金融機能活性化委員会(第21回会合)議事概要


                                                                              

1.日  時    平成9年5月22日(木)10時00分〜12時00分                  

2.場  所    大蔵省共用第一特別会議室(4号館12階)                        

3.議  題    普通銀行による社債発行について、地域金融機関について            

                                                                              

4.議事概要                                                                  

                                                                              

    本会合においては、まず、調査課長より上記の議題に関する論点について説明が行

  われ、その後、自由討議が行われた。                                          

    各委員の主な意見は概ね以下の通り。                                        

                                                                              

  1.普通銀行による社債発行について                                          

  ・  今回の金融システム改革においては、個人貯蓄の最大限の活用や効率的な資金調

    達を図り、利便性・効率性が更に高い金融商品・サービスを利用者に提供するため、

    競争原理を一層活用した制度の構築が求められているところであり、普通銀行が社

    債を発行することについては賛成であるが、平成三年の金融制度改革の際に段階的

    に拡大していくこととされた業態別子会社の業務範囲等の激変緩和措置が終了する

    時期と切り離して考えるべきではないとの意見があった。                      

  ・  普通銀行のいわゆるワン・イヤー・ルールは、わが国金融の基調の変化により、

    最早意味を失っており、普通銀行による社債の発行を認めることについては賛成で

    あるが、その際、証券、信託等の改革も含め、総合的見地で検討するべきであると

    の意見があった。                                                          

  ・  普通社債の発行方法にいわゆる売出発行の規定がないのは、一般企業にとってそ

    のインセンティブが低いためであり、一方において、普通銀行では利用者利便の観

    点から売出発行に対するインセンティブが高い。従って、長期信用銀行に対する業

    務制約を撤廃する一方で、普通銀行に対する金融債の発行を認めるべきであるとの

    意見があった。                                                            

  ・  金融機関は、これまで以上に市場によるガバナンス機能に従うことが求められて

    おり、そのメカニズムの確立という観点からみると、金融機関が通常の企業と同様

    の手続・ルールの下、オープンな市場で社債を発行することは望ましく、業法によ

    り、金融機関に一般通常と異なる債券発行を認めることは適当でないとの意見があ

    った。                                                                    

      このような市場のガバナンスは、将来的には、協同組織金融機関や預金取扱金融

    機関以外の金融機関に対しても及ぶことが望ましいとの意見があった。          

  ・  金融債という、歴史的な経緯により導入された特殊なタイプの債券の発行を普通

    銀行に認めることは適当でなく、むしろ、普通社債の発行を普通銀行に認め、ディ

    スクロージャーにより投資家保護を図るべきとの意見があった。                

  ・  さらに、今後、金融債のあり方を検討するべきではないかとの意見があった。  

  ・  現在の業態別の制度から、取引法的な制度に移行していくべきという観点から、

    債券発行の問題も検討するべきであるとの意見があった。                      

  ・  現在、行政指導によって金融機関による発行が禁止されている社債については、

    一般事業会社と同一のルールの下で発行できることとするべきであるとの意見があ

    った。一方、金融債は長期信用銀行の生命線であり、その見直しには激変緩和が必

    要であるとの意見があった。                                                

  ・  ビック・バンの論議では、2001年への方向性とそれに対するスケージュール

    の提示が求められている。規制の枠を外すこととシステムの安定性とがどう係わっ

    てくるのかが問題であり、金融債についても預金との位置づけをはっきりさせ、そ

    の上で、社債の発行についてもその性格を明確にすることが行政の役割ではないか

    との意見があった。                                                        

  2.地域金融機関について                                                    

  ・  地域の様々なニーズにきめ細かく応えるためには、地域金融機関を法律で縛るの

    ではなく、あくまで地域の総合的な金融ニーズに十分に応えられるような整備をし

    ていくべきである。地域に貢献している金融機関に対しては、総合的な金融サービ

    スを受けにくい地域の住民の求めに応じるためにも、本体で行うことができる業務

    範囲の拡充は必要であるとの意見があった。                                  

  ・  今回の金融システム改革の成果を全国に均てんしていくため、地域金融機関が如

    何にすべきかは、第一に地域金融機関の努力に係っているが、一方で規制を極力緩

    和する観点からの諸整備が必要であるとの意見があった。                      

  ・  協同組織金融機関の連合組織がマーケットにアクセスする機能を強化し、協同組

    織金融機関と相互補完努力を行うことは、地域に貢献していくことに繋がるとの意

    見があった。                                                              

  ・  今回のビック・バンで求められているのは、利用者の観点から検討することであ

    る。地域金融機関の役割は、1200兆円にも及ぶ個人金融資産の効率的運用や顧

    客に対する利便性向上に資することであり、そのためには販売チャネルを多様化す

    ることが喫緊の課題である。現在の業態別子会社方式では地域のニーズに応えるに

    は不十分であるとの意見があった。                                          

  ・  地域金融機関については、マーケットによるガバナンスを主としながらも、地域

    の活性化に貢献するという役割を明確にするべきである。また、地域に貢献するた

    めのインセンティブを高くする必要があり、そうした方向の検討も必要であるとの

    意見があった。                                                            

  ・  地域金融機関については、地域の中小企業に対してきめ細かく対応するため、企

    業の直接金融に対するニーズにも応えることができるようにするべきである。また、

    地域金融機関は、公的機関と一体となって地域の活性化に対するアドバイザーとな

    るべきであるとの意見があった。                                            

  ・  地域金融機関に対しては、金融システムのしきりの中でその行う業務が市場によ

    って定められるものであり、特別な措置をとる必要はないとの意見があった。    

  ・  信託業務については、利用者利便の視点に立った議論が必要であり、その専門性

    やサービスの質の高さなどは市場が決めるべきという意見があった。            

  ・  信託業務については、今日においても業態別子会社によって行うこととしている

    意義は大きい。地域金融機関本体による信託業務は、業務の使い勝手を良くする方

    向で考えていくべきであるとの意見があった。 

 

担当者: 大蔵省 銀行局 調査課 松 村、吉 井
連絡先: TEL03-3581-4111 (内線2801)
本議事概要は暫定版であるため今後修正があり得ます。