平成16年10月26日
金融庁

企業内容等の開示に関する内閣府令等の一部を改正する内閣府令(案)の公表について

金融庁では、証券取引法等の一部を改正する法律の一部の施行等に伴い、企業内容等の開示に関する内閣府令等の一部を改正する内閣府令(案)を別紙のとおり取りまとめましたので公表いたします(概要については別紙1、具体的な改正内容については別紙2、別紙3、別紙4、別紙5、別紙6、別紙7、別紙8、別紙9、別紙10及び別紙11をそれぞれ参照)。

これについてご意見がありましたら、平成16年11月4日(木)17時00分までに、氏名又は名称、住所、所属及び理由を付記の上、郵便、FAX又はインターネットにより下記にお寄せ下さい。ただし、電話によるご意見はご遠慮願います。

なお、頂戴したご意見につきましては、氏名又は名称も含めて公表させていただく場合があるほか、個別には回答いたしませんので、予めご了承下さい。

【ご意見の送付先】

金融庁総務企画局企業開示参事官室
〒100-8967  東京都千代田区霞が関3-1-1 中央合同庁舎第4号館
FAX番号:03-3506-6266

【内容についての照会先】

金融庁 Tel:03-3506-6000(代表)
総務企画局企業開示参事官室(内線3652・3671)

ご意見の募集は終了しました。ご協力ありがとうございました。


企業内容等の開示に関する内閣府令等の一部を改正する内閣府令(案)の概要

1.目的

「証券取引法等の一部を改正する法律(平成16年法律第97号)」の一部の施行等に伴い、また、昨年12月の金融審議会第一部会報告「市場機能を中核とする金融システムに向けて」の公表等を踏まえ、企業内容等の開示に関する内閣府令等について所要の改正を行う。

2.改正の概要

(1)  目論見書制度の合理化

  • 投資信託証券に係る目論見書の記載内容の簡素化(有価証券届出書の記載内容の3部構成化)

    法第13条第2項の改正により、目論見書の記載事項については「交付目論見書」及び「請求目論見書」に区分しそれぞれの具体的な記載事項を内閣府令に委任されることとなったことに伴い、内閣府令において当該記載事項の所要の改正を行う。なお、投資信託証券について、「交付目論見書」及び「請求目論見書」に区分し、株券、社債券等その他の有価証券は「交付目論見書」に限ることとする。

    また、法第13条第2項から第4項までの目論見書、要約目論見書等の記載内容として府令委任規定が削除されたことから、内閣府令において所要の改正を行う。

    投資信託証券に係る有価証券届出書の様式について、「交付目論見書」、「請求目論見書」及び「公衆縦覧項目」の順番に区分するための改正を行い、有価証券報告書及び半期報告書についても有価証券届出書と同様の記載項目順にするための改正を行う。

    • 《企業内容等の開示に関する内閣府令(以下「開示府令」という。)第12条~第14条、外国債等の発行者の内容等の開示に関する内閣府令(以下「外債府令」という。)9条から11条、特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令(以下「特定有価証券開示府令」という。)15条~16条の3》
  • 募集又は売出しにおける条件決定時の訂正目論見書の特例

    発行価格等を記載しないで交付した目論見書に発行価格等を公表する旨及び公表の方法が記載され、かつ、当該公表の方法により当該価格等が公表された場合には、当該発行価格等の決定に係る訂正目論見書の交付を免除するための改正を行う。

    当該公表の方法について、内閣府令では日刊新聞紙2紙による方法、又は日刊新聞紙1紙及び発行者等のホームページへ掲載する方法とするための改正を行う。

    • 《開示府令14条の2、外債府令11条の2、特定有価証券開示府令14条の2》
  • 目論見書電子交付要件の緩和

    目論見書の電子交付方法のうち、ホームページを閲覧する方法として、従来目論見書の情報を5年間常時アクセス可能な状態にすることが求められているが、販売会社によって大きなコストとなっていること等から、当該要件に代えて、投資者から閲覧請求があった場合に、電子メールや郵送で交付することを要件とする改正を行う。

    • 《開示府令23条の2、外債府令18条の2、特定有価証券開示府令32条の2》
  • 目論見書への販売手数料の記載方法

    発行者が有価証券届出書(目論見書)に具体的な手数料の金額又は料率を記載することにより、国内投資信託の販売会社が自由に手数料の金額又は料率を設定することを妨げているとの指摘があることから、「販売手数料」の記載方法については、金額又は料率の上限を記載したうえで、具体的な手数料の金額又は料率についての照会方法を記載する方法に限定することが適切であると考えられる。この場合、当該金額又は料率が上限である旨を併せて記載する改正を行う。

    • 《特定有価証券開示府令4号様式、4号の3様式》

(2)  公開買付制度の改正

  • 公開買付制度への投資証券の導入

    投資法人の発行する投資証券を公開買付制度の適用対象とするため、株式会社を認識する「会社」を「発行者」に、「応募株主」を「応募株主等」に、「総株主の議決権」を「総議決権の数」に、「対象会社」を「対象者」に、「株主」を「株主又は投資主」等に改める等の改正を行う。

    • 《発行者である会社以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令(以下「他社株買付府令」という。)》
  • 「公開買付開始公告」の内容の見直し

    公開買付者及び特別関係者が既に公開買付けの対象会社の株券等を保有している場合において、当該公開買付けにより取得しようとする株券等に係る議決権の数が当該会社の総株主の議決権に占める割合が分かりにくいとの指摘があり、投資者及び株主にとって重要な情報であると考えられることから、公開買付開始公告の掲載事項に「買付け等の前における公開買付者及びその特別関係者の株券等所有割合及びその合計」及び「買付予定の株券等に係る議決権の数が当該会社の総株主の議決権に占める割合」を追加するための改正を行い、同様に、公開買付届出書の記載事項として追加する改正を行う。

    • 《他社株買付府令10条、2号様式》
  • 買付条件等の変更に伴う公開買付期間の延長の弾力化

    買付条件等のうち公開買付期間の延長は、買付価格の引上げ、買付予定株数の増加等とは異なり、応募株主の判断に影響を及ぼす変更とは考えられないことから、「公開買付期間を延長する場合であって、他の買付条件等に変更がないとき」に限り、当該「公開買付期間の延長」する期間とするための改正を行う。

    • 《他社株買付府令22条》

(3)  投資事業有限責任組合等の出資持分のみなし有価証券化

  • 募集又は売出しの整備

    投資事業有限責任組合、匿名組合及び民法の任意組合の組合契約出資持分について、政令において特定有価証券と整理されたことから、募集又は売出しを行う場合の有価証券届出書の様式を整備するとともに、有価証券報告書、半期報告書等も併せて整備することとする。なお、当該届出書等の提出先は、他の特定有価証券と同様に関東財務局とする。

    • 《特定有価証券開示府令5条、10条、22条、28条、3号の2様式、3号の3様式、6号の2様式、6号の3様式、9号の2様式、9号の3様式、12号の2様式、12号の3様式》
  • 私募の整備

    組合契約出資持分のプロ私募の要件として、「組合契約に転売制限(適格機関投資家に譲渡する場合以外の譲渡が禁止される旨の制限)が付されていること」とし、少人数私募の要件として、「組合契約に転売制限(一括して譲渡する場合以外に譲渡することが禁止される旨の制限)が付されていること」とする改正を行う。

    また、同一種類の有価証券となる組合契約出資持分は、「契約書に記載された組合の事業及び組合の名称」が同一であるものとする改正を行う。

    • 《証券取引法第二条に規定する定義に関する内閣府令(以下「定義府令」という。)5条~7条》

(4)  銀行等による証券業務の範囲の拡大に伴う海外発行証券の国内勧誘の整備

海外発行証券の国内での少人数向け勧誘に際し、条件付勧誘を免除するため勧誘者(証券会社、証券仲介業者)が外国証券内容説明書を交付しなければならないとされているが、銀行等の登録金融機関が証券会社等との間で株式等の売買の媒介等の業務を営むことが可能とされたことに伴い、証券会社、証券仲介業者とともに登録金融機関を当該勧誘者とするための改正を行う。

  • 《開示府令14条の16、外債府令11条の2、特定有価証券開示府令21条》

(5)  規制緩和等の整備

  • 募集又は売出しに係る要件緩和

    企業による資金調達の円滑化の観点から、その募集又は売出しが届出を要するか否かを判断するための金額を通算する期間を現行の2年から1年に短縮するための改正を行う。

    • 《開示府令2条、外債府令1条の2、特定有価証券開示府令21条》
  • 有価証券届出書等の記載事項の見直し

    • 株式公開情報における「特別利害関係者等の株式等の移動状況」

      株式を上場しようとする会社が証券業協会における「グリーンシート」銘柄である場合は、不特定かつ多数の投資者により売買されることから、株式公開情報の「特別利害関係者等の株式等の移動状況」及び「第三者割当等の概況」に記載される状況を把握することが困難であることから、その記載に代えて最近事業年度の末日の2年前の日から有価証券届出書提出日までの間における株式の「月別売買高」及び「月別最高・最低株価」を記載するための改正を行う。

      • 《開示府令2号の4様式》
    • 株式公開情報における「株主の状況」

      株式を上場しようとする会社の有価証券届出書には株式公開情報における「株主の状況」として上位100名程度の株主の氏名、住所、所有株式数及び株式所有割合を記載することとされているが、株式公開時の株主数は限られており、上位100名の記載は多いのではないか、また個人情報保護の観点から個人の住所の記載は問題ではないかとの指摘があることから、「株主状況」の記載を上位50名程度とし、個人株主の住所は上位10名に含まれる者を除き「市区町村」までの記載とする旨の改正を行う。

      • 《開示府令2号の4様式》
  • 「適格機関投資家」に関する届出手続の緩和

    適格機関投資家に係る届出を行うことができる機会を増やすこと等により、「私募市場」を活用しやすいものとし、その活性化を図るため、適格機関投資家に係る届出期間を年2回(7月及び1月)とし、適格機関投資家である期間を2年間とする改正を行う。

    なお、届出を行ったことにより適格機関投資家となったベンチャー・キャピタル会社、厚生年金基金、事業会社については、金融庁長官が投資家保護の観点から適格機関投資家として相応しくないと判断した場合、金融庁長官の指定により適格機関投資家から除外することができるための改正を行う。

    また、届出を行った者についての官報への公告については、届出を行った者の名称及び住所のほか、適格機関投資家に該当する期間及び届出を行った者が非居住者である場合には本邦内における連絡先についても公告するための改正を行う。

    • 《定義府令4条》
  • 社債の「私募」に係る転売制限に関する要件の緩和

    社債等登録法により社債を登録する場合、外国会社が社債を国際的に発行する場合等においては、当該社債に転売制限が付されていることが明白となる名称を付すこと及び当該社債の券面に転売制限等を記載することが困難な場合があり、この場合、当該社債については「少数私募」又は「プロ私募」の適用はないこととなる。

    このため、このような場合についても「少人数私募」又は「プロ私募」が適用され得るよう、転売制限に関する要件として、社債を「少人数私募」又は「プロ私募」として発行する場合には、当該社債に転売制限が付されている旨等を記載した書面を交付すること等を追加するための改正を行う。

    • 《定義府令5条、7条》
  • 募集に係る届出要件(人数通算)における「同一種類の有価証券」の定義の明確化

    「同一種類の有価証券」に該当するか否かについて、「他社株転換社債」等はその要件が明示的に定められていないため、普通社債についての要件が適用され、同一種類とは考えられない普通社債と通算することとされているが、「他社株転換社債」及び「新株予約権等以外の権利の表された社債」を普通社債とは別の有価証券とするための改正を行う。

    • 《定義府令6条》
  • 発行登録制度への投資証券の導入

    投資法人が発行する投資証券には、継続的に有価証券報告書が提出され、また、証券取引所に上場、売買されていることにより、当該投資法人の情報は十分に周知されていると認められるものがあることから、発行者である投資法人の情報が十分に周知されていると認められる投資証券については、組込方式若しくは参照方式の有価証券届出書又は発行登録制度を利用できるようにするための改正を行い、当該様式について新たに整備する。

    • 《特定有価証券開示府令11条の2、11条の3、18条~18条の10、4号の3の2様式、4号の3の3様式、4号の4の2様式、4号の4の3様式、15号様式~24号様式》
  • 短期決算型の投資信託証券に係る臨時報告書の提出免除

    計算期間が短期(6月未満)である投資信託については6月ごとに有価証券報告書を提出し、計算期間(1月未満は1月)ごとに信託財産の計算に係る書類を臨時報告書として提出することとされているが、発行者の事務負担の一層の軽減をも踏まえ、計算期間が3月未満である場合には、3月ごとに信託財産の計算に関する書類を記載した臨時報告書の提出するための改正を行う。

    • 《特定有価証券開示府令29条》

(6)  その他の整備

  • 社債等振替法の一部改正に伴う整備

    「株式等の取引に係る決済の合理化を図るための社債等の振替に関する法律等の一部を改正する法律」により、商法第224条ノ3に規定する「株主名簿の閉鎖期間」の廃止について10月1日に施行されたことから、有価証券届出書等の記載内容から当該項目を削除するための改正を行う。

    • 《開示府令2号様式、2号の5様式、3号様式~4号様式》
  • 参照方式の有価証券届出書の要件の明確化

    参照方式による有価証券届出書による届出を利用する要件の1つとして、国内の取引所に上場されている場合とされているが、「証券取引所に上場されている」という規定では外国の取引所も含まれるとの指摘があることから、対象となるのが国内の取引所であることを明確にするため「本邦」を追加するための改正を行う。

    • 《開示府令9条の4》
  • その他

    その他の所要の整備を行う。

    • 《上記項目ごとに掲げた内閣府令、上場会社等の役員及び主要株主の当該上場会社等の特定有価証券等の売買に関する内閣府令、株券等の大量保有の状況に関する内閣府令、証券取引法施行令第三条の四第四号に掲げる特定有価証券を定める内閣府令及び発行者である会社による上場株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令》

3.施行日

平成16年12月1日から施行する。


(別紙2) PDF企業内容等の開示に関する内閣府令(昭和48年大蔵省令第5号)(PDF:100KB)
(別紙3) PDF外国債等の発行者の内容等の開示に関する内閣府令(昭和47年大蔵省令第26号)(PDF:54KB)
(別紙4) PDF上場会社等の役員及び主要株主の当該上場会社等の特定有価証券等の売買に関する内閣府令(昭和63年大蔵省令第40号)(PDF:9KB)
(別紙5) PDF株券等の大量保有の状況に関する内閣府令(平成2年大蔵省令第36号)(PDF:13KB)
(別紙6) PDF発行者である会社以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令(平成2年大蔵省令第38号)(PDF:103KB)
⇒「発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令」に改める。
(別紙7) PDF証券取引法第二条に規定する定義に関する内閣府令(平成5年大蔵省令第14号)(PDF:62KB)
(別紙8) PDF証券取引法施行令第三条の四第四号に掲げる特定有価証券を定める内閣府令(平成5年大蔵省令第15号)(PDF:9KB)
⇒「証券取引法施行令第三条の四第五号に掲げる特定有価証券を定める内閣府令」に改める。
(別紙9) PDF特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令(平成5年大蔵省令第22号)(PDF:564KB)
(別紙10) PDF発行者である会社による上場株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令(平成6年大蔵省令第95号)(PDF:46KB)
⇒「発行者による上場株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令」に改める。
(別紙11) PDF投資信託及び投資法人に関する法律施行規則(平成12年総理府令第129号)(PDF:10KB)

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