金融機能活性化委員会(第16回会合)議事概要


                                                                              

1.日  時    平成9年4月18日(金)10時00分~12時00分                  

2.場  所    大蔵省共用第一特別会議室(4号館12回)                        

3.議  題    債権流動化、デリバティブ取引の多様化、投信・保険の金融機関による

              販売                                                            

                                                                              

4.議事概要                                                                  

                                                                              

    本会合においては、まず、調査課長より上記の議題に関する論点について説明が行

  われ、その後、自由討議が行われた。                                          

    各委員の主な意見は概ね以下の通り。                                        

                                                                              

  ・  債権流動化のために信託を利用する場合が考えられるが、その際に責任の所在等

    が信託法上不明確な点があるので、債権流動化の環境整備を図る際にはこうした点

    の手当ても必要ではないか。また、1つのSPCで複数のABSの発行を可能とす

    るため、担信法も改正する必要があるのではないかとの意見があった。          

  ・  信託方式における金銭債権信託受益権については、転々流通することが馴染むも

    のと、そうした転々流通を前提としない特定の投資家とのオーダーメイドのような

    ものがありので、特色に応じて有価証券化が選択できるような制度とすべきである

    との意見があった。                                                        

  ・  日本の銀行は株式を大量に保有しており、そういう者が株価に関わるエクイティ

    デリバティブの担い手となるのは問題ではないか。仮に銀行がエクイティデリバテ

    ィブを業務と行うのであれば、銀行による株式保有を禁止する必要があるのではな

    いかとの意見があった。                                                    

  ・  ABSの銀行等の金融機関による取扱いを考える場合、ABSも資金調達者から

    見れば社債と同じ直接金融であり、社債を銀行が扱えないこととの関係をどのよう

    に考えるのかとの意見があった。                                            

  ・  ABSと通常の社債とでは資金の調達を行う者のデフォルトリスクを投資家が負

    うか否かという点において全く異なっている。通常の社債については、銀行が発行

    企業のデフォルトリスクを投資家に転嫁するという利益相反行為が問題視されてい

    るが、ABSの投資家はオリジネーターのデフォルトリスクから遮断されているた

    め、ABSについてはそのような問題は生じず、銀行等の金融機関も担い手になる

    得るし、そのほうか債権流動化市場の発展のためにもの好ましいとの意見があった。  

  ・  デリバティブ取引の担い手を考えるにあたっては、原資産を扱えるか否かという

    ことではなく、マーケットリスクや信用リスクを管理する能力があるか否かといっ

    た観点から検討すべきではないかとの意見があった。                          

  ・  債権流動化に関しては、日本ではSPC設立に係るコストが高いとの問題やSP

    Cに係る課税上の問題があり、債権流動化市場を発展させていくためにはこれを解

    決する必要がある。また、担い手については、市場の効率化、活性化のために、基

    本的には広く参加を認めるべきであるとの意見があった。                      

  ・  デリバティブ取引の担い手を考えるにあたっては、リスク管理がポイントとなる。

    ただし、この際、リスク管理の基準を当局が一律に決めるのではなく、個々の金融

    機関の内部リスク管理を奨励していく方向で考えるべきであるとの意見があった。  

  ・  ABSやエクイティデリバティブについて、銀行等による取扱いだけでなく、市

    場の発展という観点からは、保険会社による取扱いも認めるべきであるとの意見も

    あった。                                                                  

  ・  現在銀行が行っている業務をより顧客のニーズにあったものとするためには、エ

    クイティデリバティブが業務としてできることが是非とも必要であるが、海外の銀

    行等の金融機関はエクイティデリバティブを行うことができるため、こうしたニー

    ズに応えることが可能である。よって、日本の銀行等の金融機関の国際競争力の確

    保という観点からもエクイティデリバティブを業務として行えるようにすべきであ

    るとの意見があった。                                                      

  ・  平成3年の金制答申にもあるように、新しい有価証券についてはできる限り自由

    な取引が行われるようにすべきであり、担い手についても拡大を図っていくことが

    好ましい。よって、ABSについても銀行が取り扱えるようにすべきであるとの意

    見があった。                                                              

  ・  デリバティブ取引については、リスク管理が重要であり、モニタリングや検査等、

    当局によるチェック体制を整備しておくことが必要である。また、デリバティブ取

    引の状況に関するディスクロージャーの頻度を短くするということも考えられるの

    ではないかとの意見があった。                                              

  ・  中小金融機関についても、エクイティデリバティブを業務として行うニーズはあ

    り、担い手として検討すべきである。リスク管理については、定性的なリスク管理

    体制は整っていると考えられる上、また、リスク管理等に関して連合会がサポート

    することも考えられるとの意見があった。                                    

  ・  ABSスキームにおいては、SPCに対する流動性補完を行うことが考えられる

    が、この際に結ぶコミットメントライン契約にかかる手数料は現在、利息制限法や

    出資法の「みなし利息」とされているため、実務上大きな障害となっている。よっ

    て、債権流動化のための環境整備の一つとして、この問題も検討すべきであるとの

    意見があった。                                                            

  ・  銀行等による保険の販売については、                                      

    (1).現在においても販売のネットワークは整備されていることから、銀行が新たに

      販売に参入してきても消費者へのメリットへつながるか疑問があること、      

    (2).銀行等が持つ優越的な地位や情報力を前提とすると、顧客に対し不当な乗換募

      集を行うおそれがあること、                                              

    (3).銀行が保険の販売を行うようになると、銀行が提携する保険会社を選別するこ

      とになるが、その結果、銀行が提携先に選んだ保険会社へのシフトが生じ、保険

      会社の経営に大きな影響を与えることになること、                          

    (4).銀行による保険の販売が行われれた場合、手数料がかえって引き上げられるの

      ではないかというおそれがあること、                                      

    等から、銀行による保険の販売を認めるべきではないとの意見があった。        

  ・  銀行と保険の相互参入は、銀行による保険の販売ということではなく、子会社に

    よる相互参入によって行うべきであるとの意見があった。                      

  ・  投資家保護のための規制や不公正取引の防止、弊害防止等については、これらを

    拡大解釈すると全く自由化できないということになってしまう。よって、従来のよ

    うな規制ではなく、自由化の中で、競争を促進し、情報の開示を促進していくこと

    により、できる限り市場メカニズムを通じてそうした行為を防止するといった考え

    方に立つべきではないかとの意見があった。                                  

  ・  保険の販売は、現在、代理店やブローカーを通じて行われているが、これは一般

    事業であると考えられ、銀行がこうした事業を行うことは、銀行の他業禁止の関係

    からどのように考えるべきか検討する必要がある。この際には、顧客の利便性とい

    う観点だけではなく、銀行の持つ特殊な地位や顧客の情報を持っていることなどの

    観点も併せて論じるべきであるとの意見があった。                            

  ・  銀行が保険や投信の窓販を行うことには賛成である。消費者・投資家保護という

    観点は勿論必要であるが、これは担い手を制限するということで行うべきではない。

    変額保険の問題もあったが、これは銀行が保険の販売にかかる行為規制に服するこ

    となく、実質的に保険の募集を行ったということが問題なのであって、これをもっ

    て銀行による保険の販売を認めないと考えるべきではないとの意見があった。    

  ・  銀行による保険の圧力販売について、法的担保をもってしてもどうしても防止す

    ることができないような保険商品がある場合には、そうした商品のネガティブリス

    トをつくってそれに限り規制すべきであり、最初から全ての商品を販売できないと

    すべきではないとの意見があった。                                          

  ・  協同組織金融機関は、地域の実情をよく理解していることから、協同組織金融機

    関が保険の販売を行うようになった場合、その地域の顧客のニーズにあった保険商

    品を開発する上で有用な情報の収集等の役割を果たすことが期待できるとの意見が

    あった。また、協同組織金融機関の貸出先は基本的には議決権を有する会員・組合

    員となっていることから、圧力販売のようなことは、少なくとも協同組織金融機関

    に関しては生じないとの意見があった。                                      

  ・  保険を銀行が販売することの意義については、来店型の販売網というこれまでと

    は違った性格の販売網ができるということであり、これにより、利用者にとってみ

    れば、来店した上で、色々な金融商品の中から自らのニーズにもっともあった商品

    を選択するという商品の購入の仕方が可能になるというメリットがあるとの意見が

    あった。                                                                  

  ・  保険は金融商品の1つであると考えられることから、その販売を銀行が行うこと

    について銀行の他業禁止の観点から問題となることはないのではないかとの意見が

    あった。                                                                  

  ・  銀行による影響力を問題視する意見もあるようだが、銀行同士で熾烈な競争をし

    ていることを考えると、銀行が保険の販売を行うことにより契約者が不利益を被る

    ことになるとは考えられないのではないかとの意見があった。                  

  ・  従来の競争制限的な考えではなく、出来る限り市場規律に委ねるということにす

    べきであり、こうしたことから、投信や保険についても販売ルートを多様化すると

    ともに、顧客保護という観点から、情報の開示やルール違反に対してペナルティを

    課すということにすべきであるとの意見があった。                            

  ・  投信については、米国に比べ日本では個人金融資産に対する割合が極めて低く、

    その販売の促進のための販売ルートの拡大については金融界全体の問題として考え

    るべき問題であるとの意見があった。                                        

  ・  保険の窓販について検討をする場合、保険商品の商品性も様々であり、そうした

    商品性に応じて検討を行うことはできないのかという意見があった。            

  ・  個別の商品毎の規制にすると、新しい商品や手法が登場する度に規制を課してい

    く必要があり、そういう意味で発展性のある制度とは言えない。むしろ、機能別に

    規制を行うということであれば、預金者、投資家、提供者といった切り口で必要と

    なる最小限の規制を課して、あとはできるだけ自由に業務を行わせるといったこと

    も2001年を見通した場合にはある得る制度ではないかとの意見があった。    

  ・  銀行がすべての保険商品を販売するということは、現実問題としては想定し難い

    が、具体的にどのような保険商品を銀行が販売するのかについては、市場の選択に

    委ねるべきであり、予め商品の種類を規制しておくべきではないとの意見があった。  







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            |  担当者:  大蔵省  銀行局  調査課        松  村、阿久澤        |

            |  連絡先:  TEL 03-3581-4111   (内線2801)                        |

            |                                                                |

            |    本議事概要は暫定版であるため今後修正があり得ます。          |

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