平成12年4月27日(木)

 
公認会計士審査会

第4回試験制度に関する検討小グループ議事録


於 共用第3特別会議室
(合同庁舎第四号館4階)

大蔵省金融企画局市場課
  
  


午後1時32分開会

神崎座長 予定の時間が参りましたので、ただいまから、「試験制度に関する検討小グループ」の第4回会合を開催いたします。
 本日は、前回に引き続きまして、「試験制度改善の基本的な考え方について」御討議いただき、その後で、試験制度改善の基本的な考え方を実現するための「試験制度のあり方」「試験実施のあり方」について御討議いただきたいと存じます。
 「試験制度改善の基本的な考え方について」は、公認会計士の質と数の関係、特に業務内容との位置づけにおいて、どの程度の公認会計士数が必要かといった基本的な考え方について、公認会計士の登録制度のあり方を踏まえ、議論を深める必要があるとされていたところであり、前回、皆様方から、様々な御意見をお伺いいたしたところでございますが、事務局で前回までの御意見等をまとめていただきましたので、このペーパーを事務局から説明いただいた後に意見交換を行いたいと存じます。
 それでは、事務局よろしくお願いいたします。


大藤大臣官房参事官 それでは、事務局から御説明させていただきます。「資料1」に「試験制度に関する検討小グループ」の検討事項に係る意見・考え方等ということでまとめております。これまで試験制度改善の基本的な考え方について御議論をいただいたところでございますが、それについてまとめたものでございます。
 まず、「1.試験制度改善の基本的な考え方」の問題意識といったものでございますが、四角で囲んであるところにございますように、「公認会計士の質と数の関係、特に、業務内容との位置づけにおいて、どの程度の公認会計士数が必要かといった基本的な考え方について、公認会計士登録制度の在り方等も踏まえ議論を深める必要がある。」というものでございます。これにつきまして幾つかの切り口で御議論をいただきましたところでございます。
 まず、「試験制度見直しの必要性」という切り口でございます。裏返しますと、現行試験制度における問題点ということだと思います。
 これについては、右の「主な意見・考え方等」というところに、いただきました意見等を整理してございます。
 順に読ませていただきますと、公認会計士の質及び数の充実のため、試験制度や研修制度の在り方について改善すべき点はないか。
 社会人を含めて多数の多様な人材に受験しやすくすることにより、公認会計士間での競争を促進し、公認会計士全体としての水準の向上が図られるような制度の在り方を検討する必要がある。
 必要以上に受験者の負担が大きくなっており、幅広い人材の受験を困難にしているのではないか。
 それから、会計・監査制度のグローバル化を考慮し、諸外国の公認会計士試験制度と同質性を確保する必要があるのではないかといったような御意見をいただいたところでございます。
それから、2番目の切り口でございますが、「公認会計士数増加の必要性」でございます。
 これにつきましては、真ん中の「主な論点」というところでございますが、当方から論点として提示させていただいたものでございますが、「わが国経済社会の高度化、国際化等の進展に伴い、公認会計士監査等に対する社会的要請が急速に高まってきており、公認会計士については、人数面における十分な規模の確保と資質的にも深い専門的知識と幅広い識見が従来にも増して必要」とされている点をどう考えるかというものでございました。
 これについていただいた意見等でございますが、今後の公認会計士監査については、高い資質を持った公認会計士が十分な規模で存在することが必要ではないか。
 今後我が国の監査レベルを国際水準に押し上げるため及び既存の監査以外の新たな分野での監査等に対応するため、第2次試験の合格者の増加が必要ではないか。
 企業では、会計や税の専門的知識が非常に強く求められており、そうした専門的知識を有した人材が極めて不足しているのではないかといった御指摘でございます。
 それから、1ページおめくりいただきまして、「業務内容と公認会計士数について」という切り口でございます。
 これにつきましての論点でございますが、業務内容との位置づけにおいて、どの程度の規模の公認会計士数を適正と考えるのか。
 この場合、監査・証明業務のみで考える場合と、監査・証明業務とそれ以外の業務を含めて考える場合があると思います。
これについていただいた意見でございますが、現在の我が国の監査実施時間を国際水準並みに引き上げる必要があり、このためには、6,000名程度の公認会計士の増員が必要ではないか。これは公認会計士協会の調査に基づく御意見でございます。
次に、単に一つの会社に対する監査時間を増やすという観点からだけでなく、もっと広く社会的にどのような業務でどのくらいの公認会計士が必要とされているかを考える必要があるのではないかといった御指摘でございます。
 次に、企業に会計の高度な専門的知識を持った有資格者が何人もいることが、これからの企業の国際競争力等を考えると必要になってきており、このような要請を満たせるような十分な規模の公認会計士数が必要ではないか。そのような観点から考えると、増加させる人数としては、6,000名程度ということではなく、1桁違うのではないかというような御指摘もいただいたところでございます。
 それから、次に、「どのような人材の公認会計士が必要とされているのか。」という切り口でございます。
 これに対しましての主な論点でございますが、暗記中心の専門学校偏重受験教育等によって会計士業務に不可欠な思考能力・判断力を有した公認会計士が生まれていないのではないかとの懸念があることなどから、企業に在籍している社会人など多様な人材を求めるべきとの考えがあるがどうか。
 次に、企業等に在籍していて公認会計士としての業務を行わない資格者を増加させることも、公認会計士の裾野の拡大という観点から有効ではないかとの考えがあるがどうかといったものでございます。
 これに対しての御意見でございますが、企業に在籍して企業をよく知っている人が監査人になることが、より効果的な質の高い監査ができると考えられ、裾野を広げる、又は多様な人材を求めていくときに、社会人や企業に勤務している優秀な人材が会計士界に入ってきやすくするような制度改革が重要ではないかという御指摘でございます。
 それから、会社の中には、優秀な人が公認会計士の試験を受けて、資格を取りたいという人が相当いるので、そういう人たちに門戸を開くようにすれば、企業の会計スタッフの質も上がり、監査法人との交流を通じ監査法人の業務の質も向上するのではないか。そういう双方向の仕掛けを作ることが必要ではないかという御指摘でございます。
それから、これに対しまして、企業に在籍している人が直接合格しても、基本的に監査を行うのが公認会計士の仕事だとすると、監査の充実ということには直接結びつかないのではないかという御意見もいただいているところでございます。
 それから、公認会計士の裾野の拡大という観点から、何らかのバイパスを設け、何年間かは監査に従事することを等を条件として、他の資格者の参加、例えば、弁護士や税理士の有資格者に広げていくことも考えるべきではないかという御指摘もいただいたところでございます。
 それから、1ページおめくりいただきまして、「公認会計士の質の充実について」という切り口でございます。
 これについての論点でございますが、必要とされる公認会計士数の増加の要請を満たしながら、一方において、公認会計士の質の低下を招くことがないよう留意する必要があるのではないかということでございまして、具体的には、公認会計士の質の維持・向上を図るためには、どのような公認会計士試験制度・試験実施の在り方が望ましいと考えられるか。
 受験者数を増加させることにより、合格者数を増加させても、合格率を維持することが必要との考えがあるがどうか。
 公認会計士という職業に対する魅力を向上させる必要があるのではないかという点を提出させていただいたところでございます。
 これに対しての主な意見でございますが、予備校に行って専門的な勉強をした人だけが合格するのではなく、実務界の人たちが公認会計士の試験を受けて、専門的立場で仕事ができるようにすることが公認会計士全体としての質の確保につながるのではないか。
 質の異なった人たちが公認会計士界に入ってこれるように、何らかのバイパスを設けてもよいのではないか。例えば、弁護士の有資格者や企業の実務に10年以上勤務して何年間か監査業務に従事した場合には、第3次試験を受けられることとしてはどうかといったような御指摘でございます。
 それから、大学教育との関係では、試験制度と大学の教育が乖離しているのではないか。例えば、アカウンティング・スクール構想のようなものを考えて、この卒業生等には別枠で試験を行うことも考えてはどうかといったような御指摘もいただいたところでございます。
 以上、御意見のところにつきましては、必ずしも全てを網羅しているわけではございませんが、以上整理させていただいたところでございます。


神崎座長 ありがとうございました。
 ただいま事務局から御説明がありましたとおり、前回の討議におきましても、特に「業務内容と公認会計士数について」「どのような人材の公認会計士が必要とされているのか。」について、様々な御意見がおありになられたと思います。本日は、それらの点を中心に御討議をお願いいたします。この点について皆様方の御意見をお願いしたいと思います。
 三原委員お願いいたします。


三原委員 私は、この前も申し上げましたように、公認会計士の社会的な要請とか、あるいは監査の内容を充実させるという意味で、大幅に公認会計士の数の増加を図るということについては全く異論がございません。
 ただ、気になるのは、この6,000人という数を出すかどうかということでありまして、この6,000人という数を出すと、その算定根拠ということにいかざるを得ないわけであります。そうすると、また監査時間の倍増とか、そういう問題に絡んでくるわけでありますけれども、そういうことになりますと、これはいろいろまた検討しなければいけない問題があるのではないか。従って、できれば数は出さないで、「大幅な増を図る必要がある」というぐらいの言い方がもしできれば、そういうようにした方がいいのではないかというのが私の意見でございます。


神崎座長 どうもありがとうございました。
 「試験制度改善の基本的な考え方」ということで、まず総論的な検討をお願いしているわけでございますけれども、いかがでしょうか。
 森田委員お願いします。


森田委員 私も監査時間等から、このくらい増員する必要があるという方向での人数の提案の仕方というのは、様々な問題があるだろうと思うんですね。だけど、これは確かに将来のことを考えれば、どのくらいの人数が必要になるのかなんていうことの確実な根拠はあり得ない、示し得ない、計算なんかできないと思うんです。そうすると、何が、どういうところから制約が出てくるかというと、例えば、今のような公認会計士の試験制度、資格制度を前提にすれば、この前、福田委員からお話がありましたように、要するに試験の合格者を多くするというだけではしようがないわけですね。それを監査の役に立つような会計士に養成する業務補助等、そういうような事柄について、それを実施する上で制約があるわけですね。何百人、何千人増やしても、それができるということでなくて、この前、大手の監査法人がどのくらいそういうことができるかというような御紹介もありましたけれども、そういう方面からの制約もある程度考えざるを得ないのではないか。
 ただこのグループとして大幅に公認会計士数を増やす必要があるということだけを言えば、それでいいのであれば、私はそれで結構だと思います。ですけれども、例えば、どのくらい増やさなければいけないのか。そうすると、差し当たりどのくらいならば増やせるのか、これは今の2次試験、3次試験という通常の、従来どおりのルートの公認会計士だけ、資格者の増加だけを考える場合と、それから、そのほかのバイパスというんでしょうか、それ以外の公認会計士の資格を与えるルートを新しく作るということによって、これはいろいろ変わってくると思います。
 ですけれども、いずれにしても、ここにも書かれておりましたけれども、企業に勤めている優秀な方を会計士業界の方に引き入れるということを考えたとしても、すぐに監査ができるわけでないだろう。そうなると、やはりそういうような人たちについて十分な監査ができるような広い意味での教育という面から、何か人数の制約が出てくるのではないか。
 ですから、ここでどの程度まで具体的な事柄を決めるというんですか、提案するというんですか、その内容によって違うかもしれませんけれども、例えば2次試験の合格者をどのくらい増やすというようなことを言う場合に、最大限このくらいしか増やせないというような、そういうような問題は考えておかなければいけないのではないのかなということでございます。


神崎座長 ありがとうございました。
 今、最大限ということをおっしゃったんですけれども、最大限についてやはり具体的な数値を出すということが前提でございますか。


森田委員 出さないでいいんならば、いいんですけど、2次試験の合格者を増やせとか、あるいは社会人からなるべく公認会計士になるようなルートをこしらえろと。それはなるべく多い方がいいというようなことだけでいいのであれば、そんなこと言う必要はないと思うんですよね。ですけれども、どうなんですかね。それでいいんですかね。


神崎座長 最大限ということを言う場合には、やはりその根拠を示さないといけないと、こう思いますけれども、その点については余り懸念をする必要がない事柄でしょうか。


森田委員 というのは、私が考えたのは、現在の試験制度を前提にしている限り、例えば、倍にしろというようなことをやっても、現実問題として、できませんよね。そうすると、先ほどの御意見で6,000人じゃなくて、1桁違うんじゃないかという御意見もあったぐらいで、皆さん、質が下がらないような形で多くするということについては反対意見はなかったと思うんですよね。けれども、そんな簡単に作れるものじゃないだろう。
 そうすると、それを養成するための準備というのか、それがちゃんとできているか、できている範囲で提案しないと、それこそ、例えば2次試験合格者をすぐに3倍にもして、というようなことになれば、混乱が起きますよね。だから、人数を言うのであれば、最大限このくらいは大丈夫であるというようなことがやはり上限になるんじゃないですかね。それを一遍にやるのか、毎年少しずつ何段階かに分けてやるのか、そういう技術的な問題はあると思いますけどね。


神崎座長 ありがとうございました。
 木下委員お願いいたします。


木下委員 前回、加古先生から御意見があったと思いますけれども、過去における2次試験の合格者で士補浪人というか、2次試験で就職できないような時期が一時期ありましたよね。いわゆる業界で吸収できなかった時期があったと思うんです。
 福田委員がこの間、協会側の意見として出されている6,000人というベースは、少なくとも現在の状況であるならば、年間1,500人ぐらいの合格者が出てきても十分吸収できるという判断の下にお考えでしょうか。新しい人たちにああいうことを繰り返されると、また減少してしまうという大きな問題がございますので、この点はどうなんでしょう。


神崎座長 福田委員お願いします。


福田委員 公認会計士試験と司法試験の最大の違いというのは、司法試験の合格者は司法修習所に入所可能な人数というより、その定員で合格者を決めているというようなところがあるわけで、公認会計士の場合は司法修習所というようなものがないですから、一応大手の監査法人以外でもいいんですが、就職してそれ以後の業務補助をやるという必要が生じるわけです。そういう意味で、監査法人なり、ほかの個人の事務所でもいいわけですが、就職可能数ということがどうしてもネックになるということで、1,500人の合格者なら現状ではどうにかなるんだろうと考えております。1,500人で5年間で6,000人、人数を増やすというような形でこの間お話ししたわけですけど、6,000じゃ少ないという人が協会の中にもたくさんいるわけです。
 それ以上増やした場合には、現状のやり方からいけば、就職浪人という形の者がどうしても出るだろうと。1,500人でも、今、大手法人が合併しまして、実際は四つしかないわけで、四つの法人が1,500人を吸収するということは、毎年1法人350人以上就職させなきゃいけないということで、どんな大企業でも大学卒業生を350人ずつ毎年採るなんていう企業は非常に限られた状況になっていますから、非常に大変だということにはなるわけです。しかし、監査の需要とかそういうことを考えれば、最低そのぐらいを採用して、また、会計士は独立しますから、どんどんやめるというところもあるわけですが、そのぐらいの人数を採用して、監査や監査以外のことをやるということがどうしても必要だといえますし、そういうようにならざるを得ないだろうということで1,500人という人数を出しております。本当は2,000人とかそういう人数を言ってもいいわけですが、とても難しいということで、最大限1,500人だろうと、そういうことからきた結論ということです。


神崎座長 木下委員お願いいたします。


木下委員 その場合、一応1,500人という形でこの間、協会の方では監査法人に教育の問題とも当然結びついてくるんだろうと思いますけれども、四大法人ですか、今度四つになって、そこで300人ぐらい受け入れて、そして教育していくという、監査法人が中心となる教育体制ということを提案されていましたよね。その教育体制というのは、四大法人であるならば十分それに対応できるという環境が出来上がっているんでしょうか。


福田委員 具体的には実務補習所が1,500人だと、今、東京で新しい会館を協会で造っていますが、そういうところで、もし今と同じようなやり方をやるということでも、最大限詰め込んだ格好でもスペースの関係で900人ということになると思います。ほかを借りればできないわけじゃないんですが、そういうような形でも900人が最大限の収容能力ということになるわけです。900人といっても、3人掛けに3人ぎっちり座ってという形の人数の最大限ですから、現実にはそんなには収容できないし、そんな詰め込みでやるのが効果的かというと、やはりそんな人数ではできないことから、250人とか300人というような人数が東京の大手法人に入るなら、その実務補習を法人の方で肩代わりしてもらうということは現実にできるだろうと考えています。


木下委員 よろしいでしょうか。


神崎座長 木下委員お願いいたします。


木下委員 そういうような形で教育ができるという前提で言いますと、例えば、試験制度を大幅に変えると、ざっくばらんな話を言いますと、大幅に科目を増やすとか、それから、試験制度を大幅に変えなければならないというような形で1,500人ということであるならば、やらなくても大丈夫ではないですか。
 というのは、公認会計士審査会で合否を決定できるわけですし、現実の試験の実態を見ていると、1万何千人かの受験者で3,000人程度が短答式で合格しているわけですよね。最終的に筆記試験に受かっていく700人ぐらいの人たちの合格点を1点下げれば、何百人ということだとすると、試験制度をがたがた動かしてしまう、大幅に動かしてしまうというような形でやらなくても対応はできるんじゃないかという感じが私はするんですけど。
 人材を違った方面から選んでくる、又は大学の若い人たちが受けている現状よりも違った観点で人材を導入しようというんだったら、そういう違った試験制度を考えていくということもあるんですけれども、今の協会で言っているような1,500人ぐらいでいいんですとなると、果たして根本的に試験制度を大幅に変えていくということの必要性があるだろうかなというような感じがいたします。


神崎座長 福田委員お願いいたします。


福田委員 これから少子化というような形で子供が減る、大学生も減るというような状況なわけですから、黙っていると、やはり受験者も減るだろうということが言えると思います。今より幅広い人を受験者として、その中から優秀な人材を合格者として取り入れたいということで、今の制度では余り受験できないという社会人とか、ほかの試験に行っているような人に公認会計士の試験を受けてもらうとか、特にアメリカの今USCPAというところに相当試験を受けている人が現実にいるわけで、そういうような人も公認会計士の2次試験を受けさせたいというような形を考えていますから、幅広い人材をもうちょっと増やしたいということで、試験制度そのものも変えていただきたいと、そういうことでお願いしているわけです。


神崎座長 加古委員お願いいたします。


加古委員 これまで、JICPAから提案されています6,000人という数字は、公認会計士の質を維持しつつ、数を増やしたいという目標数値だろうと思うんですね。この6,000人というのは、言ってみれば監査の専門家としての6,000人を想定しているわけですね。もとよりそうだと思いますが。


福田委員 そうです。


加古委員 そこで、もう一つ、質の問題があって、その質で、ちょっとここのところがごちゃごちゃしているので整理しなければいけないと思うんですけれども、監査業務に対応する質を維持するということがもちろん基本だろうと思いますけれども、今日のペーパーの中でもしばしば出てきた「その他の業務」といいますか、この面に対応する質もあるだろうと思うんですね。先ほどのお話の中で特に私は印象を強く持ったのは、監査を行う側と監査を受ける側という、監査を巡る二つの極があって、監査の受け手の方の企業の側にも公認会計士試験の合格者がいて、監査を行う側と受ける側とのタイアップを効果的に進めるという意味での質の問題もあるんだろうと思うんですね。
 それと、もう一つは、監査業務とは別に、会計関係法令や会計基準について、それを丸暗記しているだけじゃなくて、場合によってはこれを批判し、立法論的な提言を行うことのできる人材、いってみれば、会計界のオピニオンリーダーになれる人材。もっと言えば、国際会計基準の設定機関などに積極的に参画し、発言できるような会計士を増やすということになると、その他の業務とはまた別の役割機能が会計士に期待されるわけですね。
 そこで、数というのは、狙っているその質、業務の内容に応じて決まってくるだろうと思いますが、今の6,000人というのは、仮に監査業務のための6,000人であるとすれば、その他の業務やその他の役割機能との対応で数をどうしていったらいいのかという問題も、少し整理しなきゃいけないと思っているんですけれども。


福田委員 6,000人というのは、確かに監査時間が足りないというところからスタートしていますから、6,000人という数字そのものは監査、特にまだ若い人、5年間で6,000人と言っていますから、監査の補助者が必要だということで、その後、1,500人というのは、元の 700人に減らすということではなくて、その後も維持するということも考えられるわけです。
  もともと、先生がおっしゃったような国際的業務だとか、ほかの業務は監査をまず何年か経験した人ができる仕事であって、いきなりそういうようなことができないわけで、企業の方に公認会計士の業界から入ってという人も、公認会計士の業界で何年かやって、実務経験を積んだ人が初めて行って役に立つということで、企業の人が公認会計士の試験を受けて、公認会計士の資格を取って、そのまま企業にいるということだと、監査とかそういうようなことには余り制度としては役に立たない。公認会計士の人がいろんなところにいるよという意味では、いいわけですが、一応公認会計士業界で監査の仕事なり、それ以外の仕事をした人が企業にいるという、そういう順番しかないと思っているんです。そういうことで公認会計士の試験を受けて、公認会計士の具体的に言えば大手法人に何年かいた人が企業にも行けるし、監査以外の業務、特に国際的な業務をできるということなんで、スタートラインで監査の補助者ということをどうしてもやることがあるので、順番として、そこのところが受け入れの第一段階だろうということで1,500人としています。1,500人で5年間で7,500人ですから、7,500人のうち、公認会計士全体が500人ぐらい減るだろうということで、1,000人ぐらいは監査業務以外の人が現実に増えるだろうというように予想していますから、幾らかそちらの方の需要にも応えられるという意味で1,500人ということになるんだろうと思っています。


神崎座長 本日は関委員が御欠席でございますけれども、関委員からは、この問題について文書でご意見をいただいておりますので、事務局から読み上げをお願いしたいと思います。


福地課長補佐 それでは、読み上げさせていただきます。

公認会計士試験制度に関する提案

 1ページでございます。


 1

.検討の基本的考え方
 経済のグローバル化が進む中、企業環境は激変しており、関連法制度の整備も相俟って企業行動は従来の枠を超えて進展している。例えば、企業形態においては環境変化に対応して分割・統合・M&A、撤退など多様な選択肢を検討対象とし、経営資源の選択と集中を実現するため速やかな意思決定が求められている。税制においても連結納税制度や企業分割制度などの整備が進められている。また、金融商品面でも、商品の多様化に伴い資金調達・運用の選択の幅が広がっている。
 一方、企業会計においては、連結会計、時価会計の導入など我が国会計はグローバルスタンダードに向けて大きく変化している。このように、今日では企業経営における会計の果たす役割は従来に倍加して重要になっており、高度な専門知識を有する人材の必要性が急速に高まっている。しかしながら、企業経営の側では、そうした人材は極めて薄いのが現実であり、育成するにしても時間を要し、一方でその余力もなくなりつつある。
 監査法人の側でも、現状の主要業務は会計監査となっているが、今後はこうした分野での業務が大幅に増加するものと考えられる。
 こうしたことから、公認会計士の資格について会計実務に携わる者に身近なものにすることで、社会全般で多くの人材が公認会計士を目指す環境を作る必要がある。その結果、多くの会計実務の専門家が生まれ、企業内部でも公認会計士が企業実務に携わるようになれば、会計スタッフの質的向上につながることになる。今後は監査法人から企業の経理・財務部門へ中途入社する事例が確実に増加するものと思われるが、一方で、豊かな実務経験と知識を持った有資格者が企業から監査法人へ勤務するようになれば、会計士と企業実務との人的交流も深まり、会計士業務の質的向上にもつながるのではないか。現状では会計士のほとんどが学生から監査法人に入るということで実務経験の不足も言われているが、双方の交流が深まれば多様なキャリアを持つ人材の確保にもつながることとなる。
 以上のように日本の企業会計に携わる層を厚くすることが今後の日本経済の活性化に不可欠であるとの認識のもと、公認会計士制度の改正を検討しなければならないと考える。こうした観点から、公認会計士の資格取得者を大幅に増加させ、特に実務経験・知識を持つ社会人が受験・合格しやすい制度にすることを提案したい。

 2

.合格者の活動分野
 会計監査に限らない幅広い分野での業務活動を期待する

(1)

 監査法人における業務


 会計監査


 企業経営に関するコンサルタント、税務関連業務、M&A

(2)

 企業内部における業務


 経理、財務会計責任者


 内部監査責任者

(3)

 シンクタンク研究員等

 3

.合格者数
 資格取得者が現状の1万6,000人程度では極めて少な過ぎる。現状の4倍程度の5〜6万人が一つの目処となるのではないかと考えている。
その考え方は、一つには、企業の側にも現状の公認会計士と同数程度の人員が必要となることから現状に対し2倍程度の増加の必要があり、
 さらに、現状の監査業務に加え、M&A、経営コンサル、税務関連業務等の増加に対応し2倍程度の増加が必要。この二つを乗ずると現状に対し4倍程度となる。
 これを20年間で達成するために、毎年の合格者を2,000〜3,000人程度にすることが適当である。現状の受験者は1万人強であるが、社会人が合格しやすくすることで受験者の裾野が広がり大幅な増加が期待できる。特に、社会人には実務経験が豊富で優秀な人材も多いことから合格者が増加して質的な面も維持できると考える。
 また、資格取得者が大幅に増加することで資格取得後における競争が激しくなり、結果として全体の水準向上に資することにもなる。

 4

.現行第2次試験に関する改正案
 
 基本的な考え方
 資格取得段階においては基本的な知識・学力の確認に重点を置き、資格取得後の努力・実績次第で評価に格差が生まれる実力重視型を目指す。

(1)

 受験科目
 科目数を現行の必須科目に限定し、以下の4〜5科目に減らす。
 現行の選択科目である経営学、経済学、民法については、2次試験の受験科目から外す。これらについては、大学における当該講座の単位取得を第2次試験の受験資格要件とする。第3次試験において、これらを織り込み、さらに高度な知識については資格取得後に活動分野の必要性に応じて本人が勉強すればよい。

マル1

 簿記、財務諸表、原価計算を集約し2科目とする。

マル2

 監査

マル3

 商法(会計中心)
 以上4科目に加え、今後タックスプランニングが重要となることを考えると

マル4

 税法(法人税、所得税等の基本部分)

を加えることが考えられる。


(2)

 科目合格制
 科目合格制を採用する。上記(1)の受験科目減少と併せ、受験者の負担を軽減し社会人が受けやすくする。但し、受験期間が余り長期にわたると、合格者の質の維持の面で懸念も出てくるので一定の制限を設ける。
・最初の受験時の、最低合格科目数を2科目程度とする。他の不合格科目も例えば3年以内に合格することが必要とする。
 あるいは、米国CPA試験のように2科目で合格水準(75点以上)に達し、かつ不合格科目についても一定水準以上の点数(50点以上)であることを条件とすることも考えられる。

(3)

 試験形式
 短答式、論文式の二段階選抜を廃止する。これに替えて選択問題を中心とし、一部論文形式を採用する試験制度とする。
 これにより試験委員の採点の負担も軽減され、受験者が増加しても対応が可能。

(4)

 試験回数、合格枠

マル1

 年2回試験を実施する。

マル2

 合格枠は設けず、合格水準に達した受験者を合格させる。

 4

.現行第3次試験について
 公認会計士を業務として行うためのライセンスを付与するための試験として、一定の実務経験に加え、筆記・口述試験は必須と考える。


 以上でございます。


神崎座長 ありがとうございました。
 ただいま読み上げていただきました関委員の考えも大いに参考にしながら御議論いただければ幸いだと思います。
 どうぞ、加古委員お願いいたします。


加古委員 同じ議論で恐縮ですけれども、目指すのは、まずステップ・バイ・ステップで、第一段階では監査業務ということになるんですかね。その他の業務などについては、第一関門の監査業務の合格者について、さらに研修なり、教育なりの手当てをして、その他の業務に就く道を開いていくということになるんでしょうか。
 つまり監査業務とその他の業務を並列に並べて、そこへ人材を送り込むというような手順でなくて、ステップ・バイ・ステップという、第一段階、第二段階という観点から今回の人数の確保と質の維持というポリシーをとっていくということになるんでしょうか。福田委員の意見はそのようですね。


福田委員 よろしいですか。


神崎座長 はい。


福田委員 現実にそういう人がほとんどだということなんです。会計士補のときにコンサルティングを目指して、3次試験が結局受けられないという人がたくさんいたわけです。非常に有名なコンサルティングのところで2次試験を受かったけど、3次試験は受からないという人が結構いたということで、比較的今は3次試験、監査の業務補助もあるということで、いきなり経営コンサルティングの部門で監査をほとんど経験しないという人は、現状だといないということです。それが終わってからというぐらいの人が方がむしろ多い。
 もう一つは、コンサルティングの会社があるわけですけど、そういうところが、普通の情報システムを作る人は別にして、会計の実際のシステムを作る場合には、ある程度会計のことを分かっている人を採りたいということで、監査法人で監査している人を内部でリクルートしたような格好で転籍させるということが行われています。2次試験合格者をいきなりというケースは少ないということと、今の合格者そのものが受験学校で勉強しているだけなので役に立たないというところもあるのかも分からないですけど、ステップ・バイ・ステップというような形が多くなるんだろうと思います。


木下委員 よろしいですか。


神崎座長 はい、木下委員お願いいたします。


木下委員 協会側で考えておられる人材の会計士の増加というのは補助者なんですかね。社会経験豊かな企業人とか、それから、大学に籍を置いて会計学を研究している先生方、それから商科にいる方、そういう違った分野にいる方たちが我々の中に入ってきていただくというようなことは考えていないんですかね。


神崎座長 お願いいたします。


福田委員 補助者ということより、現実にはこれは監査時間が足りないというところからスタートしているので、補助者というような要素が多くなっていますが、今、公認会計士にはいろいろな仕事がありますけど、監査の補助者以外で5年以内に新しくちゃんと一人前にできる仕事は、現実にないだろうと思っているんですね。それが終わってから、その次の段階ということでいくので、いきなり一人前にできる監査なり、ほかの業務もできる人を合格者として迎え入れるという方法は余りないんだろうと思っているので、ステップ・バイ・ステップですけど、監査をまずやって、その次の段階ということに基本的になるんだろうと思います。結果的に、だから、最初の何年間は補助者ということになります。


神崎座長 木下委員お願いします。


木下委員 我々が公認会計士としてやってきた50年の歴史の中で、今、会計士の職責というか、責任を問われるような状態がいろいろあるわけですけれども、その中で裁判とか何かになったときに、我々の業界を十分理解していただいている方が少ないわけです。いわゆる弁護士、法律の専門家の人たちも監査ということを全くわかっていない。裁判官ももちろん。学者の先生方も監査というのは非常に縁遠いですよね。なかなかその視野が。
 むしろそういう人たちの幅を広げることで、直接監査の業務に就かなくても、又は就くチャンスは与えられるような資格を与えていって、公認会計士というものを理解していただける人たちの層を増やしていくということが会計士の質を高める、また、評価を高める要因になるんじゃないかと考えられるんですけれども、そうなってくると補助者を選抜するような試験制度の問題を議論するのと、また違った議論をしなければならないんだろうと思うんですが、その点はいかがなんでしょうか。


神崎座長 福田委員お願いいたします。


福田委員 何年で公認会計士が育つかということで、試験というのは、今、責任者になるなり、そういう公認会計士になる条件を備えている人が世の中にいるかといったら、いないと思うんですよね。それは、公認会計士の試験に受かった人を何年か監査のオン・ザ・ジョブトレーニングとか、CPEという継続的な専門教育によって育てるというのが、現実に一人前の会計士をつくるという唯一の手段だろうと思うんです。
 それで、企業の中にもそういう人がいた方がいいとか、学者の先生の中にも資格を持っている人がいた方がいいというのは確かにあるんですが、それは何年か監査を経験した人が向こうにいてくれればいいなということで、企業の人が企業の中にいながら2次試験に受かるなり、3次試験を受かって、そのままずっとというのは、監査制度とかそういう制度には余り直接的にプラスにならないんじゃないか。
 関委員の提案にも書いてありますけれど、公認会計士の資格を持っている人が企業の方に出るという制度はやはり作らなければいけないと思っていますが、いきなりきちんと仕事ができる人が世の中にいるということはないだろうと思うんですね。


木下委員 司法試験を受かって弁護士の資格を持っている方たちがいますよね。それから、税理士でも正規の税理士資格を持っている先生方がいます。そういう人たちが初めから2次試験を受けたい、もう一回来なさいよというには、余りにもこれは過酷なわけですよ。第2次試験の合格者の平均年齢が確か 25.何歳になっているわけですね。3次試験までいくと30歳を超えてきてしまう。そういうようなことを考えていくと、それを全部最初から受けてくださいといったら、いわゆる違った分野の人たちが入ってくるというのはほとんど無理で、やはり学生のときに受けて、それで受かってくる人以外、ずっとそのまま一貫してくるような人たちだけだと思うんですよ。
 ところが、大学院のマスターコースを終わって、非常に優秀な人たちが出てくるとか、また、大学での会計学又は経営学を教えている先生とか法律を教えている先生方、会計士の業界に理解を示して、そういう人たちは試験委員にもなるぐらいの人なんだから、仮に、開業はできなくても資格登録という形をとって、開業するには実務経験何年を持たなければいけませんよというような形で、我々の業界の中に入ってくる人たちを増やしていくということは、協会はやはり拒否するんですかね。そういうのは我々の業界にとっては余り有効じゃないというようにお考えになりますか。


福田委員 拒否するというわけではないんですが、今現実に公認会計士の数が足りないというところに、そういうところまで配慮が足りないといえば、そうなのかも分からないですけれど、公認会計士の今の試験制度、前回、協会の考え方ということをお話しした中では、社会人になっている人が公認会計士の2次試験を受けるためには、働きながら受けるということが難しいということで、受験学校に企業をやめて行くというケースが多いわけです。企業をやめて行くという形でいって、それが2年も3年も続くということで現実に最初からあきらめてしまうというケースが多いだろうと思うんです。
 それで、科目合格制というものを作って、科目合格した段階で監査法人に入れるということになれば、無給でいる期間が非常に短くなるだろう。今まで2年かかったところ1年目で会計学の4科目が受かるということなら、1年間だけの無給生活ということで、それから監査法人に入ればいい。そうすると、非常に受験がしやすくなるだろうということで社会人に対する配慮がそこだけ唯一しているということにはなるんです。


神崎座長 ありがとうございました。
 概ね皆様方の御意見はお伺いできたと思いますが、当小グループの設置目的といたしましては、「現行公認会計士試験制度全般にわたる具体的な問題整理を行う。」ことでございますので、ただいままでの御意見を基に、次回以降の問題整理を行ってまいりたいと思います。
 次に、「試験制度のあり方」及び「試験実施のあり方」を御検討いただくわけですが、最初に事務局の方から、委員の皆様の参考となるよう、今までの意見や各方面からの指摘事項を踏まえました、それぞれについての考えられる論点について説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。


大藤大臣官房参事官 それでは、これまで、試験制度改善の基本的な考え方、哲学のところを御議論いただいたわけでございますが、それを踏まえまして、試験制度のあり方及び試験実施のあり方について今後御議論いただきたいということで、本日はその素材ということで、これまでの御議論、御意見等を踏まえまして作らせていただいたものでございます。
 「資料2」でございます。「試験制度のあり方」に係る考えられる論点ということでございます。
 まず、「現行試験制度の枠組みのあり方」ということでございまして、これにつきましては、まさに公認会計士の数をどの程度が適正と考えるかということとか、あるいは監査をされる公認会計士に中心を置いて考えていくのか、あるいは企業の方でいわゆる会計に詳しい方というようなことも含めて考えていくのかということが考えられると思いますが、この「1.現行試験制度の枠組みのあり方」ということでございますけれども、まず大きな問題点といたしましては、「社会人を含む多様な人材の資格取得の容易化等」ということでございます。
 読ませていただきますと、今後の企業の国際競争力等を考えると、企業に会計の高度な専門的知識を持った有資格者が多数在籍していることが必要になってきているが、企業の中には、公認会計士の試験を受験し、資格を取得したいという優秀な人が相当いることから、このような人に門戸を開くような制度改革を行うことが重要ではないか。これにより、企業の会計スタッフの質も向上し、企業と監査法人との間で人材の交流が行われることも考えられることから、監査法人の業務の質の向上にもつながるのではないか。
 このような社会人を含む多様な人材の資格取得の容易化のための制度として、例えばということで幾つかの考え方を書いてございますが、まずマル1でございます。
 現行の第3次試験の受験資格要件である「実務補習」及び「業務補助又は実務従事」を第3次試験の受験資格要件ということではなく、資格取得後の公認会計士としての業務を行う場合の登録要件とすること。
 ですから、ここまで徹底するかどうかはともかくでございますが、いわゆる監査業務等まさにそういうことを行うに当たって実務補習が必要ということで、その前の段階で何らかの形の資格は取得したということにするという考え方もあり得るのではないか。ただ、ここまでいくかどうかという問題はあろうかと思います。
 それから、マル2でございますが、企業に在籍している人については、企業の実務に就いている経験年数が10年以上で何年間か監査業務に従事した場合には第3次試験の受験を可能にする、あるいは弁護士等の資格を有している人についても何年間か監査業務に従事した場合には第3次試験の受験を可能にすること。いわゆるバイパスといいましょうか、違ったルートの第3次試験に入ってこられるルートを作ることを検討してみてはどうかといったような考えがあるが、これらについてどう考えるかということでございます。
 それから、(2)でございますが、「試験制度と大学教育の接合」ということでございまして、暗記中心の受験教育等により、会計士業務に必要不可欠な思考能力や判断力の育成という面が阻害されつつあると懸念されることから、大学教育を改善又はレベルアップすることを前提として、大学教育と試験制度をリンクさせる方向を検討することが必要ではないかということでございます。
 2ページでございますが、このような大学の教育と試験制度を接合させる制度として、例えば、会計、監査等を中心とした思考能力、問題解決能力を養う教育を実施するという「アカウンティング・スクール構想」について検討を進め、修了生には特別枠で合格させるといった考え方があるがどうかということでございます。
 それから、2で、これからは第1次試験、第2次試験等々のあり方についてということでございますが、これについては基本的には現行の制度を前提とした上で、どういう改善点が見込まれるかということでございます。
 まず、「第1次試験のあり方について」でございますが、これにつきましては、第1次試験を継続していくかどうかということがまず大きな問題点になるだろうと思っております。
 受験者の高学歴化等を背景に受験申込者数の大幅な減少が顕著に見られ、今後も同様の傾向が見込まれることを勘案すれば、一定の学歴を有しない者に課される第1次試験を廃止し、受験者全員が現在の第2次試験から受験できるようにすべきではないかとの考えがあるがどうか。
 一方、諸外国において見られるように、第2次試験は一定要件を満たす者のみに受験を認めることとし、このような要件を満たしていない者に対して第2次試験の受験機会を与えるとの観点から第1次試験を存続させる必要があるとの考えがあるがどうかということでございます。
 これにつきましては、同じ「資料2」の8ページを御覧いただきますと、「過去10年の公認会計士試験実施状況」ということでございまして、第1次試験を御覧いただきますと、平成12年、直近のベースでいきますと、受験者が141名という状況になっておりまして、確かに第1次試験の意義、位置づけというものはしっかりあるんだろうと思いますけれども、実際問題としては、非常に受験者が少なくなっております。他方、やはり試験問題の作成でありますとか、試験委員の準備でありますとか、そういうことを考えますと、相当な行政コストがかかっていることも重要でございまして、試験全体で見ますと、第1次試験のところが大幅な赤字になっておりまして、全体の第2次試験、第3次試験の受験料も引き下げられないというようなことにもつながっておりますので、このような点も併せて考えて、引き続き第1次試験を継続する必要があるかどうかという問題でございます。
 それから、「3.第2次試験のあり方について」ということでございます。
 読ませていただきますと、第2次試験は、一括科目合格制(必須5科目、選択2科目の合計7科目)が採られ、短答式試験及び論文式試験の2段階により試験が実施されているが、このような試験制度は、大学生及び社会人が受験する場合において負担が大変重いことから、受験者の負担を軽減する措置や社会人等の多様な人材の資格取得の容易化等を検討する必要がある。
 このような受験者の受験負担の軽減や社会人を含む受験者の量的増大を図るとともに公認会計士の質の維持・向上を図るという要請を満たす制度として、例えば、以下のような考えがあるがどうかということでございます。
 (1)が「科目合格制等の導入」ということでございます。
 一定の有効期間を設けた上で、税理士試験のように「科目合格制」を導入することとしてはどうか。
 また、科目合格制の一形態として、必須科目(会計学)合格制を導入して、必須科目合格者は残りの選択科目について3年有効の科目合格制とすることとしてはどうかといったような考えがございます。
 一方、科目合格制の採用については、税理士試験の実績から見ても、1科目ずつ受験し合格するというのは時間がかかる割りに非常に困難な面があり、受験者、特に現役の大学生にとっては科目合格制の採用が当然に負担が軽くなるということにはならないという点についても留意すべきとの考えがあるがどうかということでございます。
 (2)でございますが、「短答式試験の免除措置の導入」ということでございまして、短答式試験の合格者に対しては、その後の一定期間(例えば、2年ないし3年)について短答式試験を免除する措置を導入することとしてはどうかということでございます。
 (3)でございますが、「科目免除の拡大」ということで、例えば、税理士試験の簿記及び財務諸表論の合格者について、会計学のうちの簿記及び財務諸表論を免除するなど、他の資格試験合格者に対する科目免除の拡大を検討することとしてはどうか。
 (4)でございますが、「試験科目等の見直し」ということでございます。
 企業のグローバル化、金融商品・金融取引の複雑化、公認会計士の職業領域の拡大といった環境の変化が顕著であることから、これらに対応した高い資質を持った人材を確保するため、試験科目等を見直す必要があるのではないか。
 試験科目等については、例えば、以下のような見直しが必要ではないかとの考えがあるがどうかということでございまして、何点か御意見を整理させていただいております。
 まずマル1は、会計科目の分量が増加している現状にあり、選択科目を縮小して、必須科目である会計に関する科目の基本的な理解を試すこととしてはどうか。
 マル2新たな職業領域の拡大等を踏まえ、選択科目の見直しを検討することとしてはどうか。
 マル3第2次試験と第3次試験との科目のすみ分けを行い、科目及びその内容について見直しを行うこととしてはどうか。
 マル4選択科目については、まだ非常に特殊・特異な問題が見受けられることから、選択科目の出題形式を論文式から短答式の出題形式に改善してはどうか。
 ここら辺につきましてはいろいろな御意見があろうかと思いますが、例ということで幾つかの考え方を挙げさせていただいております。
 4番目が「インターン制度のあり方」ということでございます。
 (1)が「実務経験の範囲等の見直し」ということでございまして、マル1公認会計士の業務の多様化が進んでいることを踏まえ、実務経験の対象となる業務の範囲の拡大について検討する必要があり、例えば、コンサルティング業務についても可能とすることとしてはどうかとの考えがあるがどうか。
 マル2業務補助の内容の制度化・標準化を図ることによって、インターン制度の充実を図るべきではないかとの考え方があるがどうかということでございます。
 これにつきましては、監査法人にインターンをかなりの部分やっていただくということになると、制度化・標準化というのが必然的に必要性が増してくるということだろうと思います。
 それから、(2)実務補習及び業務補助等の期間についてどう考えるかということでございます。
 規制緩和の観点等から実務補習及び業務補助等の期間を短縮すべきとの考え方があるがどうか。
 一方、協会等の御意見でございますが、実務補習及び業務補助等の充実・強化という観点から、例えば、実務補習を2年以上、業務補助等を2年以上として義務付けることが必要ではないかという考えも一方であるわけでございます。
 それから、1ページおめくりいただきまして、5ページでございますが、「5.第3次試験のあり方」でございます。
 第3次試験は、公認会計士となるのに必要な高度の専門的応用能力を有しているかの判定を行うために必要であるが、筆記試験と口述試験の位置づけやウェイトのあり方等について見直す必要があるのではないかという御意見をいただいております。
 もっと口述試験の方にウェイトを移していくべきではないかといったような御意見があるところでございます。
 それから、6ページでございます。6ページはさらに各論的といいましょうか、実行に当たっての問題点ということで、「試験実施のあり方」に係る考えられる論点ということでまとめてございます。
 「1.試験問題の出題内容及び範囲の見直しについて」ということでございますが、幾つか整理しております。
 まず、(1)暗記中心の受験教育等に伴い、会計士業務に必要不可欠な思考能力、判断力の育成という面が阻害されつつあるのではないかというような懸念があり、思考能力の育成という点に重点を置いた基本的問題の出題が望ましいとの考えがあるがどうか。
 (2)特殊、特異な問題は少なくなりつつあるが、第2次試験の選択科目についてはその傾向が依然として見受けられ、また、第3次試験の口述試験については、試験委員によって出題内容が多様であり、試験問題の標準化ないしは出題範囲の明確化が必要との考えがあるがどうか。
 それから、(3)でございますが、第2次試験の短答式については、試験時間に比べて出題数が多過ぎる。
 また、正答が必ずしも明確でない、あるいは2個以上の正答があると思われる出題や5つの選択肢から正答を記入する形式で、正しい又は誤っている数を問う問題については、誤りが相殺されてしまう可能性があり、実力の正確な把握ができるのだろうかという疑問があり、試験問題の標準化ないしは出題範囲の明確化が必要との考えがあるがどうかということで、これについては様々な御指摘があろうかと思いますが、一例ということで整理してございます。
 次に、「2.実務補習・業務補助の内容の充実について」ということでございますが、(1)実務補習所の補習カリキュラムの見直しを行い、例えば、監査人の責任・倫理に関する研修を重視する必要があるとの考えがあるがどうか。
 (2)各法人・事務所レベルで行われている業務補助の内容等について標準化し、制度の充実を図る必要があるとの考えがあるがどうか。
 (3)合格者数の増加に対応するため、実務補習の実施機関を協会実務補習所のみならず、原則として監査法人が実施するとの考えがあるがどうかということでございます。
 それから、「3.合格判定基準、配点、模範回答等の公表について」ということでございまして、これは主に規制改革委員会等から指摘されているところでございますが、(1)資格試験における公平性・透明性を確保する観点等から、合格判定基準、配点、模範回答等の公表をすべきであるとの考えがあるがどうか。
 (2)一方、合格判定基準及び配点を公表することについては、試験の執行面や受験者に特に支障が生ずるおそれはないと考えられるが、模範回答の公表については、例えば、論文式試験において考え方を問うような出題の場合には、回答が必ずしも一つとならない場合もあり得ることから、受験者に混乱を与える可能性もあり、慎重に検討すべきとの考えがあるがどうかということでございます。
 以上、必ずしも論点は十分にフォローしていないと思いますけれども、議論の素材ということでお示ししたところでございます。


神崎座長 ありがとうございます。
 それでは、ただいまの事務局の御説明いただいた論点に従いまして、御討議をお願いいたします。なお、ただいま御説明いただいた論点は、今までの御指摘や御意見を基に作成したものでございますので、御意見をお伺いする際の参考としていただき、論点等として加えるものがあるかどうかという点と各論点に対する考え方などについて御意見をいただければと考えております。
 いかがでございましょうか。
 木下委員お願いいたします。


木下委員 1番目「第1次試験のあり方について」というところですけれども、確か福田委員から、我が国以外のアメリカ、イギリス、ドイツを調べられたりしたときに、大体諸外国では大学卒業が受験資格の要件みたいな形、また、一定の専門科目に対する単位取得があって、会計士になっているよというようなことなんですけど、この提案では第1次試験を廃止という形になっていましたよね。受験資格は協会の提案では。


福田委員 2次試験はそのままですね。


木下委員 これはやはりそういう意味では、その方が望ましい、また、そうあるべきだというふうなことが協会の提案としてあるわけですね。


神崎座長 福田委員お願いいたします。


福田委員 前回お配りした「公認会計士試験制度改革について」というペーパーの中に、改革の目的が幾つも本当はあるんでしょうけど、一つだけ書いてありまして、「会計監査制度のグローバル化を考慮し、諸外国の公認会計士試験制度との同質性を確保する必要がある」ということで、一番最初のときに諸外国の試験制度も御説明したわけですけど、多くの国で大学卒業というのが基準になっているという現実があるわけです。
 それで、私個人としては、大学卒業にしたいというようには思っていたんですけど、大学卒業にすると受験者が減るよという話が多くて、2次試験を現状のまま、科目とかそういうのは変えていただきたいということにしていますけど、2次試験の制度そのものについては何も触れてなかったというふうにしてあります。
 それで、1次試験のことをちょっと説明しますと、そういう意味で1次試験もなくなるというのも、諸外国との比較からいくと、いかがなものかとは思っているわけです。ただ、コストがということであれば、公認会計士、司法試験、不動産鑑定士の試験、全部が確か同じような、どれでもいいということになっているはずですから、共通1次みたいな形にしてもらえば、そういう意味でコストが安く、受験料が安くなれば──受験料が安いから試験受けるよという人も、そんなに増えるとも思わないんですが、そういう要素もあるということになれば、そういう方法もあるんじゃないかというふうには考えています。


神崎座長 木下委員お願いいたします。


木下委員 1次試験というのは諸外国にはないんでしょう。


福田委員 ないです。


木下委員 ですから、大学を出てなければ入ってこれないということですよね。


福田委員 1次試験、大学卒ということが受験資格になっていますから、もともと1次試験みたいのはないわけです。ただ、今の形でいくと、1次試験というのが大学卒ぐらいのというより、教養課程を終わった内容に相当するということで、少なくとも大卒とその前の教養課程を終わったということについては、1次試験レベルを維持しているというふうに考えるんだろうと思います。


神崎座長 この1次試験の平成12年の試験については、受験者が141名ということでございますけれども、答案提出者は70数名ではなかったかと思いますね。100名を大きく切っておるということでございますが、そういう状況の下で制度として1次試験を継続してよいのかという気がしないではないんですけどね。


大藤大臣官房参事官 1次試験を仮に廃止するという場合に、大学を卒業した人しか受けられないということになりますと、恐らく現在の日本ではそれは認められないというか、許されないんだろうと思いますね。きっと第2次試験もそういう方も受けられるんだということにしませんと、恐らく理解を得られないのではないかと思います。そういう前提ではないかと思います。


木下委員 そうすると、今の大学在籍者に対しては、40何単位ということで受験資格を与えていますね。それもだめ、もし1次試験をなくすとなれば、そこのハードルもなくさないと、だめになりますね。


福田委員 1年生から受けられるという。


木下委員 いや、1年生というか、誰でもいいよということになる。


大藤大臣官房参事官 恐らく第1次試験をなくして、ということになりますと、反射的にそういうことになってしまうのではないかと考えられます。


神崎座長 どうぞ、お願いいたします。


木下委員 従来、受験学校で確か高校卒業と同時に教育して、第1次試験を受けさせ、二十歳ぐらいで2次試験を合格させるようなことをやった受験学校があったと思うんですね。だから、そういうようなことから考えていくと、場合によると、もし1次試験を廃止するということになったときに、18歳で高校を卒業してすぐ、高校時代から簿記や何かやっている商業高等学校ですと、相当早目に受験してくる可能性というのは出てくるんじゃないかという感じがしますけどね。それは構わないのか。ますます受験学校が繁盛するかもしれません。


福田委員 よろしいですか。


神崎座長 はい、どうぞ、福田委員お願いします。


福田委員 1次試験を廃止してしまうと、今、税理士試験の受験資格は、法律的には表現はちょっと違うかもしれないが、大学卒業と確か書いてあるはずです。現行の公認会計士試験は大学3年になれば受けられるというような試験制度になっていまして、それよりもっと先に受けるということだと、日商の簿記1級か何かを受けると、二十歳でも受かるという、全科目受かるという可能性もあるわけですが、税理士にはもともと1次試験というのがないわけで、公認会計士の方だけ1次試験がなくなって、こちらの方がむしろ受けやすくなるというのがおかしな格好だと、試験制度の比較からいくと、おかしいなというような危惧もしているわけです。


森田委員 ちょっと質問ですけど。


神崎座長 どうぞ、森田委員お願いします。


森田委員 司法試験等には1次試験というのは現在あるんですかね。


福田委員 あります。司法試験、不動産鑑定士、公認会計士の1次試験、それでどれでもその1次試験の合格者は他の1次試験が免除されることになっています。確か。


森田委員 私のおぼろげな記憶なんですが、平成4年か5年ぐらいにその問題を検討したときに、ほかの司法試験等との関係を考えると、どういう意味だったかはっきり覚えていませんけど、廃止できないんだというような話がその当時の事務局の方からあったような記憶があるんですけれども、そんなことは問題にならないわけですか。つまり、ほかとの関係を考えずに会計士試験だけやめることができるのかということです。


大藤大臣官房参事官 不動産鑑定士試験とかと相互にそれぞれの1次試験合格者は免除ということになっておりますので、そういう意味での関係もございますし、恐らく相互のバランスで、ということもあったのではなかろうかと思います。


森田委員 ということは、不動産鑑定士の1次試験を受かれば、公認会計士試験も受けられるという意味ですね。そういう意味ですね。


大藤大臣官房参事官 そこは相互になっていると思います。ただ、今の規制改革委員会の関係では、全ての試験に対して1次試験をどう考えるかという形で問題提起を受けているものですから、そういう意味では相互に連携をとりながら議論していく必要があろうかと思いますけれども、ちょっと数年前とは状況が異なっている面もあるんだろうと思います。


神崎座長 その他の論点についても御意見を賜れればと思いますが、いかがでしょうか。
 加古委員お願いします。


加古委員 先ほど、とにかく公認会計士試験ですから、監査業務を目指すと。そのほかの業務も当然期待されるけれども、監査業務を目的とする試験に合格した上でその後の研修なり、教育体制を整備して、あとバリエーションをつけて力をつけていくというようなことで、結局、公認会計士の試験ですから、そういうことになるのかなという気もしているわけで、もう少し考えてみますが、そのような方向に行くのではないかというように差し当たり思っています。
 そこで、次に、会計士の試験を受けるルートですね。バイパスと言うと、本道があって、横からちょこっと試験に合格してしまうというような印象を与えるので、バイパスという言葉を使わないことにして、幾つかのルートがあると。
 例えば、従来どおり一般的な試験制度がそのまま維持される。それとは別に、例えば実務経験豊富な社会人の人々が試験を受けられる何らかの、それとは別枠で試験を受けられる工夫が考えられないものかどうか。
 それから、議論になっていますアカウンティング・スクールというような形で、そこで一定の単位を、厳格な試験を受けて、そのアカウンティング・スクールなどを修了した者については特別枠で試験を受けられるとか、そのルートの多様化というのはあってもいいんじゃないかというように考えます。
 くれぐれも先ほど申しましたように、その第2、第3のルートについてはバイパスにならないように、厳格な条件を付してルートを考えていくということをもう少し勉強してもいいんじゃないかなという気がしております。
 直接関係ないかもしれませんけれども、私立大学では、一般入試のほかに、例えば附属高校から受け入れたり、推薦入試をしたり、帰国子女の入学制度などを設けていますけれども、それは、その第2、第3、第4のルートについては、丸暗記の試験は受からないかもしれませんけれども、非常に優れた資質の学生を受け入れることが可能なんですね。そういう意味で、幾つかのルートがあり得るということについては少し真剣に考えてみてもいいんじゃないかなという気はしております。


神崎座長 ありがとうございました。
 森田委員お願いします。


森田委員 今の加古委員のお話にもあったんですけれども、やはり現在でも2次試験というのは、丸暗記がそんなに大きなウェイトを占めているんですか。そういうように皆さんおっしゃるんだけれども、現在の試験委員の方たちの話を聞きますと、いろいろ長い間、議論されて、それで、ちゃんとした試験問題を一生懸命こしらえていると。
 私、比較的最近は2次試験の問題について、ある問題について非常に分量が多いと。例えば計算問題等ですね。というような話は聞きますけれども、丸暗記どうのこうのというような話は余り聞かないんですけれども、この委員会で配られた文章の中には「暗記中心」とかという言葉が随分使われているんですよね。この辺、実際にやっぱりそうなんですか。


神崎座長 木下委員お願いします。


木下委員 現実の受験生の勉強の仕方の話を申し上げますと、受験学校でのテキストがあります。これは過去の試験問題とかを整理したものなんですけれども、実は体系的な勉強を、受験学校では1年ごとのサイクルでやりますから、できない。大学での教育みたいに体系的な理解を中心に勉強させるというようなことはできないわけです。
 そうすると、試験問題そのものの暗記というよりも、むしろ受験学校での勉強の仕方が非常にそういうようなエッセンス的なことで勉強させて、それを暗記して受けてくるということがあるので、総合的な理解力を持っているかというと、非常にその点は低いだろうと思います。
 というのは、一例を挙げますと、2次試験を受かって入ってきて、それで、彼らにいろいろな現場での質問とか何かもそうなんですけれども、本当に基本的な勉強をしているのか、会計原則のちゃんとした理解ができているのかというと、そういうような勉強ができてない事例が多い。ということは、今でも受かってきた人の中の知識にはあるんですね。ですから、体系的なしっかりした勉強をやってきてない。大学でのゼミナールとか、それから、大学院での勉強のように基本的な考え方とか物の見方というものが教育されて受けてはいないということはあります。
 試験問題が暗記的だというよりも、むしろそういうところにあるんだろうと思うんですね。それに、彼らは、まともな本を持っていませんし、ほとんどレジュメをざっと積み上げて、それをサブノートというか、自分で整理してないでやっていますし、与えられた情報だけで受けてくるというのは実際には多いと言えます。だから、受ける側の問題だろうと思いますね。試験問題が暗記で済むはずはないんだろうと思います。


森田委員 そうすると、それはもう試験問題をどういじくっても、防げないと言うとおかしいですけれども、変わらないということを前提に考えなきゃいけないんですかね。


木下委員 だと思うんですけど。


神崎座長 どうぞ。


加古委員 今たまたまその2次試験に関与しているものですから、申し上げますと、森田先生が試験委員だった頃、易しそうで難しいという問題がよく出ましたですよね。ある種の問題提起として、それについて考えてみなさいというような問題です。かつて、科目によっては、試験委員の本を読んでいないとほとんど書けないだろうと思われるような問題もありましたけれども、今は、数人の試験委員が、試験問題をめぐって喧々諤々と討論していまして、討論の中から、おかしい問題だとか表現は排除されておりまして、その結果、非常に良い問題ができているんだろうと思うんですね。
 ということなんですが、それでも実情は木下先生のおっしゃるとおりで、受ける側はやっぱり要点要点をうまく暗記して、1冊の本を体系的に読むよりも、予備校で指示された項目だけを暗記していくと、そういうようなことが多いんじゃないかと思うんです。
 ただ、改善の余地があるというのは、計算問題がやたら分量が多いんですね。従来の傾向を見ていますと、簿記なんかも数枚を繰っていって、前の方にあった条件をちゃんと覚えていないと、一番最後のところで、とんだミスをしてしまうというような、ちょっとクイズめいた問題もありまして、あれをこなすのは若い人でなきゃできないということなんですね。そのために財務諸表論などの理論問題は余りできなくても、計算問題ができれば合格するということがあるものですから、そのことが体系的な勉強を阻害しているのかなという気が少しするんですね。そうすると、それは計算問題の試験の比重の問題など、これからの試験の実施方法について考えていかなきゃいけないというように思っております。


神崎座長 ありがとうございました。
 三原委員お願いいたします。


三原委員 試験の制度とか問題については、余り専門的な知識がないので申し上げる点は少ないんですけれども、私なりに考えがまとまった点を二、三申し上げたいと思います。
 第1点は、先ほどの第1次試験を廃止するかどうかという話は、確かに受験生が減っているということがあるかもしれませんけれども、この問題は、要するに公認会計士として必要な大学生程度の国語なり英語なり数学の知識を必要とするかどうかという観点から判断されるべき問題ではないか。ほかの制度との兼ね合いとか、人数の割りに手間暇かかるとかという問題よりは、そういう観点から判断されるべき問題ではないかなというように考えております。
 それから、第2点は、科目合格制の問題ですが、これは私は、受験生の負担を軽減することはあっても、過重することはない。つまり受けやすくするという点では大いにメリットがあるのであって、ちょっとここにも書いてありますが、非常に困難な面があるという意味はちょっとよく分からないんですが、とにかくこれは必ず科目別に受けろということではなくて、原則は一遍に受けるわけなので、そのうち漏れたのをまた次年度、3年度目に受けるということでしょうから、負担の軽減につながるという意味では、私はこれは採用するべきではないかなというように思います。
 それから、3次試験の試験委員をやっておりまして、最近試験が結果が出ますと担当の先生に集まっていただいて、その結果の打ち合わせにおいて意見を伺ったりすることにしているわけですけれども、その意見の中でもっともだと思ったのは、やはり余り特異な試験問題、難しい試験問題は出すべきではなくて、ある程度範囲が明確化になっているように、あるいは一般的、標準的な問題をしっかり理解しているかどうか判断できるような問題にするべきではないかという意見が多かったと思うんですけれども、私はこれは賛成でありまして、ここに書いてあるとおり、これはこういう方向で直すべきではないか、改めるべきではないかと思います。


神崎座長 ありがとうございます。
 木下委員お願いします。


木下委員 科目合格制というのは、一括合格制と併存ですか。
 この間の意見の中で、科目合格制にすると非常に合格しにくくなるというのは、科目ごとに各合否を決めていくので、従来の一括合格のときに会計関係の科目をカバーしているが、実際にはそれができなくなるんじゃないかというので意見があったと思うんですけれども、これは一括合格制を前提として科目合格制が併存するという形の提言ではなかったように思うんですけど。
 併存ですか。一括合格制を前提としながら、科目合格も認めるということですか。


三原委員 そういうことならいいんじゃないかなと私は思ったんですが。


大藤大臣官房参事官 事務局としては、まだそのような点まで詰めて、きっちりした案ということでなくて、一般的に科目合格制ということを御検討いただいて、具体的なあり方というのは、またさらに詰めていくべき問題かなということで、そこまで整理してございません、現在のところ。


神崎座長 その他の事項でも結構でございますから、御意見あるいは追加すべき論点があれば、論点をお示しいただくということでお願いしたいと思います。


木下委員 よろしいでしょうか。


神崎座長 はい、お願いいたします。


木下委員 ちょっとまた飛んでしまうんですけれども、科目というよりも試験範囲の問題なんですが、2次試験と3次試験という制度があって、3次試験が最終試験で実務の試験ということになっているんですが、ぜひその点においての試験範囲を明確にしていただきたいなと思うのは、2次試験の場合の監査論の試験問題というのは、協会における実務指針とか何かが出てくると、それが追っかけられているんですね。ですから、監査の現場の経験もないような人たちに対する監査という試験科目は、本当に基礎理論であって、手続論などが出されるのは、本当にこれは暗記だろうと思うんですね。
 それから、先ほど加古委員からお話しがありましたように、計算の問題の中に連結財 務諸表の作成問題が過去に何回か出されておりますけれども、これも今、受験学校の話をして申し訳ないんですけれども、受験学校では既に新しい連結の資本連結などの問題を早速やっているわけですよ。ところが、我々が3次試験というか、補助者の連中に事務所内で教育しているようなこともやっている。だから、連結のああいう問題が、果たして2次試験の問題なのかというのがあります。せいぜい本支店会計ぐらい。むしろ個別企業の会計問題まででいいんだろうと思いますし、確か会計でアメリカなんかですとアドバンスコストという中で初めて連結とか本支店の企業結合の問題が出されるのに、我が国の場合には時々2次試験の中で出てくる。
 そういう点では、計算問題のところと、それから監査論のところ、これは3次試験の出題領域を明確にしていくことによって、随分勉強の仕方も違ってくるでしょうし、実質的な勉強にもなるだろうと思います。


神崎座長 分かりました。今おっしゃったのは、2次試験の出題範囲を明確にするということでございますね。


木下委員 はい。


神崎座長 分かりました。
 加古委員お願いいたします。


加古委員 多くの受験者を2次試験に誘導させるということなんですが、その手立てですけれども、アメリカのUSCPAというのは、私は受けたことありませんけれども、受験生に言わせると、日本の会計士試験に比べて、うんと易しいんだそうですね。かなり安直に合格できるんだというようなことを言いますが、あれなどは確かに試験問題が標準化されていまして、少し整理して○×のトレーニングをすれば、受かりそうな気がするんですね。
 そこで、資格試験制度を徹底するといいますか、ある程度標準的な問題をクリアできれば、そこでまず会計士への入門ができたんだと。あとは先ほど申しましたように研修なり教育体制の整備によって、会計士自身が自らをブラッシュアップしていくというように手順を考えていく。それを期待して、最初の関門の試験は易しくするという意味ではないかもしれませんけれども、標準化して、最低限度これだけの知識があれば会計士の業界に入れるんだという点について少し研究してみたらどうかなと思っています。


神崎座長 ありがとうございました。
 ほかに。
 森田委員お願いいたします。


森田委員 この資料で言いますと、1ページ目と2ページ目のところなんですけれども、今までの大学生あるいは大学卒業して受験勉強やっている人間以外の、いわゆる社会人が会計士の資格を取れるような、そういう道を開いていこうというのが非常に大きなテーマになっていますね。その場合に、やはり考えられるのは、2次試験を受けやすくするという点と、それから、そうではなくて、一つの例としてここに上がっているような3次試験を直接受けられるというようなのと二通り考えられてはいるんですよね。そうすると、特に2次試験などの場合には、これは今、2次試験の問題なり何なりが再検討しなきゃいけないという意見も出ておりますけれども、今までどおりであると非常に受けにくい、あるいは合格しにくいということは事実だろうと思うんですね。
 だから、そうすると、そういう人たちに対して何か特別な2次試験についても措置を考えるのか。今度、3次試験の場合には、ここで3次試験を受かっても実際に登録はさせないとか何とか出ていましたよね。そういうような形で、これは3次試験を全部そういうふうにしてしまうならば、また、そこまで変えてしまうならばいいんですけれども、もし現状のような形の3次試験をそのまま残しておいて、3次試験を直接受けられるというような格好にしますと、企業の実務経験のある人に対して、監査についての経験を積ませるというのでしょうか、そういう何かの手段も講じなきゃいけないだろうと思うんですね。
 そうでないと、企業で実際に監査の経験が全くなくて、3次試験を受けて公認会計士になった人がすぐに監査ができるわけではないだろう。特に3次試験を直接受けることを認めるという場合には、かなりの年齢の人を考えているんだろうと思うんですね。そうすると、そういうようなものについて、また新しい試験を作らなきゃいけないという大変複雑な問題が出てくるわけですよね。これをうまく対応できるのか。そういう人たちについて、業務補助だとか実務補習だとかを受けさせるというようなことをやったんでは、入ってくるということについて効果がなくなってしまうかもしれない。
 そうかといって、そういうことを何もしないで、企業の実務経験があれば、公認会計士3次試験程度の試験で、公認会計士の資格を与えてもいいんだというようにすることについて、何か抵抗があるんですね。その辺をどういうようにするのかということについて、かなり詰めないといけないんじゃないのかという点が一つ。
 それから、もう一点、これは私なんか大変関心があるんですけれども、2ページの上のところに書いてある「アカウンティング・スクール構想」というのがありますね。私、夜だか朝だか、寝ながらラジオを聞いていたので、新聞見ても見つからなかったんですけれども、ごく1日か2日前ぐらいのラジオで、司法試験の方のロースクール構想というのがかなりまた、これが出たのは大分前ですが、それが新しいもう一歩前進したような話をラジオで聞いていたんですけれども、これが実際に司法試験の方で進んでいるのかどうか。
 それから、もう一つ、その前の段階でロースクール構想というのが新聞等に出たときに、私が非常に心配したのは、全ての例えば商学研究科であるとか、経済学研究科であるとか、どこの大学の大学院でもということじゃないんですね。ある特定の大学の大学院についてだけそこを認めて、そこのマスターコースか何か出た人については特別の扱いをしますと。これをもし会計の方でやるとすると、法律の方でも同じ問題が出てくると思うんですけれども、大学院の差別化をすることになりますよね。こういうことを、会計関係であれば、どこがやるのか。大蔵省がやるのか、文部省がやるのか分かりませんけれども、こういうことをやることは、少なくともそういう格好でアカウンティング・スクール構想を進めていくのであれば、私は賛成できないんですよ。
 そうでなくて、大学院のマスターコースということで今度やると、例えば税理士の試験免除みたいにやると、在籍しているだけで試験免除になっちゃう。この辺、このアカウンティング・スクール構想というのは大変良いみたいなんですけれども、これを現実に取り入れていくということについては、余り早急にやらない方がいいんじゃないのかなという意見を持っております。


神崎座長 ありがとうございました。
 福田委員お願いします。


福田委員 アカウンティング・スクールについては、ロースクールと同じようなものがもしかできたら、やはり司法試験等でいいよというのであれば、こちらのでもいいよと言わざるを得ないんじゃないかと思っているんです。ただ、今先生おっしゃったように、税理士試験の大学院修了の要件というのは非常に緩いということで、ああいう形のはやっぱりまずいんだろうと思っているんですが、アカウンティング・スクールとロースクールが同じレベルのものができれば、こういう形のもので合格者が増えてという、そういうルートがあってもおかしくはないんだろうと思います。
 それと、もう一つは、その前のところの「企業に在籍している人については、企業の実務に就いている経験年数が10年以上で何年間か監査業務に従事した場合には第3次試験の受験を可能にする」ということですが、海外でも、公認会計士事務所に何年かいれば受けられるとか、税理士試験でも、税理士事務所に何年かいれば受験資格が出るよという、そういう似たような制度があるんです。しかし、企業の実務に就いている経験年数が10年以上でというのは、こういう形だとこれを測定のしようがないというのか、判定のしようがないような気がして、非常に難しい方式だと思っているんですよね。そういう意味で、企業に就いている人を斟酌した受験資格というのは、企業そのものが大きさから含めて様々ですし、今、実務従事という制度がありますけれど、資本金500万円以上なら、どんな会社でもいいということで、基本的にどこの会社でも全ての株式会社でいいというような格好になってしまいますから、こういう形で評価して、3次試験を受けさせる制度というのは、実務的には非常に難しいんじゃないかと、そういう気がしています。


神崎座長 木下委員お願いいたします。


木下委員 福田委員は会計監査中心で、会計士は会計監査を経験してという、それで育ってきた人間が会計の専門家であるというような発想が、協会の立場だからやむを得ないのかもしれないけれども、どうも違った分野の人たちを入れることを拒んで、いま少し、いろんな経験をした人たちが、やはり2次試験だって大学での二十歳前後で勉強してきたことって、そんなにすばらしい能力ではないはずでしょう。だから、それで監査法人に入って初めて教育していっているんだろうと思うので、ある面ではそういう幅広い人たちに入ってきてもらうことを考えた方がいいと思うんですね。
 だから、弁護士の先生も、大学の先生も、我々の業界、今、開業登録になっているじゃないですか。先ほどちょっと最初にありましたように、資格登録で、まず資格を与えて、開業するときには実務経験何年ということにすれば、我々の業界において監査をやる人たちが、監査の経験がなく看板を掲げるなんていうことはあり得ないわけですから、少し違った、いろんな経験をなさった人たちが入ってこられるということを考える必要があると思います。2次試験、3次試験という流れを、企業経験を持った人に2次試験から受け直しなさい、それから、3次試験受験のための要件の実務補習を受けなさいというのは、そこで拒んでいるわけですから、こういうところを除外して、大学の先生なんかも学界と業界がうまく融合してないのも、そういうチャンスがないわけで、やはり学界の先生方も、例えば研修がありますが、そういうときには監査業務をやれると、経験できるというようなことをやれば、もっと学界からの支持も得られるし、我々の業界をもっと知ってくれる人が多くなることが非常に大事なんだと思うんですよ。
 ですから、こういうときに、我々は、もっと我々の業界を理解してもらえる人たちを増やしていくということを考えるべきだと思います。それで、それがためにも、こういうバイパスの、先ほど加古委員がおっしゃられましたように、しっかりしたルールを作って、そういう人たちが入ってきていただけるような方法を考えることも大事だろうと思うんです。


神崎座長 ありがとうございました。


福田委員 そういう気が個人的にはあるんですが、ただ、今言った測定が難しい。会計士と弁護士の資格を両方持っている人はたくさんいますが、弁護士に3次試験受ける受験資格ができたからといって、弁護士の人がどんどん会計士の試験を受けるなんていうことはおよそ考えられない話なので、公認会計士の数を増やそうというときに、余り有効な方策だというように考えてないということなんですね。


加古委員 だから、補助者の数を増やすという話じゃないわけでしょう。


福田委員 アメリカでは企業に勤めている人とかいろいろなところに公認会計士がたくさんいるということですが、基本的には1回会計事務所に入って、その人たちが公認会計士の試験を受けて、それからという人が多いわけですね。無資格で会計事務所が採りますから、その中で勉強しながらということで、企業にいる、いろいろ政界とか、そういうところにたくさんいますけれども、会計士の業界を全く知らないというわけじゃない。ただ企業の人がそのまま会計士になっているというのとは違うと思うんです。


神崎座長 どうもありがとうございました。
 まだまだ「試験制度のあり方」「試験実施のあり方」につきまして、皆様の御意見がおありのことと存じますが、予定の時刻が参りましたので、本日の会合はこのあたりで終了させていただくことにいたします。
 次回は、本日に引き続き、「試験制度のあり方」「試験実施のあり方」について御討議いただきたいと思います。
 なお、試験制度のあり方等の各項目に関しては、参考人の方から御意見を伺った方がよいと思われる場合には、私と事務局の方で検討させていただき、参考人の方をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次回会合につきましては、5月16日(火曜日)の午後2時から、この同じフロアにございます第2共用特別会議室で開催させていただきますので、御出席くださるようよろしくお願いいたします。
 なお、先般お送りさせていただきました第3回会合の議事録(未定稿)につきまして、お気づきの点がございました方は、お手数ですが、事務局までお知らせください。
 以上をもちまして、本日の「試験制度に関する検討小グループ」を終了させていただきます。
ありがとうございました。

午後3時29分閉会