平成13年4月25日
金融庁

株式会社近畿大阪銀行の産業活力再生特別措置法に基づく事業再構築計画の認定について

1.認定計画の概要

株式会社近畿大阪銀行から提出された「事業再構築計画」について、産業活力再生特別措置法第3条第1項の規定に基づき審査した結果、同法第2条第2項第1号に規定する事業構造変更及び同項第2号に規定する事業革新を行う者として同法に定める認定要件を満たすと認められるため、4月25日付けで事業再構築計画の認定を行った。

今回認定した申請者の事業再構築計画では、大和銀行を中核とする関西のスーパー・リージョナル・バンク・グループの一員として、営業推進体制の整備・強化、法人・個人リテール取引拡大のための本部機能の強化、店舗・人員・経費・資産の有効活用、子会社等の効率化等のリストラの推進及び新しい管理会計の構築による収益力の強化・向上を図っていくこととしている。

本件の認定により、増資に係る登録免許税の軽減の特例を受けることが可能となる。

2.事業再構築の実施時期

開始時期 平成13年4月~終了時期 平成15年3月

3.申請者の概要

株式会社近畿大阪銀行

 資本金   815億円

 取締役頭取   高谷 保宏

 本店所在地   大阪市中央区城見一丁目4番27号

問い合わせ先

金融庁 TEL 03-3506-6000(代表)
監督局銀行第二課
 井上(内線3391)、坂田(内線3366)


様式第三

認定事業再構築計画の内容の公表

1 .認定年月日

平成13年4月25日

2.認定事業者名

株式会社近畿大阪銀行

3.認定事業再構築計画の目標

(1) 事業再構築に係る事業の目標

本格化する「日本版ビッグバン」の進展、自己責任に基づく自由競争の激化、また、ペイオフ凍結解除による本格的な淘汰・再編時代の到来を目前に控え、当行は、新時代に相応しい事業の再構築が必要であるとの認識のもと、大和銀行を中心として戦略的な提携を行うことで合意した近畿銀行と大阪銀行が、平成12年4月1日に合併して発足した。

さらに、大和銀行グループの一員として、関西の金融安定化に向けて努力していくというグループ経営方針に則り、金融整理管財人の管理下にあったなみはや銀行の健全な地元中小企業・個人事業主、個人のお客様に円滑な資金供給と良質な金融サービスの提供を行うことが、地域金融機関として極めて重要な使命であるとともに、当行の事業の再構築に資するものと判断し、平成13年2月になみはや銀行の営業を譲り受けた。

今後も、当行は、大和銀行を中核とする関西のスーパー・リージョナル・バンク・グループの一員として、個人及び中小企業・個人事業主からなるスモールマーケットをコアマーケットと位置付け、大阪府を中心とした地域密着のリテール・バンキングを展開し、地元最重視の経営を行い、地元における競争力強化・比較優位性の確保を図っていきたいと考えている。

そのためには、地域営業体制の導入等による営業推進体制の整備・強化、法人リテール取引・個人リテール取引拡大のための本部機能の強化、店舗・人員・経費・資産の有効活用、子会社等の効率化等のリストラの推進及び新しい管理会計の構築による収益力の強化・向上を図っていく。

(2) 生産性の向上を示す数値目標

平成15年3月期に平成13年3月期との比較において、自己資本当期利益率を34.00ポイント上昇させる。

4.認定事業再構築の内容

(1) 事業再構築に係る事業の内容

○ 中核的事業

中小企業・個人事業主、個人に対する金融仲介業務、地方公共団体取引並びにそれらの業務から派生する種々の多様なニーズへの対応、利便性の強化に資する種々のサービス

○ 選定理由

当行は、大阪府下を最重点エリアとしており、また、お客様の大宗は、中小企業・個人事業主及び個人で占められている。そのため、当行は、地元中小企業、個人事業主及び個人の皆さまの健全な資金ニーズに対する円滑な資金供給を行うとともに、その資金供給の源泉となる個人のお客様の大切なご預金をお預かりすることにより、地元企業の育成・振興、地域社会との共存共栄を図ることが地元金融機関としての最大の存在意義であるとの認識のもと、中小企業・個人事業主、個人に対する金融仲介業務が最重要部門であると考えている。当然ながら、地元地方公共団体への貢献も重要である。

また、これらのお取引から派生する各種の多様なニーズに対し、大和銀行が有する信託機能やマーケット部門のノウハウを活用し、高度な各種金融機能・サービスの提供を図っていく。

これら中核的事業を強化・拡大することにより磐石な財務基盤を構築するとともに、地域金融機関としての使命を果たしていきたいと考えている。

さらに、合併・営業譲受に伴う重複店舗を中心に、事業再構築の期間中に30か店程度の店舗統廃合を実施する等により、顧客利便性への影響を極力抑制するなかで、リストラを図っていく。

(2) 事業再構築を行う場所 株式会社近畿大阪銀行: 大阪市中央区城見一丁目4番27号

(3) 事業再構築を実施するための措置の内容

別表のとおり

(4) 事業再構築の開始時期及び終了時期

開始時期 平成13年4月 ~ 終了時期 平成15年3月

5.事業再構築に伴う労務に関する事項

(1) 事業再構築の開始時期の従業員数 平成13年3月末実績 4,388人

(2) 事業再構築の終了時期の従業員数 平成15年3月末計画 3,982人程度

(3) 事業再構築に充てる予定の従業員数 平成15年3月末計画 3,982人程度

(4) (3)中、新規採用される従業員数 なし

(5) 事業再構築に伴い出向又は解雇される従業員数 出向又は解雇の予定はない


別表

事業再構築の措置の内容

措置事項

実施する措置の内容及びその実施する時期

期待する支援措置

事業構造変更

 

 

 

資本の相当程度の増加による中核的事業の拡大又は能率の向上

中小零細企業を取り巻く経営環境は、産業構造の変化や資産デフレの懸念等により、いまだ不透明感が払拭されず、厳しい状況が続いている。このため、当行は、地元中小企業、個人の皆さまへのより一層の安定的かつ円滑な資金供給に役立て、地域金融機関としての使命を果たすとともに、なみはや銀行の営業譲受けを機にさらなる自己資本の充実を図るため、「金融機能の早期健全化のための緊急措置に関する法律」第4条第2項に基づき、600億円の公的資金による資本増強を申請し、金融庁より承認された。これにより、財務基盤が充実し、お取引先への円滑な資金供給が可能となる。


公的資金による資本増強を受けるに当り策定した「経営の健全化のための計画」を確実に履行することにより、業務の効率化を図る。


優先株式の発行により増加する資本金

(1)

 優先株の発行により資本金が増加する会社の名称
名 称 株式会社近畿大阪銀行
住 所 大阪市中央区城見一丁目4番27号
取締役頭取 高谷保宏

(2)

 増加する資本金の額
  300億円

(3)

 増加後の資本金
  1,115億円
租税特別措置法第80条
勧告等によってする登記の税率の軽減

事業革新

  

 

 

第2条第2項第2号ハ

公的資金による資本増強により財務基盤が充実したことで、取引先への円滑な資金供給が可能となる。


金融業務を通じて地元経済の発展に寄与するといった地域金融機関としての役割を果たすことで融資業務を拡大していく。そして、「経営の健全化のための計画」を確実に履行していくことにより、業務収益の拡大の実現を図る。


大和銀行を中核とする関西のスーパー・リージョナル・バンク・グループの一員として、当行のコアマーケットと位置付ける地元中小企業、個人事業主及び個人に経営資源を傾斜配分するとともに、大和銀行との戦略的提携を通じ、同行の持つ金融サービス機能・ノウハウ・情報等を活用し、コアマーケットの顧客のニーズへのタイムリーかつ適切な対応を図っていく。


地域営業体制の導入等によるきめ細かい地域毎の営業戦略を実践し、マーケット特性に応じた適切な金融サービスの提供を図る。


テレホンバンキング、インターネットバンキング等のチャネルの多様化を通じ、お客さまのライフスタイルやニーズの多様化に対応した金融サービス提供に取り組んでいく。


具体的な数値基準は次のとおりである。
平成15年3月期に平成13年3月期との比較において、業務粗利益1円当たりの経費を6.25%低減させる。
 

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