企 業 会 計 審 議 会

第1回企業年金部会議事要旨

 

1.日  時:平成9年2月17日(月)  午後2時〜4時
                          
2.場  所:大蔵省第1特別会議室
                                            
3.議  題:企業年金に係る会計処理基準について
                              
4.議事内容:企業財務懇談会報告「企業年金に係る会計処理基準の検討にあたって
              の論点の整理」及び我が国の企業年金制度及び年金会計基準等ついて
              報告を行った後、質疑を行った。
                                
5.主な意見等                                                              
                                                                            
  ○  現状の日本の企業年金に係る情報開示は、米国などと比較して見劣りがすると
    いわざるを得ない。できるだけ早く、諸外国の基準も参考にしつつ情報開示の充
    実を図るべきである。
                                                    
  ○  企業年金の会計処理について検討することはタイムリーである。財務諸表に対
    する注記等の方法によるディスクロージャーには積極的に取り組むべきであるが、
    会計処理においては、現状の退職給与引当金や企業年金の財政計算との関係で二
    重計算にならないよう考慮していく必要がある。財政計算と会計上の計算が実務
    上収斂する方向で検討していただきたい。
                                  
  ○  本来、会計処理すべきものがディスクロージャーで代替するという考え方は問
    題があるのではないか。
                                                  
  ○  現在、企業年金の隠れ債務の存在が資本市場を歪め市場の信頼を失わせている
    といわれている。資本市場のグローバル化は予想以上に早く、日本だけが孤立し
    ないよう、企業年金を含めた企業評価が国際的に比較可能なものとなっていく必
    要がある。
                                                              
  ○  日本では、年金制度が統一されていることで比較可能性が担保されている面が
    あるが、今後、制度の規制緩和が進むことにより年金の財政計算が多様化すると、
    統一的な会計基準の制定が重要になる。なお、会計上新たな計算方法を導入する
    場合、すでに積み立てたものを取り崩すことにより積立水準を下げることを強制
    することは問題がある。
                                                  
  ○  企業年金はそれ自体が大きな投資家であるとともに、その運用結果が企業の業
    績にも反映されていくものであり重要な投資情報である。一方、年金の制度や数
    理計算は非常に複雑であり、そういった意味でも利用者に分かりやすい情報提供
    行う必要がある。                                                        
                                                                            
                                                                            
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