平成11年10月29日
金 融 監 督 庁
大   蔵   省

 
保険会社と銀行等の相互参入に伴う弊害防止措置について
 

 平成11年9月17日付でパブリック・コメントに付した標記の件につきましては、9月29日をもってコメントを締め切らせて頂きました。お寄せ頂いたコメントも踏まえ、保険業法施行規則(総理府令・大蔵省令)の改正を行いました。ご協力ありがとうございました。

 お寄せ頂いたコメントの概要及びそれに対する考え方は以下のとおりです。

(注 )なお、パブリック・コメントに付した4つの措置(別添参照)について、上から順に(特定関係者の信用供与を利用した保険募集の禁止)、(特定関係者に該当する金融機関との共同訪問に係る誤認防止)、(特定関係者に該当する金融機関との店舗等の共用に係る取扱い)、(特定関係者に該当する金融機関の顧客に関する非公開情報の取扱い)と略することとします。
 

コメントの概要

コメントに対する考え方

(特定関係者の信用供与を利用した保険募
集の禁止)

○ 本規制違反に対しては行政罰を創設す
 べき。
 

○ 保険契約締結の際に顧客が保険料に係
 る信用供与を申し出る場合や、信用供与
 の際に与信者が債権保全のための保険契
 約に関して保険会社等を紹介する場合に
 おいて、保険募集人等が当該保険契約の
 申込みをさせる行為は、本規制に該当し
 ないことを確認したい。

○ 本規制については、保険契約者・被保
 険者を含む消費者保護の観点から設けら
 れるべきである。

 
 

○ 保険業法第百三十三条および第三百七
 条にもとづき、法令違反に対しては厳正
 に対処して参る所存。

○ 当該保険会社との保険契約の締結が条
 件とされていない場合において、保険募
 集人等が当該保険契約の申込みをさせる
 行為は、規制の対象にあたらないと考え
 られる。
 
 

○ 信用供与の相手方として保険契約者の
 みならず被保険者も含めることとする。

(特定関係者に該当する金融機関との共同
訪問に係る誤認防止)

○ 共同訪問における書面の交付について
 は、その対象となる顧客を個人に限定す
 ることを明示すべき。
 

○ 顧客の誤認防止の実効性を確保するに
 は、むしろ共同訪問自体の禁止、さもな
 ければ確認書の回収等の措置が適当。
 
 
 

○ 交付する書面には、今回規定される弊
 害防止措置の内容等についても記載され
 るべきであるほか、交付する対象となる
 顧客像は金融の知識に通じていない一般
 的な姿を念頭に置くことが必要である。
 また、書面の交付のみならず口頭での説
 明を義務付けるべき。

 
 

○ 共同訪問における書面の交付について
 は、保険募集に係る誤認防止を目的とし
 ており、その対象を個人に限定すること
 は不適当。

○ 共同訪問自体を禁止することは、金融
 システム改革の趣旨である利便性・効率
 性の高い金融サービスの提供といった顧
 客の便益まで損なうおそれがあり、書面
 の交付により顧客の誤認を防ぐことが適
 当。

○ 書面の内容については、一般的な顧客
 が誤認することがないよう保険契約者保
 護の観点から検討する。また、単に書面
 を交付するのみならず説明を行うことを
 確保するための措置を保険会社に義務付
 けることとしている。

(特定関係者に該当する金融機関との店舗
等の共用に係る取扱い)

○ 店舗の共用制限については、金融機関
 が自己責任の下で体制整備を行うべき問
 題であり、過剰規制である。

 
 

○ 保険会社と銀行等が店舗等を共用する
 場合、金融サービスを提供する主体につ
 いて、一般的な顧客が誤認することがな
 いように一定の制限を設けることが適当。

(特定関係者に該当する金融機関の顧客に
関する非公開情報の取扱い)

○ 顧客の同意の有無を問わず、顧客に関
 する非公開情報を保険募集に用いること
 は禁止すべき。
 
 
 

○ 以下の条件をパンフレット、契約申込
 書等に記載すること等により、非公開情
 報をグループ会社に提供することが認め
 られる規制とすべき。

 ・ 非公開情報を提供するグループ会社
  の名称及びその業務内容

 ・ グループ会社へ情報提供することに
  ついて、その中止を顧客が請求できる
  ことや、その方法及び連絡先

○ 本規制は、保険会社のみならず、銀行
 等に対しても義務付けるべき。
 
 

○ 顧客の書面による事前同意について、
 顧客が同意内容を明確に認識できる実効
 性ある仕組み(独立した書面、様式、交
 付方法等)を定めるべき。

 
 

○ 顧客に関する非公開情報の保険募集へ
 の利用については、プライバシー等を考
 慮し原則禁止とするが、一方で利便性・
 効率性の高い金融サービスの実現を目指
 す観点から事前に顧客の書面による同意
 がある場合には可とすることが適当。

○ 顧客に関する非公開情報の保険募集へ
 の利用については、プライバシー等を考
 慮し原則禁止とするが、一方で利便性・
 効率性の高い金融サービスの実現を目指
 す観点から事前に顧客の書面による同意
 がある場合には可とすることが適当。
 

 

 

○ 本措置は、顧客に関する非公開情報が
 保険募集に利用された場合の弊害の大き
 さに鑑み、保険会社に対して義務付けよ
 うとするものである。

○ 顧客に関する非公開情報が、顧客の書
 面による同意なく保険募集に利用されな
 いことを確保するための措置を講じるこ
 とを保険会社に義務付けることとしてお
 り、その運営状況は監督の対象となる。

 

内容についての照会先

金融監督庁  TEL 03-3506-6000  保険監督課  齋藤(内線3339)
 
足立( 〃 3432)

(別添)

【パブリック・コメントに付した内容】

 保険募集人等が、保険会社の特定関係者が当該保険会社と保険契約を締結することを条件として保険契約者に対し信用を供与し、又は信用の供与を約していることを知りながら、当該保険契約者に当該保険契約の申込みをさせる行為の禁止
 
 保険募集人が、保険募集に際し、自らが所属する保険会社の特定関係者に該当する金融機関の役職員とともに顧客を訪問した際に、当該顧客に対して、当該保険会社と当該金融機関は別法人であること等を記載した書面の交付により、説明を行うことを確保するための措置を講じることの保険会社への義務付け
 
 保険会社の店舗を保険会社の特定関係者に該当する金融機関からの独立を損なわない態様で設置すること及びコンピューター設備等(当該コンピューター設備等が当該保険会社と当該金融機関との間で情報の伝達が行えないよう措置されているものを除く。)を当該金融機関と共有しないことを確保するための措置を講じることの保険会社への義務付け
 
 保険募集に際して、特定関係者に該当する金融機関から受領した顧客に関する非公開情報が利用されないことを確保するための措置を講じることの保険会社への義務付け(非公開情報の保険募集への利用につき事前に当該顧客の書面による同意がある場合を除く。)
 
(注 )特定関係者とは、親子関係等にある法人をいう。
 

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