平成12年5月1日
金 融 監 督 庁
 
市場関連リスク検査における内部モデル等に係るマニュアルの整備について

  
 平成12年3月3日付でパブリック・コメントに付した標記の件につきましては、4月3日をもってコメントの受付を締め切らせていただきました。お寄せ頂いたコメントを踏まえ、5月1日付で「金融検査マニュアル」の改正・発出を行います(別紙1、2、3を参照)。ご協力ありがとうございました。

 お寄せ頂いたコメントの概要及びそれに対する考え方は以下のとおりです。

コメントの概要 コメントに関する考え方
【総論】

○ 銀行法等に基づき届け出ている計測リスク
 モデルについてはミニマムスタンダード、内
 部管理で自主的に利用しているモデルについ
 てはベストプラクティス、とすることが妥当
 ではないか。(農林中央金庫)
 
 

○ 国際統一基準においてマーケット・リスク
 相当額を算出する手法のうち、標準的手法以
 外のものを内部モデル方式と呼んでいるが、
 実務的に様々な「内部モデル」があり、「内
 部モデル」という単語が単独で使われると違
 和感がある。
  また、「モデル」という用語についても表
 現を統一すべきである。(個人・会社員)

○ 市場リスク管理に限らず、リスク管理のレ
 ベルというのはその銀行の業務戦略・業務実
 態及びそれらの一部をなす人材の処遇方法と
 整合的でなければならない。銀行に要求する
 リスク管理のレベルは、個別行の業務戦略や
 業務実態によって異なる。(個人・会社員)

○ 市場部門の情報管理もリスク管理の一部と
 するならば、そのためのチェックリストも作
 成してはどうか。(個人・会社員)

【 I −1 内部モデルの位置付け】

○ 内部モデルを用いて自己資本の割り当て方
 針を策定することが、経営管理・リスク管理
 上有効な手法の一つであるが、内部モデルの
 実情や、金融機関毎の業務特性の違い等も踏
 まえると唯一絶対の方法ではないと考える。
 従って、ベストプラクティスが適切である。
 (農林中央金庫)

【 II −5−(2) 計測結果の分析・活用】

○ 部門別の業績評価のためにVaRを活用す
 ることは、有効な手法の一つであると考える
 が、業績評価の手法には様々なものが考えら
 れ、金融機関毎の特性を踏まえて選択するこ
 とが妥当だと考える。従って、ベストプラク
 ティスが適切である。(農林中央金庫)

○ 業績評価のためのリスク量計測手法、自己
 資本割り当てのためのリスク量計測手法、リ
 ミット設定の対象となるリスク量測定の手法
 は、それぞれ違うことも多いと認識して欲し
 い。(個人・会社員)

【 II −5−(3) リスク計測モデルの適正性】

○ 「ミドルは、各部門のフロントと同一のモ
 デルを使用していることが望ましい」として
 いるが、先進的な金融機関ほど、様々なモデ
 ルが存在する可能性があり、必ずしも、「望
 ましい」とは言えないと考える。(個人・会
 社員)

○ 「フロントとミドルは、同一のVaRを使
 ってリスク管理を行うことが望ましい」とあ
 るが、リスク管理が何をさすのかが分からな
 いと「望ましい」とは言えないと考える。
 (個人・会社員)

【 II −7−マル1−(3) 内部検査の検査範囲】

○ 「マル11プライシングモデルのロジックの正確
 性」とあるが、どのプライシングモデルも現
 実の世界を少ししか模擬できない以上、「妥
 当性」又は「合理性」のほうが適切であると
 思う。(個人・会社員)

【 IV −(1) マーケット・リスク相当額の算出】

○ 「直近60営業日の日々のVaR値の平均」
 を下限とする論理的根拠がない。(大和証券
 SBキャピタルマーケッツ)

【 V  個別リスクの計測】

○ マル1マル5は証券会社の自己資本規制に関する
 命令第9条第14項各号によって置き換えた方
 が適切ではないか。(大和証券SBキャピタル
 マーケッツ)

 

○ 本チェックリストは、金融機関が市場関連リ
 スクを管理するために、内部モデルを使用して
 いる場合に、当該リスク管理態勢の確認検査を
 行う際にチェックすべき事項を明確化したもの
 である。各金融機関が自社のリスク認識に応じ
 て、合理的な説明及び対応が求められると考え
 る。

○ 金融機関が市場関連リスク管理用として使用
 しているリスク量計測のための内部モデルを対
 象としている。
  また、実務においても、「モデル」の語は多
 義的に使われており、誤解のおそれは小さいと
 考える。
 
 

○ 本チェックリストでは、リスク管理に必要な
 人材の確保及び育成について、チェック項目と
 している。また、リスク管理態勢の確認用チェ
 ックリスト(共通編)においては、リスク管理
 を行うための適切な人員配置等をチェック項目
 としている。

○ 現行の金融検査マニュアルにより対応可能と
 考える。
 

 

○ 各金融機関は自社のリスク認識に応じて、合
 理的な説明及び対応が求められると考える。
 
 
 
 
 

 

○ 各金融機関は自社のリスク認識に応じて、合
 理的な説明及び対応が求められると考える。
 
 
 
 

○ 各金融機関は自社のリスク認識に応じて、合
 理的な説明及び対応が求められると考える。
 
 
 

 

○ 同一のモデルを使用していない場合の合理的
 な説明及び対応が求められていると考える。
 
 
 
 

○ 同一のモデルを使用していない場合の合理的
 な説明及び対応が求められていると考える。
 
 
 

 

○ コメントについて採用することとしたい。
 (⇒チェックリストの文言を「合理性」とす
 る。)
 
 

 

○ 大蔵省告示(平成5年3月31日)等により定められた
 基準である。
 

 

○ 大蔵省告示(平成5年3月31日)等により定められた
 基準である。

 
 
 「内部モデルの確認検査用チェックリスト」の最終ページの欄外に、注意事項として、検査の対象となる内部モデル及び対象リスクの範囲についての記載を追加致しました。
  
内容についての照会先
金融監督庁検査部審査業務課
 TEL03−3506−6071 小林
 TEL03−3506−6075 熊沢
 TEL03−3506−6074 今西

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