日銀法改正小委員会(第2回会合)議事概要


                                                                                

1.日  時    平成8年12月6日(金)15時00分~17時00分                    

2.場  所    大蔵省第2特別会議室(合同庁舎4号館4F)                        

3.議  題    準備預金、銀行券の発行限度等について                              

                                                                                

4.議事概要                                                                    

(1) 本会合では、まず、吉野直行教授(本委員会オブザーバー、中銀研専門委員)より、

 説明資料「金融政策の手段とその波及経路」に基づいて、わが国の金融政策手段、準備

 預金制度の現状等について報告がなされた。この中で同氏は、わが国の金融政策手段と

 して、窓口指導等の数量調節から市場調節にウエイトが移ってきていること、なかで  

 も、近年はコールレートの調節を金融政策手段として重視してきているが、1980年代に

 は為替レートも重視していたこと等を指摘。                                      

                                                                                

(2) 準備預金について                                                            

   準備預金制度については、これが、金融政策手段としてかつてほど有効ではなくなっ

 ているとともに、広く金融機関にコストを負担させるものであることから、同制度の維

 持について疑問視する意見も一部にあった。しかしながら、○法定準備制度が存在する

 こと及び準備率を変更することを区別したうえで、前者については、「準備預金の積  

 み」を金融機関に義務付けることで短期的な市場コントロール手段として利用でき、特

 に日本ではその傾向が強いこと、後者については、金融環境の基調的変化に対応する補

 助的な政策手段として利用できること、また、○一定の資金を日銀当座預金として維持

 しておくことが、金融機関の資金繰りのバッファーとしての役割を果たし、金利の短期

 的な乱高下を防いでいること、○わが国の準備預金制度が米国等に比べ金融機関にとっ

 てさほど大きな負担になっていないこと等を考えると、制度自体は今後とも維持すべき

 という意見が多かった。                                                        

   準備率の設定変更等に係る政府の認可については、日本銀行の独立性を尊重するので

 あれば、これを廃止すべきとの意見が大勢であった。ただし、準備率の設定変更等が行

 政的色彩を有する行為であること等に鑑みると、必要であれば日銀の政策決定に政府が

 関与する方式もあり得ること、他の法制との整合性を保つことが大切であること等の指

 摘がなされた。                                                                

                                                                                

(3) 銀行券の発行限度、発行保証制度について                                      

   発行限度制度は、既に現状追認的にしか機能しておらず、仮に現行制度が撤廃された

 としても  「物価の安定」という日銀の目的に照らせば過大な銀行券発行を招くという

 事態は想定し難いこと等から、これを廃止すべきとの意見が大勢を占めた。          

   発行保証制度については、これが金本位制に由来する制度であり、管理通貨制度の  

 下、最早同制度を存続させる積極的な意味は失われていること、通貨全体に占める発行

 銀行券のウエイトが小さいことを考えるとその部分だけに保証を求める必要性が乏しい

 こと等から、これを廃止しても問題ないのではないかとの意見が大勢を占めた。その場

 合、日銀の資産が不良化した場合には適切な引当を行う等、別の手段によって日銀全体

 の財務の健全性が担保される必要があるとの意見が多かった。                      

   発行限度、発行保証制度の存在が日銀に対する安心感を生むとともに、その業務に対

 するチェック機能を果たしてきた訳であり、こうした仕組みを廃止する際には、併せ  

 て、日銀の政策全般に関し、今後どのようなチェックの仕組みを設けていくのか、特  

 に、政府と日銀の意見の食い違いが生じたときにどのような調整を行っていくのかにつ

 いて今後とも議論を重ねていくことが必要であるとの意見が示された。              

                                                                                

(4) その他                                                                      

   制度の細目については、必要に応じ事務的に整理を行い、答申案段階で検討すること

 となった。                                                                    

                                                                               

                                                                   以  上      

                                                                              

 

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                |  担当者:  大蔵省  銀行局  調査課        吉  井、阿久澤    |

                |  連絡先:  TEL 03-3581-4111   (内線2801)                   |

                |                                                            |

                |    本議事概要は暫定版であるため今後修正があり得ます。      |

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