nj_017.html：金融監督庁

新　聞　発　表

平成11年３月18日
金融監督庁
　

「金融検査マニュアル検討会」第20回（再開後第６回）会合の開催について

　本日、金融監督庁において「金融検査マニュアル検討会」の第20回（再開後第６回）会合が開催された。

　本日の会合においては、検討会再開後、これまで行ってきたヒアリング、議論等、更に平成11年２月23日付新聞発表（別添３）「金融検査マニュアル案の見直しの検討方針について」における検討項目の整理を踏まえ、各項目毎に議論が行われた。

　次回（第21回）会合は、３月25日（木）の開催を予定している。

　また、第17回、第18回の議事要旨については、別添のとおり。
　なお、前回（第19回）及び今回（第20回）の議事要旨は、取りまとめ次第公表する予定である。

本件についての問い合わせ先

金融監督庁　03-3506-6000(代)

　検査部審査業務課

黒澤	内線	3269
関口	内線	3270

（別添）

「金融検査マニュアル検討会」第１７回（再開後第３回）会合議事要旨

１．	日　　時：	１９９９年３月８日（月）１４時００分～１６時３５分
２．	場　　所：	中央合同庁舎４号館共用第３特別会議室
３．	議事概要：	「中間とりまとめ」に対してパブリックコメントを寄せられた、全国信用金庫協会、全国労働金庫協会、全国信用組合中央協会からのヒアリング及び質疑が行われた。　その後、ヒアリング内容を踏まえた議論が行われた。

審議の概要については以下のとおり。
　

　協同組織金融機関に対する資産査定においては、大企業のように財務諸表中心の実態把握ではなく、代表者の個人資産等を含めて判断するといった中小・零細企業の債務者の実態把握の考え方を盛り込む必要があるのではないか。
　

　協同組織金融機関に対するマニュアルの適用について、組織形態の違いはマニュアルに盛り込むことを検討する必要があるが、資産査定については、債務者の実態をよくみて債務者区分を決定するということは、都市銀行でも協同組織金融機関でも同じであり、異なるマニュアルを作成するより、むしろ同じマニュアルで対応するべきではないか。
　

　経営規模の小さな金融機関においては、マニュアルにおける態勢整備にかかる規定が、機械的に適用されるのではとの懸念を抱いているのではないか。今後、マニュアルを確定するにあたっては、誤解を与えないように、言い振りに配慮するとともに、検査官に対する指導を徹底する必要があるのではないか。
　

　協同組織金融機関について、預金者は、身近にある便利な金融機関であり、その資産の健全性確保については、当局がしっかり検査を行い、十全を期すべきであると考えているのではないか。
　

　日本の金融機関の貸出金利は、金融機関間の競合等により、リスクに必ずしも応じていない低い貸出金利の設定がされてきたのではないか。その結果、利鞘は薄いものとなり、海外の金融機関と比較しても生産性が低いものとなっているのではないか。
　

　債務者の破綻が少なく、リスクが顕在化しなかった時代においては、リスクに応じた金利設定が行われていない場合でも、結果としてリスク管理上問題を生ずることはなかったが、今後は、リスクに応じた個々の債務者に対する適切な金利の設定を行う必要があるのではないか。
　

　リスクに応じた金利を設定するためには、債務者の意識改革も必要である。そのためには、確定したマニュアルを広く世間に理解してもらう方策を講ずるべきではないか。
　

　マニュアルの中間とりまとめは、金融の諸問題をよりよい方向にもっていくことを目的に、リスク管理態勢を強化するという観点に重点を置いたものである。リスクがあっても引当金は低くしてほしいとの意見は合理性に乏しく、リスク管理態勢の強化により不必要な貸倒リスクを軽減することは、将来的には金融機関の状況を良くする方向に進ませるのではないか。
　

　検査マニュアルの整備は、我が国金融システムに対する内外の信認を回復させる側面もある。マニュアルの内容を後退させることにより、金融機関に対する内外の不信が払拭されず、金融界全体に悪影響を及ぼすこともあり得るのではないか。

（注）本議事要旨は暫定版であるため、今後修正があり得ます。

「金融検査マニュアル検討会」第１８回（再開後第４回）会合議事要旨

１．	日　　時：	１９９９年３月１１日（木）１４時００分～１６時１５分
２．	場　　所：	中央合同庁舎４号館共用第３特別会議室
３．	議事概要：	「中間とりまとめ」に対してパブリックコメントを寄せられた、全国農業協同組合中央会、全国漁業協同組合連合会、全国信連協会、農林中央金庫からのヒアリング及び質疑が行われた。　その後、ヒアリング内容を踏まえた議論が行われた。

審議の概要については以下のとおり。
　

（マニュアルの表現について）

　マニュアルの「・・ねばならない。」との表現は、被検査金融機関に対し、硬直的な運用が行われるような印象を与える。マニュアルの法的性格を考慮した場合、全てのチェック項目を「・・しているか。」に変更し、チェックリストとしての性格を明確にするべきではないか。
　

　マニュアルの各チェック項目には金融機関の規模等に応じて、それぞれのベストプラクティス、ミニマムスタンダードといった軽重がある。マニュアルの位置付けに関して誤解を与えないように書き振りを工夫する必要はあるが、全てのチェック項目を「・・しているか。」に変更することは、チェック項目の軽重を不明確にすることになってしまうのではないか。
　

　マニュアルの表現を変えることは、マニュアル全体から受ける印象を大きく変えることになる。銀行の健全性や透明性確保のためのマニュアルの内容が後退したとの印象を与えるような変更は、金融界全体に悪影響を与えることもあり得るのではないか。
　

　マニュアルのチェック項目の中には、妥当な基準であり、金融機関として対応しなければならないが、現実問題として対応に時間を要するものもある。いずれにせよ、マニュアルは今後定期的に見直すことを前提に検討する必要があるのではないか。

（一定期間職場を離れるチェック項目について）

　マニュアル上の２週間の職場離脱については、現在の日本の雇用情勢から考えると、現実問題として困難なのではないか。
　

　２週間の連続休暇は海外では定着しており、事故防止の観点から一定期間の職場離脱は必要である。金融機関も職場離脱の期間を有効に活用するための工夫をするべきではないか。
　

　マニュアル上の２週間の職場離脱のチェック項目については、目的としては事故防止が主眼であることから、予定された２週間よりも、不意に行われる１週間のほうが事故防止の観点からは有効な場合もある。要は、リスク管理上それに変わる手段がとられていればよいのではないか。

（マニュアルにかかる解説について）

　マニュアルに記載されているチェック項目の内容について、説明不足により誤解を与えている部分があるなら詳細に記載することを検討するべきではないか。
　また、検査官と被検査金融機関が同じ認識のもとで検査を行うため、各業態が当局の了解を得て考え方の解説を作成するべきではないか。
　

　マニュアルは、金融機関の自己責任原則を前提にしたプロセスチェックのための検査官の手引書であり、現状のマニュアル案を更に詳細に記載したり、業界の考え方の解説に関与することは、従来の金融行政の復活となりかねず、マニュアル整備の主旨に逆行することとなるのではないか。

（注）本議事要旨は暫定版であるため、今後修正があり得ます。

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