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2 業 務
 

 財務局長等は、次の点に留意する。
 

2−1  標識の掲示及び無登録者に対する警告等
−1−1 標識の掲示

 投資顧問業者による標識の掲示については、法第11条の趣旨等に鑑み、次により行われているかどうかを確認する。

(1)  標識を掲示する場所は、店外で公衆の見やすい場所であること。
 
(2)  標識の材質は、金属等長期の使用に耐えるものを用いていること。
 
(3)  投資一任契約に係る業務の認可を受けていない投資顧問業者が、投資一任契約に係る業務を行うとの誤解を与えるおそれのある標識を掲示していないこと。
 
(4)  法第3条ただし書及び令第1条第2号に規定する法人が、投資一任契約に係る業務の認可を受けていない場合、投資一任契約に係る業務を行うとの誤解を与えるおそれのある標識を掲示していないこと。
 
(5)  法第4条ただし書に規定する個人又は法人が、投資顧問契約に係る業務の登録を受けていない場合、投資顧問業を行うとの誤解を与えるおそれのある標識を掲示していないこと。
 
−1−2 無登録者に対する警告等
 
(1)  実態把握
 一般投資家からの苦情、捜査当局からの照会、投資顧問業者、証券投資顧問業協会等からの情報提供及び新聞広告等から、法第4条の登録を受けずに投資顧問業を行っている疑いのある業者を把握した場合は、直接、当該業者に電話で確認する等の方法により、積極的にその実態把握に努めるものとする。
 
(2)  無登録者に対する警告等
 実態把握の結果、当該業者が無登録で投資顧問業を行っていることが判明した場合には、当該業者に対し、かかる行為を直ちに取り止めるよう別紙様式14により文書で警告を行うとともに、捜査当局に連絡する。別紙様式14による警告を発したにもかかわらず是正しない者については、捜査当局に対し告発を行うものとする。
 
(3)  財務局長等は、(1)及び(2)までの措置をとった場合は、業者名、代表者名、店舗等の所在地、業務内容及び規模等について速やかに金融監督庁へ報告するものとする。
 
(4)  法第24条第1項の認可を受けずに投資一任契約に係る業務を行っている疑いのある業者を把握した場合の警告等の手続きは、上記(1)から(3)に準じて取扱う。

 

2−2  広告及び勧誘
−2−1 広告に表示すべき事項

 投資顧問業者が広告を行う場合には、法第13条の趣旨等に鑑み、次の事項が表示されているかどうかを確認する。

(1)  投資顧問業者登録簿に登録された商号、名称又は氏名及び登録番号並びに法第24条第1項の認可を受けている者にあっては認可番号
 
(2)  顧客を相手方として又は当該顧客のために証券取引行為を行わない旨
 ただし、当該投資顧問業者が証券業(証券取引法第2条第8項に規定する証券業をいう。以下同じ。)を営む場合又は当該投資顧問業者が法第24条第1項の認可を受けた投資顧問業者(以下「認可投資顧問業者」という。)である場合は、当該表示は不要であることに留意する。
 
(3)  いかなる名目によるかを問わず顧客から金銭若しくは有価証券の預託を受け又は当該投資顧問業者と密接な関係を有する者に顧客の金銭若しくは有価証券を預託させない旨(商号、名称又は氏名、住所及び電話番号のみを広告する場合を除く。)
 ただし、当該投資顧問業者が証券業を営む場合又は認可投資顧問業者である場合は、当該表示は不要であることに留意する。
 
(4)  電話転送機を使用している場合において、その電話番号について広告するときは、転送電話番号である旨
 
−2−2 誇大広告の禁止等

 法第13条の趣旨等に鑑み、投資顧問業者が次のような表示をしていないかどうかを確認する。

(1)  助言の実績について個々の銘柄を掲げて広告を行う場合に、当該投資顧問業者に有利なもののみを掲げる表示
 
(2)  助言の実績、内容又は方法が他の投資顧問業者よりも著しく優れている旨を根拠を示さずにする表示
 
(3)  報酬が無料又は実際のものよりも著しく低額であるかのように誤解させるような表示
 
(4)  有価証券等の価格、数値又は対価の額の動向を断定的に表現したり、確実に利益を得られるかのように誤解させて、投資者の投資意欲を不当にそそるような表示
 
(5)  法第4条の登録を受けていることにより内閣総理大臣、金融監督庁長官、財務局長等その他の公的機関が、当該投資顧問業者を推薦し、又はその行う助言及び当該広告の内容を保証しているかのように誤解させるような表示
 
(6)  顧客勧誘の期間、対象顧客数等が限定されていない場合に、これらが限定されていると誤解させるような表示
 
(7)  利回りの保証若しくは損失の全部若しくは一部の負担を行う旨の表示又はこれを行っていると誤解させるような表示
 
(8)  法第24条第1項の認可を受けていない投資顧問業者が、投資一任契約に係る業務を行うと誤解させるような表示
 
(9)  不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年法律第134号)、屋外広告物法(昭和24年法律第189号)に基づく都道府県の条例その他の法令に違反する又は違反するおそれのある表示
 
(10 ) 社会的に過剰宣伝であると批判を浴びるような表示
 
−2−3 勧誘

 法第22条の趣旨等に鑑み、投資顧問業者が顧客を勧誘するに際し、次のような行為をしていないかどうかを確認する。

(1)  相手方の業務若しくは生活の平穏を害するような時間帯に訪問し、又は電話をかけること。
 
(2)  威迫的又は相手方を著しく困惑させるような言動をすること。
 
(3)  勧誘に対する拒絶の意思を明らかにした者に対し、執拗に勧誘を行うこと。
 
(4)  助言の実績、内容及び方法、報酬の額及び支払の時期、契約の解除(法第17条第1項から第4項までの規定による解除を含む。)、賠償額の予定(違約金を含む。)並びに当該投資顧問業者の資力又は信用に関する事項について、事実に相違する表現又は人を誤解させるような表現を用いること。
 
(5)  確実に利益を得られるかのように誤解させるなどして、相手方の投資意欲を不当にそそること。
 
(6)  利回りの保証若しくは損失の全部若しくは一部の負担を約すること又は約していると誤解させるような表現を用いること。
 
(7)  顧客に対して、特別の利益を提供することを約すること。
 
(8)  法第4条の登録を受けていることにより内閣総理大臣、金融監督庁長官、財務局長等その他の公的機関が当該投資顧問業者を推薦し、又はその行う助言の内容について保証しているかのように誤解させるような言動をすること。
 
(9)  社会的に過剰な営業活動であると批判を浴びるような勧誘を行うこと。

 

2−3  投資顧問契約締結前、締結時及び締結後の書面の交付
−3−1 投資顧問契約締結前の書面の交付
 
(1)  法第14条の投資顧問契約締結前の書面について、当該投資顧問業者が証券業を営む場合又は当該投資顧問業者が認可投資顧問業者である場合は、同条第3号に掲げる事項は、適用しないことに留意する。
 
(2)  投資顧問業者又は認可投資顧問業者が証券投資信託委託業(証券投資信託及び証券投資法人に関する法律(以下「投信法」という。)第2条第9項に規定する証券投資信託委託業をいう。以下同じ。)又は証券業(以下「兼業に係る業務」という。)を営む場合は、法第14条第2号の「報酬に関する事項」には、投資顧問業又は投資一任契約に係る業務に対する報酬の額と兼業に係る業務に対する手数料等の額との区分を明確にする。
 
(3)  規則第17条第2項第4号の「投資判断の一任の範囲及び投資の実行に関する事項」には、令第1条各号に掲げる者(以下「再委任先」という。)の商号、住所、代表者氏名及び再委任の範囲を含む。
 
−3−2 投資顧問契約締結時の書面の交付
 
(1)  法第15条第3号の「助言の方法」は、例えば、面談、電話、文書或いはファクシミリにより行う場合はその旨を記載する。
 
(2)  規則第18条第2項第4号の「投資の方法及び取引の種類」には、再委任先の「投資の方法及び取引の種類」を含む。
 
−3−3 投資顧問契約締結後の書面の交付

 法第16条の投資顧問契約締結後の書面について、規則第19条第1項第3号に規定する「助言を行つた年月日」は、その助言を行った都度に、例えば、面談、電話或いはファクシミリにより助言を行った場合は当該助言を行った日、文書の送付により助言を行った場合は当該文書を相手方に発信した日とする。

 

2−4  投資顧問契約の解除
−4−1 規則第20条第1項第1号に規定する「投資顧問契約の締結のために通常要する費用の額」とは、電話代、封筒代等をいい、旅費等は含まれない。
 
−4−2 規則第20条第1項第3号に規定する「法第15条の書面を受領した日から解除時までの日数」の計算に当たっては、当該書面を受領した日及び解除を行う旨の書面を発した日を含むものとする。

 

2−5  法第23条第1項の規定に基づく投資顧問業者の兼業の届出等
−5−1 兼業の届出書
 
(1)  「定款」として、兼業の届出書を提出する日現在のものを添付することとし、兼業しようとする業務がその事業目的に記載されていない場合は、当該業務のその事業目的への追加に係る株主総会の議事録の写しを併せて添付すること。
 
(2)  「営業所」とは、投資顧問業を営む者が一定の場所で兼業に係る業務の全部又は一部を反復継続して営む施設をいう。
 
(3)  「兼業に係る業務に関する組織」に、兼業に係る業務の執行方法を処理するための組織管理体制及びその組織図が具体的に記載されていること。
 
(4)  「兼業に係る業務の内容及び運営の準則」に、兼業に係る業務の内容及び執行方法が具体的に記載されており、当該業務の開始時期その他参考となる事項につき記載があること。
 また、兼業に係る業務の執行方法を処理するための事務処理手続、社内管理その他の準則が記載されていること。
 
(5)  当該兼業に係る業務を営むこととなった日から2週間以内に、法第8条第1項の「第5条第1項各号に掲げる事項」に変更があった旨の届出書及び投資顧問業者登録簿を変更するための登録申請書の変更部分の写しを併せて提出する必要があることに留意する。
 
−5−2 証券業を兼業する場合の手続き
 
(1)  投資顧問業者が証券業を営もうとする場合、予め証券取引法に基づく登録又は認可を申請しなければならない。
 証券取引法に基づく登録又は認可後、当該業務を営む前に、これらを証する書面の写しと併せて、投資顧問業法に基づく兼業の届出書を提出しなければならない。
 なお、証券取引法に基づく兼業の届出は別途必要であることに留意する。
 
(2)  証券業を営む者が投資顧問業を営もうとする場合、予め法第4条に基づく登録の申請をしなければならない。
 法第4条に基づく登録後、当該業務を営む前に、証券取引法に基づく登録又は認可を証する書面の写しと併せて、投資顧問業法に基づく兼業の届出書を提出しなければならない。
 なお、証券取引法に基づく兼業の届出は別途必要であることに留意する。
 
−5−3 証券投資信託委託業を兼業する場合の手続き
 
(1)  投資顧問業者が証券投資信託委託業を営もうとする場合、予め投信法に基づく認可を申請しなければならない。
 投信法に基づく認可後、当該業務を営む前に、これを証する書面の写しと併せて、投資顧問業法に基づく兼業の届出書を提出しなければならない。
 なお、投信法に基づく兼業の届出は別途必要であることに留意する。
 
(2)  証券投資信託委託業を営む者が投資顧問業を営もうとする場合、予め法第4条に基づく登録の申請をしなければならない。
 法第4条に基づく登録後、当該業務を営む前に、投信法に基づく認可を証する書面の写しと併せて、投資顧問業法に基づく兼業の届出書を提出しなければならない。
 なお、投信法に基づく兼業の届出は別途必要であることに留意する。
 
(3)  認可投資顧問業者が証券投資信託委託業を営もうとする場合、予め投信法に基づく認可を申請しなければならない。
 投信法に基づく認可後、当該業務を営む前に、これを証する書面の写しと併せて、投資顧問業法に基づく兼業の届出書を提出しなければならない。
 なお、投信法に基づく兼業の届出は別途必要であることに留意する。
 
(4)  証券投資信託委託業を営む者が投資一任業務を営もうとする場合の手続きは、3−1から3−3により取り扱う。
 
−5−4 金融監督庁長官への報告

 財務局長等は、兼業の届出書を受理した場合は、別紙様式16による兼業報告書を毎月とりまとめ、金融監督庁長官に対して報告する。
 

−5−5 投資顧問業者登録簿への記載

 財務局長等は、兼業の届出書を受理した場合は、投資顧問業者登録簿に登録する。
 

−5−6 兼業に係る業務を廃止し、休止し、又は再開する届出書
 
(1)  法第8条第1項の「第5条第1項各号に掲げる事項」に変更があった旨の届出書及び投資顧問業者登録簿を変更するための登録申請書の変更部分の写しを併せて提出する必要があることに留意する。
 
(2)  財務局長等は、兼業に係る業務を廃止し、休止し、又は再開した旨の届出書を受理した場合は、別紙様式17による兼業業務廃止等報告書を毎月とりまとめ、金融監督庁長官に対して報告する。
 
−5−7 投資顧問業者登録簿への登録

 財務局長等は、兼業に係る業務を廃止し、休止し、又は再開した旨の届出書を受理した場合は、投資顧問業者登録簿に登録する。
 


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