「中間監査基準の設定に関する意見書」等の概要
1.中間監査基準の設定に関する意見書
「連結財務諸表制度の見直しに関する意見書」において中間連結財務諸表の導入が決定
されたことに伴い、中間連結財務諸表の作成基準・監査基準の設定が必要となったことか
ら、中間連結財務諸表の作成基準の設定に併せて、今般、監査基準についても意見書を取
りまとめた。
なお、中間連結財務諸表の監査基準の設定に際し、中間財務諸表の監査基準も改めて見
直しを行い、全体として「中間監査基準の設定に関する意見書」として公表する。
(1) 中間監査の位置づけ
中間監査は、年度監査と同じく財務諸表の信頼性を担保する監査であるが、事務負担
や年度決算の監査との関係等を考慮し、合理的な範囲で監査手続の一部を省略できるこ
ととしている。その結果、中間監査は、年度監査と同程度の信頼性を担保するものでは
なく、中間財務諸表に基づく投資者の判断を損なわない程度の信頼性を担保するものと
して位置付けられている。
(2) 省略できる監査手続の内容
中間監査においては、投資者の判断を損なわない程度の信頼性の保証に関する監査人の
合理的な判断に基づき、監査手続の一部を省略できる。(具体的には実務指針にて明確
化)
(3) 子会社等の中間財務諸表に対する監査手続
中間監査は我が国特有の監査であり、在外子会社等の中間監査を親会社と同様に行う
ことは困難であることを考慮し、子会社等の中間財務諸表に対する監査手続は、実行可
能性の観点から分析的手続、質問及び閲覧等から構成される監査手続によることができ
ることとしている。ただし、特に重要な子会社等については、必要と認められる監査手
続を追加して実施することとしている。
(4) 中間監査報告書の記載事項
○ 中間監査の概要(範囲区分)
中間監査において監査手続が省略された場合、また、子会社等の中間監査が分析的
手続、質問及び閲覧等から構成される監査手続により実施された場合には、その旨を
中間監査報告書に記載することとしている。
また、合理的な範囲を超える監査手続の省略、すなわち監査人が必要と認めた中間
監査手続が実施できなかった場合には、当該事項を監査範囲の除外事項とし、その旨
及びその理由を記載することとしている。
○ 中間財務諸表に対する意見(意見区分)
中間財務諸表が、企業の中間会計期間に係る財政状態、経営成績及びキャッシュ・
フローの状況に関する有用な情報を表示しているかどうかを表明することとしている。
2.監査基準、監査実施準則及び監査報告準則の改訂に関する意見書
「連結財務諸表制度の見直しに関する意見書」において新たに導入されるキャッシュ・
フロー計算書に関し、企業のキャッシュ・フローの状況を適正に表示しているかどうかに
ついて監査人は意見を表明しなければならないこととしている。
[続きがあります]