企業会計審議会 第一部会 議事録

日時:平成12年4月28日(金)午後2時00分〜午後3時54分

場所:大蔵省第四特別会議室

 

○斎藤部会長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第6回の第一部会を開催させていただきます。

 本日は、お忙しいところをお集まりいただきましてまことにありがとうございます。

 本日は、まず委員の異動について御紹介いたします。お手元の当部会の名簿をごらんください。

 当部会のメンバーであられました今野委員が4月22日付で当審議会委員を退任されまして、同日付で森委員が当審議会委員に就任しておられます。森委員は、本日は御欠席でありますけれども、当部会に所属することとなっておりますので、よろしくお願いをいたします。

 さて、前回でございますが、まず山田委員に、国際会計基準第40号「投資不動産」についての御報告をいただき、次に、日本格付投資情報センターの中塚参考人に、アナリストから見た固定資産の会計処理に係る問題点について御報告をいただきました。さらに、逆瀬委員から、固定資産の減損会計の実務について御報告をいただき、最後に、大日方委員から、今までのヒアリング結果を踏まえて、固定資産の会計処理に関する理論的な問題点を多少整理していただく、そういう観点から御報告をいただきました。

 前回申し上げましたように、今回の部会から、これまでのヒアリングや、皆様方の御意見を踏まえまして、論点整理を行っていきたいと思いますが、本日は、論点整理に向けて、粗ごなしの議論をしていただくということで、骨子を記載した資料に基づいて、大日方委員、川村委員、荒木委員から、簡単な報告をしていただいて、意見交換をいたしたいと思います。

 なお、お手元に、参考資料として、固定資産の減損に係る国際会計基準と米国基準を要点だけでありますけれども、簡単に取りまとめたものをお配りしてありますので、本日の審議の御参考にしていただきたいと思います。

 では、早速でございますが、本日の審議に入りたいと思います。

 まず、私の方から、論点整理に当たってポイントとなると思われる事項について、少しお話をさせていただきたいと思います。多少お時間をちょうだいいたします。

 まず、御承知のように、昨年の10月の総会で、この部会に与えられました課題は、固定資産の会計処理基準を幅広い観点から検討するということでありました。この間、固定資産に係る我が国の会計実務や海外の会計基準、及びその動向について、幅広く検討いたしましたけれども、特に、国際的調和化という観点からは、減損の処理が緊急の課題である、その基準の整備を急ぐ必要があるという点で、共通の認識が得られたように思われます。

 また、投資不動産につきましても、国際会計基準との関係で、論点として取り上げてはという意見がありました。

 まず、順序として、減損の問題でありますけれども、固定資産の減損が生じたときに、それを測定する海外の代表的な基準には、原則として、その時点の公正価値によるアメリカの基準と、ボンブライト流の企業にとっての経済価値とされる回収可能額による国際会計基準とがございます。どちらも、繰り越されてきた簿価のそこから先の将来における回収可能性に着目しているものでありますけれども、減損額の測定という面では、やや違ったルールを設けております。

 国際的調和化のためには、少なくともこのいずれかに合わせるしかないわけでありますけれども、ただ、その2つを並べて、どっちがいいかという話をいたしましても、議論の決め手は出てこないと思います。いやしくも、当審議会が、現時点では日本の会計基準の設定主体であるといたしますと、そこでは、まず現行の企業会計と調和し得る減損の概念をきちんと定めた上で、その概念に照らして測定の方法を選択する必要があるだろうと思われます。

 御承知のように、固定資産の会計は、バランスシート上の評価を含めて、従来は、減価償却による規則的な費用の配分を中心に議論されてまいりました。それに対して、減損会計というのは、将来の回収可能性を見直して、残存簿価を修正するという全く別の観点に立つ資産の評価替えと考えられることも少なくありません。そういう観点は、アメリカの基準にも、国際基準にもうかがわれるところであります。

 しかし、一方における規則的な費用配分と、他方における減損の処理というのが、いずれも多年にわたって形成されたきた合理的な会計実務だといたしますと、会計基準においては、その2つをできる限り首尾一貫させて、体系的な矛盾を来さないようにする必要があるだろうと思われます。そもそも、将来の成果による回収を見込めないある時点の簿価というのは、従来の見積もりに比べて、収益性が低下したことによるものもあるわけでありますけれども、同時に、たとえ収益性は低下していなくても、資産の価値、将来の回収可能額の価値ですね、その減耗の速度に比べて減価償却がおくれているという、当初からの規則的な減価償却方法の選択に由来する部分もございます。減損と言えるのは、この前者だけであります。つまり、収益性が低下したことによる資産の簿価が過大になった部分、これが減損であります。

 それに対して、後者の部分、つまり、収益性は変わっていなくても、資産価値の減耗速度に比べて、減価償却が遅い、その結果、現時点では、そこから先の将来では簿価が回収できなくなっている、つまり、過去に回収してしまったという分ですね、それは、厳密な意味では、減損ではなくて、臨時償却などの過年度修正の問題であります。それは、小宮山委員がつとに指摘されたところだと思います。

 償却性資産の簿価というのをそこから先の将来の回収可能性に照らして見直すというだけでは、この2つの部分を混同することもなりかねないわけであります。本来の意味での減損を処理する基準を選ぶためには、これは、本来ならば、過年度に回収した部分を含めて、投資期間全体通じた回収可能性を評価する観点が少なくとも概念の上では必要であります。

 もちろん、しかし、そうは言いましても、当審議会の役目は、概念を基準に具体化させる、そういうことではありません。ここは、別に学問をやっているわけではありませんので、むしろ、基本的な概念をきちんとさせた上で、会計基準の体系的な整合を図る一方、実際の会計処理のレベルでは、その概念に照らして国際的な調整を図って、実務に混乱を来さないようにするということが肝要だと思われます。

 幸か不幸か、先ほど申しました過年度修正にかかわる部分につきましては、日本では、それを修正年度の損失としておりますので、外国基準のように、減損と違う影響を利益に与えるおそれは非常に少ないのではないかと思います。言ってみれば、概念の混乱まで、海外の基準に合わせて心中はしなくても、実務レベルの国際的調和は十分図れるのではないかというふうに考えております。

 さらに、その減損以外にも、先ほど申しました投資不動産のほかに、指摘された事項が幾つもございました。しかし、その中には、これまでにも繰り返し話題になりながら、結局は実務慣行として定着してきたもの、つまり、デファクト・ルールになったものですね、そういうものや、非常に細かな問題で、実務指針などの基準以外の方法で対応した方がいいもの、あるいは重要な論点ではあるけれども、減損会計等の緊急案件を優先する上で、並行して審議する余裕のないもの等がいろいろ含まれております。

 ということで、以上の私の話を踏まえた上で、具体的な論点について、大日方委員、川村委員、荒木委員からの報告をお聞きいただくわけでありますけれども、まず、具体的な論点のうち、減損会計の基本的な考え方につきまして、大日方委員に御報告いただきたいと思います。

 それでは、大日方委員、よろしくお願いいたします。

○大日方委員 大日方でございます。よろしくお願いいたします。

 お手元の「論点整理:基本的な考え方」資料1をごらんください。

 まず最初は、手がかりといたしまして、海外の会計基準の検討から始めたらどうかというふうに考えております。海外の会計基準では、ストックの価値評価の観点から、決算日時点のあるべき簿価を定めて、そのあるべき簿価までの切り下げ額を減損による損失としているようであります。一方、資産の評価は、利益計算との関係において検討すべきであるという意見もあります。そこで、以下の項目を検討してはいかがかと存じます。

 まず1点ですが、ストックの価値評価とあるべき簿価の類型といたしまして、小さい文字で恐縮ですが、平たく並べて、それぞれどのような概念に基づいて、あるべき簿価あるいはストックの価値と言われているのかを考えてみるというのが第1点目です。

 2点目は、利益計算の観点から、ストックの価値評価に対してやや疑問が呈されることがありますが、その点につきまして、特に減価償却計算との関連において、評価切り下げとどのような関係にあるのかという点を見直してみたらいかがかと存じます。

 その点では、海外の会計基準は、一応議論の手がかりというふうに申しましょうか、出発点になりますけれども、この段階では、平たくそのあるべき簿価の類型、差し当たり○で書いてある項目の数が今4つですが、それを一律に並べて、それぞれの比較検討をするというのが出発点でございます。

 2番目は、多少一般論に戻る形になりますけれども、一体わざわざ減損会計という会計基準を設定する必要性がどこにあるのかという点、あるいはその他周辺の類似の項目との境界線を定める上でどうしたらいいかという問題を考える上で、類似の会計基準との関係を検討したらいかがかと存じます。

 つまり、減損損失の計上も、広い意味で申しますと、資産の取得原価の配分をめぐる問題でございます。したがいまして、現在の会計基準で採用されている多様な配分方法、とりわけ、幾つか損失の計上方法がございますが、それとの関係において、減損会計を整理したらいかがかと思います。

 具体的には、例えば、そこに1番目に書いてございますように、棚卸資産の評価損の考え方を固定資産に拡大するという形式は考えられるのか、考えられないのか。あるいは我が国で広く定着しております償却性資産の耐用年数の短縮に伴う臨時償却がございますけれども、この処理は、減損損失の計上とどういう関係にあるのか。つまり、この規定を整備することによって、減損会計のかなりの部分を任すことができるのか、できないのか、あるいはひょっとして、減損会計ということを整理すると、このような臨時償却の処理というのは、むしろ使わなくていいのかという点も検討課題になろうかと思います。

 あるいは3番目ですけれども、偶発損失の引き当て処理という会計処理がございますけれども、減損損失の定義いかんによってくることですが、将来予想される損失を現在繰り上げて計上するということになりますと、偶発損失の引き当て処理との関係が当然問題になります。この場合には、予想の確実性といいましょうか、その事態が生じる蓋然性等をめぐって、処理をするとかしないとかという議論がございますけれども、減損会計についてもそういうことが問題になるのかどうかという点が検討課題になろうかと思います。

 そういう周辺部分との関連を幾つか考えていきますと、3番目の話題ですけれども、一体減損とは何だろうか、すなわち、一口に収益性の低下と申しますけれども、仮にこれまでにない損失の処理方法だということにしますと、改めてそこで言われている損失の定義を考えなければなりません。そこでですが、減損の意義を確定して、それを会計上で判定する基準を設ける必要がございます。その際、実務上の実行可能性はもちろんのこと、ほかの会計基準との間の整合性も問題になります。

 そうした幾つか制約条件の中で、減損の判定基準を定める上で、以下の項目を検討したらいかがかと存じます。1点目は、前回私が御報告申し上げました論点にかかわっておりますけれども、決算日時点の簿価をそれ以降将来回収できるかどうかという意味で、損失を考えるという考え方がございます。その考え方と、もう一つは、投資の期間全体、つまり資産の取得から耐用年数、経済的寿命が尽きるまで、その期間全体を考えた上で、そもそも投資額は全部回収できるのかという観点から、損失を考える考え方もございます。

 いずれが会計が考える損失としてふさわしいのかという点が問題になろうかと思います。そのとき、同じように回収可能性という形で書いてございますけれども、昨今の流れからいたしまして、当然のことながら、回収額の単純合計で考えるのか、あるいはその測定時点まで割り戻したといいましょうか、割引価値で考えるのかという点も問題になろうかと思います。当然に、割り引くということになりますと、その割引率の問題も入ってくることになりますけれども、その点もあわせまして、回収可能額ということの意味を考えてみたらいかがかと存じます。

 そうしたやや周辺部分の議論を踏まえた上で、4番目でございますけれども、これがある意味で最終的なゴールになろうかと思いますが、減損損失をどう測定したらよろしいかということでございます。前回、私が御報告したのは、特に実行可能かどうかということを問わず、単純に、制約条件のもとでの減損損失の考え方でございましたけれども、会計基準の選択という点からいたしますと、国際的調和の観点も考えなければならないと思われます。その観点から、決算日時点のあるべき簿価までの切り下げによって、減損損失を測定するべきであるという意見も、それなりに尊重せざるを得ないと思われます。

 ただ、1番目の項目でお話しさせていただいたように、あるべき簿価と申しましても、現在、アメリカの基準と国際会計基準は異なっております。それ以外に考えられるものを列挙せよと言われたら、複数指摘することも可能でございます。そのため、選択肢は複数存在いたしますために、一体どのような基準に基づいて選択したらよいのか、その選択を決める準拠枠あるいは参照枠が必要になろうかと思います。そのときに、いずれにくみするかという観点よりは、理論的に、現実的でないか、実行可能かどうかを問わず、とりあえずは理念型として考えた参照枠に照らしてみたらどうかと考えております。

 その点につきまして、資産の収益性が低下したことを仮に最初から知っていたならば、これ自身、全然現実的でないわけですけれども、最初から現在のような収益性の低下を知っていたとしたならば、一体幾らまで支出できただろうか。逆に、当時はそのことを知らなかったために、多額の投資をしてしまっているかもしれない。そういう意味でのあり得べき投資額と実際にしてしまった投資額、取得原価との差を理念的な意味ではありますが、減損損失であるとする見解があります。この見解は、幾つか前にお話ししたさまざまな他の会計基準との整合性という観点から、余り問題点がない、その意味では、参照枠になり得る考え方かと思いますけれども、その参照枠に照らして、もう1回スタートラインに戻りまして、複数ある、あるべき簿価の諸類型を比較検討したらいかがかと思います。

 とは申せ、そのあり得べき投資額の考え方というのが、必ずしもパーフェクトという意味ではございません。いろいろな参照枠も存在するかもしれませんので、その点はもう1回検討すべきだろうと存じます。その上で、何が優先的に採用できるのかという諸類型を比較検討したらいかがかと存じます。

 最後、5番目ですけれども、有形固定資産――失礼しました。実は、これは「有形」は間違いです。「有形」を消してください。「固定資産」です。申しわけございません。

 固定資産にはさまざまな種類が含まれております。いろいろさまざまな問題が種類ごとに生じることになります。さらに、固定資産という形でくくって会計基準を設定するというケースばかりではなく、その一部分だけ抜き出して、会計基準を設定するということもございます。その典型例が投資不動産に関する会計基準かと存じます。そうしたほかの会計基準との整合性、あるいは国際的調和などが当然に問題になっていきます。

 そうした周辺の問題も慎重に考えまして、以下の項目を検討したらいかがかと存じます。ただ、投資不動産の公正価値評価との関係が問題になろうかと存じます。もちろん、評価益の側につきましては、かなり問題の次元が異なりますので、差し当たっては、評価減と申しましょうか、評価損に該当するような下側の領域になろうかと思いますけれども、その点につきまして、投資不動産を独立にくくるか、それとも通常の事業資産として、同じ形で減損処理をするかという点が論点になろうかと存じます。

 2番目ですけれども、海外の会計基準では、営業権あるいは連結調整勘定のような無形固定資産についても、減損会計を適用するということがほぼ当然のように理解されているようでございます。ただし、皆様御承知のように、最近では、企業結合の会計問題が、ある意味ではホットイシューになっております。したがいまして、減損会計の決め方いかんで、将来問題になる企業結合の会計に思わぬ制約を与えるということも起こりかねません。したがいまして、そうした点も十分留意した上で、減損会計の適用範囲に無形資産を含めるのか、含めないのか、含めるとした場合に、予想される将来の会計基準との間で問題はないのかどうかという点や、具体的な測定方法について検討したらいかがかと存じます。

 以上でございます。

○斎藤部会長 ありがとうございました。

 それでは、続けて御報告をお願いしたいと思います。川村委員から、減損会計に係る個別的な論点につきましてお願いをいたします。

○川村委員 では、御報告申し上げます。

 資料の2をごらんください。時計文字の II 、具体的論点、1、減損会計に関する論点の続きでございますけれども、(1) は、今大日方委員が御説明くださいましたので、あと(2) 、(3) ですが、これは、たまたま担当が荒木委員ということになっておりますので、先ほどの測定の話の続きとして(4) から、恐れ入りますが、御説明させていただきます。

 キャッシュ・フローの見積もりと割引率の問題でございます。固定資産の減損について測定する場合に、まずどうしても問題になってまいりますのが、将来のキャッシュ・フローの現在価値を用いるかどうかという問題であります。我が国におきましても、既に現在価値は会計基準の中に多々取り入れられてきておるところでございますけれども、典型的には、リースや金融商品のように、契約が存在しているということが前提であったかと思います。

 しかしながら、このたびの固定資産の測定におきましては、そういう契約の存在がないキャッシュ・フローを見積もるということになりますので、今までのキャッシュ・フローの見積もりの実務と比較しますと、その困難さというものに違いがあるのではないかと思われます。したがいまして、そういう客観的な数字として弾き出すことができるのかどうか、また、そういう困難性を伴っていても、なおかつ、やるべきなのかどうか、そういう問題がまず1つあるかと思われます。

 仮にそうした現在価値を用いるとした場合に、まず、キャッシュ・フローの側の見積もりをどうするかという問題がございます。1つの大きな区切り方といたしましては、その現在価値計算の目的によって、その見積もるべき将来のキャッシュ・フローの中身が異なってくるということが言えます。

 まず、マル1といたしまして、時価を把握するというのであれば、基本的には、アメリカの基準で言っておりますように、市場参加者の一般的な見積もり額というものとして、キャッシュ・フローを見積もる必要がございます。

 また、マル2でございますが、使用価値あるいは資本価値、こういうものの把握に当たりましては、国際会計基準で言われておりますように、企業の固有の見積もり額としてキャッシュ・フローを把握するということになります。

 また、見積もりに伴う不確実性という非常に難しい問題があるわけですが、この点につきましても、例えば、将来ある程度のキャッシュ・フローについて、確率分布が見えているというような場合であれば、その確率分布を反映した期待値として、キャッシュ・フローを把握する方法、あるいはマル2といたしまして、最も生起する確率が高い金額を、唯一の金額でございますけれども、その金額を弾き出して使うという方法等が考えられます。

 現在の国際会計基準やアメリカの基準におきましては、基本的には、マル2の考え方をとっておるようでありますが、一部マル1のような数字を用いるという場面も規定されております。

 一方、現在価値を計算する場合の要素のもう1つであります割引率の問題でございますが、これも幾つかの選択肢が考えられます。1つは、これも、先ほど申し上げましたような減損が生じた資産について、何をもって測定するのかということに依存する問題でございますけれども、利用価値あるいは資本価値というものを弾き出すのであれば、基本的には、マル1に書いてありますような当該企業の平均的な収益率、資本コスト率というものが理論的には妥当するかと思われます。

 また、マル2でございますけれども、アメリカの基準あるいは国際会計基準では、こちらがとられておるようでございますが、当該資産に固有のリスクに見合った市場の収益率というものを採用して割り引くという方法。

 マル3といたしまして、当該企業の追加借り入れ利子率、これは、マル1でありますとか、マル2の計算が、例えば非常に困難である場合に、比較的簡単に、マーケットから得られる数字としてたびたび使われるところだと思いますけれども、こんなものを併用する、あるいはこれを原則とする方法も当然ありますけれども、1つの選択肢になると思われます。

 またマル4といたしまして、無リスク利子率というのも考えられるかと思います。最近のアメリカのFASBの研究などにおきまして、提唱されておるんですが、キャッシュ・フローの見積もりの際に、資産に固有のリスクというものを反映するという場合には、無リスクの利子率で割り引くという考え方が妥当するわけでございまして、キャッシュ・フローの見積もりとこの利子率の組み合わせをセットで考える必要があるわけですが、キャッシュ・フローにリスクを反映させるのであれば、利子率の方にはリスクを反映させる必要はないということになります。

 また、もう1つ、当然と言えば当然の問題なんですが、減損にかかる損失を損益計算書上純利益の計算に含めるという形でありますと、当然その金額は税引き前の数字でなければなりませんので、キャッシュ・フローの見積もりも税引き前、なおかつ割引率も税引き前の数字を使うということになるかと思われます。

 続いて、次の論点、(5) 資産のグルーピング、減損の配分、全社資産の減損の問題に進みます。

 このようなキャッシュ・フローの見積もりがどうしても必要となってくるような固定資産の測定に当たりましては、ある程度合理的な範囲で、資産のグルーピングを認める必要性があるのではないかと思われます。この点について確認したいと思います。とりわけ、キャッシュ・フローを把握する必要がありますので、そのキャッシュ・フローを独立のものとして識別し得る最低のレベルというのが、アメリカの基準ですとか、国際会計基準では採用されている考え方であります。

 また、そのようなグルーピングをした上で問題になってくると思われますが、複数の資産グループにまたがる共用資産、あるいはもっと大きな問題として、本社建物等の全社資産、これに関する減損の問題というのもあります。例えばどういうふうに処理するのか、2つほど考えられるところでございますけれども、このようなグループを含めて、キャッシュ・フローを識別できるような形で、グルーピングの単位を拡大するという方法、いわゆるボトムアップ・アプローチと呼ばれるものと、もう1つは、共用資産や全社資産の帳簿価額をその下の各資産グループに合理的な基準によって配分する、いわゆるトップダウン方式です。そして、このような配分された簿価をもとに、減損の存否というものを判定するということになります。

 さらに、計算された減損について、今度また、各グループの構成資産に配分するという問題が再び生じてまいります。この場合に、どういう基準で配分するのかということが重要になってまいります。

 さらに、(6) のれん(連結調整勘定)を含んだ問題ですが、この減損をどうするか。まずは、先ほど大日方委員の報告の中にもございましたが、将来の企業結合会計などを見据えて、そもそも減損会計の対象とするのかどうかということについて、まずは検討する必要があると思われます。また、別の観点といたしまして、のれんというもの、例えばエンティティー全体の資産だと考えたときに、果たして減損会計にそもそもなじむのかどうかというような問題もあるかと思われます。

 そして、具体的な処理方法の問題になってきますが、仮に減損会計の対象とする場合には、のれんの帳簿価額を減損の兆候がある資産にどのように配分するのかという問題があります。さらに、今度は、その結果、把握された減損について、今度はまた、それぞれの各グループの中の各構成資産とのれんとに、どのように配分するのかという問題があります。例えば、アメリカの基準、あるいは国際会計基準におきましては、のれんの方を先に減額して、それでもなおかつ、余った減損、負担し切れない減損がある場合には、各資産に配分するということになります。

 (7) 減損の戻し入れの問題ですが、これについては、まず戻し入れをするのか、しないのかという問題があります。基本的には、コンセプトレベルの問題から決定されると思いますけれども、国際会計基準では戻し入れをしますし、アメリカの基準では禁止されております。また、減損の戻し入れを仮に認める場合に、どこまで認めるのかという問題があります。それは、減損の認識をする時点における帳簿価額まで戻せるのか、それとも、減損が把握された後、減価償却が仮に行われたならば、この金額になっていたであろうという帳簿価額まで戻し入れるのかといった細かな問題もございます。

 さらに(8) 点目でございますが、減損の会計処理及び表示でございます。測定された減損について、損益計算書上、費用として計上するというのがそのアメリカ基準、国際会計基準における考え方ですが、それについてまず確認をしたい。

 さらに、翌期以降の減価償却の仕方でございますが、これも、減損処理後の帳簿価額に基づいて行うということに、今国際的にはなっておりますけれども、それでいいのか確認したい。

 あるいは今度は戻し入れの問題ですが、これについては収益として計上するということでございますけれども、その他の方法があり得るか。

 あるいは関連する資産及び損益を財務諸表にどのように表示するのか。減損を生じたということを財務諸表上どのように反映させるのかという問題でございます。

 さらに、減損に関して、どのような注記が必要であるのかということについてもあわせて検討すべき必要があると思われます。

 以上、私の担当箇所を御報告申し上げました。

○斎藤部会長 ありがとうございました。

 それでは次に、荒木委員から、減損会計に係る個別的な論点、それから、投資不動産、その他指摘事項について御報告をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○荒木委員 それでは、資料2の具体的論点のうち、減損会計に関する論点の対象資産の方から御説明したいと思います。

 対象資産ですが、海外の基準では、長期性の資産のうちの金融資産等を除いた費用性資産が実質的に減損会計の対象となっております。我が国でも、金融資産、それから繰延税金資産といったものについては、それぞれ別の会計基準で減損あるいは評価に関する規定がありますので、それらを除いた固定資産を対象資産とすべきであると考えられます。

 もう少し具体的に見てまいりますと、有形固定資産については、すべて対象資産に含まれると考えられます。ここで、建設仮勘定を含むと書いてありますのは、これについては少し問題がありまして、減価償却だけを考えるのであれば、建設仮勘定の計上というのは、実務上、現金主義であっても特に問題ないわけですけれども、減損の対象ということになりますと、たまたま固定資産の支払いに関して、それが先送りされているというような場合で、建設仮勘定の残高がないという場合も、減損会計の対象にするということが、極端な例としては出てくるんではないかと思われます。

 無形固定資産のうちのソフトウエアですが、これについては、研究開発費等に係る会計基準で、減価償却における見込み販売数量等の見直しを毎期行って、減少が見込まれる部分に相当する原価を費用または損失として処理する、そういう規定になっておりますので、この規定で減損もカバーされているのかどうか、されているということであれば、含めないという選択もあると思われます。

 それから、営業権、それから、連結調整勘定については、先ほど大日方委員、川村委員の方から御説明がありました。

 それから、投資その他の資産については、減損処理の対象となると考えられますが、ここに書きましたような金融商品に係る会計基準に規定されている金融資産、税効果会計に係る会計基準に規定されている繰延税金資産及び退職給付に係る会計基準に規定されている前払年金費用等については、それぞれの基準に減損や評価に関する規定がありますので、除くことが妥当と考えられます。

 この中で、繰延税金資産や前払年金費用については、対象資産としないというのははっきりしていると思われますが、実務指針などで金融資産とされている資産のうち、パートナーシップや、匿名組合などに対する出資、そういうものも金融資産となっているわけですが、こういうものについては、不動産投資の手段として使われることもありますので、どちらの基準でカバーするのかということをはっきりさせる必要が実務上はあると思われます。

 ゴルフ会員権等についても、同様にはっきりさせる必要があるのではないかと思われます。

 次に、繰延資産ですけれども、繰延資産のうち、社債発行差金については、金融商品に係る会計基準が適用されますので、適用外、それから、新株発行費、社債発行費も、財務費用の繰延と考えられますので、対象外となると考えられます。

 しかし、これ以外の開発費、開業費、創立費といったものについては、無形固定資産と同様に扱って、対象にすべきかどうか検討する必要があると思われます。

 最後に、ファイナンスリース契約によって使用している資産についてですが、これも、理屈の上からは対象とすべきだと考えられますが、我が国では、所有権が移転しないファイナンスリースについては、オフバランス処理も認められておりますので、リース資産を対象とするというふうに決めた場合には、オフバランスとなっているリース資産との不均衡が生じないようにする必要があるのではないかと思われます。

 3番目ですが、減損の兆候ということですけれども、海外の基準では、減損の有無を検討し、その金額を測定しなければならない資産というのを減損の兆候がある資産に限っております。これは、すべての対象資産について減損の有無を検討するということは、実務上非常に困難であるということで、減損の発生がある程度見込まれる資産に限って、詳細に調査するという趣旨であると考えられます。

 我が国でも、すべての対象資産を毎期調査するというのではなくて、減損の兆候が存在する資産に限り、減損の有無を調査するということでよいかどうかを検討していただいて、それでよいということであれば、どのような兆候があるときに、減損の有無を調査しなければならないのか、それを企業が判断できるように、ある程度具体的に例示する必要があると思われます。ただし、すべてのケースを網羅するということはできないと思われますので、あくまで例示として示す必要があると思われます。

 また、休止中の固定資産、それから、処分が予定されていて、特に処分したときに処分損が見込まれるようなもの、そういう資産については、従来から回収可能性を反映した慎重な会計処理を行うべきであるというふうにされておりますので、それが後退することのないように検討することが必要ではないかと思われます。つまり、兆候の例示の中に入れるか、あるいは必ずそういう資産については調査するというふうにすべきではないかと思われます。

 減損会計については、以上です。

 次に、投資不動産に関する論点ですが、これは、先ほど大日方委員の方からもお話がありましたが、我が国では、投資不動産について、有形固定資産等と同様の会計処理を行っており、米国を初め、多くの国でも、投資不動産と有形固定資産というのは、評価基準としては取得原価基準で統一されております。しかし、ことしの3月に公表されました国際会計基準によりますと、投資不動産については、公正な評価額、つまり、時価による評価と、取得原価基準による評価のどちらかを会計方針として選択するということになっております。

 公正評価額による評価を行った場合、公正評価額の変動は、損益計算書上の損益とされ、減価償却も減損処理も行わないということになっております。一方、取得原価基準を採用した場合には、公正な評価額の数字を開示するということが求められております。

 国際会計基準が投資不動産を他の資産と区別しているという根拠ですが、公開草案を見ますと、投資不動産というのは、賃貸収益または資産の増加という形で、他の資産からおおむね独立したキャッシュ・フローを生み出す、そういう点で、自己使用される資産と区別されるというふうにされております。一方、我が国では、投資不動産も一般の事業用資産と同じだという考え方が強いのではないか、他の固定資産と区別する考え方は余り一般的ではないと思われます。

 このように投資不動産の資産としての性格について、我が国と国際会計基準では考え方が違っているという状況がありますし、それぞれの国によって、不動産市場の成熟度なども異なりますので、投資不動産について、国際会計基準のように、通常の自己使用する固定資産と異なる評価基準、つまり、公正な評価額による評価を適用すべきかどうか、あるいはそのような選択肢を企業に認めるかどうかということについて、検討する必要があると思われます。

 時価情報の開示ですが、投資不動産については、近年の不動産価額の下落により、その時価に対する関心が高まっているという状況がありますので、取得原価基準によるという場合であっても、国際会計基準の要求するような時価情報の開示を行うかどうかということについて検討する必要があると思われます。その際には、開示情報として、そのような情報が有用かどうか、あるいは実務上の負担がどのようなものになるかということについても考慮すべきであると思います。

 また、開示するということになった場合には、その対象資産、それから、開示内容、時価の算定方法などについても、さらに検討する必要があると思われます。

 投資不動産に関する論点は以上です。

 同じ3ページですけれども、その他の指摘事項としまして、ここに書きましたような項目がありますので、簡単に説明させていただきます。

 まず、取得原価に関する事項としましては、支払利息の原価算入という問題があります。これについては、支払利息の原価算入が我が国では任意とされているわけですが、米国のように、一定の場合に、原価算入を強制している基準もあります。我が国でも、任意でよいかどうか。それから、原価算入を行う場合に、どういう金額を算入すべきかということを明確にする必要があるのではないかと思われます。

 マル2ですけれども、購入代金の決済期間が通常より長い場合の取得原価、そのような場合に、利息の部分を除いて考えるのかどうかということが一つ問題になると思います。

 マル3の国庫補助金等で取得した資産の取得原価ですけれども、企業会計原則では、国庫補助金等の金額を控除することができるとされておりますので、控除する方法、しない方法、両方認められているわけですが、そのような基準でよいかどうかということが問題になると思われます。

 それから、マル4番目ですが、交換取引で取得した資産について、連続意見書では、譲渡資産の簿価を取得原価とするというふうにされておりますが、実務上は税務の基準もありまして、同一種類、同一用途の場合に、簿価を引き継ぐというふうにされております。

 また、我が国では、収用等による代替資産の取得についても、交換に準ずるものとして扱っております。

 また、外国の基準では、交換時点で時価が簿価を下回っている場合については、損失を計上するというふうになっておりますが、また、我が国実務でもそのようになっていると思われますが、これについても、会計基準上どうなのかということを明確にする必要があるのではないかと思います。

 有価証券との交換については、連続意見書では、譲渡した有価証券の時価または簿価というふうになっておりますが、有価証券は金融資産というふうに考えると、簿価の引き継ぎを認めるということが妥当かどうかということが問題になると思われます。

 マル5番目ですが、現物出資により取得した資産については、企業会計原則で、株式の発行価額をもって取得原価としておりますが、そのような考え方でよいかどうか。

 マル6の内部生成無形固定資産ですけれども、これについては、研究開発費の会計基準で、試験研究段階における支出というのは資産計上しないということになったわけで、また、ソフトウエアについては、計上要件や取得原価に含める範囲について基準が設けられているわけなんですが、ソフトウエア以外の資産について、その取り扱いが明確になるようにすべきではないかと思われます。

 次に、減価償却に関する指摘事項ですが、まず、償却方法の選択について、基本的な考え方を会計基準ではっきりさせるべきではないかと思われます。

 マル2番目ですが、償却方法の変更につきまして、我が国や米国のように、これを会計方針の変更とする考え方と、国際会計基準のように、見積もりの変更とする考え方があります。また、変更した場合の処理の仕方として、過年度の減価償却から修正する考え方と、変更年度の減価償却から新しい方法によるという場合がありますので、この辺もはっきりさせる必要があるのではないかと思われます。

 次に、耐用年数と残存価額の問題ですが、これについては、我が国では、税法の影響を受けておりまして、必ずしも実際の経済実態とそれが一致しているのかどうかという、昔からある問題が残っております。

 もう一つ具体的に問題となりますのは、営業権の償却期間ですけれども、これが、商法の規定がありますので、連結調整勘定の償却期間、これと整合性をとる必要があるかどうかという問題があります。

 耐用年数、それから残存価額の変更については、過年度にさかのぼって修正する方法のほかに、変更年度以降の減価償却に反映させる方法、両方ありまして、どちらが正しいということがはっきりしておりませんので、その辺もはっきりさせる必要があるのではないかと思われます。

 次に、固定資産の処分取引に関する指摘事項ですが、不動産の売却取引に関する会計処理については、第2回と第4回の秋葉委員の御報告のとおり、我が国においては、不動産の売却処理に関する明確な基準がないという状態ですが、流動化をはじめとして、不動産をめぐる取引は多様化しておりますし、また、不動産の売却という取引は財務諸表に大きな影響を与えるということもありますので、会計処理に関して、統一的で明確な指針が必要ではないかと考えられます。

 次に、セール・アンド・リースバック取引については、これも、流動化取引の増加によって、会計上非常に微妙な取引がふえているわけなんですが、これについても、売却した資産の消滅の認識をどのような基準で行うかという観点、それから、売却損益が実現したかどうかという観点から、現在の実務慣行の妥当性を検討する必要があるのではないかと思われます。

 以上でございます。

○斎藤部会長 ありがとうございました。

 ただいまの御報告のうち、その他の指摘事項の(3) の固定資産の処分取引につきまして、秋葉委員の方から補足することがあれば、どうぞ御発言ください。

○秋葉委員 私の方で、以前に御報告させていただきましたが、今荒木委員の方から大方御説明がありましたように、従来と異なりまして、最近、多様化している取引の状況をかんがみますと、何らかの明確な基準があるべきではなかろうか、特に流動化証券化という面につきましては、現在、会計士協会の方でも検討しておりますけれども、その他につきましても、幅広く基準として検討する余地はないかという点について、もし考えられればというふうに思います。

○斎藤部会長 どうもありがとうございました。

 それでは、お聞きいただきました各委員の御報告に関しまして、御意見や御質問のある方はどうぞ御発言ください。

 本日は、論点整理の初回ということでございますので、余り細かな質疑ではなくて、重要と思われる事柄、あるいは論点整理の基本的な方向にかかわるような事柄について、どうか忌憚のない御意見を承りたいと存じます。また、今回の目的は論点の整理でございまして、基準なりその公開素案なりを作成するという段階ではありませんので、その点もどうかお含みおきの上、御発言いただきたいと存じます。

 それでは、どうぞ御発言ください。

○安藤委員 斎藤部会長の口頭での大きな方針、それから、資料1の基本的な考え方にかかわることですけれども、どういう言葉を使って、その論点整理あるいは報告書を出すのかという、そういう観点からなんですけれども、斎藤部会長、それから、大日方委員の御報告の中で、大体こういうことかなと、だけど、その言葉を避けていると思われることがある。例えば、資産負債アプローチ、それから、収益費用アプローチという言葉は一切使われておられない。ちょっとそのことに意味があるのかどうかということ、恐らくそれが資料1の1のストックの価値評価という、このパラグラフの中に、資産負債アプローチとか、収益費用アプローチという言葉を使おうと思えば使えるんじゃないか、そういう感じを持ったんで、そのことをちょっとお聞きしたいんです。

○斎藤部会長 大日方委員から回答されますか。先に御発言があれば、どうぞ。

○大日方委員 御賢察のとおりだと存じますが、恐らく学会の方々には、その表現の方が理解が早いのかと存じますけれども、ここでは、アメリカの会計基準と、それから国際会計基準を特にスタートラインとした優劣をつけないまま、平たく並べるということをむしろ明示的に意識しておりまして、言葉遣いの点で、アメリカの会計基準に多少傾斜したような言葉遣いは、私自身はできるだけ避けたいという、気持ちはそうなんですけれども、ただおっしゃる内容はそのとおりでございます。

○斎藤部会長 それでよろしゅうございますか。では、私は黙っております。

 ほかに御発言ございますでしょうか。

○小宮山委員 すごく論点がよくまとまっていると思いますけれども、1つ気になったことは、後で問題になってくるだろうという点で、個別財務諸表と連結財務諸表をどういうふうにお考えになるかという点だろうと思います。御存じのように、アメリカの会計基準もIASも、基本的に連結を前提にしていますので、減損の兆候とか減損のテストとかいうことから、非常につかみやすい世界であると思うんです。ところが、日本の場合、個別財務諸表というと、例えば子会社株式として、投資の評価という金融商品の会計基準の問題ですね。そうしますと、減損のところで、資産のグルーピングをするとか、のれんの減損の認識というところで、どういうふうに考えるのかなという問題が実は出てくるんだろうと思うんです。

 冒頭の部会長の御説明で、臨時償却という考え方をとると、個別財務諸表の世界でも非常になじむんですが、収益性の低下を見るということになると、個別財務諸表でつかみ切れるのかなという問題があるのかなと、最後のところで、これをどういうふうに調整するのかなという点が一つあるというふうに思っております。

○斎藤部会長 ありがとうございました。それは、今論点の整理の段階ですので、論点としてお出しいただいたということでよろしゅうございましょうか。ありがとうございました。

○小宮山委員 この資料2の方の最終ページですけれども、国庫補助金の問題とか、交換取引という問題が1つあって、その後に、一番最後に、固定資産の処分取引に関する指摘事項と、今非常にカレントなトピックスだと思いますけれども、こういう整理の仕方もあると思いますし、上の取得原価に関する指摘事項というのも、ある意味では、収益の認識基準にかかわることが入っていますね。下は、明らかに収益の認識基準にかかることで、くくり方をまとめるような整理の仕方もあるのかなというふうに思っています。

○斎藤部会長 ありがとうございました。ほかに御発言ございますでしょうか。

○辻山委員 先ほどの安藤委員の御質問との関連で、本当は、余りこの点に触れない方がいいのかもしれないんですけれども、以後の議論に深くかかわってくると思われますので、確認させていただきたいんですけれども、資産負債アプローチとか、収益費用アプローチという用語、ネーミングと、アメリカ流、IAS流というふうなことがございますけれども、どのように対応しているというふうにとりあえずお考えなのか。そこのところが、もしかしたら、個々のとらえ方がずれている場合がございますので、その点だけちょっと御確認というか、2先生――安藤委員と大日方委員に確認していただきたい。今、そういう御指摘が冒頭ありましたときに、どういうイメージで対応関係をとらえられていらっしゃるのか。

○斎藤部会長 順序として、問題を提起していただいた安藤先生からお願いいたします。

○安藤委員 私は、資産負債アプローチとか収益費用アプローチは、かなり日本で使われていると思っているんですよ。それなりに文献も出ているし、それを使って、僕自身も書いたということもあるんですけれども、ですから、あれがアメリカ固有であって、あれを使うとアメリカに傾斜しちゃうというのは、これは個人差があるかもしれませんけれども、僕は、余りそういう気はないんです。

 それから、むしろその言葉を避けることによって、実務家の人はどうかわかりませんけれども、少なくとも学界人は、かえって新しい文献を読むような、人によっては出てくるんじゃないかという――これは老婆心です。

○斎藤部会長 大日方委員、御発言ありますか。

○大日方委員 まず、辻山先生から、対応というのは、御質問の意味が私はよくわからなかったんですが、ストックの価値評価の観点というのをアセット・ライアビリティ・ビューで、利益計算を重視するというか、その関連において、減損損失を考えるというのが、リベニュー・エクスペンス・ビューという、そういう組み合わせでよいかということでしょうか。

○辻山委員 私の推測では、恐らくそういう組み合わせがあるんだろうというふうに理解していたんですけれども、一般にアメリカが、アセット・ライアビリティ・ビューに移ったというふうに言われているんですけれども、ここでの大日方委員が、先ほど余りそれにというふうにおっしゃったときには、むしろ収益費用ビュー、そちらの方がアメリカに近いという御理解があるのかなというふうに私は理解しているものですから、そこのところを確認しておかないと、安藤委員と用語法がずれていくことになりはしないかという、そういう老婆心です。

○大日方委員 アメリカの基準の全貌を見たときに、どちらのビューに立っているかという点では、辻山先生がおっしゃるとおりなんですが、こと減損については、多少図式的ではありますけれども、ストックの価値評価を重視するのがアセット・ライアビリティ・ビューで、この点ではアメリカは概念基準書どおりになっているという理解でございます。

 それからもう1点ですが、安藤先生がおっしゃっている点について、そのとおりかということも思うんですけれども、制度の建前と申しましょうか、我が国で、まだ概念基準書みたいなことを制度としてやっておりませんで、用語とか概念の確定をしておりませんので、私はふだんは多分使うかと思うんですが、この審議会として議論を公表するときには、言葉として多少わざわざ言いかえている点はございます。もちろん、ほかにいい表現があれば、その実体をあらわす言葉に変えたいとは考えております。

○辻山委員 基本的にはそれでよろしいんですけれども、歴史的に、いわゆる収益費用ビューというものから、資産負債ビューへ移ったというふうな理解があるんです。これは、特にアメリカと国際会計基準を今比較してみますと、両方が移ったと言われる方の視点に立っているかどうかというのは、かなり解釈が分かれます。今大日方委員の御指摘がありましたように、アメリカは特に必ずしもそういうような構図をとっていないということなので、それで、あえてこの用語法はとらないという、そういうこともあるのかなというそんたくをしましたので、その点だけ御確認を……。

○斎藤部会長 いろいろ推測はあると思います。つまり、これは学会の場ではございませんので、余り概念だけをぎりぎり詰めるということは、私は避けたいと思いますが、いわゆる収益費用観から資産負債観へという一つのスローガンがございますが、そのスローガンが現実のアメリカの基準やあるいは国際基準においても、どこまで首尾一貫して貫徹されているか、これは幾らも議論の余地がございますので、そういう議論に余り踏み込まない方がよろしいのではないかという気持ちも私にはございます。

 ほかに御発言ございますでしょうか。

○品川委員 この減損における公正価値なり回収可能額の測定について、従来、実務上の観点から、いろいろ考えさせられているんですが、これは、国際会計基準との比較でいろいろ議論されているんですけれども、現在、建設省が行っている不動産鑑定基準の中における収益還元価額との関連をどう考えるのかというのが1点と、それともう1点は、キャッシュ・フローを測定する場合に、現在のように、土地の価値がどんどん下落している場合に、そういう不動産等における下落率みたいなのをキャッシュ・フローの中で測定できるのか、できないのか、それは、一切無視するのかどうか、その辺についてどうお考えなのか、その辺をお伺いできればと思うんです。その2点について。

○斎藤部会長 これは、どうしましょうか。川村委員からお答えいただきますか。

○川村委員 まず1点目の収益還元価額との違い、あるいは同じなのかどうかという問題かと思いますが、私は、原文を見ていないのでわかりませんが、いわゆる収益還元価額と言われているものと、国際会計基準で言う使用価値というのは大体同じものではないかとイメージはしております。

 あと、2点目、キャッシュ・フローの見積もりの問題なんだと思うんですが、一定の土地の下落傾向を見積もりに当たってどのように反映させるか。非常に難しい問題だと思うんですけれども、そのほかにも、インフレーションの問題ですとか、あるいはキャッシュ・フローの源泉となるような商品や製品の価格の下落傾向、あるいは高くなっていく傾向、そういうものをどういうふうに反映させるかというのが非常に難しいところであります。

 例えば、海外の基準を見たときに、5年ぐらいは自分のところで立てた予算などをベースにやっていい、それ以降は、一定の下落率ですとか、逆に上昇率ですとか、そういう仮定のもとで、キャッシュ・フローを機械的に見積もってしまうということになりますので、そういうやり方をしている。一つの参考になるかとは思います。

 以上です。

○山田委員 投資不動産の会計を取り上げるということに関しての質問なんですが、今後、この問題は検討されるという中で、先ほど荒木委員からの御報告の中にもありましたように、我が国において、固定資産の中から、投資不動産を区分することには難点がないとも言えないという御指摘があったんですが、これは、本審議会で取り上げた上で、場合によっては、投資不動産の会計基準というのは有形固定資産の中に含まれるという結論になる可能性も秘めているという意味かどうかという点を確認したいんです。

○荒木委員 私は、論点としては、それも含めて検討すべきではないか、結論として、通常の有形固定資産と区分する必要がないという結論になっても、それはそれでいいのではないかというふうに思います。

○山田委員 それに関連してですが、IASで議論した中では、要らないんではないかという議論がそもそもありまして、IASの16号がカバーするんではないかという意見があった中で、これが分離されたのは、いつにかかって公正価値評価の可能性を広げるということでしたので、我が国の実情に合わせて、そうでない場合は、場合によったら戻るかもしれないということについては、そういうことであれば、一応確認できた。

 もう1点だけなんですが、投資不動産の基準の中で、先ほど品川委員の方からもございましたけれども、特に中でキャッシュ・フローの見積もりについては、細かい規定を持っていない。これが、減損の36号では、ある程度細かいキャッシュ・フローの見積もりについての指摘をしているのと著しく違っておりまして、そこには不動産の鑑定士がある種の専門家として鑑定技法を持っている、ないしはプロフェッショナルとして持っているものに依存しようということで、会計基準がその測定方法まで入り込まないという一線を引いているような感じがあるわけですが、そのあたりの特殊な専門家のキャッシュ・フロー見積もりによるか、よらないかという点について、当審議会で審議するに当たって、どのように考えておられるのか。もしも、この時点でお考えがあれば、お聞きしたいと思います。

○斎藤部会長 これは、どなたにお答えいただきましょうか。大日方委員、どうぞ。

○大日方委員 非常に貴重な御指摘だと存じますが、多少視野を広げて申し上げますと、金融商品でも、相対だとか店頭で、相手先金融機関の時価相当額見積もりを使ったりですとか、年金でも、アクチュアリーの計算を尊重するですとか、全く同じとは限りませんけれども、企業自身が自律的に見積もったものではなくて、プロフェッショナルの時価相当の見積もりを会計でどう使うかという点で、多少共通の問題を持っているかと存じます。

 そういたしますと、この場合に限って、何か特殊な規定を置くのが妥当か否か、それとも、既に先行的に決まっております会計基準にそごを来さないように、そこで書かれている程度のことは書けるけれども、それ以上のことは書けないというような、そういう整合性も問題になろうかと存じますので、現在のところ、特にこうするという結論は持ち合わせていませんけれども、その点を留意しながら検討するという予定ではございます。

○太田委員 1つ今回の検討の範囲について確認だけさせていただきたいと思っているんですが、減損会計とほかの部分の会計基準との関係ということで、棚卸資産、その他の基準が挙がっているかと思うんですが、このあたりの論点については、特に、例えば棚卸資産は、今日本では、原価法と低価法と並列で企業の選択に任されているという状況かと思うんですが、その辺が、例えば今回の固定資産の会計についての基準の考え方をまとめるに当たって、そこのところの整合性を検討すべき云々というようなところにとどめる、そこの部分についてはそういう理解でよろしいでしょうか。棚卸資産のところについては、方向性を例えば示す、示さないとか、そこまでは踏み込まなくていいということなんではないかなと思うんですが、その辺は……。

○大日方委員 論点整理という段階では、やはり視野に入れざるを得ないので、その相互関連は検討対象といたします。ただし、結論といたしまして、棚卸資産の現在の会計基準の改定を要するか否かにつきましては、固定資産の減損会計の考え方にどれだけ優先性を持たせるかどうかということに絡んでまいりますのと同時に、実務上のコスト・ベネフィットと申しましょうか、既に定着しているものを変えるとなりますと、それなりに混乱なりコストが予想されますので、その点も考慮の対象になろうかと思います。

 もちろん、多少ジャーナリスティックな感じもいたしますけれども、その保有目的の変更に伴うマニピュレーションの懸念というのもございますので、多少さまざまなファクターを考慮しながら検討したいと考えておりまして、現時点では、検討の対象には含めるということまでは言えますけれども、棚卸資産の評価基準について、見直しをする、しないという点については、もう少し議論を重ねたいと考えております。

○西川委員 今のに関連してですけれども、一応棚卸資産の販売用不動産については、会計士協会から今公開素案が出ていますけれども、基準というものがまずないということと、それから、販売用不動産のキャッシュ・フローというのは、売却が想定されますけれども、それは、一つの限られたキャッシュ・フローという想定ができるということであって、こちらの方が幅広くキャッシュ・フローを想定すると思いますので、もし、棚卸資産について、低価法を強制するのでないということであれば、その部分の減損会計は基準としてはないということになってしまいますので、やはりカバーしていただきたいなというふうに思います。

 それからあと、またカバーしてほしいという領域としまして、リースのところで、特に連結上、先ほどの減損に関係してくることもあろうかと思うんですけれども、現在、注記方式、所有権移転のないファイナンスリースについて認められているというのが、国際的な基準との大きな相違点になりかねませんので、これについては、少なくとも連結については強制するというような、そういう手当ても今回やっていただければというふうに考えております。

○斎藤部会長 連結について、強制というのは、もう一遍、何を強制……。

○西川委員 所有権移転外のファイナンスリースのオンバランス化です。注記方式をやめて……。

○斎藤部会長 それは、論点として、含めることについての御要望があったということにさせていただきます。

 ほかには御発言ないでしょうか。

○北村委員 繰延資産の一部を減損会計の対象とすべきかどうかとあるんですが、これは、具体的にどの繰延資産のことを考えていらっしゃるんでしょうか。

○荒木委員 先ほど御説明しましたとおり、社債発行差金などについては、既に金融商品の方で決められておりますので、それ以外の開発費、開業費、創立費等が対象になるのではないかと思われます。

○北村委員 そのときに、その資産がそもそも資産計上能力といいますか、資産としてふさわしいものなのかどうなのかという検討は置いておいて、そういうような形で減損会計のことを取り上げるんでしょうか。

○荒木委員 それは、無形固定資産の会計の中で考えていくべきだと思いますが、とりあえず減損の方を先にやるということであれば、その中に含めるのが妥当ではないかというふうに思います。

○安藤委員 今の開発費、開業費、創立費、北村委員の御質問とひっくるめると、まさにさっき言った2つのアプローチのどっちをとるかで、まともに違っちゃう結論が出ますよね。

○斎藤部会長 そうですね。そういうことはもちろん関係してくると思いますね。

○大日方委員 減損会計の対象にするという点では含めざるを得ないんでございますけれども、有形固定資産、特に償却性資産につきましては、現在の減価償却計算方法、現在の簿価の決定方法は、予見としてやるということにしてございます。ただ、無形固定資産につきましては、そもそも貸借対照表能力といいましょうか、計上してよろしいかという簿価としての残高の妥当性を確かめることになりますと、そもそもの繰延の根拠ということも当然問題になろうかと思います。もしも、そこが疑わしいということになりますと、恐らくこれは、減損会計の領域を超えますので、次なるアジェンダをつくるということになりかねないのではないかという気がいたしております。

 減損会計を突破口に、そこの貸借対照表能力を否定するということになりますと、やや本末転倒的な感じもしなくもありませんので、そうなると、ただ手つかずで何かするということも無責任だと存じますので、そうすると、現在の会計上何らかの問題があるという形での確認が必要ならばなされるのではないかと考えております。

○斎藤部会長 これも、当初、先ほど私が申し上げたことにかかわるんですけれども、概念上、資産負債アプローチとか、収益費用アプローチということをまず並列して、どれをとりましょう、それをとった上で、会計基準をどう決めましょうという話になりますと、おっしゃるような論点は幾らも出てくると思うんです。ただ、現実には、アメリカのように、概念ステートメントを持っている国でも、そういう資産負債アプローチとか、バランスシートアプローチへの移行というスローガンが、実際には、基準のいろんな分野に首尾一貫して貫徹されているとは言えないわけでありまして、その意味で、ここでも、当面とっているのは、国際的調和という観点で、それを概念的に大きな支障を来さずに何とか片づけたいという趣旨でありますので、どうしてもおっしゃるようなところを迂回した議論になっているわけでございます。

○山田委員 これは、大日方委員への質問なんですが、資料1の一番末尾で、各種資産の個別問題の2)で、企業結合の会計との関係について、制約条件とならないような検討の仕方をするという御説明をいただいたんですが、そのことの意味がいまひとつよくわからなかったものですから、もう少し御説明いただければと……。

○大日方委員 内容はテクニカルになるんでございますけれども、先ほど小宮山委員からも御指摘ございましたように、我が国では、相変わらず連結が主になると言いながらも、個別上の会計基準としての位置づけを考えなければならない。ところが、不幸なことに、営業権と連結調整勘定は償却期間が違うというような差異がございます。さらに、貸方につきましては、合併であれば、合併差益として資本にされながら、連結の場合には、償却に伴って利益の要素になるというような違いがございます。

 恐らくは、そこは整理されるはずか、もしくは整理されないまでも、明確な指針があるんだろうと思いますが、減損会計のイメージから申しますと、借方連調を当然イメージしているんですけれども、貸方連調はその資産の評価と切り離していいのか、それとも、それは評価勘定とセットとして見るべきかという点で、かなり難解な問題を持っておりまして、その点で、もうちょっと議論してみないとわからない点がございます。その貸方連調をめぐる合併と連結の違いということに絡みまして、減損で連結調整勘定と言ってしまったときに、貸方も入ってしまうのか、入ってしまわないのかという点がまだ明確に線引きができないということがこの意味でございます。

○斎藤部会長 かなりテクニカルな話で、これは、長い歴史を抱えた問題でございまして、かつて連結の基準の改定をいたしましたときに、私も委員の1人でありましたけれども、今のマイナスののれんが生じるケースですね、そのケースで、通常のディスクロージャー制度で考えた場合には、それが償却されて利益に戻るということになりますが、日本の商法の合併の制度でありますと、今、大日方委員のお話のとおり、これは、合併差益になる可能性があるんです。その問題が一種のアポリアとして横たわっているということは、当時私も、審議会の場で発言して、多分記録にとどめていただいたと思うんですが、その問題は現在に至ってもなお解決していないということでございます。ですから、その問題をここで出すことがいいのかどうかということは、ちょっと私も疑問を感じますけれども、大変複雑な問題で、根が深い問題であるというふうに私も理解しております。

○山田委員 ということは、一応論点として挙げるものの、そういう問題点があるというところで当面とどまる、つまり、今後の審議における、こういう問題を取り上げるとなると、大変な労力が要ることではあるんですが、一応論点として掲げるという整理の仕方だという理解でよろしゅうございましょうか。

○斎藤部会長 まず、大日方委員からどうぞ。

○大日方委員 労力をかけないでよろしいということでは、おっしゃるとおりなんでございますが、恐らくおっしゃるとおり、借方に限定して議論を整理して、貸方が絡むところは、つまり、タイムリーな会計基準の設定ということをかなり重視されておりますので、これがあるために、何も手つかずというわけにはいきませんでしょうから、わからないところはそれなりに切り離すというような方向もあり得る。つまり、その選択肢も視野に入れております。

○斎藤部会長 この問題は、例えば合併のようなことを正面から取り上げる場合には、また議論になると思いますし、あるいは商法の側、法制審議会の方でも、連結を商法上の開示でどう扱うかということが当然アジェンダに上ってまいりますので、それはそれで、また、いろんな場所で議論されるのではないかと思っております。

○品川委員 先ほど川村委員から、減損の戻し入れについて、これは単独で御説明いただいたんですが、戻し入れの要否自体が減損の認識それ自体にどういう影響を及ぼすかということについて、どう考えるかということですが、IASとアメリカのことを比べても、減損を容認しているIASの方は、どちらかというと、減損をできるだけ幅広く容認しようとしているし、アメリカの場合は、ここの参考資料だけでありますと、どうしても減損のところを制限しようとしているというふうに読み取れるんですが、そのことについて、戻し入れを議論する場合に、減損の認識それ自体をどうするかということの絡みで御説明いただければと思いますし、この問題は、税法上、課税所得をどう計算するかという場合に、私は個人的に非常に興味があるものですから、会計的にどう考えるかということについて御説明いただければと思います。

○川村委員 この問題は、やはり国際会計基準とアメリカの基準で差異が出てくる非常に典型的なところなんですが、基本的なコンセプトに違いがあって、国際会計基準の場合には、企業は利用し続けるとか売却するとか、いろいろ選択肢がある中で、マキシマムに一番価値を引き出す方法を持っている、それで評価してあげようということが基本的な発想なのかなと思われます。そうしますと、一たん減損を認識して切り下げた後でも、またキャッシュ・フローが戻ってきたという場合であれば、マキシマムの金額が上がってくるわけですから、その部分については戻し入れを認めてあげようと。

 それに対して、アメリカの基準では、減損が生じたときに、極端な考え方をとれば、新規投資したのと一緒、そんな説明もしておるんですけれども、そうしますと、現実は同じように使っていても、会計の面では、全く別の投資だというふうに見てしまって、新規の取得原価まで落とすんだと、それは減損が生じたときの時価だから、公正価値まで評価損を計上し、減価償却はそこからスタートする、その場合の戻し入れというのは、評価益になってしまいますから、認めないというロジックであるかと思います。

 以上でございます。

○品川委員 したがって、ここで取り上げる問題は、戻し入れを、仮に要否という問題ですから、必要を認めるかどうかという議論になってくるんですけれども、認めたとしたら、IASなりアメリカ流によって広くしたり、減損のそれ自体を広くしたり、狭くしたり、そういうことにはなるんですか、ならないんですか。

○川村委員 減損を広くとか、狭く、厳しくとか、その意味がはっきり理解できないので、ちょっと御説明いただけたらと思うんです。

○品川委員 実は、税法の規定で説明いたしますと、税法上は一応特例償却も評価損の計上も全部認めているんですが、評価損の計上を容認する場合に、法律上の特別な事由を全部掲げていますね。したがって、ただ価値が下がっただけでは、その評価損の計上が認められない。しかし、IASのように、ただ兆候があれば、何でも評価損の計上を認めるという、評価損の原因を一切問わないというのは、非常に幅広く認めるわけですが、そういうことの要否について、どう考えるのかということをちょっと疑問に思っていたものですから……。

○斎藤部会長 川村委員、御発言ございますでしょうか。

○川村委員 ちょっと答える材料がないので、窮しておるところです。

○斎藤部会長 品川委員の御質問は、減損をどういうケースで認識するかというその範囲の選択の問題を議論していらっしゃるんでしょうか。それとも、減損を認識した上で、それを戻し入れるということ、それは範囲と関係ないですね、その話をしていらっしゃるんでしょうか。

○品川委員 できるだけ減損を幅広く、IASが言っているように、兆候さえあれば、全部引き下げる、そのかわり、今度は逆の戻し入れの兆候があれば、どんどん評価益も計上できる、それは、ある意味では、時価会計において、一つのバランスがとれていると思うんです。逆に、評価益の方を制限するという考え方は、評価損の方もできるだけ、いずれ時間的に回復するかもしれない、これは、商法や企業会計原則も、回復が不明のときにはどうする、税法との対比があるんですけれども、そういう戻し入れ益の要否に関連して、減損それ自体について、原因も何にも問わず、兆候さえあれば、時価会計的にすべてそれを評価損に認める、あるいは、いや、もともと戻し入れをやらないんだから、よほどの原因がなければ、減損を認識しないというふうに持っていくのか。税法はその辺をきちんと規定しているものですから、会計的にそれをどう考えていくのかなという、その辺の疑問を感じているものですから、税法との関係は一切関係ないということであれば、それはそれで結構ですけれども……。

○斎藤部会長 税法と確かに議論の組み立て方が違うのかもしれませんけれども、一たん減損したものをかつての原価の範囲で戻し入れるという、そういう評価益の計上の幅といいますか、やりやすさということと、それから、どういう兆候が存在したときに、つまり、どういう原因が存在したときに、どの幅で減損を認めるかという減損認識の幅の広さというものが、私はリンクしていないような気がするんです。それは、先生の御専門の税法の分野ですと、あるいはそこがリンクしているということで問題を御指摘になっていらっしゃるように……。

○品川委員 リンクしているとは申しませんが、税法の今の規定自体が、会計的な取得原価主義を前提にして、評価益は原則益金不算入、評価損は原則損金を不算入だけれども、特定な事情がある場合にだけ評価損の計上を容認する。特定の要因について、すべてを法令通達で明確にしているわけですね。したがって、単なる生産が過剰になって値段が落ちたぐらい、あるいは減価償却の不足額のようなものについては、わざわざ評価損の対象にならないというふうに取り扱っているものですから、それは、結局、評価益が制限されているがゆえに、評価損の方も制限するというバランスが一応はとれていると思うんです。

 もちろん、それはとれているという解説はないんですけれども、そこのところで、一応のバランスがとれているけれども、今回、いろいろ減損会計で議論されていますように、とにかくIASのように、兆候さえあれば何でも評価損が認められる、しかし、戻し入れの方は、アメリカ的な言い方をすれば、それは認めない、いや、IASは認める。その辺の、入り口のところで何でも認めて、評価益のところでは、それは認めないというようになると、税法と会計がこれからだんだんいろいろ変わってくるんでしょうけれども、それを認識して変えるのか、あるいはその辺は結果的に変わってしまうのか、その辺を少し考えさせられるところがあって、それは論点として取り上げる必要がないということであれば、それはそれで、結構でございます。

○斎藤部会長 わかりました。承って、もう少し論点整理の次のプロセスで考えさせていただきたいと思います。

 ほかに御発言ございますでしょうか。

○西川委員 これは、割引率のとり方ということに関係すると思うんですけれども、減損の兆候の中で、IASの中には、固定資産と全く関係ない一般市場利子率の増加といったような要素が、減損の兆候に入るといったことが入っていたと思うんですけれども、そのあたりをどういうふうに考えるかということで、ロジック的には、どうしても割引率の計算には入ってきちゃうから、そうすると、減損の兆候だなという結論なのかもしれないんですけれども、このあたりをどういうふうに考えられるかというのを御意見をお聞かせ願えればと思うんです。

○斎藤部会長 これは、論点整理のテーマではなくて、中身を問うていらっしゃるわけですね。

○西川委員 論点になるかどうかということもあると思うんです。

○斎藤部会長 川村委員、どういうふうに対応されますか。

○川村委員 1つは、減損を認識するかどうかという認識の基準が、国際会計基準のように割引後の金額で考えるのか、それとも、アメリカの基準のように、割引抜きの数字で考えるのかというのが結構大きなファクターではないかという感じがしております。それをどちらに考えるかによって、IASの場合であれば影響を及ぼしますし、FASB基準の場合であれば及ぼさないということになってしまいますので、その辺との連動する論点というような位置づけになるのではないかという感じがいたします。

○斎藤部会長 これは、割引という話をした場合には、割引率の問題でありますから、当然西川委員がおっしゃるように、検討はしなければいけない論点だと思うんです。ただ、今西川委員が提起された問題は、検討の中身をもろに聞いていらっしゃるわけでありまして、その場合に、その話を突き詰めてまいりますと、そもそも一般的な市場利子率の変動が、企業が現在事業に使っている資産の価値にそのまま影響するのかという話にもなってまいります。そういう問題にかかわってまいりますので、結論について、ここで軽々に発言することは慎重でありたいと思いますけれども、問題が存在するということは十分認識いたしました。ありがとうございました。

○太田委員 これも、余りこちらの基本的論点というところで適するかどうかはわからないんですが、減損会計と、先ほどの品川先生のお話にも絡むんですけれども、税務が今確定決算主義をとっておりまして、償却費の計算は基本的に事実上日本の会社が税務の指針によっているというのも、そのためであるかと思われます。ですので、この減損をどういう形で設定するにしろ、実際の実務の会計基準ということで落としていくためには、税務との整合性をかなり慎重に考える必要があるんではないかという点も御考慮いただきたいと思います。

 この辺は、実際に実務をされる会社の方は、固定資産で、しかも、償却費に絡んできますと、相当長期間、もし仮に会計上の簿価と税務上の簿価が泣き別れになるという状態になりますと、相当の実務的なコストを伴うことであるというふうに思いますので、お願いいたします。

○都委員 私の発言は、論点の整理の仕方をめぐってというよりは、むしろこれから議論する中で、減損というのは非常に企業に大きな影響がありますので、今、大方の企業が大変注目しているところなんで、そのあたりについて、今企業はどのように考えているかということを御紹介したいと思います。そういう意味では、ちょっと結論めいたというか、方向めいた話が出るかもしれませんが、それはそういうふうに関心を持っている、こういうことで御理解いただきたいと思います。

 1つは、今回減損とか、こういうことを検討するに当たって、今税法との関係も触れられましたけれども、商法も含めて、他の会計基準との調整ということについては、ぜひ御配慮いただきたい、こういうことでございます。

 それともう1点は、固定資産について、このように幅広く検討するということは、我々も理解できます。ただ、減損を認識すべき兆候というのは、経営者の判断を入れながら、限定的な取り扱いというのが実務を含めて妥当ではないかと思っております。

 それから、さっき投資不動産の話で、時価会計の話がございましたけれども、今の時点では、我々の感覚から言えば、時価会計というのはちょっと早いのかなというようなことは考えております。

 最後に、本来あるべき論としては、こういうことを考えていくんですが、いずれにしましても、導入された際には、限られた業種でかなり大きな影響が出てくると思いますので、そういう意味では、導入時期とか、そのときの激変緩和的なところというか、その辺はあるいは論点に入る部分も出てくるかもしれませんけれども、お考えいただきたいということでございます。

○安藤委員 じっと眺めていてわからないんで、ちょっとお聞きしたい。特に国際会計基準会計ですので、そちらのお詳しい方にお聞きしたいんですけれども、このIAS36号、この固定資産の減損と、新しくできた40号ですね、投資不動産、これは関係はどうなっているんですか。投資不動産は40号が優先適用で、36号の適用はないととるのか、あるいは40号で原価モデルをとった場合には、36号の適用があるととるのか、その辺をお聞きしたいんです。

○山田委員 まず、IAS40号で、公正価値モデルをとりますと、基本的には公正価値で評価いたしますので、36号の適用は必要がなくなるという理解をしております。それから、原価モデルを採用しますと、これは、IAS16号の方へ行きますので、この16号の中で、減損の基準を援用している部分がございまして、それを通じて、実質的に36号の考え方が導入される、そういう形の枠組みになっていると理解しております。

○久保委員 1つはお尋ねですけれども、今伺っていて気になったんで、資料1の減損の判定のところ等に出てまいります他の会計基準との間の整合性という言葉が出てまいりますが、これは、先ほどおっしゃったように、商法、税法、そういうことを念頭に置かれた言葉なのか、この上に出てまいります企業会計における期間配分の基準という会計上のことを言っておられるのか、これをちょっと教えていただきたい。

 あと、これは会計情報を利用する市場サイドと申しますか、投資家ベース、利用サイドから申しますと、これに掲げていただいた論点というのは、今日のテーマを非常に反映したものであるというふうに考えておりますので、あとは、マーケットは日々動いておりますので、非常に熱心にやっていただいているわけですけれども、できるだけ早く方向をお出しいただけるように御努力いただくと、大変ありがたいということだけ申し添えたいと思います。

○斎藤部会長 第1点について、大日方委員、どうぞ。

○大日方委員 他の会計基準という形で、特に特定化しておりませんけれども、第一義的には、ディスクロージャーをめぐる他の会計基準という意味です。ただし、先ほども申し上げましたように、理論的にそれがいいことか、悪いことかはともかくといたしまして、会計基準が商法上も使われるということや、先ほども御指摘ございましたように、会計基準といった場合に、一部分でございますけれども、税法基準も実質的には会計基準としてワークしていて、それがある意味で実務に定着しているということもございますので、その点も一応視野には含めてございます。

 ただし、明示的に網羅性といいましょうか、細かく注意をできるかどうかという点につきまして、前者の方は多少なりとも視野が届くんでございますけれども、後者の方については、差し当たって思いついたところしか拾いようがないということがございまして、この点につきましては、恐らくは、また論点整理の確定したものができ上がりましたときに、皆さんの御意見を伺ったり、あるいは、それでもまた後から、案外こういうことが問題なんだということになりますと、それなりの実務指針等の次元で対応をゆだねるということが生じてくるかもしれません。

○中島部会長代理 2つほどなんですけれども、1つは、最初に辻山委員が言われたことと関連しているんですけれども、私は、アメリカの基準もIASも、バランスシートに載っている評価額というのは、未配分の原価だということでは一貫していると思うんです。ただ、それが余りにかけ離れてきたというときに、それを修正してやるというのが減損会計ではないということで、まさに、どういうときにそれがかけ離れたと見るのかということと、何と比べてかけ離れたということが問題だと思うんで、そういうことなんで、必ずしも資産負債か、費用収益かという形でとらえなくてもいいんじゃないかなという気が1つはしています。

 それからもう1つ、あるべき簿価のところで、ここに注のところで4つほど丸印が打ってあって、例えば時価(市場価格)というのは、アメリカなんかは、これに当たるんだろうと思うんですけれども、さっき川村さんが触れられたことですけれども、時価というものを持ってくるロジックというんですか、そこをよく見ておく必要があるんじゃないかということで、そういうロジックが説得力を持っているのかどうかというようなところも十分検討する必要があるんじゃないかという、その2点だけちょっと感じたことです。

○斎藤部会長 ありがとうございました。ほかに御発言はございませんでしょうか。

 御発言を今までいただいていない方で、特にきょう、この場で御発言を必要とするという方がおられましたら、優先的にお願いしたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。

 特になければ、会長の方から御発言がございますので、どうぞ。

○若杉会長 話がだんだん整理されてまいりまして、皆様方の御協力どうもありがとうございます。

 幾つかいろいろ問題が出ております中で、これから審議をしていく上で、一つの方針といいますか、それを持っておいた方がいいと思えるようなことが一、二ありますものですから。例えば、御意見あるいは御質問がありました中に、税法との関係、税法ではこうなっているけれども、企業会計、我々の方ではこれはそれと違うけれども、どうなんだという御意見もありましたし、それから、税法の関係に配慮せよという御要望もありました。確かにトライアングル体制ということですから、三者が全くてんでんばらばらになっちゃうのは、これは困ったことだと思いますけれども、しかし、我々が審議していく過程では、余りほかの2つの会計分野のことを気にし過ぎない方がいいんじゃないかというような感じがいたします。

 特に税法の場合には、独自の論理がありますので、例えば、益金を計上することとの関係で、対応関係でもって損金計上を認めるとかというようなのが、もちろん我々にも、費用収益対応という概念がありますけれども、もっとそれが徹底した課税所得の計算、それはさらに、税収を上げるというような、そういうことともかかわりを持っている論理ですので、それに余り強く我々が影響され過ぎない方がいいんじゃないかと思うんです。もちろん、後でもって、その調整をしなければならない場面が出てきたときに、それは考えればいいんじゃないかというふうに思います。

 それから、資産負債法か、それとも収益費用法かという問題、これは、ほかのいろんな問題を扱うときに、2つの対立する考え方があったときに、どっちでやるかという問題で、いろいろな場面で出てくるわけですね。例えば、合併の会計の場合に、人格継承説とか、あるいは現物出資説とかとありますけれども、それも、どっちか一方だけでもって、完全に純粋に制度的な処理法が決まっているというわけじゃなくて、両方が、場合によっても、両方にまたがった方法が規定されている場合もありますので、ある問題を突き詰めていくときに、どっちをどうしたらいいかという迷いが生じて、決定ができにくいときに、では、どっちの立場に立ってするかという、そんな程度の形でもって、どっちのビューをとるかということを考えていった方がいいんじゃないかと思うんです。最初からどっちのビューに従ってとかというのはまずい。これは、部会長も強く言っておられますし、ほかの委員も言っておられますけれども、私もその点は同感です。

 二、三これからの審議を進める上で、気のついたことを申し上げました。以上です。

○斎藤部会長 ありがとうございました。

 それでは、特にほかに御発言はないでしょうか。

 今の会長の最後におっしゃられたことは、これは言い出せばいろんな論点があるわけでありまして、私自身は、この一言だけは申し上げておきたいんですが、資産負債観対収益費用観という対立の構造は、それが物事の一番根本にある基本的な論点ではないと思っております。つまり、そういう対立のさせ方というのは、問題を整理する上では役に立つことがございますけれども、基準全体とか、あるいは理論の全体を展望する上で、そこが一番根っこにある議論であると思うと、非常にまずいことになるというふうな感じがしておりますので、そこは慎重に対処してまいりたいと存じます。

 それでは、特に御発言がないようでしたら、おおむね定刻に近づいておりますので、本日の検討はこの辺で一応終了させていただきたいと思います。

 私といたしましては、次回の部会までに、審議の背景や経過を含めまして、部会として取りまとめる論点整理の原案を作成したいと考えております。当然でありますけれども、論点整理は文章形式で整える必要がございますので、大変恐縮でございますけれども、中島部会長代理、辻山委員、小宮山委員、西川委員、それに、幹事である委員の何人かの方々にぜひお手伝い、御協力をいただきたいと存じております。どうかよろしくお願いをいたします。

 なお、論点整理の原案は、極力次回の審議に先立って御送付できるようにしたいと思います。

 本日は時間の制限もありまして、まだ十分に御発言いただいていない方もいらっしゃるかと思いますので、もし御意見がございましたら、事務局にお送りいただければと思います。その場合には、大変恐縮でありますが、5月10日までに事務局あて御送付いただきたいと存じます。

 それでは、そろそろ予定の時刻も参りましたので、本日の部会はこれで終了させていただきます。

 なお、次回の当部会の日程でございますが、5月26日の金曜日の午後2時からを予定しておりますので、よろしくお願いをいたします。次回も論点の整理を行いつつ、各委員の御意見を承ってまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 また、その後の予定でございますけれども、5月26日の次は6月9日、または6月16日の午後を予定しておりますが、これは、会議室の都合等で変更もございますので、決まり次第事務局から御案内申し上げたいと存じます。

 本日は、皆様方には、大変お忙しいところお集まりいただきまして、大変ありがとうございました。

 これで散会させていただきます。