信用リスク管理態勢のチェックリスト及び信用リスク検査マニュアル本チェックリストにおいては、与信集中の排除等のポートフォリオ管理の重要性を強調するとともに、信用格付の導入、信用リスクの計量化を促している。
また、信用収縮に対する懸念に配慮し、チェックリストに「円滑な資金供給を行っているか」、「金融検査マニュアルを理由とした資金供給の拒否や資金回収等の不適切な取扱いを行っていないか」をチェックする項目を設けている。
信用リスク検査マニュアルにおいては、自己査定に関する検査について、旧大蔵省金融検査部の「資産査定について」の通達をベースとしつつ、債務者区分を判定する場合の判断基準の明確化(特に関連ノンバンクを含む金融支援先の査定方法の明確化)等を図っている。なお、判断基準は債務者を区分する際の目安であり、債務者区分の判定に当たっては、定量的な判断だけでなく、業種の特性等を踏まえた総合的な判断が必要である。特に、中小企業等向けの与信に対しては、どの債務者区分の判定の際にも、当該企業の財務状況のみならず、代表者等の資産等をも勘案して判断する必要がある旨を明記している。
償却・引当に関する検査についても、償却・引当基準の一層の明確化を図るとともに、貸倒引当率等の算定方法の適切性、償却・引当額の水準の適切性について検査を行うこととしている。また、要注意先に対する引当は、信用リスクの程度に応じて区分毎に行うことを基本とし、例えば要管理先債権とそれ以外のものに区分して行っている場合には、妥当と判断できることも明確化している。
自己査定及び償却・引当に関する検査を踏まえ、自己資本比率がどのような影響を受けるのか等についても検査において検討することとしている。