第4回証券取引審議会公正取引部会議事要旨




                                                                        

                                                                        

1  日  時:平成9年11月25日(火)15時00分〜17時00分            

                                                                        

2  場  所:合同庁舎4号館共用第2特別会議室                            

                                                                        

3  議  題:公正取引ルールの整備について                                

                                                                        

4  議事内容:                                                          

                                                                        

(1)まず事務局より、証券市場改革の現在の進捗状況及び先般取りまとめられ

    た政府緊急経済対策等について報告が行われた。                        

                                                                        

(2)次に、公正取引ルールの整備、行為規則違反の罰則強化及び民事紛争処理

    制度の整備・充実について審議が行われた。主な意見は以下の通り。      

                                                                        

  ○  証券市場における公正確保のためには、不公正取引についてきめ細かく規

    定し、規制していくことが重要。特に、違法行為によって得た利益や免れた

    損失について没収・追徴する制度の整備が必要ではないか。              

                                                                        

  ○  取引所集中義務の撤廃等により、市場の概念が広がっていく中で、投資家

    保護のためにも、公正取引ルールの整備・拡充が重要となってくる。市場環

    境が刻々と変化する中で、証券取引所、日本証券業協会といった自主規制団

    体とも調整を図りつつ、整備を進めることが必要である。                

                                                                        

  ○  今年7月から、証券会社による未上場・未登録株の取り扱いが可能となっ

    たが、これについても、日本証券業協会の自主ルールを法制化するなど、公

    正取引ルールの整備が必要なのではないか。                            

                                                                        

  ○  インサイダー取引規制については、インターネットに重要事実に関する情

    報を流した段階で重要事実を公表したと見なした方がよいのではないか。  

                                                                        

  ○  相場操縦規制について、「誘因目的」を削除した方がよいのではないか。  

                                                                        

  ○  原案によれば、子会社の役員が、親会社の内部情報を知り、親会社の株式

    を売買したような場合は、当該役員は第一次情報受領者としてしか規制対象

    とされていないが、実態としては親子の会社関係は密接であり、こういう整

    理で良いのだろうか。                                                

                                                                        

  ○  実務上の経験から言えば、子会社の役員といっても、親会社の詳しい情報

    まで十分知りうる立場にあるとは必ずしも言えず、第一次情報受領者という

    ことでよいのではないか。親子の会社関係はケース・バイ・ケースで異なる

    と思われる。                                                        

                                                                        

  ○  不法に得た利得の没収規定の導入については、非常に時宜を得たものであ

    り、違法行為の抑止に有効だと考えられる。現行刑法でも、没収は可能であ

    るが、これは有体物を前提としているなど、限界があり、証取法上規定を整

    備することが必要であろう。                                          

                                                                        

  ○  紛争処理について、民事訴訟にも改善の動きはあるものの、やはり時間も

    お金もかかるものであり、迅速な救済のためには、自主規制機関によるあっ

    せん等の制度の役割が極めて大きい。                                  

                                                                        

  ○  アメリカにおいても、仲裁については、自主規制機関である全米証券業協

    会(NASD)が行っている。顧客との契約書の中に、NASDの仲裁制度

    の利用を課する条項が入っていたり、また、組織面においても、仲裁局長を

    独立して置くなどしており、要は運用次第であろう。                    

                                                                          

  ○  不当利益の没収、追徴だけでなく、さらに加えて金銭的なペナルティー  

    (米国における民事制裁金のようなもの)を課すことが必要なのではないか。

                                                                          

  ○  現在の我が国の法制度において、懲罰的賠償制度というものはなく、また、

    かなり問題があると言われており、導入は難しかろう。                  

                                                                        

                                                                        

                                                                        
お問い合わせ先

大蔵省証券局総務課調査室  森田、御厩

TEL03(3581)4111  内線2709

本議事要旨は暫定版であるため、今後修正があり得ます。