1.日 時 : 平成8年11月15日(金) 14時00分〜16時10分 2.場 所 : 大蔵省第一特別会議室 3.議 題 : 金融商品に係る会計処理基準のあり方について 4.議事内容: 債権・債務の認識の中止、複合金融商品の会計処理、貸付金の減損 に係る問題点について事務局から説明を行い、各委員からコメント行 われた。 5.主な意見 審議の際して出された主な意見は次のとおり ○ 債権・債務の構成要素を分解して移転されたと認められる部分をオフバランス 化するという財務構成要素アプローチを基本指針としていくことが考えられるが、 実務は、金融市場の成熟にあわせて段階的に移行していくのではないか。 ○ 転換社債は転換権を分離して取引できないこと、転換により社債が消滅するこ となどから、複数の金融商品が複合しているものとは異なると考えられ、これを 区分して会計処理することは実態にそぐわないのではないか。 ○ 転換社債については諸外国でも区分会計処理は採用されていない。ただ、現在 作成中の国際会計基準においては、金融商品は構成要素に分解するという考え方 が検討されており、その動向をもう少し見てはどうか。 ○ 債権・債務とスワップ、オプションといったデリバティブ取引との複合取引は、 一体として損益を認識した方が取引実態が分かりやすい場合もある。 ○ 現在、我が国では、新株引受権付社債の発行時に、ワラント部分を区分して負 債として表示しているが、これを権利行使が行われるまでの仮勘定と考えると、 多額の仮勘定が表示されることとなった場合に問題は生じないか。 ○ 我が国は、資本取引と損益取引は区分するという考え方に立っており、新株引 受権付社債のワラント部分の金額は、単に、権利行使の有無に係わらず返還され ないので資本項目という考え方を採るのはいかがなものか。 ○ 貸倒引当金については、一般に、破綻先債権等の回収可能見込額は担保評価の みにより考えられているが、破綻する前でも問題のある債権には貸倒引当金を設 定すべきであり、その際、担保評価ばかりでなく、その債権のキャッシュ・フロ ーの割引現在価値という考え方も利用していくべきではないか。また、通常の債 権についても、会計上は、税法上の一定率でなく貸倒れの実績率により引き当て ることが適当と考えられる。
担当者及び連絡先 大蔵省証券局企業財務課 寺田、平松 TEL 03-3581-4111 |