平成12年9月12日
金融庁

株式会社さくら銀行の産業活力再生特別措置法に基づく事業再構築計画の認定について

1.認定計画の概要

株式会社さくら銀行から平成12年9月4日付けで提出された「事業再構築計画」について、産業活力再生特別措置法第3条第1項の規定に基づき審査した結果、産業活力再生特別措置法第2条第2項第1号に規定する事業構造変更及び同項第2号に規定する事業革新を行う者として産業活力再生特別措置法に定める認定要件を満たすと認められたため、9月12日付けで事業再構築計画の認定を行った。

今回認定した株式会社さくら銀行の事業再構築計画では、国内初のインターネット/オンライン専業銀行の設立による個人リテール部門の事業再構築により、収益性・効率性を向上させることを目標としている。

本件の認定により、新銀行設立時の登録免許税の軽減の特例を受けることが可能となる。

2.事業再構築の実施時期

開始時期  平成12年4月~終了時期  平成15年3月

3.申請者の概要

株式会社さくら銀行

 資本金   10,427億円

 取締役頭取   岡田 明重

 本店所在地   東京都千代田区九段南一丁目3番1号

問い合わせ先

金融庁 TEL 03-3506-6000(代表)
監督部銀行第一課
 吉野(内3396)、家根田(内3325)


様式第三

認定事業再構築計画の内容の公表

 

1 .認定年月日

平成12年9月12日

2.認定事業者名

 株式会社さくら銀行

3.認定事業再構築計画の目標

(1) 事業再構築に係る事業の目標

当行は国内営業部門において邦銀随一の国内営業基盤を活かし、個人取引および中小企業取引といったリテール分野に経営資源を重点配分し、信用リスクに見合った適性利鞘を確保することを主体とする貸出金損益の改善、個人ローンの積上げ、投資信託等新たな金融商品の販売を通じ、粗利益の増強を図る一方、チャネル改革により効率的な渉外体制を構築することによって、顧客の利便性を確保しつつ更なる経費の削減を実現し、「ローコスト・リテールバンク」として確固たる収益基盤の確立を目指す「経営健全化計画」を平成11年3月に策定、その抜本的な構造改革を進めている。

この改革の一環として、当行はコアビジネスと位置付けるリテール戦略をさらに発展させるべく、ネットワーク事業の展開を進めている。ネットワーク事業への取組みの基本であるチャネル戦略は、「お客様へのコンタクト力の強化」と「ローコスト構造への転換」を同時に達成するために、有人拠点の再編・コールセンターの拡充・コンビニバンキングの推進等のリアルネットとパソコンや携帯電話によるインターネットバンキングといったバーチャルネットを組み合わせ、お客様に「いつでも、どこでも、簡単に」サービスを利用いただく体制の構築を進めていくものである。

〈 国内初のインターネット/オンライン専業銀行の設立による個人リテール部門の事業再構築〉

今日の情報技術の急速な進歩により、インターネット技術を利用してネットワークを利用する機会が急速に拡大している。とりわけインターネットの国内利用者が現在の2,000万人弱から数年で6,000万人にまで達すると見られている中、いわゆるネットバンキングの利用者が今後急速に増加していくことはまず確実で、バーチャルネット戦略は非常に重要なものである。このような環境認識の下、21世紀に向けた先進的金融事業として我が国初の「インターネット/オンライン専業銀行(新ネット銀行)」を設立し、本店以外無店舗、スリムな組織による小人数体制、最新テクノロジーを駆使したオープン系システムを備えることにより、リアルの店舗と渉外人員を前提とした既存の銀行形態から脱却した「ローコスト体質のネットバンク」を実現し、マスコンシューマーを対象とする新たなコンシューマー事業を立ち上げ、オールさくら銀行としての収益性・効率性を向上させることを目標とする事業構造変更と事業革新を実施する。

(2) 生産性の向上を示す数値目標

平成14年度における自己資本当期利益率(新ネット銀行とさくら銀行の合算自己資本当期利益率)を平成11年度に比べ3.6%ポイント上昇させる。

4.認定事業再構築の内容

(1) 事業再構築に係る事業の内容

○ 中核的事業

インターネット/オンライン専業銀行事業(主に個人のお客様とのお取引向け)

○ 選定理由

個人取引、中堅・中小企業取引といったリテール事業において、当行は邦銀随一の国内営業基盤を有し、競争力優位のある本事業は当行にとっての本業と位置付けている。

また、当行国内店における預金残高は27兆円にのぼるが、そのうちの15兆円、比率にして56%を個人預金が占めており、個人取引部門は最も重要な事業分野の一つである。従って、個人のお客さまとの取引を主体とするインターネット/オンライン専業銀行事業を当行における中核的事業と位置付けるものである。

(2) 事業再構築を行う場所

株式会社さくら銀行  東京都千代田区九段南1丁目3番1号

株式会社ジャパンネット銀行  東京都新宿区西新宿2丁目1番1号

(3) 関係事業者

株式会社ジャパンネット銀行

当行が平成12年上期中を目途に設立するインターネット/オンライン専業銀行で、当行が発行済株式数の50%を所有するため関係事業者に該当する。

(4) 事業再構築を実施するための措置の内容

別表のとおり

(5) 事業再構築の開始時期及び終了時期

開始時期 平成12年4月~終了時期 平成15年3月

5.事業再構築に伴う労務に関する事項

(1) 事業再構築の開始時期の従業員数(平成12年3月末)

株式会社さくら銀行 14,930人

 計 14,930人

(2) 事業再構築の終了時期の従業員数(平成15年3月)

株式会社さくら銀行 13,200人

株式会社ジャパンネット銀行 45人

 計 13,245人

(3) 事業再構築に充てる予定の従業員数(平成12年8月)

株式会社さくら銀行 0人

株式会社ジャパンネット銀行 44人

 計 44人

(4) (3)中、新規採用される従業員数

株式会社さくら銀行 0人

株式会社ジャパンネット銀行 9人

 計 9人

(5) 事業再構築に伴い出向又は解雇される従業員数

株式会社さくら銀行から株式会社ジャパンネット銀行への転籍予定者は1名、出向予定者は30名。また、解雇の予定はない。


別表

事業再構築の措置の内容
措置事項 実施する措置の内容及びその実施する時期 期待する支援措置
事業構造変更    
  会社の設立による中核的事業の開始、拡大又は能率の向上 以下の会社を設立し、さくら銀行の中核的事業であるリテール事業の根幹を成す個人取引部門におけるマスコンシューマー事業を立ち上げる。
 名称: 株式会社ジャパンネット銀行
 住所: 東京都新宿区西新宿2-1-1
 代表者: 宮井 芳行
 設立日: 平成12年上期を予定
 資本金: 200億円
 出資者:
株式会社さくら銀行 50%
株式会社住友銀行 10%
富士通株式会社 10%
日本生命保険相互会社 10%
東京電力株式会社 5%
三井物産株式会社 5%
株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ 5%
東日本電信電話株式会社 5%
租税特別措置法第80条
勧告等によってする登記の税率の軽減
事業革新    
  第2条第2項第2号イ
役務の構成の相当程度の変化
 21世紀に向けた先進的金融事業として、従来のリアルの店舗と渉外人員を前提とした既存の営業形態から脱却し、インターネットを利用したバーチャルチャネルの活用による新ネット銀行を設立する。新ネット銀行は、本店以外無店舗、小人数体制、最新テクノロジーを駆使したオープン系システムを構築することにより、徹底した低コスト運営が図れ、既存のさくら銀行の顧客層に囚われることなく幅広くインターネットユーザーを対象とする、従来採算的に厳しかったマスコンシューマー事業の収益事業化を目指す。(平成14年度の新ネット銀行の業務収益は平成11年度のさくら銀行の業務収益の1.3%に相当する)
 

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