平成13年6月18日
金融庁

国際証券株式会社に対する行政処分について

  • 1.  国際証券株式会社に対する証券取引等監視委員会による検査の結果、以下の法令違反行為が認められたことから、行政処分を求める勧告が行われた(平成13年6月12日付)。

    • (1)取引一任勘定取引の契約を締結する行為

      • (a)大阪支店資産運用部長は、平成12年10月12日から同13年1月18日にかけて、顧客との間で、株式の売買の受託につき、顧客の個別の取引ごとの同意を得ないで、価格、又は数及び価格について定めることができることを内容とする契約を多数回にわたり締結した上で、平成12年10月13日から同13年1月19日までの間、取引を受託、執行した。

      • (b)大阪支店資産運用部資産運用一課長は、平成9年7月16日から同12年12月13日にかけて、顧客との間で、株式の売買の受託につき、顧客の個別の取引ごとの同意を得ないで、価格について定めることができることを内容とする契約を多数回にわたり締結した上で、平成9年7月17日から同12年12月18日までの間、取引を受託、執行した。

      当該使用人が行った上記の契約の締結行為は、証券取引法第42条第1項第5号(平成10年11月30日以前の行為については、同年法律第107号による改正前の第50条第1項第3号)に規定する「取引一任勘定取引の契約を締結する行為」に該当すると認められる。

      上記行為は、証券取引法第42条第1項第5号(平成10年11月30日以前の行為については、同年法律第107号による改正前の第50条第1項第3号)に規定する「取引一任勘定取引の契約を締結する行為」に該当する会社の行為と認められる。

    • (2)特別の利益を提供することを約して勧誘する行為

      国際証券株式会社は、大阪支店において、平成10年11月、法人顧客から国際証券株式会社として通常では対応不可能な多額の寄付要請を受けたが、同支店長(当時)、同支店資産運用部長(当時)及び同部資産運用一課長の関与により、当該法人顧客に対しこれを断るに際し、値上がりの蓋然性が高い複数の銘柄の新規公開株式を恣意的かつ特別に配分し、その売買益をもって寄付のかわりとすることとし、同年12月、当該法人顧客の資産運用担当者に対し同趣旨を申し入れることにより、当該新規公開株式の買付けを勧誘した。

      上記行為は、証券取引法第42条第1項第9号に基づく証券会社の行為規制等に関する内閣府令(平成12年総理府令第65号による改正前のもの)第4条第2号に規定する「有価証券の売買その他の取引につき、顧客に対して特別の利益を提供することを約して勧誘する行為」に該当すると認められる。

    • (3)役職員による検査を忌避する行為

      国際証券株式会社は、大阪支店における今般の近畿財務局長の検査において、

      • (a)上記取引一任勘定取引の契約を締結する行為に関し、同支店総務部長、同支店資産運用部長及び同部資産運用一課長の関与により、顧客に対し、検査官に取引一任勘定取引の契約の締結の事実がない旨の虚偽の回答を行うよう依頼した。

        さらに、同支店総務部長及び同支店資産運用部長の関与により、特定顧客の営業担当者に関する検査官の質問に対し、真実は、当該資産運用部長自身が顧客の担当者であるにもかかわらず、他の者が当該顧客の担当者であるとの事実を意図的に隠蔽した回答を行った。

      • (b)上記特別の利益を提供することを約して勧誘する行為に関し、国際証券株式会社執行役員・管理統括部長及び同支店資産運用部資産運用一課長の関与により、新規公開株式の配分理由に係る検査官の質問に対し、事実を意図的に隠蔽した回答を行った。

      上記行為は、証券取引法第198条の5第8号に規定する「検査を忌避する行為」に該当すると認められる。

    • (4)有価証券の売買その他の取引に関し、虚偽の表示をする行為

      国際証券株式会社は、大分支店長(当時)及び同支店投資相談課営業員の関与により、平成12年1月から同12年8月にかけて、新規顧客を開拓するための債券の投資勧誘に当たり、元本が保証されていないにもかかわらず、元本保証であるとの事実と異なる内容を記載したはがきを作成し、これを新規開拓先である多数の個人投資家に交付することにより、虚偽の表示を行った。

      上記行為は、証券取引法第42条第1項第9号に基づく証券会社の行為規制等 に関する内閣府令(平成12年6月30日以前の行為については証券会社の行為 規制等に関する命令)第4条第1項第1号に規定する「有価証券の売買その他の 取引に関し、虚偽の表示をする行為」に該当すると認められる。

  • 2.  以上のことから、本日、国際証券株式会社に対し、以下の行政処分を行った。

    • (1)業務停止命令

      • (a)平成13年7月4日から同13年7月6日までの間、証券取引法第28条の3に規定する証券会社登録簿に登録された国内に所在する本店及びその他の営業所の全ての業務を停止すること(ただし、信用取引の決済に伴う売買等の受託等を除く)。

      • (b)平成13年7月7日から同13年8月6日までの間、大阪支店の株券の売買に係る受託業務を停止すること(ただし、信用取引の決済に伴う売買等の受託等を除く)。

      • (c)平成13年7月9日から同13年7月13日までの間、大分支店の債券の売買に係る受託業務を停止すること(ただし、勧誘を伴わない保護預り債券の売付けの受託及びこれに付随する業務等を除く)。

    • (2)業務改善命令

      • (a)内部管理体制の抜本的な見直しを図るとともに責任の所在の明確化を図り人事を刷新すること。

      • (b)検査忌避行為が再び起こったことに鑑み、法令違反の根絶に向けた「再発防止策」を策定し、役職員に周知徹底する方策を講じること。

      • (c)上記2-(1)-(a)の業務停止期間を利用して、全役職員に対する「法令遵守の徹底」に係る研修を実施し、その内容と結果を報告すること。

      • (d)社内検査の充実・強化を図り、定期的に検査結果を報告すること。

問い合わせ先

監督局証券課 TEL 03-3506-6000
課長補佐 片山(内線3353)
係長 五十嵐 (内線3357)

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