金融審議会「第二部会」第12回会合議事録

 日時:平成11年9月29日(水)10時00分〜12時00分
 場所:大蔵省本庁舎(4階)第三特別会議室

○倉澤部会長 定刻になりました。ただいまから、第12回金融審議会「第二部会」を開催いたします。
 皆様、御多用のところ御参集いただきまして、本当にありがとうございます。
 本日は、初めに、預金保険制度や金融機関の破綻処理の問題に金融監督行政の立場で関わっておられます金融監督庁から、「預金保険の特例措置の終了を前提とした検査・監督行政」というテーマについて御報告をいただくことになっております。その後、これまで行ってまいりましたヒアリング作業等も踏まえまして、預金保険制度のあり方について、「討議用メモ」等に基づいた自由討議をお願いすることを予定しております。
それでは、まず、金融監督庁長官官房企画課河野課長よりお願いいたします。
○河野金融監督庁企画課長 おはようございます。金融監督庁の河野でございます。それでは、私どもの預金保険の特例措置の終了を前提としました検査・監督行政につきまして、簡単に御報告をさせていただきたいと思います。
また、本日、このような機会を頂戴いたしまして、誠にありがとうございます。
お手元に資料の12−1というものがあろうかと思いますが、これはごく簡単に、これから申し上げますことの内容を記したものでございますが、いずれにしましても、特例措置の終了ということを前提といたしますと、これは平時ということになりますので、平時における検査・監督行政のまず基本的な考え方というところから出発しておりますが、それは、やはり金融機関自身の経営努力と市場規律によりまして、健全性の確保と収益性の向上を図られるような環境を整備することが基本であろう。検査・監督行政としても預金者保護と金融の円滑を図るために最善を尽くすと、これは当然のことではございますが、市場経済の下では、現在のような緊急避難的な事態とまた違った、よりマーケット・メカニズムを尊重するような行政の手法というものを考えていかないといけないであろうというように考えます。
 次が、破綻の未然防止でございますけれども、そういう中で破綻という事態が起こらないようにどういうことができるかということになりますが、検査・監督当局といたしましては、問題金融機関の早期発見と金融機関の経営努力の促進ということを図ることによりまして、破綻の未然防止に最大限努めます。これは、必ずしも行政上の命令ということではなくて、いわばいろいろな指摘をする、あるいは、今日、「行政指導」という言い方は不適切かもしれませんが、様々なヒアリング等を通じて、金融機関が自ら経営努力をしていただけるように誘導していくというようなことが含まれてまいるかと思います。
 具体的には、金融機関自身の適正な内部監査ですとか、外部監査が確保されることが第一ではございますけれども、当局といたしましてもオンサイトの検査体制を強化していく、あるいはオフサイトのモニタリング。これはコンピュータシステムによりまして、金融機関のいろいろなリスク指標のようなものを収集をいたしまして、それをウオッチしていくということになりますが、そのための機構・定員・予算といったものをただいま要求しておりまして、体制の充実が図られれば、今以上のことができるであろう。ただし、それには、実は自ずから限界があるということもまた後ほど申し上げざるを得ないと思いますが、そういう方向で今いろいろ予算をお願いしております。
その次に挙げておりますのが、問題金融機関の早期発見等。この「等」は早期改善ということになっていくかもしれませんですが、その中では、ここにもございますように早期是正措置の適切な運用に努めてまいります。そのために、検査・モニタリングの充実・強化を通じた適切な会計処理を確保する。
 実はこの点は、改善を見つつありますけれども、やはりこれまで金融機関において、その会計処理が必ずしも適切でなかった部分がございましたので、そういった点についての是正を図っていくことがかなりポイントになりますので、あえてここに書いてございます。
 金融機関の経営につきまして、また自己資本のうちコア部分に着目する。この言わんとします意味は、単に基準として8%ですとか、国内基準4%を達成すればよいというものではなくて、やはり自己資本の中で、より自己資本としての性質の強いもの、あるいは逆に不確かなものを除いたものを充実していただく必要がありましょうし、それは何よりも行政がそれを用いてどうこうという以前に、金融機関自身におかれても、やはりそういった面での充実というものが重要でありましょう。いわばTier1をより重視するとか、Tier1の中でも株主資本をより重視する、そういったような考え方を醸し出してまいりたいという気持ちでございます。
 ここまではいわば金融機関の平時における検査・監督という意味で、これは破綻を前提としていないということになりますけれども、もちろん2001年4月以降も破綻という事態が生じ得ることは確かでございまして、今申し上げましたような検査の充実と申しましても、例えば、現在 250人体制でやっております検査、これは予算要求を全額といいますか、機構定員を全て認めていただいたとしましても、検査人員というものは 377人ということで、2倍にもならないということになりますので、ということは、現状主要行につきまして年1回、それから、地銀、第二地銀につきまして2年に1回を目安に検査をするということでございますけれども、これが現状の 250人体制では必ずしも完全にはできない。やはり深度のある、きちんとした検査をこういう頻度でするためには、 377人体制でないといけないということで要求をさせていただいておるんですが、その要求の中身はさておきまして、仮に現在の検査人員を大幅に強化していただいたとしましても、せいぜい年に1回ないし2年に1回というような検査頻度になりますので、これは早期発見と申しましても、限界があるということについては御理解いただけるのではないかと思います。
 やはりそういう意味では、オフサイトのモニタリングも充実・強化いたしますけれども、やはりオンサイトできちんとやらなければならない。しかし、その検査と検査の間におきましては、何はともあれ、金融機関御自身の内部監査なり外部監査による健全性の確保というものがなければ、ある意味では破綻の未然防止も早期発見も、しょせんは限界があるというようなことでございます。
さて、では、その破綻処理に入ったところでのお話になりますが、4番目のところで、万が一破綻が回避できなかった場合には、円滑な破綻処理に移行することが必要でございます。ただ、その場合には、金融機関の破綻の認定及び破綻後の迅速処理が可能となるような制度の整備というものが必要となろうかと思います。これは既に当審議会におきましてもいろいろと御検討いただきまして、日本版P&Aでございますとか、あるいはいろいろな議論の中では、金融整理管財人というようなもの、あるいはブリッジバンクのようなもの、その名前をどうされるか、あるいはその制度の中身は多少変更があるかもしれませんが、そういったいわば多様な処理方法がぜひ必要かと思われますし、また、経済全体に混乱を招かないためには流動性の確保というものも必要になってまいりますので、こういったことがいろいろ手当てをされるということを前提といたしまして、処理を図っていく。
 ただ、行政当局として、行政の権限においてできる部分というのは、この段階になりますと限られてまいりまして、やはりこれは民商法の特例のようなものに則って、ある程度司法手続ないしは準司法手続に則ってやっていただく必要があろうかと思います。
 その際、また私どもの経験上、あえて申し上げたい点が一つございますのは、当局が破綻のタイミングをコントロールするということは不可能でございます。これは今年に入ってからのいろいろな事例におきましても、予想よりもはるかに早かったもの、それから、予想よりもずっと遅かったものというように、まさにケース・バイ・ケースでございますので、その場合には、事前にいろいろ準備をするということには非常に限りがございます。そういう意味で、ある程度十分な事前準備ができなかった場合であっても破綻処理が円滑に進むような手立てがなければ、やはり混乱を招くといった点についても御理解を賜りたいと思います。これは突然死というような事態も想定しないといけないということでございます。
 その次の項目としまして、破綻処理のための事前関与、事前準備というものを挙げておりまして、実はこの「事前関与、事前準備」という言葉は必ずしも適切でないかもしれません。と申しますのは、今申し上げましたように、破綻のタイミングというのはコントロールできないわけでございますので、これは事前の関与とか、事前の準備というよりは、いわばそういう事態が起こる前に、なるべく平時にできることは平時にするといったところからスタートしないといけませんし、また、平時にできないものについては、これはもう破綻手続の中で、いわば制度的な割り切りが必要であるということではないかと思います。
 次のページに、当局による検査の結果を破綻処理に用いる場合には、現行法の下では、検査はゴーイング・コンサーンを前提としておりますので、また、その検査時点から破綻に至るまでのその間に時間的な差というものがございまして、その間に環境が変化いたしますので、そういった点に留意していただく必要があるということをあえて申し上げておりますけれども、ここの心は、もし破綻直前に特別な検査をするということであれば、それは破綻を前提とした検査として、法的、制度的な位置づけがなければ、現在の法制の下では、それはワークしないだろうということまでいろいろ部内では議論として出てきております。
 また、破綻直前に、名寄せなどの事前準備、あるいはP&Aの受皿候補への情報提供を行うことにつきましては、やはり情報がどうしても漏れる、あるいは噂の流布等があるといったことを想定しないといけません。これは万全の注意を払ったとしましても、そういう事態をある程度想定した制度的なバックアップがなければ、執行当局としても如何ともしがたいということになりますので、経済的・社会的混乱につながるようなことのないように、したがって、準備が不十分な場合であっても、迅速な処理ができるような手立てということが必要ではないかということでございます。
 繰り返しになりますが、そういう意味での制度的な割り切りといったものがこの段階になってくると必要になってまいるかと思います。
 いずれにしましても、このあたりで締め括らせていただきますけれども、検査・監督当局といたしましても、当然のことながら、新制度の骨格が明らかになり次第、円滑な移行が図られますように、また、その新しい制度の下で万全の体制がとれますように最大限努力をしてまいりますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 以上でございます。
○倉澤部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの御報告につきまして、御意見、御質問等があれば、自由にお出しいただきたいと思います。
 どうぞ、石委員、お願いいたします。
○石委員 簡単な質問二つぐらいしたいんですけど、第1点は、オンサイトの検査とオフサイトのモニタリングの関係ですけど、かつ、主要銀行で年1回、地銀等で2年に1回ですか、当然のこと、客観的なデータをベースにしたモニタリングでやって、疑わしきというか、ちょっと危なそうだというのが集中してやられるんだと思いますが、年1回とか、2年に1回というのは平均でありますから、かなり各行で集中的に年2回やられる主要行もあるだろうし、3年に1回になっちゃうのもあるかもしれないし、その辺の言うならばオフサイトとオンサイトのコンビネーションというか、それは一体今どうなっているのかというのが1点ですね。
 それから、恐らくオンサイトの検査には課税当局も時々、ちょっと性格も違うし、期間も違うから、一緒にできないと思いますけれども、政府、公の機関がやるという意味においては、恐らく課税当局も入っているわけですよね。それで、守秘義務が片方にありますから、そう簡単に情報を右から左へ回すということできないかと思いますけれども、課税当局との連携というのは今全然ないんですか。あるいは全然行うべきでないんですか。ちょっとその点。
○河野金融監督庁企画課長 よろしいでしょうか。
○倉澤部会長 どうぞ、お願いいたします。
○河野金融監督庁企画課長 まず、1点目につきましては、実は、オフサイト・モニタリング・システムというものは現在まだ完全に稼働しておりません。ただ、そのオフサイト・モニタリングと広義で申します場合には、むしろ日常的な状況の把握というのがございまして、そういう意味では、監督当局である監督部と、それから、検査当局である検査部との間で情報交換はいたしますし、また、ある意味では通常の検査周期というものはございますけれども、若干問題がありそうなところについては、検査周期にかかわらず、早目に入るというようなことは現実には運用上ございます。
 ただ、それを今度は、オフサイト・モニタリング・システムということでオンラインで例えば四半期ごとのデータを頂戴したり、そのデータというのは、信用リスクはどういうものであるかとか、あるいは市場リスクでどういうものがあるか、ポジションがどうなっている、あるいは大口融資先はどうなっていると、そういったデータをかなり高い頻度でいただいたとしましても、それで果たして直ちにオンサイトで検査した方がよろしいということになるかどうか、これはやはりかなりケース・バイ・ケースの判断ではないかと思います。もちろん、運用上、問題がありそうなところについては、できる限りの対応はいたしますが、そこは機械的にはなかなか連携しにくい部分ではないかというような気がいたします。
 2点目の課税当局の点につきましても、まさに御指摘のとおりでございまして、検査ないし税務調査は、目的、それから、手法も違いますので、一方がやれば、他方はしないで済むとかいうことではございませんが、ノウハウの交換のような意味での連携はございます。
 むしろ検査の関係では、日本銀行の考査との関係では、できる限りそこは金融機関への御負担を軽減するという意味でも、合理的にお互いに、お互いの隙間を埋めながらというやり方をとっておりまして、今後ともそれはやってまいりたいというふうに考えております。
○倉澤部会長 石委員、よろしゅうございますか。
○石委員 ありがとうございました。
○倉澤部会長 どうか、ほかの方。
 八木委員、どうか。
○八木委員 私、今まで企業会計の関係でいろいろこういう場でやってきたんですが、今まさにその場では、公認会計士さんの監査の内容とか、その充実について今まさにいろいろやっておりまして、この関係でもいろいろ問題が出たわけで、一つの引金になったわけでございますが、今、石委員がおっしゃったそれぞれの連携の一つとして、会計士さんの方のいろんな、これは毎度やられるわけで、それと、ただいま我々発行体の方も会計士に対して確認書というものを義務づけられて、これは正しい情報である、きちっと適正な情報だというのを、これまた確認する義務づけもあるということで、これからますますそちらの方が充実されていくと思うんですが、そちらは当然情報としてお取りになっているということでございますが、いかがでございましょうか。
○河野金融監督庁企画課長 よろしいでしょうか。
○倉澤部会長 お願いいたします。
○河野金融監督庁企画課長 ありがとうございます。
 実はこの点は、私どもも非常に強く感じておる点でございまして、これまでなかなか会計士さんのいろんな見方と私どもの見方との間にずれがあった部分、それから、金融機関自身の体制が整っていなかった部分もあったかと思いますけれども、これから先は、特に2001年4月以降、何よりも会計監査の役割というものが非常に重要になってまいりますので、私どもいろいろな意見交換の場のようなものもこれからもっと持たせていただきたいと思っております。
 最近もいろいろな取引の会計上の処理をめぐりましては、公認会計士協会さんの方にお願いもさせていただいている次第でございまして、そういう意味でここは、今後ぜひまたいろいろ協調、連携をさせていただきたいと思っている部分でございます。
○八木委員 ありがとうございました。
○倉澤部会長 坪井委員、どうか。
○坪井委員 現在、早期是正の観点で信用金庫並びに信用組合等の調査にお入りになっているときに聞いておったんですが、これが大体全部終了するのがいつ頃になるか、予定があられれば、ちょっと教えていただきたいんです。
○河野金融監督庁企画課長 よろしいでしょうか。
○倉澤部会長 どうぞ、お願いいたします。
○河野金融監督庁企画課長 それはまさに御指摘のとおり、今鋭意進めておりまして、特に信用組合につきましては、国への移管ということを控えておりますので、現在のところは、まず信用金庫につきましては、今年度中に大体検査は一巡をさせるということでやっておりますけれども、もちろんその検査が一巡したからといって問題が全てそこで消えてなくなるということはないかもしれませんが、そういう意味では2001年3月を待たずに、少なくとも検査を一巡させる。
 それから、信用組合につきましても、この移管を控えまして、現在、都道府県を通じまして、その実態把握に努めております。それで、今年度中に、実は年内にもということになりますが、信用組合につきまして一通りの実態把握を完了させる。ただ、その後、どういう処理になっていくかという点については、移管前に全て終わらせるというわけにまいりませんで、ただいま実は予算要求の上で、特別の基金を設けて、信用組合の経営改善といったようなものを国への移管後進めていくというお願いをさせていただいておる次第でございますけれども、そういう意味での実態把握は直近にもさせていただく。ただし、それを踏まえた対応につきましては、そういった予算上の手当てもお願いしながら、順次進めてまいると、そういう態勢で望んでおります。
○倉澤部会長 斎藤委員。次に蝋山委員、お願いいたします。
○斎藤委員 2ページの一番上に「当局による検査の結果を破綻処理に用いる場合には、現行法のもとでは、検査はゴーイング・コンサーンを前提としており、……こと等に留意する必要がある。」とあるんですけれども、具体的に何を留意するんですか。それとも、まさか現行法を変えようという話じゃないんですね。
○河野金融監督庁企画課長 この点は実は、やや私どもも悩ましい点でございますけれども、例えば、米国で行われているような、FDICが積極的に手続の主導権を取って物事を進めていく。その中でのいわば破綻の中におけるいろいろな準備作業といったものをある程度念頭に置きますと、私どもが現在銀行法に基づいて行っておる検査とは、随分中身が違うといった点が認識としてございまして、その違う部分について、現在の法制の下では、なかなかそこまでできないのではないかというのが私どもの率直な感じでございます。
 したがいまして、この破綻手続の中で当庁がいろいろな格好で関与するという場合には、制度的なバックアップがない。すなわち、検査の手法、それから体制、さらにはタイミング等、全て現在とは変わってまいると思いますので、その点をちょっとにじませたということになりますけれども、その制度を変えていただくかどうか、まさに当審議会でお決めいただくことでございますので、あるいは大蔵省の方でお決めいただくことでございますので、今のものがそのまま使えることでは必ずしもないという点だけをちょっとここで申し上げた次第でございます。
○斎藤委員 別に特に申し上げるまでもないと思うんですけれども、当局の検査といっても企業会計のデータについての検査が中心になるわけです。会計ベースのデータというのは、これはパフォーマンスをはかっていますので、どうしてもゴーイング・コンサーンベースになるわけですね。
 御承知のように現在でも、例えば、債務超過が3年続きますと上場停止になりますけれども、逆に言うと3年はいいと、そのくらいの誤差を見込んだデータになっているわけなんですね。ですから、そこの性質をどうするかということは結構難しい問題で、その点は重々お含みの上、御検討いただきたいというふうに思っています。
○河野金融監督庁企画課長 一言よろしいでしょうか。
○倉澤部会長 どうぞ、お願いいたします。
○河野金融監督庁企画課長 ありがとうございます。
 まさに御指摘のとおりの問題意識を私どもも持っておりまして、破綻ないし清算ということを前提とした資産の査定をせよとなりますと、例えば、X銀行がメイン先なり準メイン先となっている企業の一つ一つにつきまして、当行からの融資がなくなった場合には、果たして成り立っていくのか、いかないのか。成り立っていかないとなれば、その点についての資産査定の中身等も、ゴーイングコンサーンの場合と比べてはるかに詳細かつ厳しいものにならざるを得ない。それについて、現在の会計基準の下での銀行法上の検査では、限界があるという問題意識を持っております。
○倉澤部会長 斎藤委員の方に、企業会計と破綻会計というのは体系化したものか、それとも、事前的に何かし得るものかという点について、御意見はおありなんでございますか。
○斎藤委員 いや、特にございません。むしろ通常いつも問題になっていますのは、ゴーイング・コンサーンベースでの会計情報をそのまま使って、企業の破綻の判断といいますか、そういうチェックにどのくらい役に立つかという議論が行われがちなんですね。それは大変難しくて、時によって、ない物ねだりの議論をされることがある。それでは通常のゴーイング・コンサーンベースの会計情報ないし会計制度を変えてしまうという議論をするのかということですけれども、それをやったときには、もともと会計情報というものが持っている本来の役割は全部失われてしまうということになりかねない、そういう大変難しい問題を抱えている議論だということを特に申し上げたかっただけです。
○倉澤部会長 ありがとうございました。問題が明らかになりました。
 蝋山委員の方がお待ちですので。
○蝋山委員 簡単な質問をさせていただきたい。平時の検査・監督だと思うんですが、今の御説明だけでは、従来と同じように、せいぜい業態によっての差はあるかもしれないけれども、極めて銀行のいわばパフォーマンス、会計上のパフォーマンス、何でもいいんですが、見て検査を丁寧にするとか、あるいは良いものは少しほっぱらかすとか、そういうようなめり張りが余り考えられていないように思うんですね。これは一般に何も検査・監督行政だけでなく、免許業としてのもう少し広い意味に、検査だけに限らず、もっと広い意味にとってもいいと思うんですけれども、そういう点で、銀行の成果に応じて行政の対応を変えるそのルール化、そういうようなことはお考えにならないわけですか。
○河野金融監督庁企画課長 よろしいでしょうか。
○倉澤部会長 お願いいたします。
○河野金融監督庁企画課長 めり張りをつけるべきであると、まさにおっしゃるとおりであろうかと思います。ただ、この点あえて申し上げますと、めり張りはつけることは確かに重要でございますけれども、他方で、金融機関の経営をどういう尺度で見るかといった点、あるいはどういう指導をすべきかといった点は、なかなか一つ二つの指標によって機械的に判断できる性格のものではないという点も私ども非常に強く感じておりまして、そういう意味では、確かに運用上めり張りはつけてまいりますが、ただ、それを皆様方にわかりやすい格好で、何が何%切ったらどうするといった点を機械的にやっていくことは、現場ではなかなか難しいといった感じを申し上げたいと思うんです。
○蝋山委員 そうですかね。ちょっと反論させていただくと、確かに全体的な評価をする必要はないわけですね。評価の中に含まれる幾つかの指標を取り上げて、少なくともその指標が、例えば自己資本比率でもいいです。8%を割ったならば、あるいは8%に近づいたならば云々ということはできると思うんですね。
 しかし、今までは、いつの間にか自己資本比率は何%でもよくなっちゃって、それでどんどんどんどんおかしくなってきて、というのがこれまでだったわけですね。そういう点で、少なくとも自己資本比率は、少なくともというのは、二つ三つはどんな観点に立とうが評価の基準というのはあるんじゃないんですか。そして、それだけを見ながらとは言いませんよ。それは少なくとも見なくちゃいけないというものがあって、それに応じて検査のめり張りをつけるというような弾力性を持たせないと、何人行政マンがいたって、銀行員の数だけ行政マンが必要だというようなことになっちゃうんじゃないんですか。
○河野金融監督庁企画課長 ありがとうございます。
 実は私の言葉が足りなかったのかもしれませんですが、自己資本比率をメルクマールにして、ある程度指導上のめり張りをつける、あるいはそもそも早期是正措置を発動する、しないということについて決断をしていくというのは現行制度上もございますし、私ども運用上それに努めておりますので、そういう意味ではまだ不十分という御指摘かもしれませんですけれども、その点については、当然のことながら、適切にやってまいりたいと思っております。
○倉澤部会長 深尾委員。
○深尾委員 会計制度上の質問があった会計についてのところなんですけれども、やはり監督目的の会計というものと、それから、ゴーイング・コンサーンバリューをはかる会計は違って当然だと思います。そういう意味では、監督のための自己資本比率をはかる場合には、普通の会計で計測された自己資本に監督当局としての観点を加味して、例えば繰延資産を一部否認するとか、退職給与引当については、会社都合で首を切った場合でも、払えるだけ計算するとか、これはいろいろなやり方があり得ると思うわけですね。
 ですから、必ずしも現在の会計制度を変えなくても、必要な部分については監督当局の観点で調整していく。また、今の自己資本比率の測定方法がおかしければ、これは除いていくというのは十分考えられるのではないか。
 例えば、アメリカの生命保険会社に対する監督について、最近調べましたら、非容認資産という概念があって、監督上、資産としては認めないような資産、繰延資産とかそういったものなんですが、こういったものを自己資本から除いていく。あるいは貸出先の企業が持っている自分自身の株式とか、こういったものについてどう考えるか。はっきり言ってダブルギヤリングに実質的になっているような部分については自己資本から除くとか、いろんな観点での調整というのはあり得るのではないかなと思います。
○倉澤部会長 御意見ございますか。はい、お願いいたします。
○河野金融監督庁企画課長 ありがとうございます。
 まさに御指摘のとおり、いろいろそういった点については考えていかないといけないという問題意識も持っておりますし、また、当審議会でそういう御指摘を一段といただきましたならば、私どももぜひいろいろ議論させていただきたいと思うんですが、ここで実は、「自己資本のうちコア部分に着目する。」というのも、この文章のままではやや中途半端かもしれませんですけれども、今後いろいろな措置をとっていく場合のメルクマールとしては、こういった自己資本のうちのコア部分に着目していく必要があるのではないかという考え方は持っておりまして、直ちに今この制度を見直すという点につきましては、まだ私ども部内でもいろいろ議論がございますのですが、ぜひ当審議会からもいろいろ御指摘をいただきながら、今後考えさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
○坪井委員 もうちょっとよろしいですか。
○倉澤部会長 はい。
○坪井委員 先ほどのちょっと突っ込んだ質問なんですけれども、信金の場合は、ある程度ネットワークシステムがあるようなんですけれども、信用組合の場合は、各都道府県の管理下にありますから、今までいろんな問題が起きているところを見ますと、どうしても県とか都道府県では調査し切れない部分がいろいろあるように見受けているんですね。ですから、先ほどのお答えの中で、そこにお任せして、ある程度の調査を待ってというお話があったんですけれども、その点、やはり専門官が都道府県にはいないですよ。いわゆる検査をできる人たちは。その場合、問題点があるというところだけを抽出されるのか。それとも、一応全部見られるのか。それは年内にやられるということでしたけれども、その辺についてちょっとお教えいただきたい。
○倉澤部会長 よろしゅうございますか。お願いいたします。
○河野金融監督庁企画課長 ありがとうございました。
 やや私も言葉が足りない点はお詫び申し上げますが、都道府県に任せ切りにしておるわけではございませんで、財務局の方から応援をしたり、合同で検査をしてみたりということも含め対応させていただいております。
 ただ、今申し上げましたのは、網羅的にやるという点につきましては、都道府県の方にで監督しておられますので、それを今ヒアリングをしながら、問題がありそうなところにつきましては、財務局の応援を含め、検査をするということでかなり精力的に進めておるという段階でございます。
○倉澤部会長 私が予定しておりましたこのテーマについての時間、ちょっと過ぎたのですが、この際、特にということでしたら、あとお一人。
 翁委員、お願いいたします。
○翁委員 先ほど斎藤委員の質問されたところの、当局による検査の結果を破綻処理に用いる場合、現行法の下では限界があって、というお話の中で、今の下での問題として、手法とか、体制とか、タイミングということを具体的におっしゃいましたけれども、今具体的にどういった点が欠けていると、法的な対応として、ということをお考えなのか、教えていただきたいんです。
○倉澤部会長 お願いいたします。
○河野金融監督庁企画課長 ありがとうございます。
 そういう意味では現在の銀行法の検査権限に関する規定をはじめとしまして、やはり基本的に現在の検査というものは破綻を前提としておりません。それで、破綻を前提としないということは、ゴーイング・コンサーンベースでのまず会計処理を基本に置きまして、その会計処理そのものが適切に行われているかどうか。それから、金融機関自身の内部管理が適正になされているかどうかという点に重点がございます。破綻を前提としたものとなりますと、そこは力点の置き方が大分変わってまいりまして、資産サイドにあるいろいろな項目、特に貸出金につきまして、この金融機関が破綻をした場合には、この貸出先はどうなるんだろうかといった点を調べていかないといけない。すなわち、ある意味では、貸出先そのものにも場合によってはヒアリングを行うなどしまして、資金繰りがそちらの方でつくのかどうか。つかないのであれば、そちらもいわば破綻をすることになりますので、それを前提とした資産の査定になるといったように、力点の置き方はかなり変わるということがございます。
 それは全てとは必ずしも限りませんけれども、法令上の根拠がないと、そういうドラスチックな手法ないしやり方の違いというものは出せないのではないかということでございます。
○倉澤部会長 まだ御意見、御質問がおありかと思いますけれども、次のテーマに進んでよろしゅうございましょうか。
 では、御了承いただきまして、移りたいと思います。
 河野課長、どうもありがとうございました。
○河野金融監督庁企画課長 ありがとうございました。
○倉澤部会長 続きまして、預金保険制度に関する討議に移りたいと思います。
 初めに、事務局より「討議用メモ」及び資料につきまして説明していただいた後、自由審議を行うことといたします。
 それでは、事務局から説明をお願いいたします。
○林信用機構室長 信用機構室長の林でございます。皆様方のお手元に、「討議用メモ」と題しまして、会議後回収のスタンプを押しているものがございますけれども、これに沿って御説明したいと思います。
 このメモは、今後、預金保険制度のあり方についての骨格となる基本的な考え方をとりまとめていただくにあたりまして、私どもの手元には今までいわゆる論点整理というのがあったわけですけれども、この論点整理を、考え方をとりまとめていくために再構成しまして、受皿への一般資金援助ということを中心として再構成いたしまして、それに、これまでのヒアリングですとか、質疑の中でもいろいろ出された考え方も加味しながら再構成いたしまして、今後考え方を議論していただくための手がかりにしていただきたいということでございます。
 これからこの「討議用メモ」と、それから、もう一つお手元に、「第二部会12−2」という資料をお配りしておると思います。これを合わせて御覧いただきながら、御説明させていただきたいと思います。それから、先般20日にワーキングを開きまして、そこでもこの「討議用メモ」を御議論いただいておりますので、そのワーキングで出た議論も併せて御紹介させていただきたいと思います。
それでは、「討議用メモ」の1ページを御覧いただきますと、まず「金融機関の破綻の未然防止」という点でございますけれども、読み上げさせていただきます。
○ 預金者保護の基本は、健全で収益力の高い金融機関経営にある。したがって、個々の金融機関においては、内部管理の向上等による経営の健全性の確保はもとより、新たな金融商品の開発、顧客の信頼の獲得などの点に関し、21世紀を見据えた真摯な努力が求められるのではないか。
○ 問題金融機関については、「早期発見・早期是正」によって金融機関の破綻を未然に防止するとの観点からの対応を進めることが重要ではないか。
○ 預金者保護に係る社会経済的コストとしては、破綻未然防止のためのモニタリング(市場規律によるモニタリング、監督当局によるモニタリング)に係るコスト、破綻に備える預金保険料等があり、これらのコストを全体として最小化するような在り方を目指すべきではないか。
○ 問題金融機関の早期発見のために、監督当局による検査・モニタリングを充実・強化する必要があるのではないか。
○ 金融機関の破綻に伴う預金者の負担を最小限に止めるためにも、監督当局による早期是正措置の適時適切な運用が重要になるのではないか。
 この部分に関しましてはワーキングにおいても、先ほど監督庁に対する質疑応答とも関係してきますけれども、今後は健全な金融機関に対しては、市場規律による監督といいますか、そういったものが中心になって、監督当局はむしろ問題がありそうな金融機関により資源を配分させるということになるのではないかといった御指摘がございました。
 次に、「2.金融機関の破綻処理のあり方」のところでございますけれども、まず「? 基本的考え方」でございますが、
○ 監督当局により問題金融機関の「早期発見・早期是正」が図られることを前提とすれば、「小さな預金保険制度」を目指すべきではないか。
○ 監督当局によって適時適切な対応が図られていれば、預金保険機構の負担やモラルハザードの発生する可能性が大きくなることはないと考えられるため、預金保険制度の役割・機能については、多様な金融商品の出現や国民の期待に応じて、ある程度弾力的に考える余地があるのではないか。
○ 金融機関の破綻に伴う預金者の負担を最小限に止めるためには、回復の見込みの無い問題金融機関については早期に処理することが必要ではないか。
 ここまでのところでは、まず、一つ目の○の「小さな預金保険制度」ということについては、これは預金保護のカバレッジという面では小さな預金保険制度であるけれども、破綻処理制度としては強力な制度であるべきではないかという御指摘がございました。
 それから、三つ目の○の早期処理に関しましては、ふたを開けてみると大幅に債務超過であるというようなケースが結構あったのではないか。そういう点で早期処理というのが必要ではないかという御指摘がございました。
 続いて読ませていただきますけれども、
○ 特例措置終了後において預金保険機構が負担できる金額はペイオフコストの範囲内であるが、破綻処理方式の選択に当たっては、単に預金保険機構の直接的な費用に着目するだけでなく、できるだけ社会経済的コストの小さい処理方式を選ぶことを考慮に入れるべきではないか。
○ 保険金支払方式は、破綻金融機関の規模が大きくなるほど保険金支払に時間を要する上、その金融機関の営業体としての価値(フランチャイズ・バリュー)が失われるなど、地域経済や金融システム等に与える影響が大きいため、米国の例を見ても適用される場面は限られると考えられる。したがって、実際の処理に当たっては、まずは受皿が存在する場合の一般資金援助方式の適用を考えるべきではないか。
 ちょっとここで資料の方を御覧いただきますと、資料の1ページ目には、先ほどの破綻の未然防止の関係で早期是正措置の概要を掲げております。
 それから、2ページ目には、今の破綻処理方式との関係で、米国における破綻金融機関の処理方式、それから、3ページ目には、実際の破綻処理件数がどのような形で処理されたかと、これも既に御紹介している資料でございますけれども、掲げております。それから、4ページ目には、特例期間中の破綻処理制度ということでございまして、点線の四角で囲んだのが預金保険法の本則によるもの。受皿へのペイオフコスト内の資金援助と保険金支払。それ以外の部分が2001年3月末までの措置として預金保険法の附則、あるいは金融再生法上で措置されている部分でございます。
 それでは、「討議用メモ」に戻りますと、
○ 特例措置終了後の金融機関の破綻処理方式としては、現行の預金保険法本則において、保険金支払方式と一般資金援助方式の二つの方式が措置されている。破綻の規模等に応じて多様な選択が出来るように資金援助が可能になる場合を拡大するとともに、救済金融機関が現れない場合等に対応できるように、破綻処理方式を多様化しておく必要があるのではないか。
 ここの部分では、ワーキングにおいて、この多様化というのは、保険金支払、あるいは一般資金援助方式とは全く別の方式ということではなくて、むしろ一般資金援助方式において、営業譲渡に対する資金援助ができる場合を多様化すべきである、あるいはブリッジバンクを活用するといったような方式も含めた、こういった多様化であるということの確認がございました。
○ 特例措置終了後において預金保険機構が負担する破綻処理コストはペイオフコストの範囲内となるので、破綻処理方法を多様化した場合の財源は、一般保険料で賄うことが基本となるのではないか。
 次に、「? 一般資金援助を伴う営業譲渡の迅速化」でございますけれども、
○ 金融機関の破綻により預金の払い戻しが停止すると預金者に影響が生ずるのみならず、決済機能を含む金融機関のフランチャイズ・バリューが急激に低下するので、一般資金援助を伴う営業譲渡を如何に迅速に行うかが重要なポイントになるのではないか。
○ 破綻に伴う損失の一部負担により預金の一部がカットされることがあるが、これは最終的には司法手続きによるざるを得ないため、破綻処理にある程度の期間が必要になることは避けられない。したがって、金融機関の破綻に伴う営業譲渡の迅速化を図るためには、司法上の倒産手続に入る前に、破綻金融機関の営業の一部譲渡を行い、その後、破綻金融機関(譲渡されなかった部分)を破産手続で清算するという手法をとることができないか。
○ 上記の一般資金援助を伴う営業譲渡を迅速に行うためには、マル1事前準備、マル2資金援助が可能になる場合の拡大、マル3営業譲渡手続の迅速化・簡素化、等について新たな措置が必要になるのではないか。
 まず、「マル1 事前準備」についてでございますけれども、
○ 預金保険制度は預金者等の名寄せが行われることを前提としている。コストの問題はあるが、顧客サービスという観点からも、金融機関は平時から名寄せを行っておくことが望ましいのではないか。
○ 預金保険機構における名寄せの作業を迅速に行うために、金融機関に対し、預金者データを預金保険機構にスムーズに引き継ぐためのシステム対応を平時から求めるべきではないか。その場合、平時からの金融機関に名寄せを求める場合と比較して、名寄せの迅速性という点では遜色のないものとなる上、全体的なコストも安くすむのではないか。
○ 営業譲渡の迅速化の観点から、預金保険機構等が事前に金融機関の名寄せの対応状況の把握など営業譲渡のための準備を行っておく必要があるのではないか。
○ 監督当局による金融機関の財務内容の適時適確な把握は、営業譲渡等のためにも重要ではないか。
 この事前準備の部分につきましては、平時から、二つ目の○のところに、スムーズに預金保険機構にデータを引き継ぐためのシステム対応ということが書いてあるわけですけれども、先ほど監督庁からのお話にもありましたように、なかなか直前の関与というものが難しい場合には、平時に相当、エラーのチェックといったことも含めて準備をしておく必要があるのではないかという議論がございました。
 それから、もう一つ、一番初めの、平時から金融機関に名寄せを行っておくことが望ましいのではないかということについては、破綻金融機関が限られる中で、平時から常に金融機関に名寄せを行わせるというコスト、社会的なコストはいかがなものかというお話もございましたし、それから、もう一つ、生年月日とか名前とか、そういったデータがあれば、ある程度のソーティングは実際可能なのではないかという議論もございました。
 それから、名寄せに限界があった場合についても、ある程度過払い、本来、名寄せを行った以上に払ってしまうという部分がある程度あっても、それはペナルティを課して取り返すといったようなことを考えれば、いいのではないかという御意見があったのに対しまして、そういった形で余分に支払われることになるということについては、それこそ社会コスト、社会的に問題になるという意味でのコストと言えるのではないかという御意見もございました。
 それから、事前準備において、金融機関が余り悪くならない軽度の段階で、たとえその事前準備がむだに終わっても、準備を開始していく。むだになった方が結局はいいわけですから、そういった段階でむだになることがあっても、準備を開始していくということも考えられるのではないかという意見もございました。
 次に、「マル2 資金援助が可能になる場合の拡大」というところでございますけれども、これは資料の5ページに現在の預金保険法の一般資金援助に係る条文を掲げておりまして、「討議用メモ」に戻っていただきますと、
○ 現行の預金保険法では、営業譲渡の場合には全部譲渡が資金援助を行うための要件となっているが、営業の一部譲渡の場合(例えば、健全資産と付保預金のみを譲渡)にも資金援助を可能にすべきではないか。
○ 司法上の倒産手続の外で破綻金融機関の営業の一部譲渡を行った場合、それにより債権者間の平等が害されないようにするために、破綻金融機関(更生会社や破産財団)に対する資金援助を可能とすることが必要ではないか。
○ 救済金融機関との引継資産の選定及び価格に係る交渉に要する時間を短縮するために、一定のルールに従って、営業譲渡後の追加的な資金援助を可能にすべきではないか。
 「マル3 営業譲渡手続の迅速化・簡素化」でございますけれども、
○ 破綻公表から司法手続に入るまでの間に営業譲渡を迅速に行うために、また、破綻金融機関の経営陣が破綻処理を進めることは適当でないことからも、破綻金融機関の財産及び業務を管理する公的な管理人制度を設けるべきではないか。
○ 破綻金融機関の営業譲渡を迅速に行うために、株主総会の特別決議等に代わる裁判所の代替許可制度や、債権者の異議の申述等の手続の特例等の法的な手当てを行う必要があるのではないか。
 次に、「金融機能の維持(営業譲渡までに時間がかかるケース)」についての議論でございますけれども、
○ 金融機関が破綻した場合の金融機能の維持については、救済金融機関に対する迅速な営業譲渡の実施により対応することを基本とすべきではないか。
○ 事前準備が十分できないまま金融機能が破綻にいたることも想定され、その場合には営業譲渡までに時間がかかると見込まれるが、そのようなケースであったとしても可能な限り円滑に処理を行うことができるようにしておく必要があるのではないか。
○ 仮に営業譲渡までの間にある程度時間がかかる場合であっても、破綻金融機関のフランチャイズ・バリューを維持するために、公的な管理人の下又は司法手続の下の金融機関において、処理手続として整合性がとれる範囲内で可能な限りの業務を継続することが重要ではないか。また、そのためのファイナンスの確保が必要ではないか。
 そういう点について、さらに具体的に書いたのが次の事項でございまして、まず、「マル1 預金者等の利便性の確保」でございますけれども、
○ 破綻公表から営業譲渡までの間でも、破綻金融機関から預金の払戻しが可能となるような措置が必要ではないか。
○ 司法手続の申立がなされると、債権者間の平等を期すため、裁判所の保全処分により預金の払戻しは禁止されるのが通常と考えられるが、運用で保険金支払限度額(現行1000万円)までの払戻しを可能とすることはできないか。
○ 一般資金援助の場合は預金等債権の買取りが規定されていないが、保険金支払の場合と同様に、預金保険機構が預金者から付保限度を超える預金を買い取ることを可能にすべきではないか。
次に、「流動性預金の問題」ですが、
○ 金融機関が破綻して営業譲渡まである程度時間がかかったとしても、決済機能を止めることなく企業や個人等の決済が円滑に行われるようにするために、当面の営業資金や生活資金を保管している流動性預金については、全額を保護することにより速やかな払戻しを認めることはできないか。
○ 預金保険制度は少額預金者保護を目的とする制度であり、流動性預金の問題については別の制度的工夫によるべきではないか。
また、流動性預金を全額保護対象とすることについては、負担の増大やモラルハザードの増大、流動性預金の範囲、他の預金との明確な線引きが可能か等の問題があるのではないか。
○ 仮に流動性預金を全額保護とするならば、流動性預金とその他の預金の線引きについては、預金種別で割り切らざるを得ないのではないか。
○ 破綻金融機関に滞留する仕掛り中の決済取引の扱いを明確にする必要があるのではないか。
以上でございますが、資料について、6ページ目に、流動性預金と呼ばれるものがどこまでの範囲かという問題はございますけれども、期限の定めのない預金としては      どういうものがあるかということを掲げております。
 それから、ワーキングにおきましては、この点に関しまして、一つ、先取り特権の御議論をしていただきました。流動性預金というものは、現金の保管、あるいは運送のサービスの中途にあるものではないか。そういうことから、ほかの債権より優先する先取り特権を付すことが考えられないかというお話でございます。
 これに対しましては、流動性預金に先取り特権を付すことによって他の債権、定期性預金とかその他の一般債権が圧迫される、清算の際により取り分が少なくなるという意味で圧迫されるという問題がワーキングでも指摘されまして、さらにそれに対しましては、先取り特権というのは一般的にそういうものだと申しますか、一定の政策判断の下に一定のものを保護する、そういう仕組みのものであるという御議論がございました。
 それから、もう一つは、小さな預金保険制度ということを考えれば、残高を全額保護ということは最後に考えるべき問題であって、できる限り決済機能の保護ということを考えるべきである。というのは、未決済のものの履行を確実に最後までするということが確保されれば、全額を保護するといった議論は不要になるのではないかという御指摘があり、さらにそれに対しては、決済プロセスに入っているかどうかということで割り切るのは、それはそれでかえって不公平を生むのではないかという御指摘もあったところでございます。
 次に、「マル3 借り手の保護」でございますけれども、
○ 営業譲渡を迅速化することは、借り手の保護にも資することになるのではないか。
○ 預金等の債権の一部カットを前提として手続が開始されると、破綻金融機関の借り手に対し新規融資を行うのは困難になると想定されるが、善良かつ健全な借り手に対しては、何らかの対応が必要になるのではないか。
○ 金融機関が破綻した場合の借り手の問題については、預金者等の保護が本来の目的である預金保険制度による対応だけでは限界があり、国や地方公共団体による政策的な対応が望まれるのではないか。
 次に、「救済金融機関の問題」でございますけれども、
○ 米国では金融機関が破綻した場合、複数の救済金融機関の候補が現れるのが通常であるが、我が国の場合、直ちに現れないケースが多く見られる。したがって、救済金融機関が現れやすい環境を整備したり、救済金融機関が直ちに現れない場合に対応することが必要ではないか。
マル1 救済金融機関が現れやすい環境の整備
○ 破綻金融機関の承継先になれる者の範囲を拡大することはできないか。
○ 迅速な破綻処理を行おうとした場合に、破綻金融機関から引き継ぐ資産の内容を救済金融機関が事前に十分把握することは現実的には困難であるので、引継資産が劣化した場合に対応する仕組みを考えることはできないか。
○ 破綻金融機関を承継すれば自己資本比率が低下してしまうので、それを回復するための仕組みを考えることはできないか。
 次に、「マル2 救済金融機関が直ちに現れない場合の対応」でございますけれども、○ 地域経済に与える影響や借り手に対する影響等を勘案すると、破綻金融機関の承継先が見つからない場合の対応が必要ではないか。
○ 救済金融機関を探す時間的な余裕を確保するために、預金等が一部カットされることを前提として、ブリッジバンク制度のような枠組みを残すべきではないか。
○ 破綻金融機関の不良債権を早期に切り離すために、預金保険機構による資産の買取り(整理回収機構等への委託を含む)を活用すべきではないか。
○ 救済金融機関がどうしても現れない場合に受皿となる金融機関を確保するため、特例期間終了後においても、整理回収機構の受皿機能を残すべきではないか。
 次に、「? 保険金支払の迅速化」。ここまでが一般資金援助の場合でございまして、ここの部分が保険金支払の迅速化でございますけれども、
○ 保険金支払方式の適用は限定的に考えるべきであるが、仮に保険金支払を実施した場合には、混乱を最小限に止めるために保険金の支払を迅速に行うことが必要である。そのために必要な措置は、一般資金援助を伴う営業譲渡を迅速に行うために必要な措置と重複するところが多いのではないか。
○ 名寄せの正確性をある程度犠牲にしても保険金支払を迅速化することは考えられないか。その場合、過誤払いが生じることが予想されるが、それについては、不当利得返還請求等で対応ができないか。
 以上が通常の破綻処理の場合でございますけれども、「3.システミック・リスクが予想される場合」。
○ 金融機関の破綻によって信用秩序の維持や国民・地域経済の安定に重大な支障が生じるような危機的な場合に、米国のように、例外的な対応ができるようにしておくべきか。
 資料の7ページを御覧いただきますと、米国において、原則として法定されております最小コスト原則(least cost resolution )と、それの例外としての systemic risk exception、これがどういう手続でとられるかという資料を示しております。
「討議用メモ」に戻っていただきますと、
○ その場合に整備すべきセーフティネットとして、時限措置となっている特別公的管理や資本増強のような枠組みが考えられるか。また、例外的な対応を発動するためには厳格な手続が必要になるのではないか。
○ 例外的な対応を行った場合の負担のあり方について、どう考えるか。
 次に、「4.預金保険制度の他の論点」でございます。まず、「? 付保対象預金」でございますけれども、(総論)といたしまして、
○ 預金保険の対象商品であるか否かの基本的考え方としては、以下のものが挙げられるか。
・ 基本的な貯蓄手段として国民の間に定着していること
・ 元本保証があること
・ 債権者が特定され、転々流通しないこと(名寄せによって一預金者当たり一定限度額まで預金者を保護することが技術的に可能であること)
○ 付保対象となっている金融商品の範囲を国民に明確にするべきではないか。
○ 金融システム改革等によって、新たに様々な金融商品が登場することが想定されるが、それらの預金保険制度上の取扱いについても、上記の考え方を原則とすべきではないか。
 資料の方では、8ページに現在の預金保険法によって保護対象となっている預金等、それから、対象となっていないものを掲げております。
 それから、9ページ目には、米英独仏といった主要国において預金保険の対象となっている預金、対象外となって預金等は何かということを掲げているところでございます。
 「討議用メモ」に戻っていただきますと、(各論)でございますが、
○ 金融債については、転々流通する有価証券であり名寄せにより一人当たり一定限度までを保護することが技術的に困難であること等から、預金保険の対象になっていない。しかしながら、例えば、貯蓄手段となっている個人向けの、しかも転々流通しないもので名寄せが可能であれば、付保対象とすることが考えられるか。
○ 外貨預金については、為替リスクが存在する等もともとリスク性の高い商品であること等から、預金保険の対象になっていない。付保対象とするためには、少なくとも、貯蓄や決済の手段としての利用が国民にとって一般的になっていることが必要であると考えるが、外貨預金の利用の現状からみてどうか。
○ 公金預金・特殊法人預金については、預金者が一般大衆でない上に1000万円まで保護しても実質的な意味がないこと等から、預金保険の対象となっていない。しかしながら、公共目的のための保管であること、企業との横並びを勘案すれば、付保対象とすることが考えられるか。
○ 預金利子については、預金者や金融機関経営者のモラルハザードを助長する上に事務手続が煩雑になること等から、預金保険の対象となっていない。しかしながら、預金利子を守ることで少額預金者に安心感を与え無用の資金シフトを防止するという側面や、債権者の集約による倒産手続の迅速化及び郵便貯金との均衡等を勘案した場合、付保対象とすることが考えられるか。
 この部分に関しましてはモラルハザードという問題がありますので、高金利の預金を非常に危ない金融機関が付与しているような場合には、モニタリングを通じて一定の規制が行われるということが少なくとも前提ではないかという指摘がございました。
 続きまして、
○ 外国銀行在日支店の預金については、管轄権の問題から破綻処理に当たって迅速かつ適切な対応をとることが困難であること等から、預金保険の対象となっていない。しかしながら、預金者保護の徹底や諸外国の預金保険制度とのイコール・フッティングを考慮すれば、付保対象とすることが考えられるか。
 以上が付保対象の問題でございますけれども、次に、「? 保険金支払限度額等」につきましては、「マル1 保険金支払限度額」について、
○ 1人当たりの平均貯蓄残高(平成10年度、 495.7万円)や諸外国の水準(米国は10万ドル、英国・独国は2万ユーロ、仏国は7万ユーロ)、負担の増加を勘案すると、現行の水準を引き上げる必要はないのではないか。
 資料を御覧いただきますと、10ページ目には個人貯蓄残高等の推移ということで、1世帯当たりの貯蓄残高及び1人当たりの貯蓄残高、それぞれ預金と貸付信託、金銭信託に分けて掲げているところでございます。
 それから、11ページ目の資料でございますけれども、これは今年の3月末で国内銀行の付保部分の割合でございます。
 ちょっと御説明させていただきますと、個人と法人に分けて、 1,000万円未満のもの、 1,000万円以上のものがそれぞれ金額、口数がどれだけあるかということでございます。個人では口数といたしましては、99.5%が 1,000万円未満のものになっております。法人では92.2%。それから、合計というところを御覧いただきますと、合計の 1,000万円未満の一番右の欄、口数では99.2%でございます。金額ベースではどうかと申しますと、合計のAの欄を見ていただきますと、金額ベースでは 1,000万円未満のものと 1,000万円以上の部分がほぼ半々ということでございます。ただ、 1,000万円以上の部分には預金保険の対象となっております 1,000万円以下の部分が含まれておりますので、この 1,000万円以上の金額の中から 1,000万円未満の部分を 1,000万円未満の部分に足してやりますとBのようになりまして、 1,000万円未満と 1,000万円以上の部分が大体2対1になるということでございます。
 ただ、この計算は当然名寄せを行っていないものでございますので、仮に名寄せを行った場合には、若干この 1,000万円以上の部分に移るということは当然想定されるわけでございます。
 それから、さらに12ページを御覧いただきますと、主要国におきます保険金支払限度額がございまして、参考として、1人当たりの円換算の金融資産残高も付けているところでございます。
 「討議用メモ」に戻っていただきますと、「仮払金」でございますが、
○ 金融機関の破綻処理を迅速に行うこと等を前提とすると、仮払金制度が必要とされるケースは少なくなるのではないか。
○ 仮払金の水準の引上げ幅にもよるが、仮払金の水準(現行は20万円)をある程度引き上げたとしても、過誤払いによって生じる問題は大きなものにはならないのではないか。
マル3 預金等債権の買取り
○ 預金等債権の買取りの対象については、買取りの原資が保険料であること、非付保対象預金の扱いは本来の預金保険の業務ではないこと等から、現行制度のように、付保対象預金に限定して考えるべきではないか。
 次に、「? 預金保険料」についてでございますけれども、
○ 特例措置終了後の預金保険料の水準については、その時点の一般勘定における欠損金の額や金融機関の負担能力等を考慮する必要があるのではないか。
 ちょっと資料を御覧いただきますと、13ページでございますけれども、これは、今ここで議論になるのは一般勘定でございますけれども、それ以外の勘定も含めまして、各年度末及び今年の8月末時点での借入残高を掲げております。
 それから、14ページについては、破綻処理が既に公表されている案件の一覧がございます。これらに対する受皿に移った場合の資金援助についても、これから一般勘定及びその他の勘定もございますけれども、負担になってくるという意味で掲げているところでございます。
「討議用メモ」に戻っていただきますと、下から二つ目の○ですが、
○ 保険金支払は、責任準備金の存在を前提とすべきであり、預金保険制度に対する国民の信頼に応えるためにも、預金保険機構は、将来に備えてある程度の責任準備金を計画的に積み立てていくことが必要になると考えるが、その適正規模について、どのように考えるか。
○ 市場規律の強化の観点からは可変保険料率を導入することが望ましいが、一般勘定における欠損金の早期解消が必要な中で直ちに導入することについては、経営の悪化した金融機関の負担が増大する等の問題があることを考慮に入れる必要があるのではないか。
 最後のページになりますけれども、「5.平成13年3月末までの環境整備」ということでございますが、初めに資料の15ページを御覧いただきますと、平成7年12月の金融制度調査会の答申でございますけれども、「?. 基本的考え方」のマル2のところを御覧いただきますと、破綻処理においては社会的コストの小さい処理方法を選択する必要があるが、現時点においては、ディスクロージャーが充実の過程にある、それから、金融機関が不良債権を抱えており、信用不安を醸成しやすい環境にあることから、未だペイオフを行うための条件が整っていないということが、この平成7年の金融制度調査会では議論されたわけでございます。
 「討議用メモ」に戻っていただきますと、「? 金融機関のディスクロージャー」という観点につきましては、
○ 特例措置終了後は預金者にも負担を求めることがありうるが、預金者が的確な情報を基に判断する環境を、市場規律を有効に機能させるためにも整える必要がある。このため、金融機関は預金者に対し、預金保険制度、付保対象預金、財務内容等の点につき、的確な情報提供を行う必要があるのではないか。
? 金融システムの安定化
○ 特例措置が終了する2001年3月末までに、金融機関が業務の再構築・リストラ・自己資本の増強・再編等を進めるとともに、不良債権問題の処理を基本的に終了することによって、我が国の金融システムに対する内外の信認を回復することに全力を尽くすことが重要ではないか。
? その他
○ 預金保険制度は正確に預金者に理解されておらず、例えば1000万円を超える預金は全額カットされると思われている。保険金支払(ペイオフ)や預金保険対象商品その他預金保険に関する正確な情報を周知させることが必要ではないか。
 以上、時間の関係、この後の討論の時間ということもございますので、非常にはしょって御説明させていただきました。
 私からは、以上でございます。
○倉澤部会長 どうもありがとうございました。
 本日は、この預金保険制度に関する問題について、全般的な自由討議という形でこの後、議事を進めさせていただきたいと思います。
それでは、御意見、御感想、御質問等がございましたら、どなたからでも結構でございますので、自由にお出しいただきたいと思います。
 江頭委員、どうぞ。
○江頭委員 流動性預金の全額保護について、ヒアリングでもそういう意見を述べられた方は相当多かったように思うんですけれども、全額保護が必要だと言っておられる方の真意がどこにあるのか、私はもうひとつよくわからないところがありまして、つまり4ページのマル2の一番最初の○ですね。「金融機関が破綻して営業譲渡まである程度時間がかかったとしても、」云々、この文章の理解は、これは要するに全額保護ということでなければ、技術的に速やかな払戻しは難しいと、そういう前提の下にこの全額保護が唱えられていると理解してよいのか。
 逆に言えば、例えば10%なり20%なり切られても、決済は滞りませんとその8割の範囲では迅速に払戻しされます。金曜日に銀行が閉まってから、月曜日にはもう救済金融機関が8割なら払ってくれるんですということなら全額保護を唱えている人も満足だというふうにこれは理解していいんですか。そういう理解であれば、迅速な処理を考えればいいんですが、そうではなく、企業というのは決済資金は常にぎりぎりしか持ってなくて、10%でも切られたら、とにかく困るんですという前提の下に全額保護が唱えられているんだとしたら、迅速な処理、払戻しという技術的なことを議論してもむだなわけですね。
 どちらが真意なのか、どうも私はもうひとつよくわからないところがあるんですが、その点はいかがなんでしょうか。
○窪野審議官 よろしいでしょうか。
○倉澤部会長 どうぞ、お願いいたします。
○窪野審議官 事務局からいろいろな御議論を、あるいは実情等を伺っていての印象でございますが、確かに流動性預金については、その支払いがブロックされる、しばらく保全処分がかかってブロックされるという面と、御指摘のように幾ばくかがカットされるという面がございまして、それで、ワーキング等いろんな場でも、カットはされてもブロックされない、そういう道があるのかどうか、そういうことが随分議論されたわけですが、どうもカットはしてもブロックしないで流すというのが技術的にはかなり難しいというのが検討の結果での大勢ではないかと思います。
 どういうことかと申しますと、まず、その前提としまして、ここで流動性預金が問題になっていますのは、やはり迅速処理が、例えば近月とか、あるいは1週間以内とかでなかなかいかない場合があるんじゃないか。先ほど河野課長からもお話がありましたように、事前準備が十分でないうちに突然死をしてしまうとか、あるいはある程度名寄せ等はできていたとしても、受皿が見つからない。そうなりますと、ある程度、管財人を入れるとか、あるいは保全処分をかけて業務を止めなきゃいけない。
 その中で流動性預金だけ動かせるかということでございますが、まず、実は事前準備が十分でないとカット率が決まらない。つまり概算払い率でございますが、それはかなり詳細な資産査定をしてみないと、まさに先ほどからございますように、ゴーイング・コンサーンベースの会計情報しかない中で、まさに清算バランスを作ってみないといけない。清算価値を見ないと概算払い率が決まらない。そうすると、これはやはりある程度の時間がかかる。
 そこで、安全を見てやろうとすると、どうも1割とか2割ではなくて、5割とか6割とか、そのくらいでしか急いで暫定的な数字を決められない。そうなりますと、事実上、半分ぐらいしか払えないとすると、それはかなり期待に外れた数字となると、全体をブロックしてしまうのと同じことになるのではないか。そんな議論でございます。
○倉澤部会長 江頭委員、よろしゅうございますか。
○江頭委員 多分そういう話ではないかと思っておりまして、資産内容がなかなかわからない。だから、カット率がわからないという点が一番ポイントなんじゃないかと思います。
○倉澤部会長 深尾委員、どうか。
○深尾委員 その場合に、 100%決済預金保護みたいなことにいかない範囲で、どうやって早く払うかということを考えると、カット率は比較的高目に、2割とかカットするということを前提として、 1,000万円を超える部分について、例えば 5,000万円までその8割を保護して、それについては直ちに払えるようにするといったやり方もあり得るのではないかなと思います。
 アメリカの場合、10万ドルと書いてありますが、それよりも実はもうちょっと広くなっていて、普通の預金口座は10万ドルですが、これに加えて、確かIRAですか、個人の退職金口座が10万ドル。それから、奥さんとのジョイント勘定があれば、それも1口座別扱いされる。そうすると、夫婦2人であれば、それでIRAも全部入れれば、実は50万ドルぐらいまでカバーされているという事実があるわけですね。そういうふうに考えますと、しかも50万ドルまで金利も入れて 100%カバーされているんです。
 日本の場合、中小企業の決済口座の実態から見ると、多分 1,000万円までは 100%保護するにしても、その 1,000万円から 5,000万円の部分について、例えば8割とか7割とか、直ちに払えるようにしておいてやれば、ほとんどの企業は余り困らないのではないかというふうに思っていまして、そういう意味で、決済口座の 100%保護ということを避けながら、かつ、預金保険について余り大きくしないという観点から見て、カット率を設定した上で預金保険を引き上げるということは一つ考えられるのではないかなと思います。
 一つお伺いしたいんですが、仮にこれまで破綻した金融機関で、木津みたいなのは例外かもしれませんが、例えば拓銀とか、長銀とかいったところについて、どの程度のカット率であればやれるのかという試算はしていらっしゃるんでしょうか。もしあれば、大体の数字をお伺いできればと思います。
○窪野審議官 まず、前段のところは、一つの御意見、御提言だろうと思います。論点整理でも早期の段階で確かそういう一定率という発想があるのではないかというのを入れてたつもりでございますし、現にイギリスでは9割保証。逆に一番下まで1割は切られてしまうと、そういう発想もございます。
 それから、後段の点で、今手元に数字がありませんが、拓銀のケースで言えば、全資産と、いわゆる最終的な債務超過部分等を見るための資金援助の比率で、大体マクロ的にはそういう数字だと思いますが、確か20数%、24だったか26だったか、ちょっとうろ覚えでおりますが、そんなオーダーだったと思います。
○林信用機構室長 ちょっとよろしいでしょうか。
○倉澤部会長 どうか。
○林信用機構室長 例えば、拓銀というような数字が出ましたけれども、そういったケースが積み重ねられてきて、ある程度これぐらいなんだなというような感じがつかめていけば、先生おっしゃるような処理をしていくということも可能かと思うんですけれども、今余りそういった資料がない段階で、実務的に考えますと、後で取り返せないものですから、非常に硬めにしないといけない。硬めにしたのと正確なところが非常にギャップがあって、そのギャップの部分でまさに企業の決済ができないというようなことになると、我々の責任が問われるのではないかというところで、なかなか当面実務的には難しいのかなという気もしております。
○倉澤部会長 池尾委員、どうか。
○池尾委員 今の点に関連してなんですが、ちょっと繰り言みたいな感じになって、今の話に直接参考になることではないと思うんですが、私の意見として言っておきたいことがあるんですが、それは、現行の銀行取引の慣行だとか、決済に関わる企業の行動パターンだとか、銀行側の対応を含めて、そういうものがこれまで銀行預金というのは絶対に安全だということを前提にして企業の行動パターンだとか決済慣行等が出来上がっていると思うんですね。
そういう決済慣行が今後も変えるべきでないとか、変える努力はしないんだという前提で、何とかうまくいくような仕組みを考えてくださいという議論をされると、やはり問題だというふうに思っておりまして、そういう態度は広い意味で言うとモラルハザードだと私は思っておりまして、当然銀行側の対応の仕方、企業の対応の仕方、そして、全体としての決済に関わる慣行等の方も新たな状況を前提とした形で、変わる努力をしてもらう。それと預金保険制度側の対応と両方を組合せないと、現行の銀行取引のやり方は、もう前提なんだということで、それでうまくいく仕組みを考えろと言われても、それは非常に無理があるという感じがいたしております。
その点、ちょっとくどいですけれども、付け加えますと、要するに決済勘定に関しては、ゼロバランスのアカウントしか持たないとか、その日の決済が終われば全部決済資金は投資信託なんかに移してしまうような契約を結び、そういうサービスを提供するとかいうふうなことが広く一般的に行われるようになれば、こんなことについて議論する必要性はなくなるわけですね。
したがって、問題は預金保険制度のあり方だけではないんだ。企業の行動の仕方だとか、金融機関の対応の仕方だとか、そういうところにも問題があるんだということは明確に指摘をしていただきたい。そんなことを言っても、何が始まるのかわかりましたが、一応そういう思いを強く持っておりますので、その点だけ指摘させていただきたいと思います。
○倉澤部会長 坪井委員、どうか。
○坪井委員 2点について意見を申し上げたいと思うんですが、1点は、ここの中で7ページにありますが、外国銀行在日支店との関係については、預金保護の徹底をイコール・フッティングで考慮するという関係があるんですが、郵便貯金との関係ですね。これがこのテーマの中に全然載ってないので、これ、一つやはり考えていただかなくちゃならん問題じゃないかと思うんです。
 特に地方におきましては金融機関が非常に少ないということがありまして、ペイオフということになったときは、必ず預金が移動することは確実だと思うんですが、その際、相当部分が郵便貯金にいくんじゃないか。この場合、郵便貯金の方は国家管理であり、利息も高いし、貯蓄をどんどん奨励しているわけですから、そこへ持っていかれる可能性があるわけですが、これはそのエリアにおいては、その部分の、要するに我々金融資本の収縮につながりまして、直ちに貸し渋りが起きるんじゃないかという心配もありますし、やはりイコール・フッティングということを考えるとすれば、これは郵便貯金との関係、今後どういうような対応を示すのか。これは郵政省との関係で、やはりある程度の話し合いはすべきじゃないのかなと思いますね。
それから、もう一点は公金の問題なんですけれども、 1,000万円までしか保護しても実質的には意味がないと、これはまさにそりとおりです。ただ、制度がこういう形で実施されたときに、保護する話ではなくて、現在持っている各都道府県の多額の公金があるわけです。それから、ここにありますように財団法人、特殊法人、これは一つの県で少なくとも20か30くらい。要するに基本金を持って、その利息で運営している法人がたくさんあるわけです。今ちょっと利息が安いのでその補助金でやっているわけですが、この預金が、各自治体は議会がありますから、その議会によって、「この銀行に預けておいて安全ですか」と聞かれたときに、どこまで、今までは大体地方銀行ですけれども、それに安全だと言い切れるかどうか。
 私はある程度聞いてみたんですけれども、ほとんどの自治体の首長は答えられない。全く確実に安全だと、じゃどうするんだと。結局、全部東京三菱に持っていきますと。そうすると、大変な預金の移動がここでも起きるわけですよ。だから、そういう部門も考えると、公的資金の 1,000万円までしか保証しないことでは何の役にも立たんからやらんではなくて、そういう将来預金の移動による資本のエリアの部分についてのいろんな収縮が起きる危険性があるし、そういう手はずが大変だ。
 例えば、10億円の基本金を持っている場合は 100口に分散すればいいんだ、そんなこと地方でできませんから、結局はどこかへ持っていく。東京三菱へ持っていくという話に実はなる。この辺については、 1,000万円まで保証しても何もならんからという話ではないテーマで、もう一遍公金の場合の問題を議論していただく必要があるんじゃないか。この2点を申し上げたいと思います。
○倉澤部会長 蝋山委員、どうか。
○蝋山委員 今の坪井委員の話もさることながら、その前に池尾さんが言われたことは非常に基本的な問題であって、その点をどういうふうに考えるかということは、ぜひこの金融審議会の場において、意見の集約を可能な限り図っていただきたいというふうに思います。これは将来のビジョンをどう考えるかということとも関係するわけでありまして、私個人としては、例えば定期預金に保険を付けるということはやめた方がいいというふうに思っています。
 よほどの例外的でない限りは、もっともっと絞り込むべきだ。基本的に銀行の決済機能をうまく機能させるという点に日本の預金保険制度は集中すべきだと、そういうくらいの方向性を考えるべきなんではないかというふうに思っていますが、そこまで極端でなくても、池尾さんが言われたような基本的な考え方をどう考えるのかということを、ぜひ可能な限りこの場で集約していただきたい。
 なぜそんなことを申し上げるかというと、要するに日本では異常に定期預金がいろんな形で使われているわけですね。しかし、その基本は資産運用だ。先ほどの坪井さんのお話にも関わってくるわけですけれども、何で1年物の定期預金を財団が持つんですか。それは確かに安全かもしれないけれども、安全なものは、国債の方がもっと安全でしょう。地方債の方が安全。富山県は実は地方債、新原さんがいればあれだけれども、一部地方債で運用し始めたわけですが、そういう発想がほとんどないんですね。そして、銀行は安全だという慣行の上にどっぷりと浸かってしまっている。
 しかし、本当は、もっと長い歴史から言えば、国債が一番安全なんですね。そういうような考え方はほとんどとられていない。それで、過度に、しかもそこで保全、保護という発想が出てきますから、いつまでたってもいわば泥沼から抜け切れない。今までのような周囲の環境がうまい時代ならともかく、これからは私は乗り切れないだろうというふうに思っています。そういう点では、相当思い切った将来ビジョンを考えていかなくてはいけないんじゃないか。
 2番目は、しかし、それを2001年3月終わってからすぐやるというのは無理だということです。そういう点では、ある程度のステップを考えなきゃいけない。
 例えば、ここで流動性預金の問題というのは大変焦点になっているわけですけれども、営業の一部譲渡の場合、健全資産と付保のみを譲渡する。これは恐らくワンセットで譲渡するということを意味している。そうだとすれば、事前的に流動性預金については、必ずその裏返しに健全資産、例えば国債を持つということを義務づける。一種の 100%国債準備制度を何年間かは銀行に義務づけて、そして、仮にその銀行が倒産したときには、ワンセットで先取り優先権というものを与えておく。営業譲渡が大変容易ではないかというふうに思います。
 単純に計算しても、流動性預金と、それから、国債との金利差はプラスでありますので、いただきましょうという銀行が他の銀行なり他の金融機関が生まれてくるのは、簡単なことではないだろうか。そんなふうなことを一時的にでも付けて、移行する過程のショックを吸収するということも考えるべきなんではないだろうか。
 そういう点では、預金保険制度の狭い範囲の中というよりも、むしろ先ほどの河野さんの説明にありましたけど、銀行監督行政、銀行行政全体との中でクッションをうまく使っていくという必要があるんじゃないかなと、こんな感じを持っています。
 以上です。
○倉澤部会長 石委員、どうか。
○石委員 これからまとめに入るわけでありますが、基本的な視点という点で意見を一つ言わせてください。
 今日いただきました「討議用メモ」というのは大変良くまとまっていると思います。読んでいくと、自ずからある種の思想も出てくると思いますが、大きく言うと、技術的なテクニカルな面の細かい詰めというのはいろいろあるんですよね。
 そのほかにやっぱり基本的な姿勢ですよね。ペイオフをどう考えるか、2001年以降どうするかというときに、恐らく延長論もあるわけですが、特例措置はとりあえずとりましょうということで意見はほぼ一致していると思いますが、やはりなるべく早く国家管理的な金融システムを取っ払って、とりあえず預金者の責任、あるいは借り手・貸し手の責任でやるというようなスタイルを打ち出さないと、この預金保険機構の背後はわからないと思うんですよね。そうなると、できるだけ早く2001年3月までに身ぎれいにしておくという視点が私は非常に重要だと思うんですね。
 そういう意味で、ここには破綻に対する未然の防止というトーンで強く書かれていますが、実は早期発見・早期破綻させる方がいいというケースも当然あるんだろうと思うんですよ。それができて初めて小さな預金保険制度というのはできるんだと思いますし、やっぱり何か一つキャッチフレーズ的な言葉が必要だとするなら、私は「小さな預金保険機構」を目指すべきだということを国民に対して広く説得するような論理を当てて、その条件整備をするということがやはり基本的な視点としては重要だろう。その後にいろんな制度的なテクニカルな面がくっついて、車の両輪みたいな格好になって、アピールのできる報告書ができるんじゃないかと思いますので、基本的なスタンスとか何とかの議論をこれから行われると思いますが、その点が私は極めて重要じゃないか。恐らく池尾さんとか蝋山さんの言われている論点も、そういうところがベースになっている議論だと思います。
 以上です。
○倉澤部会長 深尾委員、どうか。
○深尾委員 早期に預金を使えるようにするという点では、もう一つの問題として、名寄せの問題があるかと思いますが、この名寄せについて、2ページの最後の一つ目の○ですね。常時名寄せするか、あるいは3ページの一番上の○の引継ぎだけのシステム対応を求める、その方がコストが安くて済むと書いてあるんですが、私は二つ目の○の意味がよくわからなかったんですけれども、そもそもすぐシステム対応が、すぐ預金者データを引継ぐシステム対応ができているのであれば、これは内部的にもローコストで常時名寄せができて、それは当然顧客サービスに使うであろう。そういうふうに考えると、単に情報を引継ぐようにしておけばコストが安く済むというのは、おかしいのではないか。やはりそのためには常時名寄せが自らもできる体制が必要なのではないかと思います。
 そういうふうに考えると、結局、常時の名寄せを義務づけざるを得ないのではないか。その場合に問題は、時間的に間に合うかどうかという点だけであって、今から5年かけて絶対やるといえば、多分できるだろうと思うんですが、そこまでこちらが本気で言うか、あるいはそれとも、もうちょっと時間を与えるか。2000年問題もありますので、その間のシステムの負荷とかいうこともあるかと思いますので、物理的にできるかどうかという点の見極めについて、ちょっとお話をお伺いしたい。もしもできるのであれば、やらせればいいし、どうしてもできないのであれば、一体どれだけ時間を与えればいいのかというのが多分ポイントになってきて、5年も10年もというのであれば、全く意味がないわけですから、なるべく短い間に名寄せができる体制にしておいて、その上ですぐに払えるような体制をとるということが大事なのではないかと思います。
○倉澤部会長 お願いいたします。
○窪野審議官 名寄せについての技術的な問題、やや概括的に私から申し上げまして、また林から補足があるかもしれませんが、幾つかのレベルが考えられまして、まさにリアルタイムでオンラインで完璧なものをやろうとすると、1行当たり、都銀であるとか地銀上位クラスで 100億から数百億のシステム投資が要る。もちろんそのメンテのコストも要るというような状況でございます。
 一方、オフラインでまさにリアルタイムでなく、ある頻度でやるとなりますと、大分桁が違うコストです。
 それから、制度の方でございますが、背番号とか納税者番号、ソーシャルセキュリティ・ナンバーがない状況でやりますと、どうしても氏名、生年月日、住所、この辺を中心にやることになりまして、そうしますと、オフなり何なりでやりますが、コンピュータを回す作業自体、これは物理的にそんなに時間がかからない。数日とかそんなところでできるわけでありますが、その後時間がかかりますのは、それをつぶす作業でありまして、ここはかなり手作業になります。
 どういうことかというと、名前は同じ、住所は違う、でも電話番号が同じなので、もしかすると同じ人ではないかとか、あるいは法人で言えば、1文字違うような、あるいは株式会社が抜けている、あるいは何とか支店と書いてあるとか、その辺の調整。ここが今名寄せで、そこまで入れて1カ月とか2カ月かかると言われている大宗でありまして、そのつぶす作業を常時いつもやらせておくのか、ある程度回せるようにしておいて、かなり必要性が現実のものとなった、破綻したり、あるいは破綻の懸念が生じたところで預保も入って、そういう手作業の部分をやるかどうか。その手作業部分を本当にどこまで義務づけるか。
 そんなことが議論になっておりまして、そうすると、その手作業のことを考えますと、実は、銀行に最初から最後までやらせるのと、もし事前準備が可能であれば、オフラインでデータができるようにしておいて、その部分を必要なときやるというのが、成果とすると、預保にとって必要なものとすると、余り差がないと、そんな技術的な検討が行われております。
○石委員 ちょっと関連でよろしいですか。
○倉澤部会長 はい。
○石委員 一つ情報提供なんですけど、今窪野さんがまさに納税者番号のことをおっしゃいまして、今度、税調のイシューなんですよ、これから。何のためにやるかといいますと、元来は総合課税のため、利子を捕捉したいわけですよ。つまり利子というのは一旦外されちゃうと、正直ベースで出てこないから、しようがないから今源徴でやっているわけですけど、しかし、一つ大きな主流というのは、大蔵省もそうですけど、総合課税でいきたいと、それで納番だという話が延々ときていて、そこでやっと住基番号が入り、数年前に年金番号が入りましたから、やる気ならやれる体制にはなったんですよ。
 そこで、私は税調でどうなるかわからないけど、実際にプライバシー保護の問題があったり何かしていますから、日本国民全体に支持が得られるかどうか、これから議論しますけど、半々ぐらいの割合で私は確率があると思っているんですよ。ということになると一挙に解決するんですよ、この名寄せのコストの問題は。つまりコストがかかりますけど、今言った、後で手作業でチェックなんていうのは必要なくなりますからね。
 そういう意味で、議論の進め方として、納番というのは一方的に税金強化のためやるんじゃないかという面だけ出てくるから、ほかの国は社会保障番号だとか社会保険番号とか言って、もらう方の側をクローズアップさせて議論を進めているわけなんで、その点から言うと、これは非常にいいんですよ。私もこれ、できたら大いに使いたいと思うんですけど、預金がちゃんと返ってくるために番号があった方がいいでしょうというスタイルの方が、今後は議論はしやすいですね。そういう意味で、私はここに参加させてもらって非常にメリットがあるなと思っているんですけど、そうなると、この問題、極めてスムーズに移行する問題、恐らく数年後に出てくるかもしれない。
 それは情報提供です。わかりません。私も確信をもって納番を入れろということまで自信はないんだけれども、議論として今の議論に引っかけると、かなり可能性が出てくるような気がする。これは情報提供だけです。
○倉澤部会長 室長、ございますか。
○林信用機構室長 先ほどの深尾先生の御質問ですけれども、ここで書いてあります引継ぐためのシステムというのは、やはりある時点で切って、そのデータを金融機関から預金保険機構がいただいて、そこで名寄せをするのであれば、そのシステム対応については余り金額がかからない。
 それに対して、普段の金融機関のシステムに常に名寄せができるようなことをビルト・インしておくのは、システムに負荷がかかって、非常にコストがかかるという話を承っておりますので、もしありましたら金融機関の方から一応補足していただければと思います。
○深尾委員 オンラインで名寄せをする必要は私はないかと思うんですけれども、週末で1日2日でできる状態にしておく必要があるだろう。そうすると、後で手作業が要るというような状況であれば、名寄せをやったことにはならないと思います。
 そういう意味で、石先生から御指摘がありましたけれども、納税者番号じゃなくて、預金保険番号制度を入れて、預金保険番号を通帳に全部明記して、それで名寄せすれば、一気に解決するのではないかと思います。
○倉澤部会長 お待たせしました。杉田委員、どうぞ。
○杉田委員 先ほどから先生方の意見を聞いていて、それから、事務局からのメモの説明を受けて、やっぱり私、いろいろたくさん大事なところがありますけれども、これからこれを答申を出して、法律化されて、実施に移すという政治のプロセスを考えますと、先ほどから議論になっている流動性預金、ここが政治的には最大の問題かなという感じがしますね。
 ですから、福田局長はじめ、行政サイドの皆さんの気持ちを斟酌すると、この辺の取扱いを間違うと、やっぱり相当いろいろあるだろうという感じを持っているわけです。下手すると、グリーンカードの二の舞い、そういう危険性もあるかもしれないという感じもあります。
 ですから、先生方がおっしゃっている決済資金も過剰保護すべきでないというのも全くそのとおりだし、筋論だと思うんですが、一方で、この前のヒアリングなんか見ますと、非常に強い中小企業関係者の証言を聞いていますと、先ほど蝋山先生がおっしゃったように、移行期間にはある程度暫定措置を講じるということで先生方のいろいろ知恵を出していただくのがいいんじゃないかなというような感じがしましたね。
 だから、先ほど先取り特権の活用という話もありましたけれども、私はそこのところは具体的には技術的にわからないけれども、移行期間の暫定措置を講じて、そして、中長期的に筋論に持っていくという、何かそこの工夫ができないかなと。そこをクリアできれば、この問題を契機とする実質的なペイオフ凍結延期論、それを防げるのではないだろうというような思いで先ほどから聞いておりましたということが一つ。
 それから、もう一つ、私は個人的によくわからないのは、金融債なんですよね。もう既に唯一生き残った興銀さんが、この間の3行経営統合の選択をされて、そちらの方にこれから進んでいくということになると、金融債についての付保ということがどの程度意味を持つのかなと。
 それから、そもそも長銀法というのはどうなるのかなという感じを、現実の動きが先行しているものですから、思うんですけれども、そういう中でこの金融債に付保するということすが、そもそも本当にどのくらい意味があるのかということがよくわからないので、この点はむしろ若干お聞きしたい点がある。
 以上です。
○倉澤部会長 では、室長、どうぞ。
○林信用機構室長 後の方の問題ですけれども、金融債については、ここにもちょっと書いていますけれども、技術的に難しくて、転々流通しないということを確保していきますと、どんどん金融債という債券の性格から離れていってしまうものですから、では、何を我々は保護するのかというのがわからないという、非常に難しい問題があって、悩んでいるところでございます。
 ただ、いずれにしても、そういう議論をしていきますと、おっしゃいますような長信銀法自体をどう考えるのかという議論にも必然的に結び付くのかなと思っています。
○窪野審議官 少し補足をいたしますと、御指摘いただいたテーマ、この両方の視点だけで判断できるのかどうか。周囲の状況、まさに金融システム改革が大きく動いていく中で、この10月から一方で銀行社債が出ますし、銀行社債について、また金融界からは金融債的な売り方、金融債の良いところを規制緩和という形で取り入れられないかという議論が一方ございます。
 他方で、金融債はまさに長信銀、それから、それ以外にも商中、農中等も出しておりまして、その辺の資金調達手段である現状を評価しながら、これから長信法のあり方そのものを議論していく。金制でも1回議論していただいた点でございます。
 さらに、ちょうど長銀あるいは日債銀が今営業譲渡を行われようとしたり、その受皿探しが進んでいるところでございまして、またそこが長信銀というステータスを引き継いで、金融債でどのくらい資金調達をしていこうかという、その辺も見極めが必要であるということで、またこの審議会の場でも、むしろその辺の長信法、金融債をどう考えるか、いずれ一度は整理をして議論していただかなければいけないテーマだとは思っております。
○倉澤部会長 どうぞ、福田局長。
○福田金融企画局長 杉田委員の前半の流動性の保護でございますが、今日お示ししている討議メモも、おかげさまで全体として、いろいろな形で少しずつ方向性を出していただいていると思っております。
 ただ、この流動性預金の問題につきましては、御指摘のように大変難しい問題で、本日のメモでも、いわば水玉みたいな両論を書かせていただいて、今日御議論いただいているわけですし、私どもこの金融審議会にどういうことをお願いするかということにも絡むんですけれども、これはとりあえず政治的な問題とは切り離して、この審議会で集約していただければ、それはそれで、政治と別に審議会の見識ということで結構でございますし、また、それができなくて両論的なことでも、これはやむを得ないわけでございまして、いずれにしてもこれが今いろいろ国会関係、あるいは地方の財務局長の情報によっても、かなり重要な難しい問題であると認識は十分しておりまして、この審議会の御方針をいただき、あるいはそれと並行して政治の方の回し方、政治のどのような場で、どういうふうに議論していただくかも考えてまいりたいと思っていますので、審議会の御方針が仮に固まったとして、そのとおりいくかどうかも含めて、まだ不透明でございますけれども、少なくともこの専門の皆様方の中でどのような問題があり、どのような案があり得るのか、そして、どれがベターかというところまでいっていただければ、それは一番ありがたいと思っておりますが、大変ここは難しい問題であることは認識しております。
○倉澤部会長 深尾委員、どうか。
○深尾委員 金融債の保護についてですけれども、これも結局、売買できないようにして個人で持たせれば預金と私は変わらないのではないか。今の長期信用銀行法でも、金融債を1万円持っていれば、預金は無制限にできるわけですね。そうすると、金融債から預金にシフトすることについて、仮に興銀がそのまま長信銀にとどまっても、それは完全にカバーできるといいますか、5年物の預金を出せばそれでいいことではないか。これについて預金保険は当然掛かっているわけです。ですから、私は金融債については保護する必要はないのではないか。それに対する受皿としては預金があるし、5年物の預金を使えばいいのではないかと思います。
○倉澤部会長 渡辺オブザーバー、どうか。
○渡辺オブザーバー 興銀の渡辺でございます。
 今、金融債について、まず、制度の問題については、今後の制度の議論として別途御議論いただくということだと思います。
 私どもとしては、むしろ金融債を個人の中で、多分十数兆既にお持ちいただいておりますし、実態的に深尾委員御指摘のとおり、現状において、個人としては預金と同様の意識で預けておられるわけでございます。ここに総論に書いてございます基本的な貯蓄手段として定着をしていると。元本保証があると。それから、我々の例で申し上げますと、個人でお持ちいただいている金融債のうち、7割ぐらいは保護預りという形で、名寄せによって本人が特定をできますし、流通性も事実上ないと、こういうことでございますので、預金保険の少額の貯蓄者の保護という観点から、対象に加えていただければと、こういうことに考えているわけでございます。
○倉澤部会長 翁委員、どうか。
○翁委員 基本的にはこの小さな預金保険制度を目指すという方向での報告書で、私もそのトーンでいいと思うんですが、その前提というのは迅速処理と早期処理ということだと思うんですが、今までのいろいろな議論で出てきました名寄せにしても、資産査定にしても、やっぱり現実には非常に難しいけれども、できれば事前関与ができた方が早期処理がうまくいくということだと思うんですね。
 その意味では、一つのアイデアとして早期是正措置で、ある一定の非常に低い自己資本比率になった場合に、その資本再建を図ると同時に、そういう早期処理の可能性も展望した準備に入るといった是正措置の見直しも考えてはどうかという気がしております。
 それから、もう一つは、先ほど池尾先生が決済慣行が変わるんだということをおっしゃっておりましたけれども、この預金保険の制度の改革というのは、ビッグバンと非常に密接に関連していると思うんですね。それはやっぱり預金を守らなくてはいけない、預金を何としても守らなくてはいけないというプレッシャーをできるだけ緩和していくという方向で整合的に考えていくということだと思うんですが、そのためには、決済慣行の見直しということもそうですし、また、投信の決済機能とか、それから、CPとか社債とかそういった企業の資金調達手段をいかに便利に運営していくかという、そういう周りの環境整備ができて、小さな預金保険制度が目指せるということだと思いますので、これは預金保険のペーパーにはなっていますけれども、やっぱりそういう方向が重要ではないかという池尾先生の議論に少し付け加える感じなんですが、そういったトーンもやっぱり打ち出していく必要があるのではないかというような感じを持っています。
○倉澤部会長 私、この第二部会でスタートのときに言いつけられましたことは、預金保険法という原則的制度に対して、特例措置が掛かっているのの、その特例措置の時間が近づいてきているという現在を出発点にしてという、そういう課題がこの第二部会で、社会システムとしての金融制度の文化大革命はあるいは蝋山部会長の第一部会の役割かもしれませんけれども、しかし、おっしゃるように原則的なあるべき制度というのは、2001年4月においてもやっぱりあるべき方角へ少なくともそれを示すというか、そちらの方向に一歩踏み出すということは考えていかなければならないとは思いますが、預金保険の範囲内のペーパーになっているのは、この第二部会の性格上、一つの限定だといふうに御理解いただきたいと思います。
 どうかお願いいたします。
○稲葉日本銀行企画室参事 一つ申し上げたいなと思ったことがございます。金融審議会で今後どのような金融システムを構築するか、そういう中で預金保険をどうしたらいいか、そういうメッセージを出しながら、しかし、それをどうやって世の中に納得させていくか、これは非常に難しい問題だと思いますが、それはやらなければいけないということだと私も思います。
 そのときにのキーがどこにあるかということなんですが、私は討議メモを見ておりまして、1ページ目の下から2番目、さらっと書いてありますが、非常に重要なポイントではないかと思っていますが、「破綻に伴う預金者の負担を最小限に止めるために、早期に処理することが必要ではないか」ということです。
 これは先ほど翁委員もおっしゃいましたが、言葉の字面以上に重要ではないかと思っていますのは、これは早期に処理するということ。言ってみれば、例えば端的に言えば、債務超過になる前に処理をするということができれば、決済性預金をどうするとか、流動性預金をどうするとかいういろんな問題がミニマイズされる。もちろんなくすことがいいことかというのは別問題ですが、とりあえずミニマイズできるということだと思うんですね。
 もちろん債務超過になる前に処理するということは朝方の御議論にまたつながってくる問題でもあるわけですし、法的にも、実務的にもなかなか難しいという気はしますけれども、その辺を一つのキーワードといいますか、中心に置いて、もう少し吟味をしてみるということとすれば、各論に対する負担感が小さくなるのではないか。言ってみれば、できるだけ債務超過になる前に処理するということができるかどうか。あるいは確率的に債務超過になってもしようがないんですけれども、そうすればカット率は小さくできると、こういうことではないかと思います。
○倉澤部会長 坪井委員、どうぞ。
○坪井委員 結局セーフティネットが必要だというような意見が大分多くなってきていると思うんですけれども、先ほど来、日本版のP&Aという話が多々出るんですけれども、そのとき司法指揮権がなければ、このいわゆるP&Aはなかなか成立しない。迅速に解決するときにはなかなか立会いできないということだと、その司法指揮権をどこに持たせるのか。要するにアメリカのように預金保険機構に持たせるのか、それとも金融監督庁に持たせるのか。これは各金融機関にとっては大変な興味のあるといいますか、非常に注目する。これ以上監督が厳しくなっては大変だということが一つありますし、といって、じゃ、預金の保護をどうするか。
 もし日本版P&Aというのをこれから口にするときには、やっぱりしっかり出していかないといけないんじゃないかと思う。これはお答えがあれば、お聞きしたい。
 もう2点は、ちょっと口説きになりますけれども、現場の現実としてお聞き取りいただきたいのは、先ほど蝋山先生からもお話があり、何で国債を買わないんだと、財団は。これは地方においては、50%を自治体で拠出しますが、あとの50%を民間から取るときに、銀行−−金融機関と電力会社とか運輸会社、そういうところからの預金が圧倒的に多いんですね。したがって、金融機関から金をいただいたので国債を買っちゃうと、中にいかないで、そこへまた預金すると。結局5年の定期預金するというのは、そういう形があるということが一つ。
ですから、なかなかこれは国債を買えない。買うとその月の金の集まりが悪くなる。これは社会混乱のもとになって、一つですね。
もう一つは、個人の預金の場合もそうなんです。拘束預金というのは本当はないことになっていますが、中小の八百屋さんとか小さい工場、床屋さんとか、そういうところの人が信金とか信組から 5,000万借りたとしますと、自分の預金が 2,500万ありますよ。これはやっぱり返済のための一つの預金と見られているんですよ。拘束はされていませんけれども、そう見られている。ですから、簡単にペイオフやられたときに、預金をどこかへ持っていって、 1,000万まで置いて、あと 1,500万どこかへ持っていっていいじゃないかという論理があるんですけど、しかし、現実にはそれを持っていれば、その次の金融に直ちに個人的な、企業的なものが不足してくる。
それは銀行だって、もちろんそうですよね。今まで 2,500万あった。今度こうなったから、じゃ私は隣の銀行へ持っていっちゃいますとなったときに、その次、 5,000万貸してくださいというときに、あんた、預金持っていっちゃったんだから、もうあと半分しか貸せません、こういう形があるんです。
したがって、そういうことが起きることが社会混乱につながる。これはやっぱり現場の現実ですから、一つこれも考慮していただきたい。これは口説きになるかもしれませんが、意見として申し上げたい。
○倉澤部会長 ありがとうございました。
○窪野審議官 前段の日本型P&Aのところでございますが、まず、初動の部分につきましては、翁委員あるいは日本銀行の稲葉さんからもお話がありましたような監督当局との連携をとった事前準備が一つ重要な要素で前提になると思っております。その上で、事前準備が十分できた上で、破綻の時点でございますが、そこでいわゆる余り受皿へいくことについて議論にならない健全な部分、健全資産と付保対象預金、これはむしろ司法手続を煩わさずとも、速やかに管財人なりの権限で司法手続の外でさっと受皿へ営業譲渡ができないか。
そして、一方、残りましたカットしなければいけない預金とか、あるいは不良資産等、そこは司法手続の中で清算処理、あるいは破産処理をしていくと、こんなことを考えておりまして、そういう意味では、指令塔がある意味で行政的に健全な部分は速やかにやり、悪い部分は司法的にやると、そういう行政・司法の連携になるという理解をしております。
○福田金融企画局長 一言申し上げます。
今の点で、稲葉さんの御指摘のように、私も過去金融行政をやっていたんですけど、タイミングとしては、金融機関が資産超過の間、つまり価値のある間にいろいろな手法で救済して、吸収合併してもらうなり、いろいろなことをするというのは昔やっていた話で、それが客観的なクライテリアがないということで、今回、早期是正措置というのができたわけですから、やはり先ほどの御指摘のように早期是正措置にどのようなものを取り込んで、どういうふうに見直していくかということだろうと思っておりまして、そこをうまく仕組まないと行政に過度の期待がかかる、あるいは逆に行政が過度に介入するということになりますので、そこは早期是正という客観的なことの中に織り込んでいくんだろうと思います。                   それから、行政手続と司法手続、やはり金融機関のセーフティネットの場合は、どうしても組み合わさざるを得ないだろうと思うんですね。ですから、そのときに、では、なぜ司法手続の簡略化が認められるかといえば、一つは、決済システムに絡むことであり、また、債務超過のような状態であれば、司法手続上もこれは簡便なことで処理しようという、その辺のすみ分けが少しできつつあると思うんですけれども、いずれにしても、司法手続だけがどうしても回らないというのがセーフティネットだろうと思っております。
 余計なこと申しました。
○蝋山委員 一言だけ。
○倉澤部会長 はい。
○蝋山委員 銀行は免許業なわけですね。恐らく行政というものがライセンスを与える権利を持っているから、行政と司法の連携が可能ではないかというふうに思います。その辺のところもぜひ十分にお考えいただいて、今の局長の御発言の中には免許を誰が与えて、その免許権というものをどういうふうに取り上げることができるのか、そういうところと絡ませてぜひお考えをまとめていただきたいというふうに思います。
○倉澤部会長 このテーマにつきましては、次回も引き続き、いわば継続審議を予定しております。次回の御審議をいただいた上で、「預金保険制度についての骨格となる基本的な考え方(仮称)」を10月中の当審議会総会に報告・公表を予定しております。今審議の過程でもありますし、さらに総会の議を経た上で公表を予定しているという事情もありますので、本日席上配付いたしました「討議用メモ」スタンプ付きのものにつきましては、会議後回収させていただきます。お帰りの際、席上に残していただくようお願いいたします。
 本日もいつもどおり、部会終了後、記者会見を行います。この預金保険制度に関する議論については、関心の高まりもあって、委員の皆様方にも個別に熱心な取材等があるかと推察されますが、基本的な考え方へ向けての議論の過程にありますので、本日の内容の対外的な対応につきましては、私に御一任いただければと存じます。
 それでは、最後に、次回の日程等につきまして、事務局より連絡させていただきます。
○玉川調査室長 次回の日程は、10月13日(水曜日)の午前10時からとなっております。議事といたしましては、本日に引き続き、預金保険制度についての骨格となる基本的考え方に関する議論及び保険基本問題ワーキンググループにおける検討状況の紹介等を予定しております。よろしくお願いいたします。
○倉澤部会長 次回の進め方等につきまして、御質問、御意見等ございますか。
今御説明のような形で、次回進めさせていただいてよろしゅうございますか。
それでは、以上をもちまして、本日の会議を終了させていただきます。
どうもありがとうございました。
                               (以 上)