第10回証券取引審議会総合部会議事要旨


                                                                                

                                                                                

1.日時  :平成8年11月29日(金)  10時00分〜12時00分                               

2.場所  :合同庁舎四号館  第一特別会議室                                      

3.議題  :これまでの審議等(一般討議)                                        

4.議事内容                                                                    

    今回の会合は、これまでの審議等をまとめた「論点整理」についての一般討議が行わ

  れ、総合部会として論点整理を公表することが了承された。論点整理の了承後、今後の

  総合部会の進め方について審議が行われ、論点整理の具体的改革の大項目(1.投資対

  象、2.市場、3.市場仲介者)ごとにさらに総合部会において審議を行った後、大項

  目ごとに3つのワーキング・パーティーを設置し、そこで検討を深めることが了承され

  た。                                                                          

    一般討議における具体的な意見は以下の通り。                                  

                                                                                

  ○この論点整理は、明治以来の間接金融中心の金融形態から直接金融中心への移行を示

    唆するものであり、革新的であると考える。                                    

  ○この論点整理は、議論の内容もよく取り込んでいただき、かつ部会の雰囲気もよく表

    し、議論の濃淡を問題としていないという点も了解した。また、公開をして議論を進

    めていくという点も評価できる。                                              

  ○規制を緩和するというこの論点整理の方向性により、ニューヨーク等の市場に追いつ

    くことはできるとおもうが、それ以上の日本市場の魅力というものは出てきていない。

    これからの議論でこのことも目指して話し合ってほしい。                          

  ○市場改革の基本的なスタンスとして、(1)市場の自由化、(2)仲介者の業務の自由化、  

    (3)投資対象の魅力の向上、の3点が必要。                                

  ○我が国証券市場の問題点は、金融メカニズムの機能不全からきている。よって、政策

    的な資金配分を撤廃し、市場原理による資金配分へ移行すべき。                  

  ○市場規制については、事前規制から事後規制に移行すべき。これにより、包括的な市

    場規制と柔軟・機動的な規制の発動が可能となり、効率性と公平性という2つの目的

    を達成できる。さらに、事後規制は自己責任原則の浸透にも資する。              

  ○改革の手順として、「市場各般にわたる総合的なパッケージとして実行」とあるが、

    他の関連審議会も含めて、一体的に取り組んで頂きたい。この審議会だけでは解決で

    きない重要な問題が多い。                                                    

  ○この論点整理を読んだ人は、手数料問題には踏み込むが業際問題には踏み込まないと

    読み取ると思う。よって、これは総理からの指示に対して、不十分ではないかと思う

    ことはないか。                                                              

  ○総理指示は「参入促進」であり、「相互参入促進」とは書いてない。最後の段階では

    もう少しつめる必要があるが、業態別子会社の業務範囲については、今年度中に行政

    より何らかの解答が出ることになっているので、それを待つべき。従来より証取審は

    「新規参入」を歓迎しており、「相互参入」はあくまでその内の一つと位置づけられ

    る。                                                                        

  ○具体的検討項目の中に、行政のあり方を含むべきか。                            

  ○各論において行政の部分が抜けているとの御指摘だが、行政のあり方はすべてに関連

    するものであるので、あえて独立の項目とはしていない。総論の冒頭部分が重要と考

    える。先ず規制の枠組みがあり、その中に会計制度、税制、法制等のインフラが存在

    するという認識に立ち、取り組み方もこの順序で考えるべきと思っている。        

  ○個々の検討項目についての時期であるが、「早急に検討すべきではないか」等、様々

    な表現が使われているが、この文章に大きな意味があると考えるべきか。          

  ○実施時期について表現に差があるとの御指摘だが、委員の意見のニュアンスを考慮し

    て作成した。本当の具体的な時期については、今後の部会等で考えていくものと考え

    ている。疑問文になっている点は、いわゆる霞が関文書のように「検討しない」とい

    う意味ではなく、今後の部会を通して考えていくということ。                    

  ○「制度化された市場」とあるが、「制度化」という言葉は、rigid な枠組とのニュア

    ンスがないか。                                                              

  ○市場に関連する人々のスタンダードとして、取引に関する枠組み等を通して参加して

    いるということで、「制度化された」という言葉を使った。「organized market」と

    いう言葉もあるが、「市場」を広く捉えたいとの趣旨。                          

  ○「仲介者の公共的性格」とあるが、公共的なのは市場及び取引そのものであり、仲介

    者は公共的役割を担うというのはどのような意味において考えるべきか。          

  ○「仲介業者の公共性」とは、仲介業者が投資家同士をつなぐという役割を担っている

    ことが公共的性格を有しているということである。                              

  ○証券情報関連産業の発展を図っていくことが望ましいとあるが、何を指すのか。    

  ○情報提供の充実という点について、アナリストやファイナンシャル・プランナー等、

    幅広いものが提起されているので、それを踏まえている。                        

                                                                                

                                                                                

                                                                                

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                        |本議事要旨は暫定版であるため今後修正がありえます。|  

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