英語版はこちら新しいウィンドウで開きます

平成16年12月28日
金融庁

株式会社みずほ銀行に対する行政処分について

  • 1.  株式会社みずほ銀行から、銀行法第53条第1項及び銀行法施行規則第35条に基づく不祥事件等届出書の提出があり、営業店において、顧客からの照会をきっかけとして、渉外担当行員による顧客預金の着服等が発覚し、行内調査の結果、4年以上の長期間にわたり、累計で10億円以上の不正払出を行っていたことが判明したとの報告を受けた。

  • 2.  上記報告によれば、○長年、渉外担当であった行員は、例えば高齢の富裕層で銀行に対する信頼も厚く銀行員に諸手続きを任せてくれるような顧客の特徴を熟知していたこと、○顧客からの定期預金等の店舗外取次に際し、所要の手続書類に顧客から依頼を受けた内容に即して必要事項を記載の上、写しを顧客へ交付して通帳等を預るべきところ、行内規定に反する取扱いを行って不正払出を繰り返していたこと等が確認されている。

  • 3.  本件届出を受け、当庁として、銀行法第24条に基づき、同行に対し、このような不祥事件の発生原因及び長期間にわたり発見できなかった理由等について報告を求めて検証した結果、以下のとおり、同行については、法令等遵守に関する経営姿勢及び内部管理態勢に重大な問題が認められた。

    • (1)頭取を委員長とする業務監査委員会が、平成14年11月に、着服等の不祥事件の傾向分析及び再発防止のための課題の報告・提言を受けていたものの、その後、経営陣が率先垂範して施策の実施に取り組んでおらず、法令等遵守に係る経営姿勢が不十分なものであったこと。

    • (2)その結果、営業店内の管理職による業務管理の強化や、同一部署の長期在籍者に対する業務・人事管理体制が実効性を欠いたままとなっていることなど、過去の類似の不祥事件を踏まえた抜本的な再発防止策の策定・実施が行われておらず、全行的な法令等遵守態勢が確立されていないこと。

    • (3)また、営業店においても、不正防止の観点から行内規定により実施することとされている店舗外取次に係る業務管理手続(例えば管理職による店舗外取次先への単独訪問による牽制)が徹底されていないなど、日常的な相互牽制機能が不十分なものとなっていること。

    • (4)さらに、業務監査部による営業店監査において、本件不祥事件にかかる取次業務の不備や内部牽制上の問題点について指摘を行っているにもかかわらず、不祥事件の未然防止・早期発見に対する関係役職員の意識の欠如から、本件不祥事件を銀行自らで発見することができずに顧客からの申し出を受けて発覚したこと等、自浄機能が発揮されず内部監査機能が実効性を欠いたものとなっていること。

  • 4.  以上を理由として、本日、同行に対し、銀行法第26条第1項の規定に基づき、下記の内容の業務改善命令を発出した。

    • (1)法令等遵守態勢を確立し健全な業務運営を確保するため、以下の観点から内部管理態勢を充実・強化すること。

      • 法令等遵守(コンプライアンス)に取り組む経営姿勢の明確化(責任の所在の明確化を含む)

      • 類似の不祥事件に対する抜本的な再発防止策の策定による全行的な法令等遵守態勢の確立

      • 営業店における店舗外取次に係る日常的な相互牽制機能の強化

      • 内部監査機能の実効性確保(着服等の不祥事件に関する支店業務の監査方法の見直し、監査実施の徹底及び監査後のフォローアップの強化)

    • (2)上記(1)に関する業務改善計画(改善計画を着実に実施するための経営管理(ガバナンス)態勢の整備・確立及び実効性確保にかかる責任の分担の明確化を含む)を平成17年1月28日までに提出し、直ちに実行すること。

    • (3)上記(2)の実行後、当該業務改善計画の実施完了までの間、平成17年3月期を初回として、四半期毎の進捗・実施状況等を翌月15日までに報告すること。

問い合わせ先

金融庁 TEL 03-3506-6000(代表)
監督局 銀行第一課(内線3395、3328)

サイトマップ

ページの先頭に戻る