金融審議会「第一部会」第1回会合議事録

 日時:平成10年12月8日(火)14時00分〜16時00分
 場所:大蔵省本庁舎(4階)第四特別会議室

○津曲調査室長 それでは、ただいまから第1回金融審議会第一部会を開催させていただきます。
 本日は、皆様、御多忙のところお集まりいただきまして、ありがとうございます。また、この第一部会の委員への御就任をお引き受けくださいまして、重ねて御礼申し上げます。
 本日は、第1回目の会合でございまして、部会長及び部会長代理が決まっておりませんので、それをお決めいただくまでの間、当部会の事務局が金融企画局企画課となっておりますところ、本日は私、企画課の調査室長の津曲でございますが、議事の進行を務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は、初顔合わせでございますので、御出席の委員の方々の御紹介を事務局よりさせていただきます。
 なお、全体の名簿につきましては、お手元にお配りしてございますので、どうか御参照ください。なお、これに加えまして、親審議会の委員の方々には自由に御参加いただくルールとなっておりますので、お含みおきいただきたいと思います。
 それでは、本日御出席いただいている委員の皆様方を御紹介申し上げます。
 向かいまして右の方からでございますが、井上定彦委員でございます。
            〔井上委員 立礼〕
○津曲調査室長 それから、上柳敏郎委員でございます。
○上柳委員 上柳です。よろしくお願いします。
○津曲調査室長 それから、高橋伸子委員でございます。
○高橋委員 よろしくお願いいたします。
○津曲調査室長 それから、能見善久委員でございます。
○能見委員 よろしくお願いいたします。
○津曲調査室長 それから、原早苗委員でございます。
○原委員 よろしくお願いいたします。
○津曲調査室長 それから、福間年勝委員でございます。
○福間委員 よろしくお願いします。
○津曲調査室長 柳川範之委員でございます。
○柳川委員 よろしくお願いいたします。
○津曲調査室長 吉野直行委員でございます。
○吉野委員 よろしくお願いいたします。
○津曲調査室長 蝋山昌一委員でございます。
○蝋山委員 どうぞよろしくお願いします。
○津曲調査室長 なお、岩村委員は、後ほどおいでいただけると思います。
 なお、岩原紳作委員、大塚宗春委員、神田秀樹委員、京藤哲久委員、田中直毅委員、リチャード・クー委員は、本日は御欠席されておられます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 なお、本日は、貝塚金融審議会会長にも御出席いただいております。また、金融審議会と同じく、金融監督庁と日本銀行よりオブザーバーとして参加していただきます。
 日本銀行より稲葉企画室参事でございます。
○日本銀行稲葉企画室参事 稲葉です。よろしくお願いします。
○津曲調査室長 監督庁は、また後ほど来られると思います。
 以上でございます。
 続きまして、当部会の事務局のメンバーを御紹介申し上げます。なお、現在、国会開会中でございまして、配付しております座席表の全員がそろっておりませんことは御容赦お願いしたいと思います。
 まず、皆様の方から見まして、部会長席の右手から、金融企画局長の伏屋でございます。
○伏屋金融企画局長 伏屋でございます。よろしくお願いいたします。
○津曲調査室長 それから、窪野大臣官房参事官でございます。
○窪野参事官 窪野です。よろしくお願いします。
○津曲調査室長 それから、木下信用機構室長でございます。
〔木下信用機構室長 立礼〕
○津曲調査室長 それから、大西企画官でございます。
〔大西企画官 立礼〕
○津曲調査室長 こちらの方へ移りまして、大臣官房審議官の山本でございます。
○山本大臣官房審議官 山本でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○津曲調査室長 東証監理官の金井でございます。
○金井監理官 金井でございます。よろしくお願いいたします。
○津曲調査室長 それから、市場課長の楠。
○楠市場課長 楠でございます。
○津曲調査室長 投資サービス室長の西村でございます。
○西村投資サービス室長 西村でございます。
○津曲調査室長 最後に、当部会の事務局を担当しております三國谷企画課長でございます。
○三國谷企画課長 三國谷でございます。よろしくお願いいたします。
○津曲調査室長 なお、それ以外の者は、来られる者はこの後に参りますけれども、ここに出席できない者もおりますので、どうか御容赦いただきたいと思います。
 以上でございます。
 それでは、ここで当部会の部会長の選任をお願いしたいと思います。
 部会長は、金融審議会令第5条の規定によりまして、委員の互選によることとされております。どなたか部会長の御推薦をお願いいたします。
 吉野委員、お願いします。
○吉野委員 金融審議会などでいろいろこれまで御活躍の蝋山先生に、ぜひお願いしたらいかがかと思います。
○津曲調査室長 ただいま吉野委員より御提案ございましたが、よろしゅうございますか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○津曲調査室長 ありがとうございます。
 それでは、御異存がございませんようですので、蝋山委員の御承諾を待って部会長の就任をお願いしたいと思いますが、蝋山委員、いかがでしょうか。
○蝋山委員 どれだけうまくやれるかどうかわかりませんが、皆さんの御推挙を得ましたので、お引き受けさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
○津曲調査室長 どうもありがとうございます。
 それでは、蝋山部会長、部会長席の方にお移りいただきたいと思います。
  〔蝋山部会長、部会長席に着席〕
○蝋山部会長 本当は、向こう側に座って好きなことを言わせていただくのが、一番私にとっては光陽最大になるんですけれども、しかし、いろいろあるでしょうから、私はここで皆様方の御意見をぜひ拝聴して、うまく交通整理をさせていただきたく思います。
 部会長に選出されました蝋山です。どうぞよろしくお願いします。
 私が任ぜられました金融審議会令というのがございまして、その第5条によりますと、部会長代理を部会長から指名させていただくということになっております。私は、御承知のように北陸に住んでおりまして、私としては意のままにならない天候その他で、出席をする予定でいたけれども、汽車も飛行機も止まってしまうということが十分にあり得ますので、恐らく部会長代理としてお願いする方には、もしかしたら、通常以上の御迷惑をかけることになるかと思います。
 私としては、金融審議会の委員でありますし、また、今日のこの第一部会のテーマの基となりました新しい金融の流れに関する懇談会等でも一緒に仕事をさせていただきました神田秀樹委員に部会長代理になっていただけたらいいなというふうに私は思っておりますので、部会長代理として指名させていただきたく思います。どうか御了承いただきたく思います。
 さらに、幾つか事務的なことについて御相談しておかなければなりません。
 まずは当部会の設置要領の問題であります。それから、議事録の取扱いをどうするかという点もはっきりさせていかなければならないというふうに思います。そこで、これらの点につきまして、事務局の方からそれぞれ説明をしていただきたく思います。
 津曲さん、よろしくお願いします。
○津曲調査室長 お手元に「金融審議会第一部会設置要領(案)」というものをお配りしてございます。これが設置要領でございますが、その前に、「金融審議会の運営について」という二枚紙があると思います。これは、10月29日の金融審議会、親審議会で御了承いただいたものでございますが、ここで、大臣諮問が、「21世紀を見据え、安心で活力ある金融システムの構築に向けて、金融制度及び証券取引制度の改善に関する事項について、審議を求める。」ということでございました。
 審議の大枠といたしまして、2001年が間もなく近づいてくるということでございまして、ここが金融システム改革の完了であると同時に、預金などの全額保護の終了、ペイオフの開始と自己責任の時ということになります。
 そこで、大枠といたしましては、まず一つ目が、21世紀の金融取引やサービスのあり方はどのようにあるべきか。全体像としてのアプローチ。これが、国際化の一層の進展・市場の役割の増大、金融情報通信技術の発展を背景とした金融の将来像と規制のシステム・規制の担い手のあり方など。それに向けてのそれぞれの主体がどのようにあるべきかということを審議していこうと、これが第1。
 それから、第2が、安心で活力ある金融システムの構築ということでございます。これは、現在を出発点に、21世紀の金融システムに向けての問題解決の積み上げと環境整備ということでございまして、金融システム改革の積み残し、それから、不良債権処理と金融システムの再生・安定を図りつつ、どのように21世紀の金融システムにつなげていくかということでございまして、こちらが第二部会ということでございまして、こちらは昨日開かれたところでございます。
 この第1のところが金融審議会第一部会ということになるわけでございまして、設置要領にお戻りいただきまして、最初に、「目的」が、「部会は、審議会の委任に基づき、金融制度及び証券取引制度の改善に関する事項のうち、主として21世紀の金融取引やサービスの在り方に関するものについて、幅広く検討を行い、その結果を審議会に報告することにより」、報告をしていただくということの目的でございます。
 なお、2.の「組織」のところでございますが、?で、「部会はオブザーバーを置くことができる。」ということでございます。
 それから、2.の?でございますが、先ほど申し上げましたが、「審議会の会長及び部会に属さない審議会の委員は、随時部会に出席し、意見を述べることができる。」ということでございます。
 「庶務」は、この金融企画局で処理するということでございます。
 なお、議事録の扱いにつきましては、親審議会と同様に考えておりまして、委員のチェックをいただいた後、部会長の御判断に基づき一定期間後に公表するということを考えております。
 以上でございます。
○蝋山部会長 ただいま、金融審議会全体の中で二つの部会が設置されるということ、さらに、この第一部会の設置要領ということが簡単に説明がありましたけれども、何かこの点で御意見ございませんでしょうか。
 これとの絡みで、一つ私の方からお願いしたいことがございます。親審議会の金融審議会は、御承知のように、金融制度調査会、証券取引審議会、保険審議会という三つの審議会が統合されてできたものでありまして、関連する業界が大変多いということもあります。そのほか審議会のあり方という基本的な問題もありますけれども、オブザーバーというものは置いておりません。しかし、この部会では、組織の?にあるように、「オブザーバーを置くことができる」ということになっておりますが、私としては、いわゆる金融サービス業に関わる主要な方々をオブザーバーとして御出席いただいて、そして我々の審議の過程を十分理解していただくということは、害なしとは申し上げませんけれども、私の判断では、利の方が大きいのではないだろうかというふうに思います。そういう点で、オブザーバーの出席を、いわゆる業界団体、どちらかといえば自主規制団体ないしは事実上の自主規制団体というところに近いわけでありますけれども、そういう方々から御出席を仰ぐということにしてはどうかと私個人は考えております。その点も含めまして、この設置要領の問題について、御意見があれば頂戴したいと思いますが、いかがでしょうか。
○上柳委員 よろしいですか。
○蝋山部会長 どうぞ。
○上柳委員 今のオブザーバーの点ですけれども、私も異存ございませんけれども、できましたら、選び方は難しいんでしょうけれども、業界関係の方だけではなしに、いわゆる利用者なり消費者側からも適切な方、あるいはお申し出があれば検討していくということを一応留意していただければと思います。最初からという必要はないかもわかりませんけれども。
○蝋山部会長 わかりました。
○上柳委員 それから、先ほど運営の関係で、第一部会と第二部会の関係について、若干はお話を伺ったんですけれども、要するにどういう分担なのか。もし、今、当審議会の方で御議論があれば、後でお話があるのかもわかりませんけれども、いつかの機会に教えていただければと思います。
○蝋山部会長 いえ、まず、大づかみのところはこの段階で御理解いただいた方がいいと思うんですが、この第一部会は、現状はともあれ、ある程度もちろん頭の中に入れておかなきゃいけませんけれども、少なくとも将来にどうなるかということを、できるだけ全体像をはっきり出そうと、一言で言えば、こういういわばビジョン作りということになるのではないかというふうに思います。
 そして、第二部会の方は、現状を直視して、そこで解決すべき具体的な細かいこと、全体から見れば部分的、細かな問題がたくさんあるわけですね。例えば相互会社の株式会社化の問題、それをどういうふうに法制化したらいいだろうか、こういうような問題が一つの例ですけれども、そういう具体的な問題を一つ一つ解決していく、これが第二部会だというふうに考えていただいていいのではないかというふうに思います。
 課長、補足するところありますか。
○三國谷企画課長 オブザーバーの件で少しよろしゅうございますでしょうか。
○蝋山部会長 はい。
○三國谷企画課長 今、部会長から御説明あったとおりでございまして、よろしくお願いしたいと思います。
 オブザーバーの件でございますけれども、お手元に審議会の名簿があると思いますが、実は、それぞれのいろいろな立場の方、利用者の方、それから資本市場の利用者の方という形で、そういった方にメンバーになっていただいているわけでございますけれども、ただ一つ、この中で特に業界のところが、昔、例えば各審議会が、ある部会ですと業界代表だけで10人近いとか、そういうようなことがございまして、実質的に御参画いただいてないというところで、特に今部会長がおっしゃられました実務界の方ということがあるのではないか。したがって、全体の決まり事は何もございませんけれども、特にそこのところを今、部会長がおっしゃられたのではないかという具合に、そういうことでよろしゅうございますか。
○蝋山部会長 そういう点では、スタンディングなオブザーバーとして業界の方をお願いしよう。そして、原さんもおられますけれども、それぞれの消費者、エンドユーザー−−福間さんはどういうふうに解釈していいか難しいところがあるんですが、消費者の金融への進出などということもありますから、しかし、恐らく福間さんのお立場というのは、基本的に一方の側、資金を調達し運用するというエンドユーザーの立場だというふうに、立場をあえて色分けすればですね。それにこだわっていただくのはむしろ困る点もあるんですけれども。そういう点で、スタンディングのメンバーとして、中間に立つ金融を業とする方々をお招きしよう。それから、もう一つは、その時々のテーマによって、オブザーバーなり、あるいは参考となる御意見を頂戴する方々は、ぜひ積極的にお呼びしたいというふうに思います。
 ですから、上柳委員のおっしゃられた消費者代表の方、それは原さんが随分代弁されるとは思いますけれども、しかし、そのほかにもこういう面にお強い方がおられる、ぜひこの方の御意見を歓迎したいというふうに思いますので、適当な方がおられましたら、ぜひ御推挙いただきたく思います。
○原委員 よろしいですか。
○蝋山部会長 どうぞ。
○原委員 そうしますと、オブザーバーというのは、その時々の議題に沿って、この方に来ていただこうということで一応こちらが招聘をする。だけれども、私どもの方で推薦というのでしょうか、推挙してもいいという感じで、ここで発言権を持って話をされるということですよね。そういう位置づけですよね。
○蝋山部会長 私は、スタンディングなオブザーバー、特に業界から来られた方は、名簿を出していただきまして、この業界に属するこの方、Aさんという方に、ずっとお出になっていただきたく思います。そういう方と、それから、アドホックにそれぞれのテーマ、議題に応じて聞いていただきたい、あるいは御発言を頂戴したいという方もお招きするのと、そういうオブザーバーには二つのタイプがあるだろうというふうに思います。
 それから、オブザーバーとして発言権がどこまであるかということですが、これは私にお任せいただきたいというふうに思います。ということは、「座長」と言って手を挙げる資格はないと私は理解しています。
○原委員 指名をなさるということですね。
○蝋山部会長 はい。「この問題については、この方の御意見をぜひお聞きしたいと思うので、どうぞ御発言をお願いします」という形になると思います。しかし、皆さん方は違います。皆さん方は、私に手を挙げて言っていただければ、私はそれを取り入れなければいけない義務があります。
○原委員 はい、わかりました。
○蝋山部会長 どうぞ。
○貝塚会長 金融界の方の参加について、私は、蝋山さんも昔入っていた金融制度調査会というすごい−−すごいと言うとおかしいですが、審議会がありました。これは本当に各業態の頭取ないし協会長がずっと出ておられまして、私の印象では、ざっくばらんに申しますと、大名が出席していて、私は大名ではなくて何だか知らないけど、とにかくそういう形になっちゃうと、えらく形式的になっちゃいまして、ですからそういう点は、言ってみれば、今回は多分、業界と言われましてもそういう感じではなくて、エキスパートとして御出席いただくというふうに了解しています。大体そういう感じですね。
○蝋山部会長 はい。私の狙いは二つあります。一つは、これは事、将来に関わる問題ですけれども、今の日本の金融サービス業全体としてどういうビジョンを持っているのか、さっぱり僕らにもわからないわけですね。ぜひそういう点で我々の議論を聞いていただいて、少し大げさに言えば、門を開いていただくというのが一つあります。
 それから、もう一つは、今、貝塚さんが言われたように、それぞれの分野における専門家の方が恐らく出てくるでしょうから、それに応じた形で、その方々の知識なり経験なりを我々として利用させていただくと。そういう売りと買い両方のバランスがとれるようにしたいというふうに考えております。
 井上さん、どうぞ。
○井上委員 最初に、今の部会長と会長の委員構成についてのあり方は、大変賛成であります。ぜひこれまでのいろんな経験を踏まえて、今のような運営でやっていただきたいと、おっしゃったような形で進めていただきたいと思います。
 もう一つは、ごく簡単な質問なんですが、これは第一部会の設置要領なものですから、2.のところの「? 審議会の会長及び部会に属さない審議会の委員は、随時部会に出席し、意見を述べることができる。」ということは、これは第一部会の方ではこうなって私は賛成なんですが、第二部会の方はどうなっているんでしょうか。
 それから、実は先ほどおっしゃった第一部会と第二部会の運営、相互の関係に関わるんですが、確かに一応分けられるんですが、やはりくっついています。やはり両方の内容を頭に入れる必要があると思いまして、私は、なかなか第二部会に希望しても何回出られるかわからないんですが、資料をいただくというようなことができるかどうか。これは事務局の方かと思いますが。
○蝋山部会長 室長、よろしくお願いします。
○津曲調査室長 今、井上委員の御指摘になったとおりでございます。ここは、審議会の会長及び一部会・二部会それぞれに属さない審議会の委員は、他方の部会に出席して意見を述べていただくということでございます。ということでございますので、資料等は当然……。
○井上委員 そうすると、休んだりしても資料はいただけるんですか。
○津曲調査室長 はい、もちろんお送りいたします。
○蝋山部会長 ほかに運営に関しまして御議論ございますでしょうか。
 それでは、改めて要約いたしませんけれども、以上のような形でこの第一部会を運営させていただきたく思いますので、よろしくお願いいたします。
 本題の今日の議論に入らせていただきます。
 この部会が直面する課題をサーベイすると、こういう意味で、最近の金融システムを巡る問題は非常にたくさんあるわけですけれども、問題について、事務局から説明をしていただきたく思います。よろしくお願いします。
○津曲調査室長 お手元に、資料「第一部会1−1」というものをお配りしてございます。これに沿いまして簡単に御説明申し上げます。
 まず、「金融を巡る動き」ということでございます。これが8ページまででございますが、まず、1ページから3ページまで、「金融システム改革のスケジュール」という資料でございます。これは、12月1日に金融システム改革法が施行され、いわゆるビッグバンが本格化したわけでございます。ここに様々な、また、多くの事項が挙げてございますが、これらの大半が今回措置済みとなったところでございます。例えば、一番最初の投資信託の整備、例えばこれら、それから窓口販売の解禁など、資産運用サービスをはじめとしまして金融商品・サービスの選択肢が格段に拡大されております。これらは3ページにわたりまして一覧表になっておりますが、一つ一つをとってみますと、従来の感覚では相当に重い内容がそれぞれに含まれているところでございます。
 また、これらのサービスの選択肢の拡大に合わせまして、利用者保護や公正取引の確保に関するルールも併せて整備されたところでございます。
 3ページまでが日本国内の最近のスケジュール、動きでございますが、4ページを御覧いただきますと、4ページと5ページ、これらが90年代におきます米国、それから欧州の方の銀行、金融機関の再構成、再編成に係る資料でございます。資料はアメリカとヨーロッパに分けてございますが、例えば4ページの一番下の(注)でございますけれども、ドイツ銀行がアメリカのバンカースを買収することが出ているとか、こういう両面にわたるような動きも既に出てきているということでございます。
 それから、次のページでございますが、これが内外の金融構造に関する簡単な表でございます。
 6ページは、「日本における個人金融資産」というところでございますが、 1,200兆円を超える金融資産がございますけれども、これを見ますと、預貯金が約6割、それから信託、投資信託が2%少し、それから保険がこれぐらいだと。また、債券、株式の割合が非常に少ないというところが日本の状況。
 それから、7ページ目を御覧いただきますと、これは日米比較。個人金融資産の面でもそうですし、企業の資金調達を見ましても、やはり直間の割合というものが相当な差があるというところでございます。日本の場合は、伝統的な間接金融商品が大宗を占めているというところでございます。今後は、また後ほど御紹介いたしますが、新しい金融の流れに関する懇談会では、集団投資スキームないしは市場型の間接金融の重要性が増すと指摘をされているところでございます。
 それから、8ページですが、これは「各国における非金融法人企業の資金調達」の状況でございまして、アメリカ、イギリス、フランスでは間接金融のウェイトが低い一方で、ドイツと我が国は間接金融の比率が高くなっているという状況でございます。
 これらが「金融を巡る動き」と数字ということでございます。
 次に、別綴りになってございますが、「新しい金融の流れに関する懇談会「論点整理」の概要」という資料がございますけれども、こちらをちょっと御覧いただきたいと思います。こちらの方は、表紙を御覧いただきますと、新しい金融の流れに関する懇談会、これは蝋山座長を中心にしまして13の省庁からなるというような勉強会でございましたが、これは先ほど御説明申し上げましたような動き、それから、金融システムが進展する中で、今後の金融の新しい流れを展望するとともに、これにふさわしい新たな金融法制とルールのあり方について、理論的な検討を行おうという勉強会でございました。
 これの内容をざっと御説明申し上げたいと思います。
 まず、この資料の1枚目を御覧いただきたいと思いますが、ここでは、一番最初に、「金融システム改革と基本的な問題意識」ということでございます。この問題意識には、大きく分けまして、一番最初が、新しい金融の流れをどう捉えるか。それから、二つ目には、新しい金融の利用者像をどう捉えるか。それから、三つ目に、新しい金融の流れと金融法制・ルールというものをどう考えるのかというところが最初の問題意識になっております。
 ここの問題意識でございますが、金融経済環境の変化というところで、経済の成熟化、高齢化、資金余剰、ストック化、情報処理、それから通信技術のイノベーション、国際化の進展というところで、やはりこれらを考えてみますと、今後の新しい金融の流れといたしましては、これは2ページを御覧いただきたいのでございますが、2ページの上の方のマル1マル2マル3でございます。ここが、一つは資産管理。このマル1でございますが、金融仲介チャネルの多様化、それから、様々なリスク・リターンを持つ金融商品が幅広く厚みを持って提供されることになるだろう。それから、マル2でございますが、投資信託のような集団的な投資スキーム云々などが重要になるのじゃないか、そういうことがここに書かれてございます。
 それから、二つ目のところ、「新しい金融の利用者像」というのは、ここは、利用者がリスクの内容と所在を認識しながら、責任及び損失の分担が明確かつ公正であるべきであろうと。それから、それと同時に、業者の健全なガバナンス構造の確立などが必要になるだろうということでございます。
 それから、次に、金融法制・ルールの基本的な考え方のところでございます。ここにつきましては、4ページ以下になりますが、2.のマル1のところ、横断的な法制・ルール、機能面に着目したそういうルール。それから、マル2が、リスクの評価と所在、それから、そのための権利・義務関係を明確化するためのルール。それから、マル3が、公正を確保する。それから市場の円滑な発揮を促すための法制・ルール。それから、マル4が、実効性が適切に確保される法制・ルール。マル5が、公正・透明で機動性が高い法制・ルール。マル6が、国際的な整合性のとれた法制・ルールというところが挙げられております。
 それから、次が、金融法制・ルールの枠組みはどうなのかというところでございまして、これについては、大きく分けまして、一番最初のところは、金融商品というのはいかなるものであるのかということについて、改めてここで考えが示されてございます。それと同時に、今度は金融サービス、取引行為としてはどういうものがあるのかということが、6ページの?のところに、例えばマル1からマル8までいろいろ掲げられてございます。販売・勧誘、売買、仲介、引受、資産運用、資産管理、助言、仕組み行為云々ということでございまして、それと同時に、こういう行為類型の中には受託者(fiduciary )の役割を果たす場合の受託者責任の明確化ということも必要ではないかという指摘もされてございます。
 それから、もう一つは、金融サービスの業者をどう考えるのか。
 それから、その次が、7ページの?のところでございますが、「ホールセールとリーテイル」ないし「プロとアマ」の区分というものが大事だろうと。ここは、リーテイル取引については取引当事者間の情報格差の大きさなどから、金融サービス業者に対する利用者保護に関する行為規範・規制の重要性が高まるのではないかと。それから、この「ホールセールとリーテイル」もしくは「プロとアマ」の区分の基準を明らかにしておくことが必要だろうというようなことがここで指摘されております。
 こういうことが示されていると同時に、この法制・ルールの枠組みのイメージといたしましては、権利・義務関係を明確にするための「取引のルール」。それから、市場の維持・発揮に関しての全ての取引参加者に適用される一般的な行為ルール、狭義の「市場ルール」。それから、業者に対する行為ルール、「業者ルール」というもの。これらのものが考えられるのじゃないかということが示されております。
 最後に、これらの法形式、「器」の問題というものをここで書いておりますが、これはやっぱり総合的、体系的な検討が必要だろうということが触れられております。
 続きまして、恐縮でございますが、今度は本体の資料にお戻りいただきまして、こちらの方は、我が国の現在の法律の状況がどうなっているかという資料が、9ページ以下になってございます。日本の法律を御覧いただきますと、例えば業法、事業者、業者の主業務というのが、預金の受入れ云々、こういうサービスに応じた形で、このように縦割りのたくさんの法律によって書かれているというところでございます。その詳しいところは、さらに10ページ以下に付けてございます。
 また、外国の例でございますが、17ページ以下の例でございます。ここは、どのような投資関係の法制になっているかと。米国については、従来、原則は縦割りですが、証券概念を広く捉えるという形で取引までの法制が今できている。それから、イギリスは、金融サービス法が86年にできまして、これに基づいてやってきた。ただ、ドイツ、フランスはユニバーサルバンクの方の経緯を踏んでおりますが、EUの方の新しい動きに沿った形の法制ができつつあるということでございます。
 それから、飛びまして、22ページに今度は移っていただきたいと思いますが、こちらの方は、イギリスの金融サービス・マーケット法案。先ほど御紹介申し上げましたが、86年の金融サービス法に基づいてやってきたわけでございますけれども、これにつきまして、このシステムの現行の規制システムについて、コストが高いなどの幾つかの指摘があったということでございまして、これを受けまして、今年の7月にイギリス大蔵省が金融サービス・マーケット法案を出しまして、これを今パブリック・コメントを求めておりました。これはもう締め切られておりますけれども、こちらの方でも新たなことが考えられておりまして、例えば金融サービス庁というのを作って、監督当局・規制当局の一元化を図ろうと。それから、規制される業務はどうなのかということになりますと、例えば34ページの方を御覧いただきますと、規制対象となる活動としてはどういうものがあるのか。これが34ページから35ページの上のところまで、幾つかサービスの営業として挙げてございます。
 それから、投資物件、その商品はどうなのかということが、35ページ以下の投資物件のところに書かれているというところでございます。
 それから、新しいところでは、37ページを御覧いただきますと、投資物件の中に、預金とか貸付まで実は含められているというようなところが目新しいところだろうと思います。
 それから、規則の柔軟性を図ろうというところも努力されております。これが資料の例えば23ページの「5.FSA規則」云々というところが、そういうところだと思います。
 それから、金融サービスの販売促進に関しても、新たな電話勧誘とか、広告とか、そういうものについても含めていったらどうだろうかということが考えられております。
 それから、従業員及び「支配者」への規制、それから集団投資スキーム。これはうまくいったと言われておりますが、これの拡充を図ったらどうか。
 それから、24ページになりますが、単一の苦情処理及び補償スキームということを考えたらどうかというようなことが挙げられております。
 それから、これは最後になるわけでございますが、資料の44ページを御覧いただきますと、こちらの44ページは、EUの「金融サービス行動計画」というものでございます。これは、来年からの欧州通貨統合を睨んで、金融サービス分野における単一市場化促進のための行動計画をEU委員会がまとめてみたというものでございます。こちらの方も、どのように取り組んだらいいのかということを考えているわけでございますが、監督のルールが市場環境の変化に迅速に対応できるよう、立法技術は、簡素、柔軟かつ迅速であるべきであり、ルール改正のための新たな現実的アプローチの探求を求めるということ。それから、そのためには、まず、ホールセール市場、リーテイル市場それぞれをどのように分けるのか、どのように適用するのかというようなことが幾つか挙げられております。
 詳しいところは、またこの資料を御覧いただければと思います。
 駆け足になりましたが、以上でございます。失礼しました。
○蝋山部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいま室長からの説明に対しまして、御意見なり御質問等がございましたら、御自由に出していただきたいと思います。
 新しい金融の流れに関する懇談会の説明については、非常に細かい部分になりますと、これは論点整理でありまして、まだまだ議論をしなければならない点は多々残っております。いずれ次回で細かい点については御説明があると思いますので、今日は、可能な限り総論的なところに限って御質問なり御意見を頂戴できれば、この会の進行上有効ではないかと考えますので、もちろん、各論との関連をお触れになって結構でございますけれども、その旨、御理解いただけばというふうに思います。
 どうぞ、原さん。
○原委員 第一部会は、これは全体像としてのアプローチということでここの会は設けられているということなんですが、今の資料などの御説明を聞きますと、金融サービス法ということ、イギリスの第二次の金融サービス法の御説明を中心になされたと思っているんですが、具体的には、これは全体像としてのアプローチですけれども、その結論というのでしょうか、果実としては、日本での金融サービス法の検討をこの場でもするということになるのか。それとも、全体像としてのアプローチなので、そこまでの提言にとどめるのか、どこまで具体的な議論をするのかということ。
 それから、私どもとしては、この12月から投資信託の新聞広告なんか、ものすごいですし、チラシなんかも随分たくさん入ってきておりまして、被害の方が先行することがないようにということを大変気にしておりまして、金融サービス法を作るのであれば、かなり早期に、検討はすぐ開始をして作りたいというふうに思っているんですが、そういうタイムスケジュール的なものというのは、何か少しは腹案があるのか。それもここでの議論でやっていくのかという点について、少し皆様方の意見を含めて、お話ができたらというふうに思います。
○蝋山部会長 大蔵省は大蔵省として考え方があると思います。それから、この問題は、先ほどの日本の金融サービスに関わる縦割りの法律がどんなふうになっているかという一覧表があったと思いますが、他省庁との絡み合いも大変錯綜しております。それで、新しい金融の流れに関する懇談会は、ちらっと津曲さんがおっしゃいましたけれども、13の省庁で、全部で十幾つかの部局が関係していると。一挙にということはなかなか難しい面はあろうかと思います。しかし、我々としては、私個人としては、これはもちろん、皆様方の御意見がどうであるかということによるわけですけれども、いわゆる金融サービス法と言われるものの我々としてのイメージを、ただ単にイメージだけではなくて、中身を十分に踏まえて議論し、作ってみるということは有意義ではないかというふうに思います。
 ただし、それが今言ったような幾つかの理由で、すぐに法制化されるようなものと甘く期待することは難しいのではないのかなというふうに思っています。その辺のところは、皆様方がどういうふうにお考えになるか、どういう御認識であるかということにもよるわけですけれども、私としては、まず、いわゆる金融サービス法というのを、イギリスの金融サービス法をそのまま持ってくればいいという話では全然ありませんので、日本版の金融サービス法、横断的な金融取引並びに金融サービスの供給のあり方に関するシステムをどう作り上げていくか、中身はどうなんだろうかということをはっきりさせることがまず必要なのではないかな。次に、それのインプリメンテーション、実現に向けてどういう働きかけをしたらいいのか。問題は、その二つが絶えずごっちゃにならないように議論を進めたいなというふうに思っていますが、いかがなものでしょうか。
 事務局には、もうちょっとたってから、まとめをお願いしますね。
 ほかの方。
 井上さん、どうぞ。
○井上委員 一つは、金融のこういう改革をビッグバンに向けて進めていく場合、これまでのイギリスのいろんな経験もございましょうし、もう一つは、私、自分の語学の限界から、ドイツのシステムがどのように改革されてきているのか、ドイツの金融改革の一連の流れについて、次回でも結構なんですが、もし資料等をいただけると大変にありがたい。これが1点であります。
 それから、もう一つは、多少問題の切り取る角度というのが、この場に合うのかどうか私も自信がないんですが、これからの金融のあり方を議論する、全体像をできる限り描くというこの第一部会の仕事であるとしたときに、新しい金融の流れに関する懇談会の議論の中のお話も次回いただければと思うんですが、要するに私ども一番問題意識があるのは、1988年から91年のときのバブルの拡張、言ってみれば今の信用収縮の逆のことが起こったわけですが、あのときに、銀行の方に問題があるとか、あるいは民間の自己資金が拡張してああいう現象が起こったとか、あるいは双方にまたがって金融システムに問題があるとか、いや、そうじゃないんだとかいう議論をどのようにこの流れの懇談会で議論されたのか。つまり、これはビッグバンに向けての特にエンドユーザーの立場から、新しい秩序を作るという点がメインストリームであるというのは私も賛成なんですけれども、そのほか同時に、21世紀の日本のより良き金融秩序を考えていくときに、目の前にして、この10年間を、我々が失われた10年として起こったこの大きな現象をどこまで視野に入れて21世紀のあり方を考えるのか。今まだ金融は恐らく信用縮小が続いているわけです。ちょっと問題の次元が違うわけでありますが、どこかつながっている可能性もある。その辺の御意見を、むしろこの懇談会の方に携われた方からお話をいただければありがたい。これが1点。
 いま1点は同じことなんですが、この9月、10月。特に10月なんかは、私も相当背筋がぞくぞくした時期がありました。このような国際金融システム上の様々のリスクについて、少しずついろんな議論が出てまいっております。そういう議論と個々の議論がどのようにかみ合うのか、かみ合わないのか。これも、どこまでこれまで議論されたのか、されていないかを含めてお教えいただければありがたいと、お願い申し上げておきます。
○蝋山部会長 ドイツのケースについては、これは宿題として、次回にできるかどうかはともかく、事務局が宿題を仰せつかったというふうに理解したいと思います。
 過去のバブル膨張期における様々な好ましからぬ現象をどういうふうに捉えて、その反省が新しい金融の流れに関する懇談会の中でどう生きてきたのかと、こういう御質問ですが、そのときの座長としては、それぞれの人々が、こうした過去のいわば失敗について、経済政策上の失敗も含めて、まずかった点について具体的に意見を持ち寄って、だからどうなんだということは、正面から議論したということではなかったというふうに思います。しかし、ほぼ共通に、確認はしておりませんけれども、私の認識としてほぼ共通に見られることは、やはりあの時期から、我々がここで強調しているようなマーケット・メカニズムをきちんと確立させるということをやっていたならば、事態は随分違っただろうなと、こういう認識を相当共通に抱いて、だからこれからは、遅いかもしれないけれども、そうした横断的なマーケット・メカニズムを支える法制・ルールというものを考えていこうじゃないか。しかも、それをエンドユーザーの観点から見直していこう。こういう視点につながっていっただろうというふうに私は、それを改めて確認しておりませんよ。しかし、私はそういうふうに認識しています。
 柳川君や岩村さんもそこにおられたので、もしもそういう点で補足する御意見があったら歓迎したいというふうに思いますが。
○井上委員 バブルの拡張及び今回の収縮、両方からどういう教訓を学んで、より良きシステムを作るかということなんです。
○蝋山部会長 2人が考えている間に。
○貝塚会長 昨日の第二部会でも、今、井上委員がおっしゃったに近い御意見がある委員から出まして、それはどういうことかというと、これはもう少し短い期間の金融システムについての、ごく最近1年間ばかりの事態をどういうふうに考えるか。それから、先ほどのペーパーの中に、「安心で活力ある金融システムの構築」、第二部会の方の二つ目の○がありまして、「不良債権処理と金融システムの再生・安定を図りつつ、どのように21世紀の金融システムにつなげていくか。」と。したがって、多分第二部会の割と重要な仕事としては、過去の反省に立って、もう一つは、ペイオフといいますか、今は一応全額保証されているわけですが、それがある時からそうでなくなるわけですね。そのときのシステムというのは今と多分違っているわけですから、そこを一体どういうふうに過去の反省を含めて構築するかというのは非常に重要なことであって、これは大変困難な課題ですけれども、第二部会としてそれは意識しておりまして、今御質問のことと、ある程度は対応していることになっていると思います。ちょっとそれだけ申し上げます。
○蝋山部会長 いかがでしょうか、柳川さん、岩村さん。
○井上委員 国際金融システムでもいいですか。
○蝋山部会長 それはまた次になりますが、新しい流れ懇の中での、過去の反省はどれだけ生きていたのかと。
○岩村委員 自分の意見を申し上げます。
 やっぱりバブルについては、何でも反省するというものでもない。何でもというのは、反省すべき点はあるんですが、だからといって、ありとあらゆるものを否定しても仕方がないわけで、やはりバブルの発生のメカニズムというのは、マイクロの問題であるというよりはマクロの問題であるし、金融政策や財政政策も含めた総合的な経済政策の問題であるということは、まずは認識をした方がいいと思います。ただ、その上で、新しい金融の流れに関する懇談会にしろ、あるいはそれを出発点に今日議論しましょうというふうにお示しいただいたこの部会での議論にしろ、制度的な面に全く問題がなかったかというと、もちろんそうではないはずだと思います。
 具体的なこの制度がいけなかった、あの制度がいけなかったという話は、またこれからもする機会はあるんだと思いますので、私の認識だけ申し上げますと、かつての日本の金融制度というのは、一定の条件の中で作り上げられてきた制度であると。それは特に戦争直後。いつも申し上げている話ですけど、戦争が終わって、いわゆる高度成長期、どこら辺で高度成長が終わったのかについての認識−−そこにまたバブルの問題があったのかもしれませんが−−については、基本的には非常に潤沢な投資機会があって、少なくとも事前的な感覚の問題としては、貯蓄が不足している。だから経常収支も常に赤くなりがちであり、ゴーストップ政策の中で運営されていると。そういう時代の金融というのは、どうぞ何でも自由にやってくださいというよりは、どうしても資金の割り当てであるとか、配分、配給に近いものにならざるを得なかったという面も多少はあったと思うんです。
 ただ、問題は、そういう状況は1970年代ないし80年代に入って大きく変わっているわけで、それは国際収支の基調を見れば明らかで、大きな貿易収支の黒字が出るということは、日本の国内の投資機会と貯蓄とのバランスの変化を見て、そこで観察することはできるわけです。にもかかわらず、それ以前の金融制度を日本はかなり長い間温存してしまったか、あるいは保存してしまったか、改善するスピードが十分でなかったということは言えると思いますので、そこの部分についての反省はあるでしょうし、私は、そこの部分についてはやはり問題があったと思っておりますが、であるから、こういう懇談会を開くことについて多くの人たちが合意されたんだと認識しております。
○蝋山部会長 柳川さん、いかがですか。
○柳川委員 私、この懇談会に全部出席させていただいたわけではないので、完全にその状況をお伝えできるかどうかわからないんですけれども、少なくとも私が出席させていただいた範囲では、先ほど蝋山部会長が御発言になったように、バブルがなぜ発生して、どういう問題があったのかということそのものに関して、正面切って、例えば一回に扱って議論したということはないと思います。ただし、これも先ほど部会長がおっしゃったことなんですけれども、メンバーの中では、一様にそういう問題意識を持って議論に参加していた。もうちょっと踏み込んで言いますと、バブルのところの問題があると思っていたからこそ、こういう懇談会に出席をして、積極的に議論をして、改善をしたいという強い意欲を皆さん持っていらしたんじゃないかと思います。といいますのは、やはりシステムとか、金融のルールというものをもう少し早く改善していれば、バブルの問題がかなり小さくなったのではないかというのが問題意識だと思います。
 具体的にどういうふうに改善していればどういうふうに良くなったのかというのは、個々のメンバーの方々でかなり差があったと思いますし、ここで論点整理という形で出ていますように、様々な改善の方向を、皆さん違った角度からいろいろ御意見を出されたということは、どういうふうに改善していったらいいかということに関しても様々な御意見があったということだと思いますので、その点に関しては、多分この部会の方でさらに議論していただくということだろうと思います。
 私個人的な意見としては、システムやルールがもう少し改善、あるいは発展させていたら、バブルが発生しなかったとは言いませんけれども、傷はかなり小さくて済んだのではないかというふうに考えております。
○蝋山部会長 ただ、私個人として申し上げますが、バブルがなかったならば全部うまくいったかというと、決してそんなことないんですね。前からあるGNP統計を使って、個人の金融資産の収益率の趨勢というものを5年ぐらい前から言っているんですが、一貫して70年代から低下しているわけです。これは経済白書の中でも取り上げられましたけれども、そういうことを考えると、バブルに加えて、やはり一つの日本のシステムをエンドユーザーの貯蓄をする側から捉えてみると、非常にパフォーマンスは悪かったし、しかも、それが時系列的にだんだんと悪くなってきている。かつて名目で7%の収益率だったものが、今や2%台になっている。こういうことは、どこかに問題があると言わざるを得ないというふうに思うわけです。
 そういうロングランの問題、それが確かに経済成長を刺激して、そして経済成長の果実を高い賃金率の上昇というような形でうまくコンペンゼートできていた時代はともかく、今はそうした連鎖も途切れておりますので、金融は金融として、そうしたロングランの問題を取り組まなきゃいけないという認識は私は持っております。その点は、しかし、いろいろ異論があるので、恐らく議論は分かれるだろうと思います。
 吉野さん、どうぞ。
○吉野委員 では、今後、金融サービス法を議論する場合に、今、蝋山先生が、エンドユーザーとして預金者とか保険契約者のお話をされたんですけど、利用者としては、借り手という金融を利用する側もあると思うんですが、そこも議論するのかどうか。ぜひしていただきたいというふうに思います。
 それで、それとの関係で、先ほどいろんなデータで、やはり日本が間接金融が多いことが今でもクレジットクランチだというふうに言われているんですが、それでは直接金融にすれば直るのかどうか。直接金融にしたところでリスクは残るわけですから、今まで銀行が抱えていたリスクが、今度はエンドユーザーである利用者にだけリスクがいくと、そういう金融では困るわけですから、ぜひそのあたりも、リスクとリターンの関係というのをここでいろいろ議論できればと思います。
 それから、それとの関連では、ここではなかったのは、消費者教育といいますか、アメリカですと、御承知のように子供の頃からポノポリーとかいろんなゲームがありまして、リスクとリターンの教育がすごいんですね。日本でも、どなたかある先生が、小学校か中学校の社会科の教科書に株の話を入れましたら、ある新聞にすごく投書が載っているんですね。子供の頃からそんなことを教えるのは何だという。ですから、日本人というのは、小さい頃から預貯金、預貯金という、こういう教育ではないかと思うんです。ここで教育のことまで言えるかどうかわかりませんけれども、金融サービス法を通じて、そういう小学生・中学生に対する教育というのも必要じゃないかと思います。
 それから、先ほどドイツのお話があったんですが、事務局の方に非常に大変かと思うんですが、来年の1月からEMUが始まりますので、ヨーロッパ全体で今後どういうふうに金融サービス法なり、特に大陸の方を考えていかれようとしているのかというのを、もしわかりましたら教えていただきたいと思うんです。
 それから、最後は、ここでいろいろ制度を作る場合に、今までの経験ですと、ダイナミズムに対応できるような制度と、それから、固定した制度とは大分違うと思うんですね。ですから、フレキシブルな制度というんでしょうか、今後はどんどん変わっていくわけですから、ここでしっかりしたものを作ろうとすると、必ずまた2年後、3年後にはそれが遅れたものになってしまうのではないかと思いますので、ダイナミズムのある制度というのを一緒に考えさせていただければと思います。
 以上です。
○蝋山部会長 今、吉野さんからリスクの話が出ましたが、先ほど井上さんからの国際的な関係の中でのリスクの、日本発あるいは世界発、日本が受ける、そういう問題について背筋が寒い思いをされた、そういう問題もどういうふうに考えるか。恐らく今、吉野さんがおっしゃられた一般的な日本のこれからの金融を考えていった場合に、ドメスティックにも、国内的にも、また、海外との関係においても、非常に新しいタイプのリスクを我々社会全体としては背負わなきゃいけないというふうに思うわけですね。それを従来の銀行を中心とした間接金融のシステムで、銀行は預金者に対して元利、元本を保証する、このシステムに非常に大きな原因、関連がある。やはりそこをがちっと補強しなくちゃいけないということは、恐らく共通の認識になり得るだろうというふうに思います。
 結局のところ耐え切れなくて、公的資金という形でリスクの後始末は、堺屋さん流に言えば「社会化」されたわけですけれども、もう少しそういうことなしで済ませるような事前的なリスクの社会化というものが必要だというふうに思います。
 その中で、国際的な関係における発生したリスクをどういうふうに考えていくかという点は、一つの重要な課題だろうというふうに思います。いや応なしに我々の資金は外へ出ていきますし、また、逆に外からの資金も入ってくる。そういう点での金融システムは、リスクの問題と、外におけるリスクの問題をどうしても正面から受け止めなければいけない大きな課題だろうというふうに思います。
 それから、制度のフレキシビリティーという吉野さんの、これは方法論の問題でもあるわけで、できるだけ今の制度を、なぜ第一部会みたいなものがあるかというと、やっぱり今の制度を前提に話をすると、どうしてもリジッドになっちゃうわけですね。そうじゃなくて、今の制度はどういう役割を果たしているかとファンクションをちゃんと見て、そして、そのファンクションは別の制度に置き換えたらもっとうまく実現できるんじゃないか。そういうような発想で考えていくことが、一つの吉野さんの問題に対する答えではないか。そういう意味で、制度に関しても、ファンクションをもう一回アンバンドルして、ばらばらにして、そして、もう一回それをリバンドルするというようなことをこの議論の過程の中で実現できたらなと。そういうことによって、ある種の環境に柔軟に対応できるフレキシブルな制度構築というものが、少なくとも我々の議論としてはできるのではないだろうかというふうに思います。
 お待たせしました。今までの議論の中のまとめのような、あるいは大蔵省として、金融企画局として、言いたいことはどうぞおっしゃってください。
○三國谷企画課長 「金融」という言葉を考えますと、今御指摘のように大変な角度からいろんな御議論があるわけでございますが、それほど、やはり私思いまするに、一義的な単一的な答えというのは実はなかなか難しい。それだけ複雑な問題ではなかろうかと思っております。1929年のあのアメリカの大恐慌ですら、いろんな学説が六つも七つも大きく分けてあって、それについて今現在、その原因がどういうことであったかということでいろんな学説、研究が行われ、それを今の日本に置き換えたらどういうことが導かれるかというような研究も進んでいる。最近、書店を覗きましても、次から次へといろいろな分析が行われておりまして、非常に参考になる。目から鱗が落ちるような思いです。ただ、余りにもモデル化し過ぎて、やや、果たしてそれだけなのかということ等々あると思います。
 そういったことも考えながら、ここの金融ということを考えていきました場合に、先ほどから御議論ありますとおり金融というのは極めて多機能と申しますか、この新しい金融の流れの会というのも、金融という言葉で、実は相当のファンクションというのをアンバンドリングして、それをさらにどう組み立てるかという視点が既に備わっているわけでございまして、現に世の中、単にそういった一つの取引のみならず、間接金融、直接金融というその世界も含めまして、その辺の役割の問題が議論されているやに聞いております。
 いずれにいたしましても、金融というのは、一つには、これまでの少なくとも伝統と申しますか、それが崩れかけた中で、いろいろな、これまで金融外とされていたところとの各種の関わり合いが生じてきていることも事実でございます。制度面であれば、例えば民法、商法との関係、こういったことまで相当視野を広げていかないといけない状態になってきているかと思います。そういった中で、いろいろ御議論いただきたいと思うわけでございますが、先ほど部会長からも御発言ございましたが、しからば、それを方法論として、いつ、どのタイミングで、どうするつもりですかというお答えが、実は私どもとしては、そんなに簡単な問題でもないということも、これまた申し上げざるを得ないと思います。いろいろな分析の中でいろいろな議論を総合化し、方法論としてとり得べきもの、あるいは時間をかけるべきもの、あるいはそれを中でさらにスピード化していくもの、そういったものが今後のいろいろな分析の中からかぎわけ、また、御相談させていただきながら考えていかざるを得ない問題かなという気がしているわけでございます。
 なお、1点、先ほど投資家の話がございましたが、教育の話でございますが、実は、平成9年6月13日、3審議会の答申が出ておりますけれども、その中で、証取審の方のワーキング・パーティー、こちらの方の市場ワーキング・パーティーというのがございまして、その中では、1項、「投資家啓蒙活動の充実」というのがありまして、今おっしゃられたことが書かれておりまして、この辺は、特に直接金融の世界では、1年あるいは2年前からそういうような問題意識があって議論されておりますが、今や問題は直接金融だけの議論ではなくて、間接金融、保険も含めまして、相当この問題は広がりを持ってきている。どうも一つの世界からだけ物を見ていると、今後の金融というのはなかなかうまくいかないというか、全てが幅広い広がりの中で、大変広範な各界の委員の皆様のお集まりでございますので、いろいろな御指摘等を賜れば幸いかと思っております。
 私どもも、例えば我々が抱えている法律につきまして解釈論として一つのことを問われれば、押しボタン式にこういう解釈ですとかというような世界とはどうも違う。金融という物の見方、感性によるところが非常に大きいと思っておりますので、こういったところでの御議論を私ども本当に参考にさせていただきながら、事務局としてお手伝いさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
○蝋山部会長 どうもありがとうございました。課長には、今日まだ御出馬願うことがあると思います。
 福間さん、どうぞお願いします。
○福間委員 先ほどの資料の金融サービス行動計画EUの中にも入っているんですけれども、この「総論」の冒頭に入っていますけど、金融サービスというのは戦略産業、あるいは重要産業と、こういう視点をもう少し出さないと、どうも金融業界をたたいてばかりいてシュリンクしちゃうと。それは確かにたたくのはおもしろいかもしれませんけれども、今、経済の停滞を見るように、仲介機能の重要さというのは、もう少し冷静に見ていかなきゃ経済の再構築はできないんじゃないかなと思いますので、この金融サービス法も、金融機関、サービスに携わっている人、その人たちが正々堂々と収益を上げられるような法律に、しかもグローバルに勝つという格好にしませんと、日本で勝ったって、今やサブスタンスのないのは消えていくような時代ですから、やっぱりそういう面で、先ほど言いました戦略産業と言うと、ちょっと言い方が過ぎるかもしれませんが、少なくとも重要産業であるということは、公的資金を入れることでもわかるわけですから、その部分をもう少し前面に出して、特に21世紀の産業を今から作るんだというぐらいの気迫でいかんと、足を引っ張るような議論をやっていると、どうもこの部会は余りおもしろくないんじゃないかなと。その辺は第二部会に任せておけばいいんじゃないかということでございます。
 この前、米銀の副会長と話していましたら、彼がBIS規制を改正、もうモラトリアムを一回かけた方がいいと、これはLTCMの問題等が出た後でございますけれども、そういう議論をやっている中で、彼が言いますのは、余り金融業というのは年率10%とか20%伸びる産業じゃないと。「おまえ、米銀の副会長をやっていて何だ」と言ったんですが、やはり4%ないし5%で、それで儲かる産業なんだけど、時々錯覚しちゃうと。そういうときにやっぱり混乱が起きる。今度のLTCMの問題も、やはり彼らによると、これはいろいろ経過がありますけど、BISでオンバランスを規制された。規制されたから、オフバランスのデリバティブにいった。そうするとデリバティブもまたBISの対象。そうするとSPCを作ってやった方がいいじゃないかと。結局どんどんリスクを拡大し、オフバランスに、しかも通常のオフバランスからも外れるような形で出ていった。それが今度の大失敗につながったと。そこの銀行さんは、やられた銀行さんなんですけども。
 いずれにしても、そんなに成長産業じゃないと。要するに、それよりはステディグロスの産業だと、これは自戒を込めて彼は言っていましたけれども、何もナローバンクに返れということじゃなくて、やはりファンクションの中にも、そういうものも一つの非常に重要な要素であると。何となくインベストメントバンクやったら儲かるんだと言ってみたけれども、結局余り儲からないということなので、申し上げたいのは、なかなかこの部会では難しい問題かもしれませんけれども、BISの問題も、それでは本当に21世紀にやるのかどうか。しかも格付制度があって、よくその辺もわからないというところで、そういう面もちょっと、グローバルリズムはありますけど、障害になったときは、そういうものも果敢に外してモラトリアムをかけるということが必要なんじゃないかなと。
 このEUでも書いていますけれども、簡素、柔軟かつスピーディにと、これが金融行政のポイントだと思うんですね。幾ら精緻にしましても、裁量をやれということじゃなくて、やはりそれだけ変化しちゃうんだと。ですから早期是正措置、やっぱりプレエンプティブにやるということが非常に重要なんではないかなと思っています。
 最後に、直接金融と間接金融の問題ですけれども、これは先ほど吉野さんがおっしゃっていましたように、クレジットクランチはどちらでも起きるわけです。ですから、企業金融をやる立場として、日本の貯蓄構造がどうなっているかを見ながらやりませんと、直接金融オンリーにいくと、みんな預金にいっていますから、「適切なミックス」と、こういう具合に我々は借入構造を言うんですけれども、そういうことが必要なんだと思います。どっちが良くてどっちが悪いというような議論よりは、健全だったらどっちでもいいし、あるいは市場メカニズムがスムーズに動いているときはいいんですけれども、市場メカニズムがこの前のようなLTCMのような格好でぱたっと止まりますと、直接だろうが間接だろうが、これはえらいことになってしまうということで、そこで自己責任とか、予め自分でリスクをマネージして各主体が動くというようなことになるんだろうと思います。そんな感想でございます。
○蝋山部会長 金融サービス法というのは、投資家保護あるいは消費者保護というところ、いわばフェアネスの面ばかりが強調される面がありますけれども、決して本家のイギリスではそうではないところもありまして、いわばその社会におけるエフィシェンシーとフェアネスというものをどういうふうにバランスをとって実現させていくかということが難しいところなんですね。そういう点で、日本は日本なりに我々として、この金融サービス法を考えるにしても、もちろんフェアネスは大事です。フェアネスを無視するわけにいきません。しかし、では、エフィシェンシーは無視できるのかといったら、そんなことないわけでして、そういう点は……。
 ちなみに、しかし、日本の金融業は、今GDPの中では 4.7%、1966年、それしかありません。かつて89年には 6.2だったかな。それ以降一貫して今シェアをダウンさせています。経済の成長のバランストグロースどころか、ディクライニング。これは事実として認識すべきだというふうに思います。
 どうぞ、原さん。
○原委員 たびたびで申し訳ありません。今私が話したいことを座長の方でおっしゃっていただいたような感じがするんですが、私どもも金融サービス法は、別に金融機関に手かせ足かせをはめるものというふうに考えているわけではなくて、やはり規制緩和とか自己責任ということで対等な土俵というのでしょうか、対等なルール作りというのを考えておりまして、製造物責任法ですとか、それから、今検討が進められていますけれども、消費者契約法ですとか、みんな一連の流れの中なんですね。
 今まで余りにも私たちと金融機関というのは、政府の大蔵省の監督というところで、非常に安心した安定した付き合い方というのを考えておりましたけれども、このバブルの時期に、やっぱり主婦でも、私の知っている人なんかでも、何十万とか何百万の単位で株に手を出して、結局損をして、もうすっかりこりごりだというふうな話をしているんですけれど、でも、これではいけないんだろうという感じがしているんですね。今度いろんな形での投資信託が出てきて、これだったら少しはやれるかなという。でも、それほど前とみんな消費者のレベルが変わっているわけでもなくて、同じようなことにならないのかなというのは大変危惧していて、対等なルールを構成して、それから、先ほどおっしゃっていただいた消費者教育というのでしょうか、そういったところのレベルも上げていかないと、説明義務ですとか適合性の原則の話が出てきたときに、一方の消費者側のある程度の意識というのでしょうか、レベルも上がっていないと、なかなかそれも、日本でのそういったものというのは、消費者がおんぶにだっこしているふうに見えちゃうというのは、国際的に見るとおかしなことになるんでしょうし、一方での底上げというのも大事だろうというふうに思っています。
 ちょっと話が脱線しますけれども、消費者契約とか、それから、クーリング・オフついては、もう中学校1年生の家庭科で習うんですけれども、株や何かについてはまだ全然習っていなくて、一方、今すごく私なんかが懸念をしていますのは、子供たちが、昔だと預貯金が、自分がお金の使い方で一番最初に付き合う場面なんですけれど、高校生あたりがものすごくキャッシングのカードを持っていまして、2割弱ぐらいですね。十数%の子供たちが持っていて、まず、あの子たちの関わり方というのは、キャッシングから入っていくんじゃないかというふうな気もしておりまして、そのあたりの消費者教育というのは急務ではないかなというふうな感じがしております。
 あと2点付け加えてなんですが、一つは、その意味で、ここの論議になるかどうかわからないんですけれど、消費者金融で利息制限法がありますよね。すごく高利、40%。どう見ても私は20%が上限ではないかと思うんですが、そういう議論はここには入らないのか、第二にいくのか。
 それから、もう一つが、消費者への情報提供ということで、ディスクロージャーがやられていますけれども、これは今後もポイントになるかと思いますが、去年の秋にディスクロージャー誌を見せていただいて、銀行の方に説明をしていただくというので、私どもの会で銀行を大分回ったんですね。それで、ディスクロージャー誌を見ていただいてお話もお聞きしたんですが、やっぱり理解できないですね。だから、情報開示とか公開とかは一つのポイントになっていくと思うんですが、今のディスクロージャーのあり方も、どこかで私は再考していただきたいというふうに思っております。
 たびたびで申し訳ありません。
○蝋山部会長 能見さん、どうぞ。
○能見委員 今日の議論は、最初ですから、恐らく余り枠をはめずに、広くいろんな観点から議論されるということなんだと思いますけれども、ただ、私は金融専門ではありませんので、いろいろこういうお話を伺うのは非常にありがたいのですが、同時に、どういう順序で何を議論しようかという、絞る方の議論もした方がいいのではないかという気がするんですね。この第一部会の方の二つ○が書いてありますけど、どちらもかなり広いんですが、特に「金融の将来像と規制のシステム」ということで、ある意味でこれは金融の全てが入ってしまいまして、そういう意味では、議論を絞るというときに、金融について何でも議論するというのではなくて、どこら辺に一番最大の問題があって、議論を集約させたらいいのだろうかと。
 先ほどから議論の中で出てくるのは、一つは金融のサービスの問題というのはかなり大きなテーマだったと思いますが、もちろん具体的な法案みたいなのを狙ってというよりは、そのサービスにおける当事者のそれぞれの役割とか、そういった問題だと思うんですけれども、そんなものに議論を絞るというのが、あるいは一つの方向なのかなという感じがいたしました。
 ただ、そういうふうにしたときに、恐らく取引のルールとか、そういうことが中心になっていくんだと思いますけど、そこで一つお伺いしたいのは、前の方の懇談会では、かなりそういった取引のルール、市場ルールとか、そういうことについて御議論されて、もちろん最終的な結論とかいうところまで出されたわけではないと思いますけれども、もしそういうルールみたいなものにかなり重点が置かれるようになると、前の懇談会との関係というのはどういうふうに理解したらいいのだろうか。それをさらに発展させろということなのか、あるいはちょっと違った、もっと広い視点を加えながら見ていけということなのか。そこら辺はちょっと御質問としてお伺いしたい点がございます。
 ちょっと取り止めない話ですけど。
○蝋山部会長 今の御質問は、最後におっしゃられたことは大変具体的でしたので、どうですか。課長としてはどういうふうにお答え。私が答えましょうか。
 御覧になっていただければわかると思うんですが、前の懇談会は、懇談会の委員の構成その他を考えてみましても、結論を出す会ではございませんでした。ですから、こういうイシューがありますよ、これについてはこういう考え方もあるし、こういう考えもあるんじゃないですかというような書き方になっております。それが読み手によっては一つに固まっているというふうに読めるようにもなっているところ、ややテクニックを労したところなんですけれども、それはともかくといたしまして、正直に読めば、いろんな論点が提起されている。ですから、私としては、これ以上これから広げるというのは、大変できないだろうと思っています。むしろどういうふうに絞り込んで取引のルール、今、能見委員がおっしゃった点について、この懇談会として、金融取引の横断的なルールというものをどういうふうにより具体的に提示するか。そして、現行のいろんなルールをどういうふうに変えていったらそちらにたどり着くのか。こういうような形に一つ議論は進めていくことができるのではないかというふうに思っています。
 しかし、もちろんお読みいただきまして、これはあかんよということであれば、それはそれとして、先生の観点から言うと違うぜというようなのは、そういう点に関しては、柔軟に対応していきたいと思っております。
○貝塚会長 ちょっと。
○蝋山部会長 今の補足ね。
○貝塚会長 いや、そうじゃなくて、細かい論点で、先ほどいろいろ出た点で。
○蝋山部会長 先ほどのは幾つか後で。今何か言いたい。どうぞ。
○貝塚会長 私、金融の専門家として関心を持っている話と関連がありましたので、一つは、やっぱり今後、銀行というものが一体、もともと金融業の中で、ある意味でディクラインしつつあるという考え方が非常に強いですよね。そこのあたりも、いろんな金融サービスの中で預金業務ですね。それは直接金融・間接金融関係しますけれども、その辺の銀行の今後の何というのかな……。
○蝋山部会長 それは第二部会でやってくれるんじゃないの。銀行機能の……
○貝塚会長 銀行機能? 場合によってはそれは構わないんですが、いずれにしても、そこのところは私は言ってないんですが、そういう話はやっぱり非常に重要。
 それから、もう一点は、先ほど確か井上委員が国際通貨基金のことを言われて、アジア、それから恐らくロシアですよね、それから中国あたりはどうですか、とにかく日本の金融システムはある意味で脆弱化したということはそうなんですが、アジアとかロシアとはかなり違うんですね。ですから、日本の金融システムの脆弱さというのは確かにあることはあるんですが、東アジアとか東南アジアとか、それとは随分違うんです。だからその辺のところ、最小限は日本の金融システムはどの点でどういうふうに違っていて、そして平たく言えば、ある意味でインターナショナル・クライシスにどの程度強いかというのは、日本の方が現状かなり私は強いと思います。だから、その辺のところをきちっとある程度仕分けして議論しないと、その辺はかなり重要なポイントで、それであれば日本の金融システムというのは、恐らく世界の中で今どういう状況にあるか。アメリカあるいはヨーロッパですね。その辺のところの感覚でもいいんですが、その辺のところは、実際問題として金融をやっている人は、ある程度議論しているはずなんです。
 例えば、アメリカの学者で言えばジェフェリー・サックスとか、その他いろんな人がいて、IMFはなってないとか、いろんなことがあるんですが、しかし、とにかくそれはある程度はちゃんと議論を仕分けしておいた方が、後の議論のためにはいいんじゃないかという、極めてマイナーな点でして、それだけちょっと。
○蝋山部会長 では、高橋さん、どうぞ。
○高橋委員 私は保険審におりまして、改革のスピードからすると鈍行列車に乗っていたというふうに思うんですけど、金融の本審議会で新幹線に乗って、ここの第一部会に来て、手を挙げたんですが、宇宙船に乗ってしまったような感覚でございます。ですので、ジェットラグといいますか、時差ボケ的な発言があるかもしれませんけど、ユーザーに一番近い立場の人間ということで、多少の足手まといをお許しいただきたいというふうに思います。
 私は、ここに参加させていただいた動機というのは、金融サービス法ということで一番気になっております。サービス法がビッグバンと同時にできたイギリスですら、かなりの消費者被害、トラブルが多発したというふうに聞いておりますので、日本の場合、もう投信の窓販は始まりましたけれども、売りっ放しで、あとは自己責任というふうなことになると大変困りますので、ぜひ急いで議論していただきたい。先ほど「甘く期待してはいけない」というお話をいただいたのですけれど、やはりスピードということを我々は考えてやるべきではないかなというふうに思っております。
 昨日、実は第二部会の方も参加させていただいたんですが、その辺のスケジュールをお聞きしましたら、話し合いの中から決めていくということだったんですが、今朝、新聞発表を見ましたら、「作業部会の動向を見て1年のスケジュールで」と出ていて、私、聞き漏らしたのかなというふうに思っているのですけれども、この部会でどういう作業部会を作るのかとか、いつをゴールに、離陸したのはいいんですが、いつの時点で着陸するのか、何回ぐらいを予定してやるのかというのは、ぜひ民主的なルールで、この場で皆さんのコンセンサスで決めていただきたいなというのが1点でございます。
 どの辺を着地点にするのかわかりませんが、やはり消費者にとっては、2001年3月31日をもって、いろんな経過措置が終わってペイオフということになるわけですし、その時期がタイムリミットで、できれば日米保険交渉なんかで、2001年というのは1月1日を意味していると思いますので、そうすると、もう2年しかないと。そういう視点に立ってスケジュールを立てていく必要があるのではないかなというふうに思います。
 それから、2点目は、サービス法も大切なんですが、やはり先ほどから消費者教育、投資家教育のお話が出ておりますけれども、個人家計にリスクテイクを求めるわけですから、それなりの教育、学習の場というのを誰がどう提供していくのか。今まで各審議会等で先送りにされてきた問題なんですが、ぜひこの第一部会で、その消費者の問題というのを作業部会としてやっていただきたいなというふうに思っております。事前教育も大事ですし、また、今回説明義務等が課されていますけれども、そういうものが履行されなかった場合の投資者とか消費者の対抗措置とか、駆け込み寺的な苦情処理機関といいますか、今そういうものの整備が非常に遅れているといいますか、どうしていいかわからないという状況に一般の人は置かれているというふうに思いますので、事前・事後の両方の制度整備というのを、ぜひこの部会で考えれば、話し合う場というのを作っていただきたいと思います。
 以上でございます。
○蝋山部会長 どうぞ、上柳さん。
○上柳委員 同様のことになるかもわかりませんけれども、ぜひ金融サービス法ということに焦点を絞って、しかも早くと言うのか、一気と言うのかわかりませんけれども、作るようなこと。もちろん法律を作るのは国会ですし、それから、世論が決めるべきことですけれども、この審議会での議論も進めばなというふうに思うんです。
 もちろん完全なものを作ろうとすると時間がかかりますし、それこそいろんな歴史的な総括なり、あるいは諸外国の動向をやらなきゃいけないですし、余り簡単に作ると、また、私も所属しています日弁連なんかは、「こんな金融サービス法じゃいけない」というふうに、できた途端に批判を出すというようなことになるのかもわかりませんけれども、ワンステップ・ワンステップずつやるということが重要だと思いますので、ぜひそうしていただきたいなと思います。
 恐らく金融サービス法の議論の中で、いろんな利害関係者なり、あるいはいろんなお立場から食い違うところはたくさんあるとは思うんです。ただ、つい先週ですか、何人かの方と雑誌の座談会に出してもらったことがあるんですけど、確かに、いわゆる金融サービス法であって、それぞれが持っているイメージというのはえらく違って、とにかく自分の思っているイメージのものができればいいなと、こういうふうに思っているわけですけれども、そういう意味では食い違う点はたくさんあるんですが、ただ、プロバイダー側というか、金融サービス業者の側も含めて、あるいは投資家なり利用者の側も含めて、共通する面というのはかなりあると思うんですね。それを一回ルール化してみるということは大変重要かと思いますので、ぜひそういうふうな運営ができればなというふうに思っています。
 それで、調子に乗って失礼ですけれども、事務局の皆さん方には本当に大変なんですけれども、ヨーロッパのこともですけれども、特にイギリスの中で私が関心ありますのは、新しい法案の中では「プロモーション」ということで、「販売促進」と訳されたようですが、広い意味での勧誘・広告活動ですけれども、これの規制は、今見ていますと、いずれにしても原則禁止にはするんですが、株のルールによって規律していくと、こういうことだと思うんですね。まだそのルールはできてないわけですけれども、前身であるSFAなり、昔のSIBなりの規則が一つのたたき台になると思われるので、そのあたりについても資料収集をお願いできればありがたいなというふうに思っています。
 以上です。
○蝋山部会長 最後におっしゃられた宿題は、恐らくいずれの時期にか回答を用意したいというふうに思います。
 岩村さん、ございますか。全般的な話として。
○岩村委員 全般的ですね。
○蝋山部会長 はい。
○岩村委員 余り全般に向かう頭を持ってないのですみません。
 一つだけ最近気になっていることがございまして、それは、いつもながら国際化という話なんですが、余り私は国際人じゃないので、最近ちょっと違う面で気になり出したのは、日本の金融についてのレギュレーション、あるいはその他消費者保護みたいなものも含めての体系というのは、差し当たって業者さんを名指しして、これは前の懇談会でもたびたび議論になった点ですが、そこにいろんな規範を要求すると。必ずしも規範がうまく機能しないことも多かったわけですが、そういう仕掛けになっていたと思います。場合によっては、必ずしもその法律にしっかりとした根拠がない規範の要求も行われていたし、良いにしろ悪いにしろ、それがある程度実現していたと、これが過去だったと思うんですが、国際化ということで気になり出しているのは、まず一つは、日本の−−日本でチャーターしたという意味ですけれども−−金融機関が海外で行っているアクティビティについて、必ずしも評判がよくないという面がある。
 それから、第2に、これから急速にはっきりしてくるんではないかと思うんですが、海外でチャーターされた、設立された金融機関、業者が日本の利用者というんでしょうか、消費者というんでしょうか、あるいは企業でもいいんですが、それと直接向き合うようになってきている。今のところ後者の面について、それほど大きな問題が指摘されているようには見えないのですが、しかし、問題が仮に生じたときに、問題を分析したり、あるいは紛争を解決したりする仕掛けやルールが整備されているかどうかという点になると、私は随分やはり疑問があると思います。
 その観点から言うと、何でも制度改革は急げばいいというほど物は簡単ではないのかもしれませんが、そこの部分については割合早く、場合によっては膏薬を貼るような措置まで含めて、一定の手当てが必要なのではないかという気がしておりまして、今まで必ずしも、前の新しい金融の流れに関する懇談会でも、それから、今日の問題提起の中でも明示的には出ていなかった論点のような気もいたしますので、もう一度私の論点として提起申し上げたいと思います。
○蝋山部会長 今の岩村さんの話は、やや禅問答的なところがあって、わかる人はわかるんではないかと思うんだけれども、私にもわからない面が多分にある。例えば、最近の外資系の証券会社の株式のいわば売買の手口について、監督庁ですか、証券取引監視委員会ですか、その内容をディスクローズするようにと言ったときに、「いや、これは単に本社からの注文なので、私ども知りません」と、こういうふうに言ったという報道を耳にしたことがある。そういうことを頭に置いているわけですか。
○岩村委員 そういうこともあります。ただ、もう少し原理的な感覚も含めてなんですが、これは日本に限らないんですけれども、いわゆる金融監督というんでしょうか、金融のサービスをスーパーバイズする仕掛けというのは、どうしても金融機関の設置本国を意識して、設置本国の機関、監督当局を通じて一定のお行儀に従わせしめるという傾向が強い。日本もそのやり方でやってきたし、海外もそのやり方で現実にやってきたと思います。
 今まで日本は、少なくとも日本人は、それでそんなに困ったと−−監督当局が間違った指図をしたり、間違った政策が行われると、それは別の意味で結果として困るわけですが、それは別にして、手段という手で困ったということではないと思うんです。ただ、日本の金融のアクティビティが非常に弱くなってくると、日本の消費者や利用者の利益、利害をどういう形で代表して、今部会長がおっしゃったように、「本社の指示でやっています」という言い分に対して扉を開けていくのかというところの問題がある。
 これはどこの国でもあるものです。ただ、日本の金融に関する法制度というのが、とりわけ業者を意識して、業者を名指しした仕掛けが強く残っているように私は思いますので、そこの部分については、だからこの部会で議論しようとしていることで、賛成なんですけれども。サービス法という、つまり取引そのものに注目した仕組みを作っていく必要がある。しかもそれは一般論としてとか、あるいはイギリスでそうしていますということとは多少切り離して、日本の今置かれている状況の中で切実に問題になりつつあるんじゃないかということを申し上げました。
○貝塚会長 今、岩村さんのおっしゃったのは、私が理解するところ、要するに金融の規制のジュリスディクションの話ですよね。どこの当局がやるか。そこのところについて、日本のスタンスが、平たく言うと、日本の消費者はそういうものを、非常に大ざっぱに言えば、外資系がたくさん入ってきたときに、外資系と日本の資産を持っている人のいろんな取引があったときに、多分予想されることは、日本の金融機関との取引とはある違った面があって、そこのところでトラブルが発生したときに一体どうしますかと。そうなると本国のルールに従うというのかな。だからその辺の話が割合と実際問題として重要になってくるという御指摘でしょう。それで、日本的にある程度、必ずしも今、ビッグバンなんかイギリスの処理の仕方じゃない処理の仕方があり得るのかもしれぬという、そういう話であったと理解してよろしいですか。
○岩村委員 多分結構なんだと思うんですが、ただ、ちょっと細かい点を言うようですけれども、むしろジュリスディクションの話に持ってこれれば、海外の金融機関が行っている金融取引でも、違法は違法でありますし、適法は適法でありますから問題はないのだと思います。問題はありますけれども、あるいは強制とかそういう観点では問題があろうかと思いますけれども、それほど深刻な矛盾が生じるわけではない。
 ただ、今の金融についての仕掛けを見る限り、ジュリスディクションの問題にならない矛盾やトラブル、あるいは未解決な問題、グレーゾーンというものがたくさん発生してしまうのではないか。それを今まで果たしていたのは、いわば金融行政の役割だったわけでしょうが、しかし、その行政の役割についても一定の整理をしようというふうに片や言っているわけですから、むしろ貝塚会長のおっしゃることに合わせて言えば、ジュリスディクションの世界をもう少したくさん作っていく必要、整理して作っていく分野が幾つかあるわけで、その点について、むしろ原委員や高橋委員なんかもおっしゃっているんじゃないかと思います。そこの部分については、急ぐかと言われれば、ただ国民生活を改善しようというだけではなくて、それは大事なことですけど、国際化という観点からいって、大変急ぐんだろうという気がいたします。
○蝋山部会長 どうぞ、原さん。
○原委員 何回にもなってすみません。
○蝋山部会長 いや、構いませんよ、どうぞ。
○原委員 確かに新聞とか雑誌広告で、私はちょっと会社の名前を覚えていないんですけど、ずっと9月ぐらいから広告の切り抜きしているんですが、その中でも、「全部の資産をお預けください」と。「私どもで全部の資産運用をいたします」というような形の外資系の金融機関というのは登場してきていますね。そういったところは、何と言うのでしょうか、これまでの日本の金融機関にはない。今までの日本の金融機関というのは、一つの商品設計をして、この金融商品を売るという形でしたけれど、そうではなくて、ほとんど全部の財産をお預けくださいと。それで資産を運用いたしますと。そういうのを見ると、実際にどうかなという、治外法権というのはないのかもしれないんですけど、どうもその辺のところが消費者側もよく理解できていないので、やっぱり気にはなりますね。
 国民生活センターが各地の消費生活センター 300カ所の苦情相談というのを集めているんですが、年間40万件ぐらいの苦情相談をやっているんですが、先週、今年の苦情相談のベストテンというのでしょうか、そういうものを挙げたんですが、軒並み金融関係ですよね。特にこれは直接に金融商品にはならないんですけれど、海外との関係。インターネット上での売買ですとか、そういう海外関係のトラブルもすごく増えてきているというのが特徴なので、今、緊急的に絆創膏的にというお話もありましたけど、やっぱりその辺は、はっきり消費者側に見えるような措置というのは急がれるのではないかなというふうなことは思っております。
○蝋山部会長 今までの議論の流れをお聞きしていますと、一言で言えば、「賢い投資家作り」をどういうふうに組織的に、日本の金融を横断的に展開していくか、そこのところが基本的な問題なんじゃないかなというふうに思います。今まで「賢い消費者作り」は、原さんのところを含めて、いろいろされたと思うんですが、例えば今、本屋に並んでいる家計簿を見ても、収支はちゃんと書いてある。家計の損益計算書はちゃんとあるんだけれども、財務諸表はほとんどないんですね。あれは不思議ですね。
 具体的な製品名を言いますと、マイクロソフトに「マニー」というソフトがあります。これを見ると、収支は余り大したことないんです。バランスシートです。バランスシートをいかに個人の生活の観点、ロングランの生活の観点から見て改善するか、合理的にするかというソフトなんですね。良いかどうかは別ですよ。やっぱりもう少し日本でも、そういう個人の財務諸表に関心を持つような、それは当然、借方・貸方両方含むわけですから、借りる方も入るわけですけれども、そういう点をきちんとどういう組織的な対応をしていったらいいのかという問題は、特に21世紀を踏まえると重要な問題ではないかなという感じがいたします。
 言い換えると、リーテイルの市場というのは、ホールセールの市場はともかく相当に、リーテイルの市場というのはどういうふうに、根底から作り直していかないと、考え直していかないと、日本の金融はずたずたになってしまう虞があるというふうに思います。
 私は今いろんなところで言っています。ホームページで、アメリカのAIE(Alliance for Investor Education )の「www.Investor Education.org」そういうのを見てください。おもしろいですよ。投資とはどんなものかというのから始まって、あなたのリスク負担の度合いは30段階のうちのどれぐらいですかというのをクエスチョン・アンド・アンサーで答えてくれるようなものもありますし、電話がかかってきたときに何を書き留めなければいけないか、リストがちゃんと取れるようになっています。セールスマンの名前から始まって。そういう仕掛け、インターネットの話がちょっと出ましたけど、インターネットを見ると随分賢くなるわけです。しかし、そういうようなサービスというのは、ほとんど日本の金融界はしてないわけですね。していても非常に限定的であって、いわば挙げてこれから日本の金融界は、市場を中心に動くとすれば、市場を味方にする賢い投資家をきちんと少しずつでもいいから作っていかなきゃいけない。これは小学校の教育ももちろんあるかもしれない。それはワン・オブ・ゼムであって、全体としてのシステム。そういう問題が一つあるんじゃないかなというふうに思いました。
 これは、ですからエンドユーザーの問題点ですけれども、エンドユーザーに対する様々なアプローチの問題点ですが、それに対応して、今度はファンドといいますか、証券投資信託の話がいろいろ出ましたけれども、ひっくるめて考えると、新しい時代の中での特に資産を、どこかにちょっとありましたけれども、フィデュシャリー・プリンシプルといいますか、それを徹底的に実現させていくような、そういう集団的投資スキームといいますか、こういうものがまだまだ日本では熟されていない。これがどういうあり方でなければならないかというような問題があるんじゃないかな。
 今のお話をずっと伺っていますと、一つは、リーテイルの市場をどういうふうにフェアで、かつエフィシャントなものにするために、リーテイルの市場の中の最終的なエンドユーザーである特に個人に対して、我々はどんな仕掛けを提供しなければならないのかというような問題が一つあるんじゃないかな。どういう仕掛けの中にもインターナショナルな問題も当然入ってくるんだと思うんですね。違いますかな。そしてあなたの問題も、岩村さんの問題も少しはカバーできるかもしれない。もう少し大きな問題はもちろんありますよ。
 それから、もう一つは、いろんな形で投資信託ブームが今起こりつつありますけれども、投資信託に限らず、いろいろなまがい物も出てきますし、そういう意味で、他人のお金を預かって運用するスキームといいますか、金融機関といいますか、そういうものをどんなふうに今後位置づけたらいいのかという、そんなふうなビッグイシューというものが、この流れ懇の中にももちろん取り上げられてはいますけれども、焦点を絞ってやっていくのがいいのではないかなというふうに考えますが、どうなんでしょうか。
 これは今お話を伺っての私のクイック・リスポンスなんですが、課長なり、室長なり、どうぞ。あるいはほかの局長も御発言がないですか。
 どうぞ。
○三國谷企画課長 まさしく今部会長が整理されたような、そういうことを私ども事務局も大いに肝に銘じまして、これからいろいろ事務的なお手伝いをさせていただきたいと思っております。
 なお、1点補足というか、これまでの議論で少し、それこそリーテイルの部分になりますけれども、昨日の第二部会におきましては、1年以内と決まった事実はございません。ただ、記者会見の席上でいろいろ突っ込みがありますと、こういうケースがややにしてあるわけでございまして、その後「それは決まっていません」と私は何度も否定したんですが、それで最終のところが出たと、まあそういうことです。「大体どうですか」とか、「いや、個人的にどうですか」というと、こう出ますと、それが新聞に載ると、こういう世界でございますので、そういう事情によるということを御理解いただきたいと思います。
 次に、細かい話で、利息制限法の話がございましたが、これは基本的には、40%というのは出資法の方の刑罰適用規定でございまして、利息制限法は15から20ぐらいで、20と40関係というのは、損害賠償か何かのときの、その倍ということで40というのが決まっておりまして、片一方の方は、民事の方へいけば15とか20というところで、民事の方に持っていけばの話でございますが、そういう世界になっているということかと思います。
 なお、この40%というのは、確か今から10年ほど前に、貸金業者につきましては109 を40にしたと。日歩値 10.96銭ぐらいか、それぐらいだったと思いますが、そういうことかと思います。
 そこの点だけを指摘させていただきまして、法律的に、利息制限法は法務省の所管、出資法は法務省と大蔵省の共管でございますが、預り金の性格的な取扱いにつきましては基本的に大蔵省、金利部分は、その刑罰法規という関係で法務省という形になっております。ただ、この問題は、そういう御指摘ではなくて、もっと別な観点からの御指摘かと思いますが、制度としてはそうなっているということだけ申し上げさせていただきたいと思います。
 あと諸々御指摘いただきまして、それから、宿題もいただきましたことにつきましては、どこまでできるかは別といたしまして、いろいろ我々なりに努力させていただきたいと思っております。
○蝋山部会長 スケジュールということになると大変難しいところがあります。大体金融企画局はいつまであるんですか。局長の方には、ちょっと恐れ多いから聞けなくて、こっちの課長の方に聞くんだけど。
○三國谷企画課長 わかりません。
○蝋山部会長 局長、どうぞ。
○伏屋金融企画局長 金融企画局自体は、今、中央省庁の再編の基本法に基づいてこれから各省設置法の話があるわけですが、金融企画局のやっている仕事は永遠にありますから、いずれにいたしましても、政府の中でこんな大事な仕事ですから、どこかできちっと処理することになるわけでございますので、その点は、これからこの審議会でやっていただきますと、必ずいずれ法案ということになって、国民の皆様の前へ持ち出すということになるので、そういうことでやっていただきたいとお願いいたします。
○蝋山部会長 わかりました。大変心強い御発言を頂戴しましたので、ありがとうございます。
 やはりそんなにのんびりできないと思うんですね。ただ、ものすごく焦りに焦って、馬車馬のごとく、ともかく案を作るというのでは、先ほど上柳さんが言われたような形になってしまう虞もありますし、そういう点では具体的なイシューを絞り込んで、ワーキング・グループを二つぐらい作って、そして、そこから出てきた議論をキャッチボールしながら、この部会として審議会に具申すると、こういうような形にプロセスとしてはなるのではないか。
 常識的に言えば、今日が初回ですけれども、やはり2年かけますというのは、この時代としてはのんびり過ぎる。半年で、来年の夏までにというのも少し拙速過ぎる。やはりその間の、半年と1年の間ぐらいがターゲットではないでしょうか。もちろん法制化ということになると、これはまた別の問題が入ってきますので、政治情勢とか、いろいろな関係者というのが入り乱れておりますので、これはお役所の方にお任せすることになるわけですが、我々としては、来年の夏頃には議論が沸騰して、そして、秋から今頃の初冬にかけては、ある種の落ち着きが、これでいこうかということになるぐらいのことを考え、しかし、情勢によって早めなければならないというときには、早めるぐらいの余裕を持たせるということなんじゃないでしょうか。これが常識的な線ではないかと私は思いますけどね。1年というのはそういうことで、はっきり言っちゃうと縛りになるから困るわけですけれども、しかし、それぐらいの目標を持った方がいいのではないかというふうに思います。
 ですから、今申し上げたように、この部会と、部会の下に置くワーキング・グループというものの具体的な内容を次回にでもお諮りいたしまして、そして、そことのキャッチボールを進めながら、目途としては遅くも来年中に何とかというふうに考えてみていいのではないかというふうに思います。それが部会からさらに金融審議会まで上がって、この点だけは早く提言なり法制化ということに進もうというふうになれば、それはそれで結構だというふうに思いますが、そんなふうに考えています。
 ワーキング・グループにつきましては、今日の御意見を踏まえまして、具体的な、どういうイシューについて、どういう人選でお願いするかという点は私にお任せいただけないでしょうか。事務局とよく相談の上、次回には、どういうワーキング・グループで、どういう点をお願いするかということを御紹介できるようにしたいというふうに思います。
 次回の日程というのに、時間はあと3分ありますが、室長からどうぞ。
○津曲調査室長 この部会でございますが、次回は、年内にもう一度お願いできないかと思っております。私どもの案では、例えば22日の火曜日、14時からというのはいかがでしょうかと思っておりますが、よろしくお願いします。
○蝋山部会長 それでやりましょう。
○津曲調査室長 ありがとうございます。
○蝋山部会長 今日もいろいろな御都合で、特に御欠席の方も多数おられたわけですけれども、次回も恐らくそうなるだろうというふうに思います。そして、次回は、先ほど申し上げましたワーキング・グループにお願いするイシューと、具体的にこういう方でということを私の方から御紹介するということにさせていただく。それと同時に、新しい流れ懇の論点整理の細かい点について、ぜひ読んできていただきまして、今日の議論をさらに敷衍させるような形で次回を進めたいというふうに思います。そして、ワーキング・グループも含めまして、部会としての具体的な本格的な審議に入るのは来年というふうに考えてみたいと思いますが、いかがなものでしょうか。
            〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○蝋山部会長 では、そのようにさせていただきたく思います。
 1分30秒ほど余裕がありますけれども、今日はこれにて散会させていただきます。いずれ1分30秒はちゃんと取り返さなくちゃいけないということになると思いますので、よろしく。
 どうもありがとうございました。
                 (以 上)