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信用保証協会関係
 

 信用保証協会の監督に当たっての財務局長(福岡財務支局長及び沖縄総合事務局長を含む。以下同じ。)及び都道府県知事(市町村の区域を越えない区域を信用保証協会法第二十条第二項に規定する協会の区域とする協会については市町村長。以下同じ。)の事務処理手続については以下のとおりとする。
 なお、主務大臣に提出する書類が都道府県知事を経由して地方支分部局長に提出された場合には、地方支分部局長は、金融監督庁監督部長及び中小企業庁長官へ進達(特別保証制度の創設及び変更報告、保証料率の変更報告を除く。)するものとする。
 
1. 認可等に関する事項
 
1−1  認可・承認事項の審査等について
 信用保証協会法等に定める認可・承認の審査に当たっては、中小企業者等に対する金融の円滑化の観点に立ち審査を行うものとする。
 
−1−1 設立認可申請の審査事項等
 
 信用保証協会の設立認可の申請を受理したときは、次の事項について審査するものとする。
 
(1)  設立の手続、定款及び業務方法書の内容が法令に違反していないか
 
(2)  定款又は業務方法書のうち、重要な事項につき虚偽の記載がないか、又はその記載が欠けていないか
 
(3)  資産の総額が政令で定める金額を超えているか
 
(4)  協会の設立が中小企業者等に対する金融の円滑化に資すると認められるか、また、特に中小企業者等のために保証業務を行うという性格が明らかであるとともに、中小企業者等についても特定業種に限定されているようなことはないか
 
(5)  その区域内の既設信用保証協会の業務の拡大を図ることにより新設に替えることはできないか
 
(6)  発起人及び予定役員は以下の事項に関する状況からみて適任かどうか
 
 公私の経歴
 
 職業、能力及び資産負債の状況
 
 犯罪及び破産の有無
 
 常務に従事する役員については、金融業務及び中小企業分野についての知識経験の有無並びに常勤役員としての適否
 
(7)  事業の方法及び計画が、資産及び経営の健全性を確保し、中小企業者等に対する金融の円滑化に資するものと認められるか(事業計画においては、単に形式的計数的な面のみにとらわれることなく、その基盤となる区域内の金融その他の経済事情、中小企業者等の動向、その他諸般の事情を総合的に勘案して、その計画の実行に確実性があるか)
 
−1−2 解散認可申請の審査事項等
 信用保証協会の解散認可の申請を受理したときは、次の事項について審査するものとする。
 
(1)  解散手続が法令又は定款に違反していないか
 
(2)  当該協会の解散が業務及び財産の状況に照らし事情やむを得ないものか
 
(3)  当該協会の解散が業務区域内における中小企業者等に対する金融の円滑化に支障を及ぼすことがないか
 
(4)  当該協会の解散に伴う債権債務の処理方法が適切なものであるか
 
−1−3 合併認可申請の審査事項等
 
 信用保証協会の合併認可の申請を受理したときは、次の事項について審査するものとする。
 
(1)  合併の手続が法令又は定款に違反していないか
 
(2)  合併に関する仮契約書等の内容が適切なものであるか
 
(3)  合併が経営の合理化又は中小企業者等に対する金融の円滑化に資するものであるか
 
(4)  合併後存続し又は合併により設立される協会の区域、事務所、役員構成及び合併後の事業計画等が適切なものであるか
 
(5)  欠損又は不良資産がある場合は、その処理方法が適切なものであるか
 
−1−4 定款変更認可申請の審査事項等
 
 信用保証協会の定款変更認可の申請を受理したときは、次の事項について審査するものとする。
 
(1)  保証債務の最高限度に関する定款変更の場合
 
 最近の保証動向等に照らし最高限度の引上げが真に必要なものであるか
 
 経営内容等よりみて最高限度の引上げの余力があるか
 
 基本財産の造成が十分に行われる等経営基盤の確保が図られる見通しはあるか
 
 最高限度の引上げにより当該協会が健全な経営を行い、対外的信用を維持できるか(当分の間、原則として60倍を最高限度とする。ただし、中小企業金融安定化特別保証制度に係る保証債務については、一般の保証債務の枠外とし、金融安定化特別基金の100倍(制度実施後2年間はこの限りではない。)を保証債務額の最高限度とする。 なお、当該保証制度の保証債務額の最高限度の算出に当たっては、中小企業金融安定化特別会計収支計算書上における毎事業年度末の責任準備金及び求償権償却準備金の繰入額を金融安定化特別基金に含めて計算することができるものとする。)
 
(2)  従たる事務所の設置又は廃止に関する定款変更の場合
 
 従たる事務所の設置の場合
 
(イ)  設置地はその地方の経済、金融及び中小企業等の状況に照らし適切なものであるか、また、設置地方における設置の要望の程度はどうか
 
(ロ)  当該協会の経理状況(経理の適正性、最近の収支及び資金繰り)から、事務所設置の余力はあるか
 
(ハ)  最近の実地検査の結果等から当該協会に保証能力が十分あるか
 
(ニ)  当該事務所と当該協会の主たる事務所との連絡体制等事務運営に支障はないか
 
(ホ)  既存事務所の統廃合の必要はないか
 
(ヘ)  事務所設置に要する費用は適正なものか
 
 従たる事務所の廃止の場合
 
(イ)  廃止事務所の取引者の便益に支障を及ぼすことはないか
 
(ロ)  事務所の廃止が当該協会の経営に支障を及ぼすことはないか
 
(3)  その他の定款変更の場合
 
 当該協会の業務全般を勘案し、その定款変更が真に必要なものか
 
 当該協会の運営及び中小企業者等に対する金融の円滑化に支障を及ぼすことはないか
 
−1−5 業務方法書変更認可申請の審査事項
 
(1)  信用保証協会の業務方法書の変更認可申請を受理したときは、次の事項について審査するものとする。
 
 当該協会の業務全般を勘案し、その業務方法書変更が真に必要なものか
 
 当該協会の運営及び中小企業者等に対する金融の円滑化に支障を及ぼすことははないか
 
 1中小企業者等にかかる保証金額の最高限度を変更する場合には、資産の健全性が確保されるとともに、保証の均衡を阻害する恐れはないか
 
−1−6 有価証券の取得承認申請の審査事項等
 
 信用保証協会法第二十二条に基づく告示(昭和二十八年大蔵省・通商産業省告示第8号)第六号による有価証券の取得承認については、次のとおり取扱うものとする。なお、承認対象となる有価証券は、当分の間地方銀行又は第二地方銀行協会加盟行の発行する株式であって、現に年10%以上の配当が行われており、かつ、10%以上の配当が実施されてから4営業年度以上の期間を経過しているもの、店頭取引の実績があり、売買が比較的容易で株価に著しい変動がないものに限ることとする。
 
(1)  有価証券の取得承認申請に当たっては、次に掲げる書類を提出させるものとする。
 
 理由書
 
 取得しようとする有価証券の明細書
 
 当該有価証券を発行する会社の概要を記載した書類
 
 取得しようとする有価証券の最近1年間の気配相場を記載した書類
 
 株式の場合は1株の払込金額、株式の種類、最近の配当について記載した書類
 
 最近の日計表
 
 その他必要な書類
 
(2)  有価証券の取得承認申請を受理したときは、次の事項について審査するものとする。
 
 情実、投機の目的をもった取得ではないか
 
 金融機関への預託による保証債務の増大を阻害するものではないか
 
 資産の安全性、流動性、収益性を低下させる恐れはないか
 
 支払準備資産の充実に資するものであるか
 
−1−7 その他必要な書類
 
信用保証協会法施行規則に定める「その他必要な書類」は、上記事項の審査の参考となる資料をいうものとする。
 

 

1−2  予備審査
 協会から認可・承認事項について、申請に準ずる提出すべき書類の提出を受け、あらかじめ審査を求められたときは、予備審査を行うものとする。
 

2. 報告等に関する事項
 
2−1  事業報告書の受理について
 協会から事業報告書の提出があった場合には、記載要領等に従って記載されているかを確認し、内容を検討のうえ受理するものとする。
 
2−2  信用保証協会台帳及び行政報告
−2−1 信用保証協会台帳

 所轄都道府県知事は、信用保証協会台帳(別紙様式1)を毎年6月末日現在で作成し、事業の状況を十分把握するとともに、その写しを7月末日までに金融監督庁監督部長及び中小企業庁長官に提出するものとする。
 

−2−2 行政報告

 地方支分部局長は、施行令第3条第2項に基づく報告があった場合(同条第一項第二号に係る報告を除く。)には、遅滞なく金融監督庁監督部長及び中小企業庁長官に報告するものとする。

 

2−3  保証料率の変更に関する留意事項
 信用保証協会における保証料率は、中小企業者等の負担に直接結びつくため、中小企業者等の保証のより一層の利用促進を図る観点から、保証料率の変更に際しては経営の合理化、効率化及び財政援助等により信用保証協会の経営の健全性が確保されているかに留意しつつ、保証料水準の低下に配慮するよう指導するものとする。
 

 

2−4  関連会社について
 関連会社(信用保証協会が出資する会社で、その設立経緯、資金的、人的関係等からみて信用保証協会と密接な関係を有する会社をいう。)については、信用保証協会が中小企業者等に対する金融の円滑化を目的とし、国及び地方公共団体から多額の支援を受けている点にかんがみ、適正保証の推進、審査・管理の充実を図るとともに業務の合理化・効率化を推進する必要があることから、以下の点に留意し指導を行うこととする。
 
−4−1 関連会社の業務の範囲
 
 信用保証協会が設立することができる関連会社は、信用保証協会の業務に係る事務のうちその業務の基本に係ることのないもので、主として当該信用保証協会のために行うものとする。(いわゆる従属業務)
 
(例)
 
担保管理の補助業務(担保物件の現地確認、登記簿謄本等の徴求等)
 
事業用不動産の管理業務
 
職員向け福利厚生業務及び信用保証協会の調度品・消耗品等の一括購入業務
 
信用調査(債務者及び連帯保証人の現況調査及び資産調査等)の補助業務
 
求償権回収の補助業務(信用保証協会の指示に基づく督促状の作成・発送事務の代行、法的措置に係る各種書類の作成・発送、求償権先等調査)
 
広告・宣伝業務
 
人材派遣会社における労働者派遣業務
 
保証業務に関連したコンピュータ関連業務(システム開発、ソフトの販売、コンピュータソフトの販売に伴い必要とされる付属機器の販売、バックアップデータの保管管理業務、電算処理受託等)
 
−4−2 関連会社の適正化措置
 
 関連会社の範囲を越える業務を行っている関連会社については、次のように適正化を図るよう指導するものとする。
 
(1)  当該会社等への当該信用保証協会の役職員等による出資は行わない
 
(2)  当該会社等の商号を信用保証協会との関連を連想させないものとする
 
(3)  当該会社等に対し原則として役職員を出向させない(適正化措置を完了した会社等に対して、研修を目的とした出向の場合を除く。)
 
(4)  当該会社等の営業所を信用保証協会の建物内に設置しない
 
−4−3 関連会社に関する留意事項
 
(1)  関連会社の範囲を逸脱する業務(一般向け不動産業務、物品販売業務、旅行あっせん業務等)を行っていないか
 
(2)  関連会社を利用して、会社株式等を取得していないか
 
(3)  信用保証協会の資産流出を防止する観点から、従属業務を営む関連会社は信用保証協会が全額出資し、当該関連会社の資本の額は、商法で定める最低資本の額となっているか
 
(4)  親協会からの収入依存度については、原則として収入は、親協会からのものとなっているか(親協会を同じくする他の全額出資関連会社からの収入は親協会からの収入として取扱う。また、保証協会業務に関連したコンピュータ関連業務に係る収入についても、親協会以外の信用保証協会及びその関連会社からの収入を親協会からの収入として取扱う。なお、地方公共団体に対するコンピュータ関連業務に係る収入についても、他信用保証協会からの収入として扱う。)
 
(5)  人材派遣会社における労働者派遣業務については、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(昭和六十年法律第八十八号)」の趣旨に沿っているか
 

 

2−5  信用保証協会法第三十五条に基づく経営改善計画書の策定に関する報告
 信用保証協会の経営の健全性を確保する観点から、業務又は財産の状況に照らして経営の改善を要する協会については、信用保証協会法第三十五条に基づき経営改善計画の策定に関する報告を求めるとともに、必要に応じて経営者に助言等を行い経営内容の改善を促進するものとする。
 
−5−1 報告を求める協会の選定
 
 都道府県知事は、管下信用保証協会が次に掲げる事項に該当した場合、すみやかに所轄財務局長との間で協議することとし、当該協議を踏まえた意見を記載した書面を添付して、金融監督庁監督部長及び中小企業庁長官あて進達するものとする。
 なお、協議又は進達時点において、既に当該協会において適切な改善計画を策定し、実施している場合は、主務省と協議のうえ、本規定による報告徴求をしないことができるものとする。
 
(1)  基本財産の減少経理(取崩し)を行う場合(国の政策に基づき特別に出えんされたものに相当する基金及び金融安定化特別基金の取崩しを除く。)
 
(2)  動産・不動産償却、求償権償却準備金、退職給与引当金又は責任準備金のそれぞれについて基準を下回ることとなる場合(ただし、中小企業金融安定化特別会計における求償権償却準備金又は責任準備金のそれぞれについて基準を下回ることとなる場合を除く。)
 
(3)  検査結果等を踏まえ、財務内容が著しく悪化し適正な代位弁済の実行に支障が生じている又は生じる恐れがある場合
 
(4)  業務・経営管理面に極めて重大な問題があり、特にその改善が必要と認められる場合金融監督庁監督部長及び中小企業庁長官は、当該協会が経営改善を要するかを詮議し、選定した場合はすみやかに信用保証協会法第三十五条に基づき経営改善計画書の策定に関する報告を求めるものとする。
 
−5−2 報告徴求に当たっての留意事項
 
(1)  報告徴求に当たっては、改善すべき事項を明記し、経営改善計画書を添付し報告させるほか、改善計画の実施状況を把握する必要があることから、原則半期毎3年間の継続的な報告を求めるものとする。
 
(2)  報告期限は特段の事情がない限り原則60日以内とする。なお、報告期限を経過しても提出がなされなかった場合、罰則規定(法第四十条、3万円以下の罰金)に該当するので、その旨周知させるものとする。
 
−5−3 報告の進達等

 都道府県知事は、報告書の提出があった場合、実行性のある内容が適切に記載されているかを確認のうえ受理するものとする。
 報告書を受理したときは、すみやかに金融監督庁監督部長及び中小企業庁長官に送付するものとする。
 

−5−4 報告の再徴求等

 改善計画の実施状況が著しく進んでいない場合及び3年間の報告期間中に改善がなされなかった場合は、報告の再徴求又は報告期間の延長を行うものとする。

3. 一般監督に関する事項
 
3−1  法令解釈等の照会
(1)  照会を受けた場合、権限外の法令等に係るものであった場合には、コメント等は厳に慎むものとし、本事務ガイドライン等の既存資料により回答可能なものについては、適宜回答する。
 
(2)  回答にあたって判断がつかないもの等については、「金融監督等にあたっての留意事項について−事務ガイドライン−」に沿って処理するものとする。
 
(3)  照会事例集については、金融監督庁及び中小企業庁の間で必要に応じ回覧するものとする。
 

 

3−2  信用保証協会に関する苦情等について
(1)  信用保証協会に関する苦情等を受けた場合には、申出人に対して、当局は個別取引に関して仲裁等を行う立場にないこと及び信用保証協会の制度を確立することが職務であることを説明するものとする。
 
(2)  信用保証協会の制度を確立する上で参考になると考えられるものについては、その内容を「金融監督等にあたっての留意事項について−事務ガイドライン−」に沿って処理するものとする。
 
(3)  各財務局及び都道府県(市町村を含む。以下同じ。)においては、1年間の苦情等の件数を、毎年3月末現在でとりまとめ、これを4月末日までに金融監督庁担当課に報告するものとする。
 

 

3−3  決算経理について
 信用保証協会の経理処理に当たっては、経営の効率化及び経営基盤の確立に資するため、真実性、明瞭性及び継続性の原則を尊重するとともに、収入及び支出は原則発生主義により計上し、その期の経営状態を明らかにするものとし、次に掲げる点について留意の上、指導するものとする。
 
(1)  未収利息は正確に計算のうえ、当期の収入に計上されているか
 
(2)  未経過保険料及び未経過保証料は正確に計算のうえ、翌期に繰越されているか
 
(3)  未払保険料は正確に計算のうえ、経過分について当期の支出に計上されているか
 
(4)  諸償却は適正に行われているか
 
イ.  期末時点において回収不能と判定される求償権は、各信用保証協会の定める基準に従い償却されているか
 
ロ.  求償権に準ずるその他の債権については、求償権に準じて償却されているか
 
ハ.  取引所に上場されている有価証券は、低価法に基づいて評価を行い、償却されているか
 
ニ.  取引所に上場されていない有価証券については、商法の一般原則に準じて償却されているか
 
ホ.  動産・不動産については、税法基準により直接償却の方法をもって行われているか
 
ヘ.  恣意的に償却を調整することによって、経理の操作を行っていないか
 
(5)  諸準備金及び引当金は適正に繰入れられているか
 
イ.  収支差額変動準備金
 毎事業年度末の収支差額の剰余は、その百分の50の範囲内で、事業年度末における基本財産の二分の1相当額を限度として繰入れられているか
 
ロ.  責任準備金
 事業年度末における保証債務の額の千分の6に相当する額に保証債権者が保証債務の履行を請求しうる期日(各信用保証協会が業務方法書に定めるところによる。以下同じ。)を経過している保証債務額の十分の1に相当する額を加えた額が繰入れられているか(保証債務の額の中に中小企業信用保険公庫の保険に付されていない保証債務がある場合は、その保証債務額の百分の1に相当する額に保証債権者が保証債務の履行を請求しうる期日を経過している中小企業信用保険公庫の保険に付されていない保証債務額の百分の33を加えた額)
 
ハ.  求償権償却準備金
 事業年度末における求償権(求償権補てん金額及び求償権補てん金の受領予定額を除く。)のうち、当該年度において代位弁済を行ったものに対してはその百分の33に相当する額、前年度に代位弁済を行ったものに対しては百分の67に相当する額、前々年度以前に代位弁済を行ったものに対しては全額に相当する額を繰入れているか
 
ニ.  退職給与引当金
 事業年度末において役職員が自己の都合により退職した場合の退職給与規程による要支給額を繰入れているか
 
(6)  収支差額変動準備金及び基本財産の取崩しを行う場合は適正に処理されているか
 
イ.  収支差額変動準備金
収支差額変動準備金をもって毎事業年度の収支差額の欠損を補てんした場合又は毎事業年度末に収支差額変動準備金を基本財産の基金準備金に振り替えるために取崩した場合、その取崩しが協会業務の円滑な遂行を確保する上で真に必要なものであったか
 
ロ.  基本財産
 収支差額変動準備金をもって毎事業年度末の収支差額の欠損を補てんし、なお不足する場合は、基金準備金、基金の順で取り崩されているか(国の施策に基づき特別に出えんされた金額に相当する基金及び金融安定化特別基金の取崩しを除く。)
 また、基本財産の金融安定化特別基金をもって、中小企業金融安定化特別会計収支計算書上の収支差額の欠損補てんのために取崩した場合、その取崩しが適正に処理されているか
 

 

3−4  中小企業金融安定化特別会計の決算経理について
 中小企業金融安定化特別保証制度に係る経理処理に当たっては、同制度の適切な運用を確保するため、他の保証制度とは区分して収入及び支出を明らかにするものとし、次に掲げる点について留意のうえ、指導するものとする。
 
(1)  期末時点において回収不能と判定される求償権は、各信用保証協会の定める基準に従い償却されているか
 
(2)  責任準備金及び求償権償却準備金は適正に繰入れられているか
 
イ.  責任準備金
 事業年度末における保証債務の額の千分の6に相当する額に保証債権者が保証債務の履行を請求しうる期日(各信用保証協会が業務方法書に定めるところによる。)を経過している保証債務額の十分の1に相当する額を加えた額が繰入れられているか

 
ロ.  求償権償却準備金
 事業年度末における求償権(求償権補てん金額及び求償権補てん金の受領予定額を除く。)のうち、当該年度において代位弁済を行ったものに対してはその百分の33に相当する額、前年度に代位弁済を行ったものに対しては百分の67に相当する額、前々年度以前に代位弁済を行ったものに対しては全額に相当する額を繰入れているか
 
(3)  毎事業年度の収支差額の剰余は、基本財産の金融安定化特別基金に繰入れるものとする
 

 

3−5  1中小企業者等に対する保証金額の最高限度について
 信用保証協会の1中小企業者等に対する保証金額の最高限度は、資産の健全性の確保、保証の均衡を図ることによって中小企業者等の金融の円滑化を期する必要があることから、次のように指導を行うこととする。
 
(1)  1中小企業者等に対する保証金額の最高限度は、基本財産並びに当該年度の出えん金及び金融機関等負担金の合計額の百分の20に相当する額又は保険限度額の2倍に相当する額のいずれか低い額を限度とする。
 
(2)  業務方法書に個別に規定する保証については、これらの制度の趣旨にかんがみ、中小企業信用保険法の保険限度額を限度とする。
 
(注)  保証の名義が異なっていても、実質的に同一人に対する保証と認められるものについては、保証金額の最高限度の指導上は合算して取扱うものとする。
 

 

3−6  理事の任命等に関する留意事項
−6−1 現職都道府県職員以外からの任命

 協会の理事は、協会の経済的基盤が地方公共団体に大きく依存しており、また、協会の業務が地方の中小企業施策に密接な関係があることから、その任命権は都道府県知事にあるが、信用保証協会に対する主務大臣の権限の一部が都道府県知事に委任されており、日常監督は都道府県知事が行っていることから、協会代表者(代表権を有する者全て)は現職都道府県職員(特別職を含む。)以外から任命するとともに、都道府県関係者からの理事就任数は最小限度にとどめるものとする。
 

−6−2 会長、理事長の常勤化

 会長、理事長職は協会の業務運営に係る最高責任者であることから、十分な指導監督が可能となるよう常勤化について指導するものとする。

−6−3 金融機関出身者の役員就任

 金融機関出身者の役員就任に当たっては、信用保証協会の業務運営に支障のない範囲内においてそのあり方を見直すなど、地域中小企業者の不信感を招くことのないよう指導するものとする。

4. その他の事項
 
実施要綱集
 新法施行等により、新たに信用保険制度の特例が創設された場合は、「実施要綱集」を作成し配付するので、執務室内にファイリングし事務の参考にされたい。
 

別紙様式1


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