ノンバンクに関する懇談会報告書


                                                                            

                                                                            





平成9年5月16日


はじめに


                                                                    

  ノンバンクは、国民のニーズに応えた様々な金融サービスを提供することによ

り、融資規模を拡大させるとともに、国民経済において一定の役割を果たしてい

る。                                                                  

  このようなノンバンクの国民経済に果たす役割の増大、融資規模の拡大、更に

はバブル期におけるノンバンクの融資業務の問題点等を踏まえ、ノンバンク研究

会(平成2年4月~平成3年4月)及びノンバンク問題懇談会(平成3年10月~

平成4年6月)は、ノンバンクの業務運営のあり方や行政の指導監督体制のあり

方等を中心に検討を行い、それぞれ報告書をとりまとめた。ノンバンクに対する

法規制の枠組みとしては、いわゆるサラ金問題を背景に、借手保護を図る観点か

ら、昭和58年に議員立法により制定された「貸金業の規制等に関する法律」(以

下、「貸金業規制法」という。)があるが、ノンバンクに対する指導監督体制に

ついては、平成3年及び4年、同法を改正し、報告徴求制度を充実する等の対応

が図られた。                                                          

  その後、バブルの崩壊により、事業者向けノンバンクの多くが不良債権を抱え

る一方、消費者信用の分野では、引き続き融資規模の拡大が続いているものの、

多重債務問題が深刻化している等、ノンバンクの状況には大きな変化がみられる。

  また、昨年6月、住専処理法とともに、いわゆる金融3法等が成立し、金融行

政は、自己責任原則の徹底と市場規律に立脚した透明性の高い行政へと転換しつ

つある。更に、昨年11月の橋本総理の指示により、金融システム改革(いわゆる

ビッグ・バン)が喫緊の課題となっている。金融システム改革においては、Fr

ee、Fair、Globalの3原則の下、市場の自由化とともに、投資家保

護や公正取引確保のためのルールの明確化、利用者利便の向上等が課題となって

いる。                                                                

  当懇談会においては、こうしたノンバンクの状況の変化、新しい金融行政のあ

り方、金融システム改革の基本原則等を踏まえつつ、ノンバンクの業務運営のあ

り方、その資金調達の多様化、消費者信用を巡る諸問題等について検討を行った。

  もとより限られた期間の中では、必ずしも全ての論点について議論を尽くせた

わけではない。しかし、今般、とりあえずの検討結果として、報告書を取りまと

めることとしたものである。                                            

  当懇談会としては、本報告の内容がノンバンクの健全な発展と消費者保護に資

するとともに、本報告において提起した問題意識を踏まえ、今後、関係者におい

て更なる検討が行われることを強く期待する。                            



I.ノンバンクの業務運営のあり方、資金調達の多様化等



II.消費者信用を巡る諸問題



〇「ノンバンクに関する懇談会」報告書の概要