第4回証券取引審議会市場整備部会議事要旨




                                                                        

1  日  時:平成9年12月9日(火)10時00分~12時00分              

                                                                        

2  場  所:合同庁舎4号館大蔵省第1特別会議室                          

                                                                        

3  議  題:市場仲介者について                                          

                                                                        

4  議事内容:                                                          

                                                                        

(1)まず、事務局より、証券市場改革の現在の進捗状況及び最近の証券会社の

    経営問題等について報告が行われた。                                  

                                                                        

(2)次に、各改革項目のうち、今回は市場仲介者に関するものを中心に、その

    実施の具体化について審議が行われた。主な意見は以下の通り。          

                                                                        

  ○  手数料の実態に関するディスクロージャーの実施に当たっては、証券会社

    の事務負担が過大にならないよう配慮することが必要ではないか。        

                                                                        

  ○  手数料の実態調査について、これまでは10億円超の部分の自由化を受け、

    それ以降の更なるステップを模索するためのものであったが、完全自由化の

    スケジュールが決定済の現在では、手数料の調査の位置付けは異なったもの

    と考えられるため、この点も考慮に入れて検討すべきではないか。        

                                                                        

  ○  手数料の完全自由化後には、手数料についても公正取引委員会の競争政策

    の対象となってこようが、カルテル行為等の疑いを持たれないよう、十分留

    意する必要があるのではないか。                                      

                                                                        

  ○  都合が悪くなれば届出だけで退出をどんどんしていくということになると、

    投資家保護や市場に対する信頼を欠くことになるおそれがあるので、廃業、

    解散、営業譲渡等の届出制への移行については、こうした点についてもよく

    念頭に置いておくべきではないか。                                    

                                                                        

  ○  退出に認可制と届出制とのどちらをとるべきかは、分別管理の制度がどの

    程度整備されるかどうかにかかっているのではないか。分別管理のスキーム

    がきちんとできたとして、仮に投げ出すところが出てきた、そして分別管理

    もめちゃくちゃだったという場合、行政が認可制をとっていることによって

    何か追加的に投資家保護が担保できるのかどうか。行政の役割という観点か

    らみると、日頃の行為規制というか、分別管理義務違反があれば、そこで罰

    則をかけなければならないし、事後的な監督もきちんとしなければならない。

    しかし、それは廃業というところに焦点を当ててそこで認可制を維持してお

    くに値するのかどうかは疑問である。                                  

                                                                        

  ○  証券会社として参入するということは、顧客との関係が始まるということ

    であり、自由に参入して悪くなれば退出するとすれば、顧客に損害が生じて

    くることになりかねないので、登録拒否要件としての人的構成要件を十分整

    備する必要があるのではないか。                                      

                                                                        

  ○  30年以上前の登録制の時代には、登録業者の6割が15年の間に廃業もしく

    は登録取消になっている。今後、登録制でレベルの低い証券会社が多くでて

    きて、また準備金が任意となる、非会員で証券業協会からも証券取引所から

    も規制がかからない者が多数参入する、ということになれば、きわめて下の

    部分が危ない業界になってしまうのではないか。登録制であっても、自主規

    制機関による規制を含めて、随時、必要な規制はかけられるようにすべきで

    はないか。                                                          

                                                                        

  ○  業者として参入を認められるのが法人だけなのか、個人も含まれるのかと

    いう問題については、今の法体系において必ずしもロジカルに整理できてい

    ないのではないか。アメリカでは個人でもブローカーやディーラーができる

    という整理がされているが、我が国においても何らかの整理をする必要がな

    いかどうか。                                                        

                                                                        

                                                                        

  ○  アメリカでは証券会社本体による投信委託業の兼業の例は非常に少ない。

    年金あたりは、仮に証券会社の系列運用会社であっても癒着を非常に嫌うと

    いう風土がある。したがって、運用業務に特化する方が投資家の側からはク

    リアになってよいのではないか。                                      

                                                                        

  ○  運用業務に特化すべきか否かについては、市場を通じた投資家の選択に委

    ねればよい話ではないか。                                            

                                                                        

  ○  アメリカでは、証券会社本体で投資顧問業者の登録はしていても、実際は

    別会社でアセット・マネジメントを行っている場合が多いがこれは、利益相

    反について民商法が強いからというのもその一因であろう。我が国において

    は、エンフォースメントを含めて民商法のルールが弱いという問題があるの

    ではないか。                                                        

                                                                        

  ○  証券会社がかつては投信委託業を行っていたわけであるが、色々と弊害が

    あり、分離された。そのときの問題も踏まえて検討する必要があるのではな

    いか。                                                              

                                                                        

  ○  投資一任業者に代理だけでなく取次も認めてはどうかという言及がされて

    いるが、顧客資産の保護や分別管理の問題等、トータルな視点から投資家保

    護を考えると、一任業者に証券業の兼業を認めるよりもむしろ、証券業の方

    で認めた方がすっきりするのではないか。                              

                                                                        

  ○  親子についての兼職規定であるが、証取法の42条の3では、銀行と証券会

    社については承認の対象にもなっていない。将来的にはどんなことが起きる

    かわからず、法律でそういう部分まで定めておくと、その部分に関してフレ

    キシビリティを失うおそれがあるのではないか。むしろ、承認制は残してお

    くとして、42条の3は削除するという考え方をしてもよいのではないか。  

                                                                        

                                                                        

                                                                        

                  ┌────────  問い合わせ先  ──────────┐

                  │  大蔵省証券局総務課調査室  森田、御厩              │

                  │    TEL03(3581)4111  内線  2709     │

                  │本議事要旨は暫定版であるため、今後修正があり得ます。│

                  └──────────────────────────┘