は、平成15〜16年度の「集中改善期間」における中小企業金融の再生と地域経済の活性化等に向けた取組みについて、昨年8月末までに各中小・地域金融機関が策定した機能強化計画の提出を受け、その概要について昨年10月に公表したところ。

  • 同プログラムにおいては、中小企業金融の再生に向けた取組みについて、金融機関毎に半期毎の進捗状況を公表し、各業界団体においてこれらを取りまとめ、公表するとともに、金融庁において、同プログラムに記載されている施策の進捗状況及び金融機関の取組み実績を取りまとめ、公表することとされている。

  • これを踏まえ、平成15年度から16年度上半期までの進捗状況について、各業界団体においては、11月30日に全国地方銀行協会及び第二地方銀行協会が公表したところであり、また、本日、全国信用金庫協会と全国信用組合中央協会が公表。金融庁においても、本日、平成15年度から16年度上半期までの施策の進捗状況及び金融機関の取組み実績について取りまとめ、公表を行うこととした。

(参考)対象金融機関数

合計: 598機関

地方銀行: 65行 (埼玉りそな銀行を含む。)
第二地方銀行: 49行
信用金庫: 303金庫
信用組合: 181組合
(注)信用組合には、職域組合・業域組合が含まれており、地域組合では131組合

2.施策の進捗状況(資料1参照)

(資料1) PDFリレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラムの進捗状況(項目別)(PDF:144KB)

3.金融機関の取組み実績(資料2、3、4参照)

(資料2) PDFリレーションシップバンキングの機能強化計画の進捗状況(PDF:108K)(平成15年度〜16年度上半期)
(資料3) PDF特色ある取組みの具体例(PDF:173KB)
(資料4) PDF地域銀行における要注意先債権等の健全債権化等に向けた取組み(PDF:246KB)
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