付属文書3.第二の柱:自己資本充実度に関する監督上の検証
 

  1.  当セクションでは、監督上の検証が自己資本の枠組みの一部として明示される。監督上の検証プロセスは、裁量的な柱ではなく、むしろ、最低所要自己資本と市場規律を補完するうえで不可欠な要素として捉えられるべきである。監督当局が銀行の自己資本のポジションと戦略を検証する目的は、銀行の自己資本が当該銀行全体のリスク・プロファイルと整合的であることを確保するためであり、その銀行の資本戦略が十分にリスクに対する緩衝を提供しない場合に早期の介入を可能とするためである。さらに、監督当局は、銀行が最低自己資本規制を遵守しているかの評価も行う。
     

  1.  銀行の自己資本充実度の検証に関する議論は4つの基本的で補完的な原則に基づいており、それらは以下でより詳しく説明される。4つの原則とは:

 

A.規制上の最低水準を上回る自己資本

  1.  監督当局は、自己資本合意に設定されている規制上の所要自己資本を最低水準として取扱っており、各銀行には、最低水準を超えてそれぞれのリスク・エクスポージャーに対して適切な水準の自己資本を保有することを期待している。こうした適切な水準を設定するにあたって、各銀行及びその監督当局は、以下のものを含め、多くの要素を考慮に入れる必要がある:

 これらの事項は、規制上の最低所要自己資本に加えるべき適切な上乗せ幅が個別銀行毎に異なることを示唆している。

  1.  自行の自己資本の充実度、そして、規制上の最低水準をどの程度上回る水準で業務を行っているべきかについて評価するために、銀行及び監督当局は、景気の影響や全般的なマクロ経済環境をも考慮する必要がある。このプロセスの一部として、各銀行は、発生し得る出来事や市場状況の変化で自行に不利な影響を与え得るものを識別し、それらに自行が耐えられるかどうかを評価するような、将来に向けた厳格なストレス・テストを実施するべきである。ストレス・テストでは、起こり得る「最悪ケース」のシナリオの影響も考慮すべきである。

  2.  こうしたプロセスの一部として、各銀行は、内部で設定した自己資本の目標値が十分に根拠のあるものであることを示せなければならず、監督当局は、これらの目標値が各銀行の全体的なリスク・プロファイル及びその時点の業務環境と整合的であるか否かを検証し、評価し、判断すべきである。さらに、金融機関全体の自己資本充実度を評価するうえで、監督当局は、それらの機関の国内・国際金融市場における相対的重要性やシステミックな不安定性を惹起する可能性をも念頭に置く必要がある。監督当局は、規制上の最低自己資本比率以上の自己資本を保有することを銀行に求める能力を有しているべきである。

 

B.自己資本充実度に関する銀行の内部審査

  1.  当委員会は、経済的リスク対比での自己資本の充実が金融機関の長期的健全性のための必要条件であることを認識している。したがって、設定された最低所要自己資本規制を遵守することに加え、上述のように、各金融機関が、自らの自己資本充実度と将来的な自己資本の必要性を、自らのリスク・プロファイルと業務計画に照らして批判的に審査することが不可欠である。

  2.  殆どのよく経営されている銀行は、自行の自己資本所要額を審査・評価する内部プロセス・手法を開発している。そうした審査を行う最善の手法に関して業界のコンセンサスはないであろうが、健全な実務の方向性は明らかなように思われる。大銀行は、システマティックで規律が効いており、定性的・定量的双方のリスク・ファクターを考慮に入れるような、自己資本充実度を審査するための手法を着実に開発している。一部の銀行は、業務・商品ライン間の値付けや業績評価手法として頻繁に用いられる資本配分の手法を分析の一要素として考慮している;これらの手法は、しばしば、非期待損失(unexpected losses)に関する見方を織込んだ数種類のボラティリティ・ベースの計測値を、より主観的なリスクの計測値とともに織込んでいる。さらに、一部の銀行は、現時点及び将来の自己資本所要額や資本構造を評価するうえで正式なモデルを一つの要素として考慮する一方で、実際の自己資本の水準や構造に関する判断は、暗黙裡ないしは明示的な規制に関する期待や、同規模他行との比較、市場の期待やその他の定性的要因を含む、経営判断に基づく考察を引続き大幅に反映している。

  3.  上述のように、健全な実務に関する基準は発展途上にある;しかしながら、銀行は少なくとも信頼でき明示的に定義された内部的な資本配分手法を保有しているべきである。多くの先進的な銀行においては、これは、金融機関の自己資本が適切である状態を、例えば目標とする倒産確率といった合理的な健全性の定義によって規定する内部の経済資本配分モデルの形態である場合が多いであろう。用いられるのがどのような手法であれ、必要に応じ、証券化を含めた全ての重要な取引及び経済環境の変化を考慮して当該銀行の内部的な所要自己資本を再調整するべきである。これにより、全体的なリスク・プロファイルが相対的に大きな金融機関は、それに応じた自己資本額を維持することが確実になっていく。こうしたプロセスは、目標となる自己資本比率を設定し、資本戦略を決定する権限を有している上級管理職によって監督されるべきである。これらの点が以下に敷衍されている。

  4.  自己資本充実度を評価するプロセスの一部として、銀行は、自行の自己資本の水準が適切か否かを判断するために、自行の業務全般に亘るリスクを識別・評価できるべきである。こうしたプロセスは、a)リスク・エクスポージャーを各種のリスク種類別に適切に分類し、b)金融機関のバンキング勘定のリスク・プロファイルについての包括的な全体像を提示して信用リスクの集中を識別し、c)ポートフォリオの変化の方向性、例えば、信用度の低い貸出が当該行のポートフォリオ全体に対する比率として時間を追って大幅に増加していないかどうかを識別し、d)内部のリスク評価プロセスの客観性と一貫性を確保する管理があり、そしてe)リスク計測プロセスの正確性ないしは適切性を支持する分析ないしは根拠を提供するものであるべきである。

  5.  こうしたプロセスの一部として、銀行は、新商品、取引量の増加、集中度の変化ないしは経営・マクロ経済環境全般の変化のいずれか、あるいはそれらの組合わせのいずれによるものであれ、自行のリスク・プロファイルの変化を織込めるべきである。さらに、銀行は、発生し得る出来事や市場の変化で将来的に自行に不利な将来の影響を及ぼすと考えられるものを識別し、自行がこれらに耐えられるかを評価するための包括的で厳格なストレス・テストを実施すべきである。銀行はまた、自行の自己資本充実度の審査方法が理論的にしっかりしており、審査に用いられる入力データが良い品質で、出力結果や結論が合理的であることを示せるべきである。銀行は、例えば、主要な入力データの感応度分析や同規模他行との比較を、自行の手法を審査するために用いることができよう。

 

C.監督上の検証プロセス

  1.  監督当局は、現在でも銀行の自己資本充実度を一つあるいは複数の手法で検証し、評価している。バーゼル委員会のメンバー国の銀行監督当局は全て、最低自己資本比率規制の遵守状況を監視し、金融情勢やその他の情勢、自己資本戦略、自己資本の構造や関連する目標について、銀行経営陣と議論するために定期的な会合を持っている。監督当局は、オンサイトの検証を通じて、あるいはオフサイトの監視を通じて、多くの定性的リスク・ファクターを考慮に入れて自己資本充実度を検証しているほか、内部・外部監査人の作業を検証している。多くは内部・外部監査人と会合を持ち、彼らが発行する報告書を検証している。中には、最低レバレッジ・レシオないしは個別行毎のトリガー・レシオなどの補完的な所要自己資本を考慮に入れている監督当局もある。

  2.  銀行が、自行の自己資本充実度を審査し、内部的な資本の目標を設定するための新しい分析アプローチを進めるのに伴い、監督当局はこれらを全般的な監督プログラムに組み込むことができる。銀行の分析プロセスを効果的に活用するために、監督当局は個別銀行の内部的な自己資本充実度の審査を検証し、銀行自身が設定した自己資本の目標値について議論する手法を持っておくべきである。監督当局は、自行のリスク・プロファイルに関する銀行自身の審査を検証し、新しい業務や市場における必要自己資本に関する推計について説明を求め、商業貸出債権の証券化といった活動の自己資本への影響について注視すべきである。こうした検証を行うにあたり、監督当局は、銀行の経営陣との定期的な会合、自行の自己資本充実度の審査結果を詳しく説明した銀行が用意する報告書、ないしは内部・外部監査報告書のいずれか、あるいはそれらの組合わせに依存するべきである。さらに、監督当局は、銀行の用いている手法が商品・業務ラインを超えて同様のリスクを整合的に取扱っているか、銀行のリスク・プロファイルの変化はすぐに織込まれるか、を検証すべきである。監督当局はまた、銀行が提供する技術的文書、銀行が実施する感応度分析やストレス・テストの結果、そしてそれらが自己資本計画にどのように関連するかを検証することにより、当該銀行の手法の合理性を評価すべきである。また、監督当局は、銀行が用いる手法やストレス・テストの洗練度が、当該銀行の行う業務と相応のものであるかを評価すべきである。最後に、監督当局は、銀行の手法を評価するにあたり、例えば健全な会計・評価原則の遵守状況、業務上のリスクや活動を集計する経営情報の報告・システムの質や、生じつつあるないしは変化しつつあるリスクへの当該銀行の対応の前向きさ、といったその他の関連する要素を考慮すべきである。

  3.  もちろん、こうした監督プログラムは、殆どの銀行監督当局にとって重大な資源上のインプリケーションを持ち、監督当局の人員の数と技術水準が考慮に入れられるべきであろう。また、こうした監督プログラムは、国際的に活動する銀行のリスク・プロファイルを評価するため、そして国境を超えた基準の共通性を確保するために、監督当局間の緊密な協調を要求する。

 

D.監督当局の介入

  1.  監督当局が、銀行の規制上の自己資本の計測と内部的な自己資本充実度に関するプロセスを検証する重要な目的の一つは、銀行の自己資本ポジションの重大な悪化の可能性をできる限り早期に察知することである。当委員会のメンバー国全てにおいて、銀行監督当局は、銀行の自己資本が当該銀行のリスク対比で低下している場合に適切なタイミングで介入することを目指している。早期介入の必要性は、殆どの銀行の資産が相対的に非流動的であることと、銀行が迅速に自己資本を調達する手段が限られていることを反映している。しかしながら、監督当局は、市場の力が適切に、また監督当局の介入に過敏に反応しないようなかたちで、機能するよう努力している。さらに、健全な方法でリスクを管理し、問題が発生した場合にそれに対処するための行動を起こすことは、銀行の経営陣と所有者の第一義的責任であり、したがって銀行監督は実効的な経営の代替物ではないと当委員会は認識している。

  2.  銀行の問題に対処するために監督当局が採用する介入手段の種類は、法律、国家の政策、ケース・バイ・ケースの分析、ないしはこれらの組合わせにより定められている。一部の監督体制では、規制上の自己資本比率の非公式のモニタリングに第一義的重要性を置いている。その他では、規制上の自己資本の計測値と、潜在的な問題金融機関を識別するための他の監督上のリスク評価とに依存している。殆どの監督当局は、自己資本ポジションを改善し、潜在的な内部管理やリスク管理上の弱点を是正することを銀行に促すうえで、道徳的説得(moral suasion)に大幅に依存している。一部の体制では、自己資本比率は、銀行の閉鎖を含め、それに至るまでの監督上の措置を発動する基準となっている。これらの発動基準となる比率は、制定されている規制上の最低比率より高く設定されている場合もあるが、こうしたケースは例外的である。

  3.  通常の業務上のショックに銀行が耐えられるかどうかが疑問視される水準にまで自己資本の水準が低下している場合に、それを識別し、銀行に介入できる手法を全ての監督当局が有しているべきである。監督当局は、銀行がより多くの自己資本を保有するインセンティブが与えられるべきである点について、全般的に同意している。しかしながら、より高い自己資本の水準は強力なリスク管理や内部管理の代替物ではない。

 

E.監督上の検証プロセスに関する将来的な課題

  1.  当委員会は、監督上の検証プロセスを強化するための努力を継続する。例えば、当委員会は資源上の問題にどのように対処するのが最も良いかを議論し、監督上の作業プログラムや基準の開発を検討していく。将来的な課題には、現状監督当局により用いられている監視手法に関するさらなる議論や、過去の手法を改善し、新たなものを開発する努力が含まれよう。

  2.  将来的な作業の出発点として、当委員会は現在、自己資本充実度を評価する規制上及び監督上の手法について、また、自らの自己資本充実度を銀行が審査する手法について、メンバーへの調査を行っているところである。当調査と、業界及び他の監督当局との市中協議プロセスの結果に基づき、当委員会は、このセクションに述べられている原則に関するより詳細な指針を開発することを展望している。当委員会は、特に以下の分野で将来の作業の可能性があると考えている:

  1.  当委員会の将来の作業の重要な目標の一つは、監督上の検証プロセスに関する明確な原則を公表し、監督当局が選択できる一連の手法を提示することである。当委員会は、一国内あるいは各国間における銀行及びその業務の違いに対応するためには、こうした一連の手法を提供することが適当であると考える。同様に、当委員会は、自己資本充実度に関する監督上の検証は、一国における監督の包括的手法の一部であるべきで、当該国において普及している手法や技術を活用し、補完するべきものであることに留意している。


付属文書4.第三の柱:市場規律
 

  1.  市場参加者が銀行の自己資本充実度を評価するためには、銀行の資本構成ならびにリスク・プロファイルに関する情報を有している必要がある。したがって、当委員会は、自己資本の水準、リスク・エクスポージャー及び自己資本充実度に関する情報開示が、意味のある水準の市場規律を達成するうえで重要であると考えている。これらの情報開示は最低でも毎年、適切であればより頻繁に行われるべきである。

 

A.自己資本の構造

  1.  銀行は、自己資本の構成要素と、特に先進的かつ複雑で複合的な資本商品の場合には、資本商品の発行条件と主要な特徴、といった項目を含めて、自行の資本構造に関する概要情報を開示すべきである。銀行は、また、貸倒損失やその他の潜在的な損失に対する準備金に関する情報も開示すべきである。開示された情報は、当該金融機関の損失吸収能力を明確に表わしているべきであり、満期、支払の優先順位、ステップ・アップ条項、金利ないしは配当の繰延べ、特別目的会社(SPVs)の利用、複合型資本商品に組み込まれたデリバティブの条件、をはじめ、銀行の自己資本の頑健性について分析するにあたって特に注意すべき条件を含むべきである。

  2.  銀行は、Tier 1資本、Tier 2資本、(該当する場合には)Tier 3資本それぞれの額等、自己資本合意に基づいた自行の自己資本の構成を開示するべきである。

  3.  銀行は、資産と負債の評価、引当金、及び収益の認識に関する方針等、自行の会計処理の方針に関する情報を開示すべきである。こうした情報は、財務諸表の利用者が金融機関の自己資本の質を評価・比較することを可能にするために不可欠である。

 

B.リスク・エクスポージャー

  1.  銀行が業務を行うダイナミックな金融市場や、増大するグローバルな競争や技術革新の影響を前提にすると、銀行のリスク・プロファイルは非常に急速に変化し得る。したがって、財務情報の利用者は、ある程度の期間に亘って意味を持ち続け、基本的な市場環境の変化に対する感応度を正確に反映するようなリスク・エクスポージャーの計測値を必要としている。

  2.  銀行は自行のリスク・エクスポージャーに関する定性的・定量的情報を公けに開示すべきである。銀行の資本ポジションの開示と併せ、リスク・エクスポージャーに関する情報は、銀行がストレス時に支払可能な状態でいられるかどうかを見るうえで有用である。銀行のリスク・プロファイル、すなわち、ある一定時点で当該銀行のオン及びオフバランスシート活動に内在するリスクや当該銀行のリスクの選好度に関する透明性は、金融機関の財務ポジションの安定性や市場環境の変化に対する収益の感応度に関する情報を提供する。

  3.  各リスク分野を議論するにあたり、金融機関は、そのリスク・エクスポージャーの性質と規模を利用者が理解することを助けるために、十分な定性的(例えば経営戦略)及び定量的(例えばポジション・データ)情報を提供すべきである。さらに、財務諸表利用者が基本となっているエクスポージャーの趨勢を見通せるよう、前年までのデータとの比較情報も提供されるべきである。

  4.  各種のリスク分野について行われるべき定量的・定性的開示に関するより詳細な指針は、委員会の報告書「銀行の透明性の向上について」に示されている28

 

C.自己資本充実度

  1.  銀行は、自己資本合意及びその他の当該銀行が遵守することを求められている監督上ないしは規制上の自己資本基準に示される手法に従って計算されたリスク・ベースの自己資本比率を開示すべきである。この開示には、利用可能な自己資本が信用リスクとマーケット・リスク及びその他のリスクに対する所要額を十分に満たしているかどうかを利用者が評価できるよう、十分な情報が含まれるべきである。

  2.  銀行は、自行の自己資本充実度を自ら評価するために用いる内部プロセスに関する定性的開示を行うべきである。こうした開示は、銀行の自己資本充実度の管理がその他のリスク管理プロセスとどのように関連するか、そして将来の変動に対して当該銀行がどの程度耐えられるかについて、市場参加者が判断することの助けとなる。

 

D.将来の課題

  1.  情報開示に関してこの付属文書に示されたものの殆どは、既に当委員会が多くの公表物29の中で示してきた提言で構成されている。当委員会は、将来、自己資本充実度に関する開示について、より詳細な指針を提示できるようにするためのプロジェクトを幾つか進めているところである。これらのプロジェクトには、最近公表された貸出金の会計処理と開示や、トレーディング及びデリバティブ取引の開示に関する提言30が含まれる。さらに、当委員会は市場参加者へのインタビューを進めているほか、大規模で国際的に活動している銀行の実際の開示慣行を調べているところである。

  2.  これらの作業と、当ペーパーや他の提言に対するコメントに基づき、当委員会は本年中により詳細な指針を公表する予定である。この指針は、銀行の自己資本充実度を促進するうえで市場規律が果たす役割を向上させるために行われるべき開示について取上げる予定である。銀行や他の市場参加者にとって、より充実した開示が有用である分野についてのコメントが求められる。


  1. バーゼル銀行監督委員会は、1975年にG10諸国中央銀行総裁により設立された銀行監督当局の委員会である。同委員会は、ベルギー、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、ルクセンブルグ、オランダ、スウェーデン、スイス、英国および米国の銀行監督当局ならびに中央銀行の上席代表者により構成される。委員会は通常、常設事務局が設けられている国際決済銀行(バーゼル)において開催される。

  2. 「自己資本の計測と基準に関する国際的統一化」、バーゼル銀行監督委員会(1988年7月)。当文書で参照されている全てのバーゼル委員会作成のペーパーは、インターネット上のBISのwebsite(http://www.bis.org)から入手することができる。

  3. 当委員会は各国における法制度の違いと、その結果この第二の柱を実施することから問題が生じる可能性のあることを認識している。

  4. 「貸出金の会計処理、信用リスクの開示等についての健全な実務のあり方」、バーゼル銀行監督委員会(市中協議用に1998年10月に公表)。

  5. 「自己資本の充実度に関する諸原則」、金融コングロマリットに関するジョイント・フォーラム(1999年2月)。

  6. 「信用リスク・モデル─現状とその活用」、バーゼル銀行監督委員会(1999年4月)を参照。

  7. 「銀行と、レバレッジの高い業務を行う機関との取引」および「銀行と、レバレッジの高い業務を行う機関との取引に関する健全な実務のあり方」、バーゼル銀行監督委員会(1999年1月)。

  8. 「オペレーショナル・リスク管理」、バーゼル銀行監督委員会(1998年9月)。

  9. 「銀行の金利リスク測定フレームワーク」、バーゼル銀行監督委員会による市中協議のための提案(1993年4月)。

  10. 「銀行の透明性の向上について」、バーゼル銀行監督委員会(1998年9月)。

  11. 「実効的な銀行監督のためのコアとなる諸原則」、バーゼル銀行監督委員会(1997年9月)。

  12. 銀行グループの親会社である持株会社には、その親会社である持株会社があるかもしれない。構造によっては、この親会社である持株会社は銀行グループの親会社とは見られず、バーゼル合意の対象とならないかもしれない。

  13. 持分が50%未満であっても企業に対する支配力を持つことはあり得る。

  14. グループの自己資本比率が8%である場合、資本投資に1250%のリスク・ウェイトを付与することと、全額控除することとは同値である。

  15. 上記脚注5参照。

  16. 本ペーパーでは、大部分においてスタンダード&プアーズ社の信用格付けを例としてのみ用いている;こうした例は、同様に、ムーディーズ社やFitch IBCA社、あるいはその他の会社の格付構造を用いることもできるものである。本ペーパーの各所に用いられている格付は、したがって、外部信用評価機関に係る当委員会の選好や決定を意味するものではない。何れの外部信用評価機関であっても、パラグラフ29に述べる厳格な適格性基準を満たさなければならない。
     
  17. 欧州裁判所の解釈によれば、ローマ条約第6条は、国籍を直接・間接の根拠として個人や企業を差別することを禁じている。したがって、ローマ条約の要請との整合性を確保するために、欧州連合(EU)加盟国は、現在(本協議用ペーパー公表時点)のEU加盟国内で設立されている銀行に対する全ての債権が、その設立されているのがどのEU加盟国であるかを問わず平等なベースで取扱われるようにする規制を導入することができる。

  18. 「証券規制の目的と原則」、証券監督者国際機構(1998年9月)。

  19. 一部の国では、個人に対するコミットメントについては、消費者保護や関連する法規の下で可能な最大限の取消権が銀行に与えられていれば、無条件に取消し可能と看做される。

  20. 上記脚注7参照。

  21. 本カテゴリーには、通常、「高所得OECD加盟国」(世銀による定義)が含まれる。

  22. 上記脚注6参照。

  23. 上記脚注7参照。

  24. 「銀行の金利リスク測定フレームワーク」、バーゼル銀行監督委員会による市中協議のための提案(1993年4月)。

  25. 「金利リスクの管理に関する諸原則」、バーゼル銀行監督委員会、1997年9月。

  26. この点、監督当局は、例えば、大きな外為決済リスクに晒されている銀行に対して、追加的な自己資本賦課を行うことを考えてみるべきである。当委員会は、近々、「外為取引における決済リスクを管理するための監督上の指針」についての市中協議ペーパーを公表する予定である。

  27. 上記脚注7参照。

  28. 上記脚注10参照。

  29. 特に、「銀行の透明性の向上について」バーゼル銀行監督委員会(1998年9月)を参照。

  30. 「貸出金の会計処理、信用リスクの開示等についての健全な実務のあり方」バーゼル銀行監督委員会(1998年10月)、「銀行と証券会社のトレーディングおよびデリバティブ取引のパブリック・ディスクロージャーに関する提言」バーゼル銀行監督委員会と証券監督者国際機構(1999年2月)。


プレス・リリース 新たな自己資本充実度の枠組み(目次)

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