金融審議会「第二部会」第3回会合議事録

 日時:平成11年2月3日(水)10時00分〜11時51分
 場所:大蔵省本庁舎(4階)第三特別会議室

○倉澤部会長 それでは、時間になりましたので、ただいまから、第3回金融審議会「第二部会」を開催いたします。
 皆様、御多用のところ御参集くださいまして、ありがとうございます。
 まず、第二部会への出席が今回初めてとなります委員、オブザーバー及び異動がありました事務局メンバーにつきまして事務局より紹介させていただきます。よろしくお願いいたします。
○三國谷企画課長 企画課長の三國谷でございます。
 それでは、委員の皆様、オブザーバーの皆様を御紹介させていただきたいと思います。
 部会長席から向かいまして中央付近からの委員で、石弘光先生、今回御出席でございます。よろしくお願いいたします。
○石委員 よろしくお願いいたします。
○三國谷企画課長 あと、オブザーバーの皆様でございますが、松崎 広氏でございます。
○松崎オブザーバー 松崎です。
○三國谷企画課長 ウイリアム・ハント氏でございます。
○ハントオブザーバー ハントです。よろしくお願いします。
○三國谷企画課長 続きまして、事務局のメンバーにつきまして御紹介させていただきます。
 これにつきましては、若干経緯を申し上げさせていただきますと、昨年いろいろ組織替えがございまして、金融再生委員会等が新たに設立されておりました。当金融企画局企画課に所属しておりました参事官の山崎及び債権流動化室長の八田が昨年の秋に再生委員会の方に異動しております。この間、空席でございましたが、今般1月に入りまして、主計局あるいは理財局から兼務という形で応援をいただくことになっております。御紹介させていただきます。
 まず、文部担当主計官が本籍でございまして、現在、債権等流動化室長を兼務させていただいております細溝でございます。
○細溝債権等流動化室長 よろしくお願いいたします。
○三國谷企画課長 次に、主計局の給与課長でございまして、現在、企画課の法規担当企画官を兼務しております原でございます。
○原企画官 原でございます。よろしくお願いいたします。
○三國谷企画課長 続きまして、理財局の国有財産二課長でございますが、現在、保険企画室長を兼務しております菅野でございます。
○菅野保険企画室長 菅野でございます。よろしくお願いいたします。
○三國谷企画課長 よろしくお願い申し上げます。
○倉澤部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、お手元の議事次第に従いまして、本日の議事を進行させていただきたいと思います。
 本日は、まず初めに、前回会合までに御一任をいただいておりました個別問題のためのワーキング・グループについて、設置状況、運営等につき事務局より説明させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
○三國谷企画課長 お手元にございます「第二部会3−2」という資料を御覧いただきたいと存じます。
 実はこれは、既に過去に金融審議会の運営につきましてお示しいたしました資料を一部抜粋させていただいたものでございますが、一つには、大臣諮問といたしまして、「21世紀を見据え、安心で活力ある金融システムの構築に向けて、金融制度及び証券取引制度の改善に関する事項について、審議を求める。」ということでございまして、審議の大枠といたしまして、2001年、金融システム改革の完了、あるいは預金等の全額保護の終了、こういったものを睨みながら、一つは、「21世紀の金融取引やサービスのあり方はどのようにあるべきか(全体像としてのアプローチ)」、これが第一部会でございます。
 続きまして、「安心で活力ある金融システムの構築(現在を出発点に、21世紀の金融システムに向けての問題解決の積み上げと環境整備)」ということでございまして、具体的には、金融システム改革の積み残しの問題はあるか。次には、不良債権処理と金融システムの再生・安定を図りつつ、どのように21世紀の金融システムにつなげていくかということでございまして、これにつきまして、具体的なイメージといたしまして、次のページをお開きいただきたいと思います。
 こういったことを受けまして、第一部会では、部会の下にさらに集団投資スキームムに関するワーキング・グループ」、「ホールセール・リテールに関するワーキング・グループ」が設置されております。
 また、第二部会では、既に実践部分の「個人信用情報保護・利用の在り方に関する作業部会」、「保険相互会社の株式会社化に関するワーキング・グループ」という二つの作業部会の設置が了承されております。
 これらのうち、個人信用情報作業部会につきましては、中央大学の堀部教授を座長に、去る1月14日、第1回の会合を開催いたしたところでございます。メンバーにつきましては、お手元の資料の3−1を御覧いただければと存じます。
 次に、株式会社化ワーキングでございますが、これは当部会の委員でもあられる山下教授を座長に、これも去る1月29日に第1回会合を終えております。メンバーは、これは資料3−1の2枚目を御覧いただきたいわけでございますが、今後、月2回程度のペースで論点整理を進める予定でございます。
 なお、ワーキング・グループのメンバーにつきましては、名簿上の方々に固定いたしませず、議論の過程で専門家の意見などが必要と判断される場合には、適宜メンバー追加を検討することとさせていただきたいと存じております。
 また、ワーキング・グループにつきましては、部会審議の素材の整理・提供を主たる役割をするとの位置づけから、議事や資料の外部説明につきましては、部会に説明したもの、こういったものにつきまして部会を通じる形で逐次公表することと考えておりまして、個々のワーキング・グループの資料の外部説明等は行わないということにさせていただきたいと思います。
 ところで、本第二部会のテーマにつきまして、またお手元の資料の3−2の先ほどの2枚目、ワーキング部会のイメージというのを御覧いただきたいわけでございますが、第二部会のところに、「安心で活力ある金融システム構築」ということがございますが、この中に、既に前々からこういった形でお示しさせていただいている中に、個人信用情報保護、預金保険、株式会社化、電子マネー、その他の問題等々がございます。この中では預金保険の問題も扱うこととなっておりますが、この問題につきましては、ある程度緊急に検討を要する事柄もございます。これにつきましては、資料3−2の3枚目を御覧いただきたいと存じます。
 この資料の3枚目でございますが、一番上が預金保険法でございまして、附則の第19条によりまして、傍線部分でございますが、「金融機関は、平成8年度から平成12年度までの間、第50条第1項に規定する保険料のほか、機構の特例業務の実施に要する費用に充てるため、機構に対し、特別保険料を納付しなければいけない。」、3項におきまして、「特別保険料率は、特例業務に要する費用の予想額及び金融機関の財務の状況を勘案し、政令で定めるものとする。」と、こうなっているところでございます。
 この政令におきましては、下の方でございますが、「附則第19条第3項に規定する特別保険料率は、 0.036パーセントとする。」となっておりまして、この附則におきまして、第2条「改正後の預金保険法施行令附則第3条に規定する特別保険料率については、遅くとも平成10年度末までに、預金保険機構の預金保険法附則第19条第1項に規定する特例業務の実施の状況を踏まえて検討を行うものとする。」ということになっているところでございます。ここに書いてございますところの10年度末というのが、文字どおり今度の3月でございまして、そういうことで3月末までに特別保険料率の検討という具体的なテーマがあり、これについて検討していく必要がある次第でございます。
 加えまして、2001年4月以降も預金者に負担を求める体制に円滑に移行するためには、実務的な問題について十分に時間をとって基礎的な検討をしておくことが必要かと思われます。
 そのような観点から、預金保険制度につきまして、第3のワーキング・グループを設けまして、部会の審議に先立ちまして専門的観点から論点を整理していただくことが必要ではないかということがございまして、御検討いただきたいと存じているところでございます。
○倉澤部会長 ただいま事務局の方から、「預金保険制度に関するワーキング・グループ」設置について問題提起がございましたが、いかがでございましょうか。委員の皆様に御異存がなければ、グループの設置とメンバー選任につきましては、これまで同様、私どもに御一任いただければと存じますが、よろしゅうございましょうか。
○中原オブザーバー ちょっと一つ御質問させていただきます。
○倉澤部会長 どうぞ。
○中原オブザーバー 今の御説明でその特別保険料の部分、これが差し迫った問題ではございますが、このワーキング・グループというのは、預金保険制度全般に係る検討をするのか、その特別保険料の部分の今後のあり方について検討されるのか、その辺はどちらでございましょうか。
○窪野参事官 企画課長からも御説明いたしましたように、まず差し迫ったこの3月までの課題として、特別保険料の検討が政令で義務になっておりますので、これは早急にお願いをしなければと思います。したがいまして、早急な特別保険料という具体的な検討の後になると思いますが、この作業部会で、併せまして引き続き、2001年の4月以降は、現在、預金保険法あるいは金融再生法で様々な預金者、預金の全額保護のための特例措置がございますが、これが法律上切れます。そういたしますと、預金の全額保護ということでなくて、その後は金融機関が破綻した場合には預金者に相応の御負担をいただく、リスクをとっていただくことになりますが、そのような体制に円滑に移行するために、なお実務的に、例えば名寄せでございますとか、検討しておく必要があるのではないか。
 さらに言えば、その際、併せまして預金保険制度につきましても、例えば預金保険の対象でありますとか、その辺について見直す必要がないかどうか、そういった見直しの場合には、必要に応じましては立法措置も、法改正も必要になる可能性あると思いますが、その辺も含めて、そういう意味では実務的な円滑な移行のための必要な実務・制度全般にわたる見直しをお願いしたいと、こういうイメージでございます。
○中原オブザーバー よくわかりました。ありがとうございました。
○倉澤部会長 深尾委員、どうぞ。
○深尾委員 今のお話でも、預金保険制度だけの見直しという感じなんですが、2001年3月で金融再生法が切れるということになりまして、金融機関に対する破産法の特例法である金融再生法がなくなるわけですが、私は、金融機関の破綻処理について、従来の破産法あるいは会社更生法で対応するのは無理だろうというふうに考えております。仮にこの金融危機をうまく乗り切ったとしても、将来またどこかの金融機関が破綻する可能性というのはあるわけですので、その場合の破綻処理の方法についても同時に考えておく必要があるのではないか。ですから、単に預金保険法をどうするかという問題ではなくて、2001年3月の金融再生法の期限切れを越えた後、金融機関の破綻処理についてどう考えていくか。これが一つ考えておく必要があるのではないかと思います。
 もう一つは、その場合に、信託銀行の信託勘定、現在の信託制度そのものについて関わる問題ですけれども、私の知る限りでは、顧客の財産と、それから銀行自身、信託銀行の財産の分別の部分について相当問題があるというふうに認識しておりまして、これについて破綻処理を考える場合に、どういうふうにこの制度をきちっとしていったらいいのか。これは証券会社の顧客財産の分別管理と似たような側面があるわけですけれども、信託銀行の信託勘定については影響がそれよりもさらに大きいというふうに理解しておりますので、これについての分別の部分、それと破産処理、こういったことをきちっと考えていかないと、21世紀の金融システムについても私自身は安心できないというふうに認識しております。
○倉澤部会長 どうぞ、参事官。
○窪野参事官 その点につきましても、ちょうど現在の2001年までの様々な預金保険法の特例、これがいわゆる金融三法ということで、前の金融制度調査会で同じような預金保険のワーキング・グループで検討をお願いしたわけでございますが、その際にも、金融機関の破綻処理については会社更生法の特例ということで、銀行についての更生手続の特例法というのを併せて法制化いただいたところでございます。そういう意味で、円滑なそういう新しい体制への移行という中で、更生手続の特例法について必要な手当てが何か考えられるかどうか、その辺の議論も当然含まれてくると思います。
 また一方、併せまして、現在、法務省でも破産法制全体を法制審で、同じようなスケジュール感で見直しの議論が進められておりまして、既に金融界からも意見が出されておりますが、場合によってはそちらに具体的な意見としてつなぐというようなこともあろうかと思います。
 なお、信託関係につきましては、セグリゲーションの問題としまして、これはちょっとこちらの中で部会間の調整が必要かもしれません。第一部会の方で集団的投資スキームということで信託のスキーム、あるいはそれと同等な様々の集団的投資のためのスキームが検討されておりますので、そちらの視野の中で議論いただくのか、あるいはこちらでも委員おっしゃるように議論になる可能性があると思いますが、その辺、どちらで重点を置いて議論するかは、中で相談したいと思います。
○倉澤部会長 よろしゅうございますか。
 それでは、一応このアプローチとしては、現行預金保険制度について短期・中期的な検討をワーキング・グループにお願いするという形でやるためのワーキング・グループの設置及び人選について御一任いただけましょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○倉澤部会長 ありがとうございました。
 事務局には、作業の方よろしくお願いいたします。
○三國谷企画課長 どうもありがとうございました。
 なお、法制審の倒産部会の方には、当方からも、本日来てもらっております原企画官が幹事として運営に参加させていただくことになっています。
 なお、続きまして、前回の部会におきまして部会長に御一任いただきました「銀行の機能と役割に関するインフォーマルな検討」の場につきまして御説明申し上げたいと思います。
 これは資料3−1の3枚目を御覧いただきたいと思います。この配付資料にございますように、池尾教授を中心に少人数のメンバーにお集まりいただきまして、最近の議論の進展等につきフォローをしていただくということを考えさせていただいております。当検討会につきましては、特段の取りまとめということにこだわらず、部会に議論の素材を提供するという位置づけから特にインフォーマル・グループという形で称しておりますが、第1回目の会合が2月5日に行われる予定でございます。
 なお、このメンバーにつきましては、本日終わりました後、記者レクでここに配付いたしました資料全体が紹介されまして、また、インターネットにも載るということでございますので、御了承いただければと存じます。
○倉澤部会長 ありがとうございました。
 それでは、議事次第の3.で、本日のテーマということになりますが、本日は、まず「金融の変革・再編と保険業の役割」という題で、損害保険会社、生命保険会社のそれぞれから金融システム改革の評価や将来展望についてお話を伺いたいと思います。幸い、本部会には両業界から田山オブザーバーと寺阪オブザーバーがおられますので、お二人にお話をお願いいたします。
 なお、そのお二人のお話についての質疑応答につきましては、お二人のお話を伺った後にまとめて行いたいと思いますが、それでよろしゅうございましょうか。
 それでは、まず、田山オブザーバーからお願いいたします。
○田山オブザーバー 安田火災の田山でございます。
 安田火災の火災新種業務部長ということで、自動車保険、海上保険を除くいろんな各種の保険、例えば火災保険、賠償保険などの、こういう保険の新商品の開発を主に担当しております。また、業界ベースですと、損害保険協会の一般リスク調査委員会の業務部会の部会長ということで務めております。
 今回の金融システム改革法、これについて、損害保険に関する主な変更点ということになりますと、このペーパーに書いてございますように、算定会の改革、投信販売等の保険会社本体あるいは証券子会社等の子会社を通じた業務範囲の拡大、それから、ディスクロージャーの拡充・重要事項の説明、早期是正措置の導入、契約者保護機構の創設と、こういった5点になるかと思います。その中でも算定会改革というのは、96年の日米保険合意に基づきまして、ほかに先駆けまして98年の7月から実施されておりまして、既に半年経過して、相当具体的なインパクトを損害保険業界に与えておりますので、本日はこれを中心に御説明をしたいと思います。
 若干おさらいになりますけれども、算定会改革というのはどういうことかといいますと、自動車保険、火災保険、傷害保険という3種目でございますが、これは損害保険の大宗を占めているわけですが、この保険に関する自由化でございまして、従来は算定会という料率算出団体が料率を算出して、これが認可を受けると。その保険料率を全社が認可を受けたものとみなして、全社同一の料率を使用すると、こういう形だったわけでございますが、7月1日以降は、算定会の出しました料率を参考として各社が独自に商品料率を決定して個別に認可を受けるという形に変わったわけでございます。ただ、一応経過期間というのがございまして、最大2年間ということで、従来の認可料率をそのまま使用するということも可能だということになったわけでございます。
 この算定会改革は、保険の種目で言いますと自動車保険、これはいわゆる個人の大衆向けの保険として保険会社の約半分ぐらいの収入を占めている保険でございますが、これに一番大きなインパクトを与えておりまして、各社各様、様々な新商品が出されているということで、新しいマーケットも創造されているということでございます。
 また、一方、直販方式のいわゆるリスク細分型の自動車保険、これの扱い会社も増加しておりまして、順調にマーケットシェアを確保しているという状況でございます。
 一方、火災保険、新種保険という保険について言いますと、これは例えば傷害保険などのいわゆる第三分野の商品、あるいは個人所有の住宅物件、これを除きまして大幅な規制緩和が行われたということでございます。
 例えば火災保険で言いますと、個人所有の住宅物件、これは規制されておりますけれども、それ以外の火災保険でございます。いわゆる企業の火災保険。あるいは賠償責任保険について言いますと、ほとんどの分野について、これは算定会改革よりも先に、昨年98年の1月に、いわゆる保険の基本的な約款に付ける特約というのがございますけれども、特約でいろいろカバーの条件を変えてくるわけですが、その特約は自由に付けられるという形になりまして、さらに料率の方も標準料率ということで、各社の判断で決められるということになりましたものですから、昨年の1月から、保険会社といわゆる顧客の企業との間の交渉で、基本的には自由に引受条件を決められるということになったわけでございます。
 この規制緩和に応じまして、昨年の1月以降、今年の算定会改革の7月以降、特に企業物件の分野につきましては、各社商品開発にしのぎを削っているという状況でございまして、新商品ラッシュの様相を呈しているということでございます。
 新商品といいますと、いろんなタイプのものがあるわけでございますが、一つは全く新しい、従来なかったリスクをカバーするような保険もありますし、あるいはいろんなリスクをパッケージ化してしまいまして、これは契約者の利便性を増して、かつ、保険料を割り引くというようなタイプの保険。あるいは従来ある保険のカバーの範囲を拡大して、その分保険料をいただく保険とか、あるいはカバーを縮小して保険料を割り引くということで、いろんな形の新商品が出ておりまして、そういう意味で言いますと、消費者の選択の幅というのは格段に拡大しているということが言えるかと思います。
 逆に、損害保険商品の特性というのは、いわゆる保険に加入するときと事故に遭うときというのは時間的な差がございますので、そういった点から、各社商品の相違点というのはなかなか消費者に見えにくいということで、いろいろ商品がばらけてきますと、事故が生じたときのトラブルの原因になりかねないというおそれもございます。これについては、例えば損害保険協会の方で契約者相談機能を充実するとか、あるいは各社で契約の際に、契約内容をわかりやすく説明するような資料を渡すというようなことで対策をとっておりますけれども、今後もさらに努力が必要な部分という具合に考えております。
 一方、こういった損害保険の規制緩和の動向というのは、契約者の方にもメディアを通じまして広く認識されておりまして、特に法人契約者を中心に、これは規制緩和といいますと、イメージとしては保険料がどれぐらい下がるんだという保険料引下げという期待感が非常に高まっておりまして、折から景気も悪いということで、相当激しい競争が生じているというのが状況でございます。
 いわゆる保険会社を入札でどこにするか決めるという、我々は「保険ビッド」と言っておりますけれども、これも大企業あるいは中堅企業を中心にして急速に広まっているということで、一部のマーケットでは相当熾烈な競争が始まっているという状況でございます。
 こういった規制緩和の影響と、それから、不況の影響も加わったということかと思いますが、昨年度の12月末の数字で見ますと、保険会社全社合計で言いますと、保険料収入というのが対前年比で約4%程度減少ということになっておりまして、各社とも必死になって経費率を下げる努力をしているという現状でございます。
 こういった状況の中で、我々保険会社としては、基本的に二つ懸念を感じている点がございまして、一つ目は、御当局の審査体制の問題でございます。
 今後の競争条件の激化というのを考えますと、新商品を作って新しいマーケットを創造していくということがますます重要になるわけでございますが、そのためには迅速な審査・認可というのが不可欠でございます。従来は、算定会の申請を一つ審査して認可すれば、自動的に50社の認可を与えるということになっていたわけでございます。ところが、現在は各社別に全て申請・認可するということになりますので、従来から比べますと、審査にかかる負荷が非常に大きくなっているということでございます。
 こういった状況の中で、御当局の方でも、迅速な認可のためにいろいろ努力をしていただいている。また、認可内容自体かなり柔軟になってきておりますので、それなりに効果がございまして、他社の状況はわかりませんけれども、当社の場合で言いますと、例えば私の責任であります火災保険・新種保険の関連だけでも、昨年1年で約60件弱の新商品を発売しているということで、年間52週間ございますので、大体1週間に一つということで新商品を発売しているという状況でございます。
 ただ、今後ますます商品開発競争というのが激しくなるということを考えますと、現在の体制のままで将来いいのかどうかという点については、若干疑問を感じているところでございます。御当局の要員の増員というような審査体制の見直しとか、あるいは届出制の拡大というような審査方法そのものの見直しというのが将来必要になるのではないかという具合に考えております。
 それから、二つ目でございますけれども、特定のマーケットでは非常に激しい競争になっておりまして、とてもではないけれども合理的に説明できないような低保険料率による引受けというのが散見されるようになってきたということでございます。
 損害保険の一つの大きな特徴として、いわゆる保険料原価の事後確定性というのがございます。これは特に発生頻度が極めて低くて、一たん生じると大きな損害になる、いわゆるキャタストロフィックなロス。例えば地震なんていうのはその典型でございますけれども、火災なんかも、大体1件当たりで見ますと四、五百年に1回ということでございますので、これも相当キャタストロフィックな要素があると、こういう保険について非常に深刻な問題を生じておりまして、こういった保険ですと、どうしても保険が若干射幸的な性格を持つというケースがございます。現実にこういったリスクを中心にしまして、とても合理的な説明ができないような低料率での引受けというのが散見されるようになってきているということでございます。
 これは合理的な保険料算出という保険原則を余りにも逸脱したような、極端に安い保険料率の適用による保険契約の獲得というのは、例えて言いますと、金融機関における不良債権と同じようなものでございまして、決して望ましいものではないということが言えようかと思います。そういった意味で、保険会社の健全性の確保というのがますます重要になっているということが言えるのではないかと思います。
 これは基本的には、ソルベンシー・マージンによる健全性の確保を行うということになっているわけでございますけれども、その中でも幾つかの留意点があるのではないかと思います。
 一つは、適正な責任準備金が確保されているかという問題があろうかと思います。先ほど言いましたように、キャタストロフィックなロスについては、発生頻度が何十年、何百年に1回ということでございますので、単年度で収支を見るということができないわけでございます。そのために、保険料収入の一部をいわゆる異常危険準備金という形で積むことになっておりますけれども、これがきちっと適正に積まれているかという問題があるかと思います。
 それから、もう一つは、保険というのは通常1年契約でございますので、未経過期間というのが年度を締めたところでまだ責任の残っている期間というのが必ずございます。これは保険料収入を期間計算しまして、責任の残っている未経過期間に対応する保険料を未経過準備金という形で積むことになっているわけでございますけれども、先ほどのような極端に低い保険料で引き受けた場合でも、その低い保険料の未経過期間相当額を積めばいいということになっておりますので、適正な準備金水準でなくなる可能性もあるということでございます。
 こういう責任準備金の問題というのが一つと、それから、もう一つは、再保険のクレジットリスクの問題というのがございます。保険会社というのは、引き受けた契約責任の一部を再保険でヘッジするということを一般的に行われておりまして、特に企業向けの巨大リスクについては、再保険手配が必須の条件になっているということでございます。再保険会社は主に海外でございますけれども、これもいろいろピン・キリでございまして、中には余り経営内容のよくない会社もあるということで、そういうところはどちらかというと、極端に安い保険料でも引き受けるということがよくあるわけでございます。国内の競争が激しいために、苦し紛れにクレジットの低い再保険会社に再保険手配をするということになりますと、いざというとき回収不能のリスクというのがございます。
 ソルベンシー・マージンの計算自体は、再保険出再後のネットの金額でリスクファクターというのを見ますので、出再先のクレジット・コントロールがきちっとできているかどうかという点をよく見る必要があるのではないかと思います。また、もう少し全体で見る場合には、いわゆる保険種目でのリザルトというのを反映した料率改善措置というようなものも手当てとして、一つ手法として考える必要があるのではないかという具合に思います。
 いずれにしましても、商品料率に関する競争というのは既に開始されておりまして、その競争というのも日に日に激化の一方にあるということでございまして、我々現場に身を置く者としましては、損害保険分野における自由化というのは完全に実施されているというような感じがいたします。現時点で見ますと、こういった規制緩和で消費者の利便性とか、あるいは選択の幅が飛躍的に増大したというのは事実でございまして、一方、保険会社も体力増強に一生懸命努めているという点では、今回の算定会改革を中心にする規制緩和は、非常に大きな成果を上げているという評価ができるかと思います。
 ただ、規制緩和による競争というのは、まだまだ始まったばかりでございますので、今後、例えば差別型自動車保険の拡大による無保険者の増加の問題とか、あるいは保険の安定供給の問題という問題は、これからどういう形で展開していくかというところで、まだこの辺については最終的な答えを出すような段階ではないという具合に考えております。
 この算定会改革の関係で言いますと、今後の課題としましては、日米の保険合意で残されました第三分野の激変緩和措置の完全撤廃という問題が残っておりまして、これは予定どおり2001年1月の撤廃に向けた準備をお願いしたいという具合に思います。
 残り4項目ございますが、これについてはまだ始まったばかりでございますので、簡単にコメントしたいと思いますが、まず、投信販売等の業務範囲の拡大でございます。これについては、昨年の12月に実施されたばかりでございまして、一部動きがございますが、まだ具体的な動きとしては余り大きくないということでございます。ただ、可能性としては非常に大きいということで、これについては高く評価したいという具合に考えております。
 それから、ディスクロージャーの拡充の問題でございますけれども、これについては、保険会社としては従来から積極的に取り組んできたというつもりでございます。ただ、今後のことを考えますと、契約者にとっても、いわゆる自己責任の時代に入る。契約者が保険会社を選ぶ上でのディスクロージャーというのが必須の前提条件になるということと、ディスクロージャーの徹底によって経営にインセンティブを与えるということを考えますと、これは当然の方向という具合に考えております。
 早期是正措置の導入については、その目的というのは、経営悪化会社の早期の立て直しということでございますので、これは必要な措置であって、今後透明かつ適切な運営がなされることを期待しております。ただし、そのためには、先ほど述べました点も含めて、早期かつ正確な保険会社の実態把握というのが重要でございますので、今後のソルベンシー・マージン基準の適切な見直しとか、検査体制の充実という点も必要ではないかという具合に考えております。
 それから、契約者保護機構の創設につきましては、これは契約者保護制度の3点セットということで、先のディスクロージャーの徹底、早期是正措置の導入と併せまして、98年、昨年の12月1日に創設しております。ただ、この内容でございますけれども、損害保険の大半の契約といいますのは、破綻保険会社の契約者が、もうそこの会社との契約は解除して、別に健全な保険会社に加入するという方が適当なものが多いんじゃないかという具合に考えられまして、諸外国でも全てそのような制度になっているということでございます。破綻保険会社の契約者にとってみますと、例えば9割保険金をもらえるというよりは、一たん契約を解約してしまって保険料の返戻を受けるということで、別の保険会社に入るということで、この方が契約者保護機構にとっても、損害調査あるいは示談交渉などのコスト削減にもつながるのではないかと思います。
 今回の制度改定におきましては、倒産法制全般についての見直しが別に進められていたということ、あるいはビッグバンに併せて制度として早急に立ち上げる必要があったということで、倒産法制との調整が必要になるような、こういういわゆる契約面での手当てということではなくて、現在の形でスタートしているわけでございます。ただ、今後、倒産法制の見直しと同時に、ここの今の形の保護機構というのを先ほど申し上げました点で見直す必要があるのではないかという具合に考えておりまして、これは支払保証制度における残された課題ということで、我々としては認識しているということでございます。
 以上、簡単でございますけれども、今回の金融システム改革法での主な変更点と、それに関する私見を述べましたけれども、全般的に言えば、算定会改革と業務範囲の拡大というのが、これは競争促進的な要素の関連。それから、ディスクロージャーや早期是正措置、契約者保護機構、これが保険会社の健全性維持による契約者保護関連ということで、競争促進と契約者保護の両立を狙った改革ということで評価できるかと思います。
 今後、自由化の時代は、顧客の保護策を講じながら商品内容、販売形態、組織形態などにおいて、各社の自由な戦略策定ができるということが重要かと思います。その意味で申し上げますと、今回の改革によって規制緩和はかなり進みましたけれども、例えば日米保険合意で設けられている第三分野の商品規制、あるいは規制緩和推進3カ年間計画で、金融審議会で検討されることになっている構成員契約規制、こういった課題が残っておりますので、今後も保険会社の健全性、あるいは保険契約者保護の観点も踏まえながら検討を進めていく必要があるかと思います。
 以上でございます。
○倉澤部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、寺阪オブザーバー、お願いいたします。
○寺阪オブザーバー それでは、私の方から、生命保険の役割、あるいは当審議会において御検討いただきたい事項等につきましてお話をさせていただきます。レジュメがございますので、御参照していただければというふうに思います。
 まず初めに、生命保険事業の現状について、簡単にかいつまんで御説明申し上げたいと思います。お手元に、資料といたしまして、生命保険文化センターが作成しております「生命保険ファクトブック」をお配りしておりますので、御参照いただければというふうに思います。
 生命保険業界は、戦後、国民の皆様の自助努力を支援する私的保障機関の中核といたしまして順調に発展をしてまいりました。
 一例を申し上げますと、平成9年度1年間の御加入者や御遺族にお支払いをした保険金、年金、給付金の総額は17兆 4,000億円に上ってございます。これは我が国の社会保障給付の約2割に相当する額でございます。また、保有契約高、保有契約件数という指標がございますが、それにつきましては、過去10年間の平均で申しますと、それぞれ6.35%、2.54%というような着実な伸びを示しておりますけれども、平成9年度におきましては、個人保険の保有契約高が戦後初めて前年度比減少したことをはじめ、個人保険、個人年金、団体保険合計の保有契約高が前年度比 9.5%減少する、あるいは個人保険の保有契約件数も 4.4%減少するというような、直近の状況は厳しい結果となってございます。
 2番目にございます「生命保険の機能と役割」ということについてお話を申し上げます。
 生命保険が備えております機能で、他の金融商品と明確に区別されるべき最大の特徴は、相互扶助の機能でございます。保険が人々の生活上生じる様々なリスクに対応する手段として、なぜ最も優れているかというふうに申し上げますと、それはリスクを集団で分担し、必要な保障を必要な人に提供できるという相互扶助の機能があるからにほかならないと思います。今後、従来のメイン商品でありました遺族保障に加えまして、老後保障、医療保障、介護保障等、国民の皆様のニーズは一層多様化・高度化していくものというふうに考えてございます。また一方では、本格的な高齢化社会の到来を目前に控えまして、社会保障制度の抜本的な見直しが行われているところでございます。そういう中、私どもの生命保険業界は、我が国の社会保障システムの一翼を担うものとして、さらなる商品・サービスの拡充に努め、国民の皆様の期待に応えてまいりたいというふうに考えてございます。
 また、私ども生命保険会社は、保険商品の提供と同時に、資産を運用するという重要な役割を有してございます。お客様に提供する商品・サービスのレベルアップのためには、資産運用力のさらなる強化がかぎを握っております。現在、各社とも多様な運用手段を用いた個々の資産の収益力向上のためにいろんな取組みをしてございますし、系列投資顧問会社の強化、あるいは他金融機関との提携等、積極的に行っているところでございます。
 現在、本格的導入に向けて検討が進められております確定拠出型年金を例にとりましても、商品設計面、資産運用面等で、生命保険業界が長年にわたって蓄積してまいりました個人年金、企業年金分野のノウハウ、インフラを有効に活用する絶好の機会であるというふうに認識しております。現行の確定給付型企業年金の主要な受託機関でございます生命保険業界は、制度の中心的担い手としての自覚と責任感の下で、各社、鋭意準備・検討を行っているところでございます。
 次に、?の「生命保険商品の特徴と規制」ということでございますけれども、生命保険が有します機能は、預金等の他の金融商品では提供することのできない特殊な機能でございまして、それゆえに、他の金融商品と比べて様々な特徴を持っているというふうに申し上げることができます。
 まず、保険契約というものは、大数の法則に基づく確立商品であるということが挙げられます。したがいまして、保険団体の健全な運営を図るためには、危険の平均化・分散化を図ることが必要でございまして、保険会社による積極的な募集及び逆選択の防止により、良質な契約を多数確保していく必要がございます。また、確立商品であるがゆえに、一つの集団に属する保険の保険期間が終了した後でなければ集団全体として必要な給付額が判明しないという特徴を持ってございます。
 また、個人ごとの保障ニーズの多様性・潜在性という特徴がございまして、それに加えまして長期の契約が多く、保険期間中のリスクの変化を予測することが困難であるということ等によりまして、コンサルティングに基づいた対面型の販売の有効性が高いことが立証されております。また、これは販売時のみならず、契約期間全般にわたって継続的なサービスが求められるという特徴もございます。このような特徴を踏まえますと、先ほどのお話にも若干ございましたけれども、日本的雇用関係の下での圧力報酬の防止を目的とした構成員契約ルールというのは、利用者保護の観点から極めて重要なルールであるというふうに考えられます。
 生命保険に関します規制のあり方、消費者保護、あるいは契約者保護の仕組み等につきまして、今後、この部会等の場で御検討いただくという場合には、ただいま御説明を申し上げましたような生命保険の特徴を十分に踏まえた上で御議論いただくことが重要であろうかと考えてございます。
 次に、「金融システム安定化」と生命保険業界ということでございますが、昨年の12月1日に施行されました金融システム改革法による保険業法の改正におきましては、保険契約者保護機構の創設、保険会社の子会社規定の整備、早期是正措置制度の導入、連結業務報告書の導入、説明義務、ディスクロージャー規定の充実等が図られてございます。しかしながら、これまでのシステム改革の過程では、銀行等の金融機関としての再生、健全性維持を目的として多様なスキームが整備されてきたことに比べまして、生命保険には実効性のある破綻予防策や司法手続による破綻処理手続が十分に整備されていないといった問題点が残されてございます。
 また、一方で、銀行を中心といたしました金融システムを安定化させるために、生命保険各社は、その身を削りながら大きな役割を果たしてきたとも言うことができます。例えば、ここ数年、歴史上もほかに例を見ないような超低金利政策がとられてきた結果、生保各社は押しなべて多額の逆鞘の発生に見舞われておりまして、結果的に不労収益の減少を余儀なくされてまいりました。もちろん逆鞘の背景には、かつて保険審議会答申が、簡保の予定利率引上げを理由に予定利率引上げの必要性を指摘したというような事情もございます。また、金融システム安定化に寄与しているという面では、劣後ローン総合計の3分の2程度を生保が担っているといった面も見逃せません。生命保険システムが万が一にも崩壊するようなことがありましては、国民経済的にも多大な損失が発生することになろうかと思います。
 現在、生命保険各社におきましては、保険契約者等に対します責任を全うすべく、収益基盤の強化、自己資本の拡充、リスク管理体制の強化等を鋭意進めてございます。しかし、このような各社の努力をもちましても、現在の経済環境の下では抜本的な経営状況の回復は期待しにくいということも事実でございます。生命保険システムの安定及びそれを通じた我が国金融システムの安定化のために、銀行等と同様に、多面的かつ早急に法制度の整備がなされることを希望いたしております。
 4点目のテーマにまいります。当審議会第二部会におきまして、相互会社の株式会社化法改正に向けて御検討いただけることになりました。また、本年に入り、大蔵省の金融企画局信用課に保険企画室が設置されましたことからも、業界といたしましては、生命保険システムの安定化に向けた多面的な法整備等の検討が本格的に開始されるものと、大いに期待をしているところでございます。
 前回の株式会社化以外のテーマでございますけれども、4点ほど当部会にて御議論いただきたい事項につきまして申し述べさせていただきたいと思います。
第1に、金融システム改革に臨むに当たりましては、他の金融機関との競争条件の公平性の確保をぜひともお願いしたいところでございます。特に、我々生命保険業界と同一の保険商品を提供する国営の簡易保険事業につきましても御議論賜ればというふうに存じます。
 御存知のように、簡易保険は、国が保険金・年金等の支払いを保証しておりますため、加入者が自己責任を負わないで済むという信用力面での圧倒的優位性を持つものでございます。加えて、簡易保険事業は、安全ネットへの資金拠出を一切行っておりませんし、また、法人税等も免除されております。簡易保険事業につきましては、信用面、コスト面等において、我々生命保険業界と競争を行います以前に、相当優位な状況にあるということを十分御勘案いただければと思う次第でございます。
 なお、単に郵政公社に移行するだけでは、ただいま申し上げました問題の解決にはつながらないということも付け加えさせていただきます。
 また、金融システム改革推進に当たりましては、規制緩和に係る議論がございますが、この点につきましては、冒頭に申し上げました生命保険の果たしております役割、その役割ゆえに有する特殊性といったものを十分踏まえまして、利便性の向上のみならず、真の利用者利益の向上、すなわち保険契約者保護という視点を十分に踏まえた御検討をお願い申し上げます。
 二つ目に、相互会社の財務基盤強化策について御議論いただきたいというふうに思います。
 相互会社におきましては、従来より剰余金のほとんどを内部留保に回すことなく、配当として保険契約者の方々に還元をしてきたという実態がございます。また、相互会社の自己資本調達手段は、実質的に基金に限定をされてございます。基金と申しますのは、相互会社に特に認められております資本調達手段であり、株式資本と同様のリスクバッファー機能を持つものとはされておりますが、その増額に際して、総代会決議による定款変更を要すること、利息を含めた償却義務を負うこと、そもそも基金の償却財源である剰余金の80%以上は配当として還元する必要があること等、制約がございます。今後、株式会社への転換の道が開かれたとしても、引き続き相互会社形態での競争を選択する会社もあろうかと存じます。また、相互会社としての経営内容に問題があれば、当然のこと、株式会社化しても市場からの高い評価は得られないことになります。
 このような状況も考慮に入れていただきまして、例えば、現在の基金をより調達に柔軟性のあるものにするというために、株式におきます授権資本制度を導入することや、より返済に柔軟性のある証券の仕組みを取り入れること等、相互会社の経営の健全性が高まる対策を多方面から御検討賜ればというふうに存じます。
 三つ目といたしましては、破綻未然防止策の整備でございますけれども、これについて御検討いただきたいというふうに考えてございます。
 生命保険業界におきましても、本年4月1日以降、早期是正措置制度が導入されることになっており、発動基準及び措置命令につきましては、既に公布をされました総理府令・大蔵省令において定められてございます。しかしながら、現在の制度の内容には、生命保険業界から提案させていただきました既契約についての予定利率の引下げという措置手段は盛り込まれませんでした。現在の逆鞘の状況に鑑みますと、既契約についても予定利率を変更しないことには、根本的に経営内容の改善が図れないのではないかというような考え方もございます。保険契約者の方々に対しましても、実効性のある早期是正措置がとられずに、結局は破綻に至ることとなれば、予定利率の引下げ以上に多大な御迷惑をおかけする事態ともなりかねないというふうに考えるわけでございます。この点は、生命保険システムを万全な形で維持するためにも極めて重要な問題でございまして、法的な手当ての要否も含めて、ぜひとも御検討願えればというふうに申し上げさせていただきたいと思います。
 最後になりますが、破綻対応スキームの整備につきましてもお願いをいたしたいというふうに考えてございます。
 先に申し上げましたように、生命保険契約者保護機構により、万が一、生命保険会社が破綻した場合にも生命保険契約の継続を図ることが可能となってございます。しかしながら、保護機構には幾つかの検討課題が残されてございます。例えば、保護機構は預金保険と同様に公的な安全ネットとしての性格を有しているものの、預金保険のように公的資金の投入に関する明確な規定は存在いたしません。もちろん業界各社の努力及び先ほど申し述べました破綻未然防止の仕組み等により破綻を生じさせないことが第一であるということは当然のことでございますけれども、生命保険システムの重要性に鑑みれば、預金決済システムと同様、万全の備えを用意いただくことの必要性についても御議論いただければというふうに存ずる次第でございます。
 また、現行の保護機構を中心といたします保険会社の破綻処理手続というものは、保険業法に定めを置く行政手続でございまして、司法手続との連携が未整備であるという問題がございます。銀行等における更生特例法のような司法手続との連携を定めた法律がございませんし、そもそも相互会社については、会社更生法の適用がないという問題がございます。これらの点は、現行の保護機構を作るに当たって、保険審議会に設けられました支払保証制度に関する研究会の最終報告書におきまして、継続課題として明記されているものでございます。
 折しも倒産法の整備につきましては、法制審議会におきまして全般的な見直しの作業が行われているというふうに聞き及んでございます。新債権型の倒産法制をはじめ、今後、立法作業が進むと思われます各種倒産手続を生命保険会社に適用することを考えますと、生命保険の持ちます特質から様々な特例が必要となると思われますので、この点につきましても、当審議会において御検討いただきたいというふうに考えてございます。
 また、生命保険特有の問題を解決するためには、生命保険会社を対象とする独自の倒産法制を検討するべきではないかというような考え方もございますので、併せて御検討願えればというふうに考えてございます。
 繰り返しになりますけれども、生命保険システムは、国民にとりまして預金並びに決済システムにも勝るとも劣らない重要な社会的インフラでございます。この生命保険システムを安定化させるために、私ども生命保険業界は最大限の努力を行ってまいりたいというふうに考えてございます。皆様方におかれましても、早期に、かつ確実に生命保険システムの安定化が一層図られますための様々な仕組みにつきまして御議論を賜ればというふうにお願いする次第でございます。
 以上でございます。どうもありがとうございました。
○倉澤部会長 どうもありがとうございました。
 先ほど、お二人のお話を伺った後に、まとめて質疑応答と申し上げましたけれども、本日は、3.の?のテーマにつきまして、お二方もお呼びしておりますので、大変恐縮でございますけれども、特にこの際とお思いの方、お一方かお二方ぐらいございましたら、質問ないし御意見を承りたいと思います。
○石委員 いいですか。
○倉澤部会長 はい、どうぞ、石委員。
○石委員 ごく簡単に、お二人に一つずつ、さらに突っ込んだ御説明をいただきたいんですけど、まず、田山さんの方で、算定会が規制緩和によって、要するにどんどん競争条件に特化してきたということは大いに結構だと思いますが、認可の手間が大変で当局も大変だろうという同情を示されている中で、届出制を拡大しろという。私は当然そうだと思うんですけど、 100%届出制でいけないんですか。恐らく業界でいろいろ行儀の悪いような商品を出して迷惑をかける人に対して、当局がチェックしてくれという意味もあると思いますけれども、その辺は規制緩和と言えば当然のこと、届出制を拡充ではなくて、もっと完全にというふうに話がいくんだろうと思いますが、その点をどうお考えかということ。
 それから、寺阪さんには、簡保の方が御心配であることは十分わかりますが、もうちょっと具体的に、何か今の段階で業界として言うことが必要ではないかと。これは郵貯と銀行界、しょっちゅうこの問題をやっているわけですよね。民営化しろということになると腰が引けたということも銀行界にあるんですが、どうして公平性を確保したいかという点、もうちょっと立ち入った御説明をいただけたらと思います。
○田山オブザーバー では、田山でございます。私の方からお答えしたいと思います。
 我々も全面届出制というのもあるんじゃないかということで、社内では議論したことがございますけれども、これはやっぱり御契約者の性格によるんだろうなという気がするんです。例えば大企業とか、いわゆる企業物件について言いますと、これはある意味ではプロとプロとの関係ですから、お互いに十分理解して契約をするということになると思うんです。ところが一般の個人の方になりますと、これはやはり個人の方というのは、失礼ですけれども、保険についてそんなに玄人の方というのは余りいらっしゃらないわけで、そういう意味では、ある程度の規制というのは、その部分についてはやっぱり必要なんじゃないかという感じがいたします。
 そういった意味で、企業物件については、私は届出制をもっと拡大していいんじゃないかという感じがしますけれども、やっぱり個人の方については、いわゆる認可制の枠というのは残す必要があるんじゃないかなという感じがいたします。
 以上でございます。
○倉澤部会長 寺阪オブザーバー、いかがですか。
○寺阪オブザーバー 簡易保険の事業に対します生命保険業界のスタンスは、従来より銀行業界が郵貯に対するスタンス等がございますように、同じようなスタンスでやってきておりますけれども、少し郵貯対銀行との関係より後ろに控えているように見えて、なかなか皆様方にはよく承知されてないのかなというふうに思いますけれども、私ども基本的に民営化ということをかねがねより主張してまいっておりまして、今年度も簡易保険と私ども業界との間でいろんな問題が出てまいっておりますけれども、基本的に民営化というスタンスの中でいろいろ御意見を申し上げてきておるということでございまして、ちょっと今日は手元に資料がございませんので、もう少しディスクロージャーの問題でありますとか、資産運用の制限の問題でありますとか、いろんな観点から簡易保険に対して物を申してきておりますので、また別途、その資料等を配付させていただければというふうに思います。
 以上でございます。
○倉澤部会長 それでは、森崎オブザーバー、お願いします。
○森崎オブザーバー フィンディア、外国損害保険協会の森崎でございますけれども、時間がないということなので、結論だけを3点申し上げたいと思います。
 まず、算定会制度でございますが、先ほど田山さんの方から御説明がありましたとおりでございますけれども、現在、参考純率を算出できるということになっていますが、この参考純率というのが問題でございまして、私どもは、ロスコストデータを提供する保険センターのようなものに算定会は変身すべきであると、こういう提言をしておりました。
 なぜ、その参考純率に問題があるかといいますと、純率ということになりますと、例えばインフレ率でありますとか、テクノロジーの進化の度合いでありますとか、そういう諸々のエレメントを計算いたしまして出すのが純率でございます。これは本来は、個別会社が個別会社の戦略に沿って計算すべきものでありまして、そこまで算定会がやる必要はない。これは使用義務がないんだから、もしくは会員にならなければいいじゃないかという議論がございますけれども、今の商品審査の体制で申し上げますと、算定会の参考純率を使った場合には、その部分につきましてはほぼフリーになるということなので、これは水が低きに流れるように、自然と参考純率を使う会社が増え、確立化するということでございまして、私どもとしましては、ロスコストデータを算出し、これを提供する保険統計センター。その場合には、現在算定会は二つございますけれども、これを一本化してコストを低減し、保険料の低減に資するということが必要ではないかと思います。
 それから、第三分野でございますが、第三分野はちょっと誤解があると思いますけれども、大蔵省の認可行政の中における長崎の出島のようなものでございまして、当時は諸々の規制が十重二十重とあったということの中で、外国の保険会社は出島に入っておれということだったわけでございます。もう出島は要らなくなったから出てこいと、こういうお話なんでございますけれども、果たして今申し上げましたように、それから、田山さんからもお話が出ましたように、審査体制にやや懸念があるというようなことで、本当に規制撤廃もしくは緩和、自由化がそれほど進んでいるのかどうかということにつきまして、やはりきちっと検証をする必要があるんじゃないかというふうに考えております。
 それから、最後に、保護機構のところで、これは破綻をすれば解約返戻金を受け取って新しい会社に行けばいいというのは、そのとおりでございまして、この面につきましては賛成でございますが、損害保険会社も積立型の保険をやっているところがかなりございまして、特に日本の会社は多いわけでございます。これは3年、5年、10年と、生保に比べますと中長期ではないわけですけれども、やはり問題があるわけですね。私どもは、この保護機構を作るときに、支店形式の外国会社としましては、支店が破綻をするということはあり得ませんので、この保護機構に疑問を呈していたわけでございますけれども、大義につくということで保護機構の創設に参画をいたしました。この中で考えますのは、やはりこういう積立をやっている会社、とりわけ中小の会社につきまして問題が出ないように、いろいろ業界としても対応をしていく必要があるのではないかというふうに思いますので、単なる解約返戻金をもらえばいいと、こういうことではないのではないかというふうに思います。
 以上でございます。
○倉澤部会長 田山オブザーバー、何かございますか。
○田山オブザーバー こればかりやっていると時間がたっちゃうと思うんですが。
○倉澤部会長 議論の方は今後この部会としてやっていくので、基本的には今日はヒアリングということでございますが、もし何かございましたら。
○田山オブザーバー 最初の算定会のところでございますけれども、ここについては、我々の認識としては、データバンクの機能も当然算定会は備えているわけで、純率を算出することによって競争制限的になるかというと、そこは必ずしもそうではないだろう。むしろ例えば中小社のことを考えますと、なかなか純率を出せないというところもあるわけでございまして、そういったサービス機能としては必要じゃないかなという気がいたします。現実にアメリカのISOでも、必ずしも大手社はそこのデータは使ってないというケースもございますので、これはちょっと私の立場としては違うんじゃないかという気がいたします。
 その他もいろいろございますけど、余り時間がたってはあれでございますので、これだけ。
○倉澤部会長 今も申しましたように、いずれこういう問題も、当部会で委員の皆様が今日のヒアリングの内容を御記憶いただいて、御議論になると思いますので、これで3.の?については終わりとし、次へ進めさせていただきたいと思います。
 続きまして、本日のもう一つのテーマであります「資金調達サイドから見た金融市場のあり方」に移りたいと思います。
 本日は、大企業における資金調達環境の変化の観点から、住友化学工業の光畑吉高財務部長に、また、中小企業における資金調達環境の変化の観点で、プラザクリエイトの大島康広社長にそれぞれ御足労願っております。どうもありがとうございます。
 それぞれ報告者の所属会社及び個人の経歴等につきましては、簡単な御紹介として、配付資料3−3を御参照ください。
 それでは、順に、まず、光畑部長からお願いいたします。
○住友化学工業光畑財務部長 住友化学の光畑でございます。
 まず初めに、レジュメに沿って話をさせていただく前に、別紙のマル1で当社の概要を簡単に説明させていただきます。
 売上高は、単独で 6,000億円強、連結で1兆円。有利子負債は、単独 4,000億円強、連結で 6,000億円強の総合化学会社でございます。海外資産は連結総資産の10%強を持つ、化学業界の中では比較的国際化の進んだ企業として認知されており、このため、英国、オランダ、米国に海外金融子会社を持っております。格付は表のとおりですが、Moody's、S&Pについては、いわゆる確定格付でございます。
 それでは、レジュメに沿いまして、まず、1.の「当社の資金調達方法の変化」について、別紙マル2で説明させていただきます。
 当社の直接・間接の調達比率は、1985年の間接対直接の86対14が、直近では28対72に劇的に変化しております。取引金融機関数も、当時の87から現在は33へ激減しております。ただ、直接金融化をさらに推し進めるかにつきましては、間接比率25%程度が資金の安定性を考えると一応の限度と考えております。
 この間、銀行との取引関係も変化しております。資金不足の続いた高度成長期は、取引銀行はできるだけ広げておりましたが、安定成長期には、業務の合理化も考え、取引銀行数を減少させてまいりました。今後もラストリゾートとして、メインバンクを含めたコアバンクスには期待はしておりますが、従前のように、困ったときには何とかしてくれるだろうという安易な考え方ではなく、コミットメントライン契約の締結のように確固たるものにしております。また、コアバンクスのメンバーは、財務体質の強い銀行が必要条件になると思っております。
 次に、2.の「金融制度改革の活用」ですが、当社の財務戦略を実現する上では、制度改革、規制緩和、金融技術の発達などが貢献しております。別紙のマル3の方にも多少書いておりますが、当社は、1997年から本格的にCP市場で短期資金の調達を行っております。日々の資金繰りの調整を、従来は多額の余裕資金で行っておりましたが、現在はCPの発行の期間・金額の機動的な調整で行っております。この結果、余裕資金残高を大幅に引き下げることができ、資金効率の改善ができております。また、長期資金につきましては、社債限度枠が撤廃されたことにより、1994年5月に第1回の国内無担保普通社債を発行し、以降、必要資金の全てを国内の普通社債で賄っており、長期かつ低コストの資金を機動的に調達しております。
 その他、居住者間の外貨決済自由化により銀行間の競争が促進され、手数料の引下げに結びつき、規制緩和のメリットも受けております。
 続きまして、3.の「最近の調達環境」につきまして述べさせていただきます。
 一昨年あたりから、金融機関が取引企業を選別するという動きが多く見られるようになってきたことが感じられます。当社におきましても、複数の大手金融機関から、恒常化している短期借入金を返済してほしいとの要請を受けました。ただ、当社であれば、CPや社債などの直接調達市場からの調達が可能であり、その方が低コストであることが理由に挙げられておりましたし、実際そのとおりですから、いわゆる貸し渋りとは違いますが、選別が進んでいるものと推察しております。
 一方、金融機関ごとの体力格差が借入条件の格差に鮮明に現れるようになってきておりますので、私ども側からも選別をせざるを得ない状況となっております。ただ、当社の関係会社の中には、足元の調達に苦労している会社もありますので、私自身の印象としては、多くの企業が金融機関の貸出し姿勢の急速な変化、一律的対応に翻弄されているという感じを持っております。
 借入条件、借入の安定性を考えますと、信用力の高い外国銀行を活用する方法で考えざるを得ないのが現状であります。御存知のとおり、円の世界ですら、いわゆるジャパン・プレミアムが存在しているように、邦銀各行は、それをそのまま企業の借入金利に上乗せしております。ただ、外国銀行も現在はリスクテイクに慎重になっておりますし、貸出予約も限られておりますので、ジャパン・プレミアムの存在が日本企業の国際競争力を弱めているものと考えられます。
 また、当社におきましては、国内では1年ほど前の一時期に、CP市場の混乱により金利率が高騰する場面がありましたものの、その後は、先ほど述べましたとおり、直接調達により必要資金をほぼ円滑に調達しておりますが、急速な事業展開を図っております海外におきましては、一昨年の後半から1年以上にわたって外貨資金の調達に大変苦労しております。特にアジア地域におきましては、外国銀行も融資に慎重になっておりますことに加え、邦銀各行も撤退ないしは資産圧縮を進めておりますので、容易には外貨資金を調達できない状況にあります。
 当社は、欧米の金融子会社を通じてユーロ市場におきまして資金を調達しておりますが、ここでもジャパン・プレミアムの影響を受けて金利率が高騰しておりますし、資金の確保そのものにも困難な場面に直面しております。このため、ここ1年間のアジア地域での資金は、その多くを日本輸出入銀行の資金に頼っているのが現状であります。
 最後に、4.の国内の金融機関・金融市場に対する私の要望について述べさせていただきます。
 まず、第1には、本邦金融機関の信用力の向上であります。先ほど外国銀行の活用の方向を述べましたが、やはりまだ外国銀行がメインバンクになる、あるいはコアバンクスの大半を占めるという状況は望ましくないと考えております。グローバルな外国銀行といえども、本国のマーケットの状況、本体の業績動向が、出先である日本の市場に対する方針を急激に変化させる可能性がありますし、一般的には短期的なリターンを重視する方針と考えられます。また、日本の市場、日本の企業に対する審査能力には若干の疑問が残りますので、やはり長期にわたって安定的な関係を続けられるのは日本の金融機関だと考えております。
 ただ、現状を見ますと、例えばグローバルなキャッシュ・マネジメント・システムなどにおきましては、外銀の方が数段優れているように思われますので、このままですと、グローバルな事業展開をしている大企業は、ますます外国銀行への依存度を高めざるを得ないのではないかと危惧しております。
 また、信用力の向上とともに、専門化、集中化によるコスト競争力の一層の強化が必要ではないかと思います。外国為替、デリバティブ取引、キャッシュ・マネジメントなどの先進分野では非常に質の高いサービスが求められますし、そのためには多大な投資が必要となるでしょう。どの大手金融機関でもほどほどのサービスを受けられるけれども、一歩進んだサービスになると外国の銀行に頼らざるを得ないという状況は極めて非効率です。私ども企業財務の立場からは、各金融機関が、例えばグローバルに展開し、トータルの財務アドバイザーになり得る金融機関であるとか、コスト低減を追求する専門分野を持つ金融機関であるとか、その独自の方向性を明確にしていただけると、より安心して取引を継続することができると考えております。
 次に、直接調達市場について述べさせていただきます。
 まず、社債市場の一層の活性化、多様な投資家の規制がぜひとも必要であると考えます。日本では、まだ厚みのある多様なリスクテイカーが存在していないため、信用力の低い企業には、事実上、直接調達の道が閉ざされていると言わざるを得ません。こうした企業に対しては、銀行などの金融機関が資金仲介をしているわけですが、直接調達市場が存在しないため、信用力に応じたプライシングが未成熟ですし、硬直的・画一的な対応となっているように思われます。
 私見ですが、これを変えていくには、最終的な資金の出し手である個人投資家を啓蒙し、米国にあるような税制面での優遇措置などにより、多様な金融商品に向かわせる以外に良い方法はないのではないかと思います。それには、広い意味での金融機関に高い商品開発能力が求められますし、質の高い債券アナリストの育成が望まれます。また、CPにつきましても市場の育成が必要と考えます。当社の場合、足元の発行は比較的容易ですし、低廉な資金調達が可能ですが、これは、日銀のCPオペや銀行がCPを保有しやすいような環境整備によるものですから、裾野の広い投資家に支えられた安定的な市場とは言いがたいと思われます。市場の成熟を促すためには、欧米市場のように、CPのペーパーレス化、決済機構の整備が必要であろうと考えます。
 最後に、御当局への要望ということになります。
 先ほど述べましたように、日本輸出入銀行の緊急融資枠の設定などは大変ありがたく、随分と活用させていただいておりますが、金融子会社を通じた融資などについても弾力的に対応していただければ、企業財務といたしましては、さらに柔軟な対応が可能になるのではないかと思います。
 また、株式持合い解消の問題は、企業にとって大変大きな問題です。持合いの解消は避けられない流れでありますし、資金の効率的運用は、企業が生き残っていく上でぜひとも必要なことですが、現在のように、金融機関を中心として大量の株式が市場に出ますと、折角立ち直りつつある景気に水を差しかねないと思われます。したがいまして、制度面、税制面での問題が早急に解決されることを強く望みます。
 以上でございます。
○倉澤部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、引き続き、大島社長、よろしくお願いいたします。
○プラザクリエイト大島社長 プラザクリエイトの大島です。よろしくお願いいたします。
 先日、この審議会「第二部会」で話をせよというふうにお話をいただいて、とてもとてもということで御遠慮させていただいたんですが、この部会はお聞きになる方も比較的若い方が多いので言いたいことを言っていいんじゃないかというふうにお話しいただいたので、それではということで。ただ、こちらに来させていただくと、あの方の「若い」という価値基準はどこにあるのかな。大変私のような経験浅い者がお話しさせていただく失礼をお許しいただけたらと思います。
 私は、余りレジュメ的なものを作っておりませんで、自分の今までの経験談と、昨年1年間、日本で店頭登録をしようとしていた子会社をアメリカのNASDAQの方へ振り向かざるを得なかったということで、昨年の1年間、月のうち1週間アメリカで過ごしておりました。その中で感じたことを含めて、自分の今までのお恥ずかしい歴史をちょっとお話ししたいと思っております。
 私自身は、お寺の息子に生まれまして、なぜそれがこういうふうになっているのかということは、私自身も複雑な思いなんですが、大学時代に小遣い稼ぎで始めた写真撮影業が、大学2年のときに税務署の方からお電話をいただいたということで、それで会社を作れというところから事業が実際スタートいたしました。これは本当のことでございまして、どなたかがお電話いただいたんだと思いますが、法人登記をしていなかったということで、当時、母親も大変そういったところからお電話をいただいたということで驚いて、一緒に何度も行ったことを、今さらながら覚えております。
 そして、大学の2年のときに、株式会社中部写真という会社を設立いたしまして、写真の撮影業を始めました。そんなに資金も必要のない、カメラ1台で証明写真を撮ったり、また、写真の材料の流通というのをおもしろおかしく始めたわけです。自分の中では、どのみちこのお寺を継がなくてはいけないからという身の上なので、アルバイト半分で、おもしろおかしくできたという状態です。
 そこで、税務署の方が来ていただいたので、会社を作ることになったのが二十歳のときです。その後、ショップ事業の方をぜひ始めたいということで、写真のDPのショップ、ミニラボショップというものを22歳のときに1号店を始めました。それまで資金の調達というのは余り必要もなく過ぎておったわけですけれども、このショップを出すというときに、やはり 2,000万円近いお金が必要になりまして、そのときに事業計画書を作って、とりあえず近くの金融機関に参りました。ただ、率直なところ、窓口で一生懸命話はするんですけれども、結論から言うと、22歳だという年齢がやはり難しくて、なかなか聞いているようで聞いてくれていないという状態だったと思います。結論として、その30分ぐらい話した後に言われたことは、父親を連れてきなさいという話でございました。
 父親を連れて一緒に行きました。そして、そこで言われたことは、「担保がありますか」ということでございます。コマーシャルバンクの通常の流れだと思います。そして、おばあちゃんが30坪の駐車場をちょっとやっておりまして、その駐車場を担保に、私の事業というよりも、その駐車場を担保に 2,000万円というお金を出して、1号店のお店を作るまでに至りました。
 そのお店が大変順調に進みまして、その後、そのお店がフランチャイズ・システムなんかを導入することによって 300店、 400店というふうに進んでまいります。1993年に 300店舗近くにまでお店が増えてまいりまして、大変写真業界の中では急成長させていただくことになりました。
 その間、大企業からのいろんな圧力とか、いろんなものがあったんですが、それをはねとばしながら、厳かに、また、水面下で進みながら、 300店を突破したときには借入れもやはり億単位というか、そろそろ家族の担保も全てを出し尽くし、私と母親、父親の全ての保証人を、3人の保証人を付けての借入れにまで発展をしておりまして、これ以上何もないという状態までいったところで、大体経常利益が 5,000万円ぐらいコンスタントに出て、その次は億単位までの経常利益を目指すかなというところで、証券系のベンチャー・キャピタルが、多分申告の数字を見て、来ていただいたんだと思います。そのとき直接金融というようなものを初めて知りました。こんなことがあるのかと。こんなことがあるんだったら、早く金融機関さんは教えてくれればよかったのにと思うような感じもありましたが、そういった御指導もあって、自分で資本政策とか、いわゆる直接金融というのを勉強するようになりました。
 直接金融の体制に持っていかないと、とてもこのままの自分の周りの財力だけでは次のステップまではいけない。又は、フランチャイズをやっていましたので、加盟店が守れないということで店頭登録を目指すことになりました。1994年に、初めて第三者割当てをやって、そしてその後、それをばねにした資金調達をいたしまして、1996年の7月に店頭登録をさせていただきました。
 1996年の7月当時といいますのは、まさしくベンチャーバブルの真っただ中で、いわゆる土地とか、そういったところにいったお金が、基本的なバブルが弾け、その次は、1995年、6年、7年の3年間、特に若い会社だったらいいと。インターネットだったらいい、デジタルだったらいい、コンピュータ関連だったらいいというような十把一からげ的な考え方で金融機関及びその系列ベンチャー・キャピタル等が融資、投資等を含めて、そういった会社に一気に資金が流れた時期でもありました。当社も、1,630 円以上で入札をしてくださいという価格が、いきなり 8,800円まで平均落札価格が上がるという事態でした。なぜかディスカウントをしろというふうに言われて、6,680 円で公開のスタートをいたしました。
 それはいいんですが、その2カ月後には1万 9,200円まで上がるというような、まさしくベンチャーバブルだったと思います。そして、それをすぐ、これは高過ぎるのでということで、異常なぐらいの分割をするということで、いきなりそれで公開2カ月後には、もう3割無償というような考え方になるわけです。実質的に1万 5,000円という金額になりました。
 ですから、その当時のベンチャーバブルがすごく異常であったというか、異常であったかどうかは別として、全てのそういう若い会社に、いろんな資金がとにかく回った時期でもありました。おかげさまで、当社はそういう中でも比較的健全にやらさせていただいて、今日現在生き残っておるわけですが、そういった時期に公開までいけずに、昨年なくなっていった会社が、良いも悪いもたくさんございました。それはなぜならば、そのギャップに耐えかねなかったと。余りに多くの資金が入り過ぎたというベンチャーバブルと、昨年、余りに多くの資金が引き過ぎたというのが十把一からげで起こった現象が埋め切れなくて、去年なくなっていった若い経営者がたくさんおります。
 そういう状況の中で、昨年の1年間の中で、特に昨年の前半、私どものプラザクリエイトの子会社で、メーカー事業にチャレンジをしていて、大変これは将来有望な会社がございまして、これを店頭に上げようというふうに2カ年、3カ年計画でやっておったわけですが、やはり昨年のプラザクリエイト自体の株価も、1万 5,000円から97年の後半からがたがた崩れて、昨年は 8,000円、 7,000円、 6,000円。どんどん下がって、昨年の秋には 1,000円近くまでいってしまった。とてもこれは公開するメリットもないし、魅力もないということで、昨年の前半から、日本の会社を子会社として、アメリカの会社を親会社とするような方向に、昨年の4月に意思決定をいたしまして、NASDAQに向けた動きに急遽変更いたしまして、それからNASDAQに向けた実質的な作業をアメリカでするようになりました。
 具体的には、ベンチャー・キャピタル・ステージからは超えておりましたから、インベストメントバンクを回るというようなことで、幸いにもアメリカを親会社にしたということで、大変日本の魅力的なものと、アメリカのまた魅力を足した企業であるということで、インベストメントバンク11行からアンダーライティングをやるというような御評価をいただいて、そのときに、まず大変驚いたことは、日本の金融機関が、その当時プラザクリエイトの株価も下がってきたので、その子会社に対して、余りこういう言い方はよくないのかもわかりませんが、私に対して、とにかく担保の積み増し積み増しというのを毎日のようにある一つの銀行から言われておったんですが、とてもこの会社は将来がないというようなことだったんですが、アメリカのインベストメントバンクが出してきたこの会社の時価評価というのは、 200ミリオンという評価をいきなり将来価値として出してきて、その将来価値を現在価値に置く。それで調達を十分いたしますよ。NASDAQまで引っ張っていきますよという、この日本のいわゆる現在価値とアメリカの将来価値とのギャップというものにすごく驚かされました。
 そこで、ちょうど先週クロージングして、これは来週か2月中にディスクローズをするんですが、アメリカで20ミリオンの調達を3カ月で果たし得ました。まさしくNASDAQのラインに乗っておるわけです。
 こういったものの意思決定、私自身が日本に生まれて、日本で30代の企業で、そして店頭までいかせていただいて、それなりの信用とか資金の余力というものを持たせていただいて、そして、そういうのが何とかまた次に日本で新しい産業をというようなことで、自分自身大変思っておったんですけれども、そういった意味では、アメリカに軸足を置いた企業にしなくてはいけないというのが、すごく断腸の思いであったことをここで申し上げたいと思います。
 このような経験の中から、日本の店頭市場なんかに創業30代経営者が本当に片手しかいない。5人近くしかいないというようなことに大変問題意識をかねてから持っておると同時に、そこの大変大きな改革が、やはりこれからの新産業の育成とは言いませんが、大変課題であるというふうに認識をしております。
 昨年アメリカに行っておりまして、アーリーステージの会社から大きくなっていくようなステージを幾つか見てくる中で、幾つか感じたことがございます。それが全て日本に当てはまるわけでもなく、良いところと悪いところがたくさんございます。
例えば、小さな会社が大きくなっていくときの日本の場合は、私の経験から言えば、本来アメリカでベンチャー・キャピタルと言われているようなものの場合は、本来のアーリー・アーリー・ステージの創業のところというのは、日本の場合の資金調達というのは、私の経験から言うと、金融機関がどうこうというような、また、ベンチャー・キャピタルがどうこうというような必要性はないのではないかというふうに思います。
なぜならば、土地をちょろっと持っていたり、親族とか周りの人たちが意外と裕福だというか、それなりの本来のスタートアップ資金というのは、周りの環境から何とか出すことができる。最初から1億、2億出すような企業のスタートというのはないと思いますので、そういった意味から言うと、私の場合も、意外と親とか、又は周りの親族、又はそれなりに出合った方が、それぐらいだったらおまえにチャレンジしてやろうかというような環境が日本にはあるんだというふうに思います。
 そういった意味から言うと、日本的な文化で言うと、そういう方の協力も得られない、そういう方の資金も最初のステージで調達できないような人が、その後の成長もしていくということは、余り考えられないのではないかというふうに思います。ですから、そういった意味では、アーリー・アーリー・ステージ的なところの支援というのは、金融的には余り必要ないんじゃないか。
 その次のステップで、そういったステージを超えたところで小さく成功していくというところで、私は問題意識を持っておりますのは、やはり小さい会社がもう一つステップを上げるところには、やっぱり人材問題というのがあるんですが、日本の場合は、本来小さい会社がちょっとステップを超えて中企業になっていくときに、人材のエグゼクティブクラスの流動性というのがすごく低い。いわゆる小さな会社にブランドを持った方が行くことに対して、余り魅力を感じないという状態が一つ問題だと思います。当然、私のような20代の前半の者が10億の会社を 100億にしようと思いますと、そのステージにはそれなりの組織作りとか、金融機関に行ったり、お取引先に行くときに、それなりの年齢の方が一緒に行くことと、また、そういった方がやることは大変大きな差が日本の文化にはあるように思います。
 そういった意味では、大企業でいろんな経験をされた方がこういったベンチャー企業に入ることを、豊かさのチャレンジのためとか、そういうベンチャー企業を自分もチャレンジするんだ、一緒に夢を共有するんだというような風土作りというか、そのための豊かさを享受できるようなストック・オプションの制度的なものも含めて、検討する必要があるんじゃないかというふうに思います。
 それから、ステップ3のところで、そういった中企業ぐらいまでになったときに、今度出てくる問題として、店頭登録というのが全て基本的には入口になるわけです。この規制の問題というのが、例えばベンチャー企業で成長力のある会社は、店頭登録までいって、そして、そこからさらに成長しなくてはいけないわけですから、店頭登録までのいわゆる規制の問題、制限期間等を含めて、この直近の1年、2年の資金調達とか組織作りの問題というのは、大変大きくその後の企業の状況を左右するわけです。
 アメリカの場合でいけば、NASDAQへ上がる直近までいわゆる調達ができるというような状況から考えますと、ここの規制の問題はなぜこういうふうになっているのか、全く私にとっては意味不明な状況です。ですから、本当に店頭登録をするために企業の実態組織の変化を1年以上にわたって拘束されるような状態が、私の経験からもございました。その当時私も、それがそうなんだということで納得をしておったんですが、今考えてみると、何の意味があるんだろうというふうに複雑に思っております。もちろん、それは今の店頭登録銘柄のいろんな課題がある。又はディスクローズの問題等を含めた大きな課題がそれ以上にあるということを前提に申し上げた上でございます。
 よって、現在価値、将来価値というようなギャップとか、そういったような問題をいろいろと考えてみると、結局日本で私どものプラザクリエイト・グループも、今、グループで 450億ぐらいの今期連結売上になりますが、この10年足らずの歴史の中で、雇用に関しては、正社員がグループで 600名になっておりますし、フランチャイズに加盟された方は 400名近い脱サラの方が私どものお店を作り、事業化されておりますし、 1,000店舗のお店で頑張っていただいているパート・アルバイトの方々も、それ×3とか4という主婦の方々がアルバイト・パートをやっていただいておりますから、大変大きな雇用には貢献しているんではなかろうかと思います。
 そういった現状から、結論から言うと、私は、店頭マーケットのビジョンというものをどうお持ちなのかということを大変考えていただきたいというか、もちろん、今の店頭マーケットが良いわけではなくて、その中の銘柄には、様々な課題を抱え、本来のディスクローズを健全にされてない会社もあるというふうに認識をした上で申しておるわけですが、まず店頭マーケットの健全化を行う必要があるんじゃないかと思います。その健全化を行った上で、まず店頭に上がることを魅力に感じるような起業家をきちっと育成していくという教育問題も含めて。
 ただ、私が思うに、分母はたくさんいる。すごく分母はいる。ただ、その分母が今の店頭マーケットを見たときに、本当にこれが魅力なんだろうかと思うようなマーケットにはとても感じられないような状況になっているんじゃないかと思います。それが至急の課題であると思います。これは証券業協会等の問題もあるんじゃないかと思いますが、今、店頭にいるそれなりの有力銘柄、私どももそういうふうだと思っておるんですが、大変若手の30代、40代でよく話し合います。特に去年の後半ぐらいから、店頭はこのままでいいんだろうか。東証にどうしても行けない会社がいるというような認識もありますし、やはり投資から見た場合の信用のない会社。本来、私たちが店頭に要望するイメージというのは、やっぱり若くて成長力があって、次の時代を背負っていくという会社が店頭にいるんだというような、アグレッシブさを感じさせるようなマーケットであってほしいと思っておりますので、そういうマーケットにもう一回健全化をしたいというふうに考えております。それを証券業協会等にも、5〜6人の若手経営者が、もうこのままだったらみんな抜けるぞというような直談判も来月やろうというふうに考えておるわけです。
 政府の資金が、例えば昨年なんかも、いろんな中小企業に対して、私なんか見ていると、本当にあそこまでやるのかと。どうもベンチャーバブルに似たような中小企業のいわゆる保証枠だとか、そういったことをやられておりますが、私はもう一つは、今、店頭マーケットの規制緩和とか、マイナスでも将来成長のある会社には適切なディスクローズをすれば、赤字がやっていても公開できるんだというような仕組み作り。もちろんインベストメントバンク機能を誰がやるかというのもありますし、それから、投資家へのきちっとしたリスクの説明というようなものを含めた、これは最緊急課題だというふうに思っておりまして、そして、あれだけの保証枠を中小企業に出すのであれば、店頭マーケットに対しても、1兆円とか 5,000億円ぐらいのお金を投じれば、このマーケットをもう一回、本来伸びるべきところにお金がきちっと入って、健全化ができるんだというふうに思っております。
 そういった意味では、今はまた、ざるのような状態でちょっと中小企業に生き延ばらせているんじゃないかなというふうに、昨年の10兆円か何か知りませんが、出ているんじゃないかなとすごく思っておりまして、まずは、これから会社を興して、次の産業を興そうというような若いのがいっぱいいますので、そういう人たちが魅力に感ずるような仕組み作りを早急に作っていただきたいなというふうに思っていまして、私は、残念ながら一つだけ大変有意義な、ぜひこれは日本の会社で、日本で公開したいという会社をNASDAQの方に持っていくことになってしまいましたが、聞くところによりますと、日本に軸足を置いた優秀な会社が、店頭も東証も行かずにNASDAQに上がっていくというのが今年初めて出るそうですが、何かこのままではちょっと残念だなというふうに思います。ぜひこういったところに至急手を打っていただくように願い入って、私の話を終わらせていただきます。
 失礼いたしました。
○倉澤部会長 どうもありがとうございました。
 この部会メンバーにはない、金融調達サイドの現場の声を聞く貴重な機会でもありますので、報告の順番には関係なく、どうぞ、興味を持たれた点について、御質問なり御意見をお出しいただければと思います。
 深尾委員、どうぞ。
○深尾委員 光畑さんのプレゼンテーションについて、一つ質問があるんですけれども、株式持合いをしていらっしゃるわけですから、銀行の株主でもあられると思うんですけれども、銀行部門の能力といいますか、業務能力について、相当外銀に比べて見劣りがする。外国の金融機関に比べて見劣りがするということですけれども、それであれば、銀行の経営に対して、株主としてもっとプレッシャーをかける。場合によっては委任状なり、議決権について注文をつけるといったようなことは、当然、持合い企業であるサイドから言っていけるのではないか。別に当局が出ていかなくても、銀行の経営を良くするように株主としてプレッシャーを与えるということは可能ではないかと思うんですけれども、こういった点について、何か考えていらっしゃるのかどうか、お伺いしたいと思います。
○住友化学工業光畑財務部長 まず、日本の銀行の経営がちょっと弱いとか、そういう意味で申し上げたのではなくて、サービスの内容で外国の銀行とは違う面があるという点を私は言いたかったのでございます。
 先ほどの株主として銀行に何か言えるかということにつきましては、これは全く私見ですけれども、今の状況で議決権を行使しないとかいうような状況は、まず無理だと思います。そういうようなところまで、まだお互いに経営をチェックするとかいうようなことにはなっていないと思います。
○倉澤部会長 よろしゅうございますか。
 ほかにどなたか。
どうぞ。
○高橋オブザーバー 日本証券業協会の常務理事をしております。今、証券業界のことに触れていただきましたので、この場で反論するというつもりはないので、来月、皆さんでおいでいただけるのを大変楽しみにしておりますので、ぜひいろいろな御意見を聞かせていただきたいと思います。
 御承知だと思いますけれども、店頭市場について、今、御自分の経験も踏まえて、それをどう活用して大きくなられたかというお話、大変興味深いし、私どもとしても非常に良いお話だったと思います。店頭市場というのは、昨年の金融システム改革法によりまして、取引所と並ぶ取引所ということで、その位置づけというものもはっきりいたしましたのは御承知のとおりだと思います。それを踏まえまして、既に昨年の12月1日から登録基準でありますとか、あるいは退出基準でありますとか、そういうものも改めまして、今おっしゃったような若いベンチャーの企業の方が利用しやすいように、また、店頭登録された後も居心地が良く資金調達市場として活用していただけるようなマーケットになっていただくという大幅な改革をいたしました。また、そういうために、マーケットメイクという制度を店頭市場の中の特徴として位置づけていくということも始めまして、これもかなり順調にマーケットメイクの数が増えてきておりますし、マーケットメイカーの数も増えてきているということで、特色のある、また、そういうベンチャーの方が利用しやすいようなマーケットに変わりつつあるのかなという気がいたします。
 昨年、子会社の方が日本の店頭登録市場に飽き足らないでNASDAQに行かれたという話、どういうところが問題だったのかということは必ずしもはっきりおっしゃらなかったと思いますが、一つおっしゃった公開前基準というのがあるんですね。これにつきましては、今おっしゃったような公開前の基準が厳し過ぎるのではないかという御指摘は私どもも伺っておりまして、今これについては、早急に公開前基準というものを、そういう資金調達の必要性というものを制約している面があるとすれば、それをどう解決していくかということは、今非常に大急ぎで検討中という段階になっております。その点については期待をしていただきたいと思います。
 さらに、今まで、既に12月にやった改革を含めまして、大幅な改革を既に報告書という形で打ち出しておりまして、今、鋭意それを着実に実施に移しておりますので、店頭市場そのものにもぜひ期待をしていただきたいと思います。
 それに加えましても、今、若い経営者の方々が店頭市場についていろいろ議論しておられるのは、大変私どもにとってもうれしいことでございますので、ぜひそのお話を聞かせていただきたいというふうに思います。
○倉澤部会長 ほかにどなたかございますか。
 よろしゅうございますか。
 それでは、光畑さん、大島さん、本当にありがとうございました。
             〔光畑氏、大島氏退席〕
○倉澤部会長 以上で本日の論点は一通り終了いたしました。
 最後に、次回の日程につきまして事務局より御説明させていただきます。
 三國谷課長、お願いいたします。
○三國谷企画課長 次回の会合につきましては、二つのうちのどちらかということでございまして、3月3日(水曜日)の午後、又は8日(月曜日)の午後を予定しております。いずれかに確定次第、正式に御通知申し上げたいと思います。
 なお、テーマといたしましては、一つは、「規制緩和推進3カ年計画への対応」、二つ目は、「特別保険料率に関する検討状況」などを予定しております。よろしくお願い申し上げたいと思います。
○倉澤部会長 それでは、これをもちまして、本日の金融審議会「第二部会」の第3回会合を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
    (以 上)