第4回「振り込め詐欺救済法に定める預保納付金を巡る諸課題に関するプロジェクトチーム」議事録

1.日時:

平成28年2月26日(金)15時00分~15時18分

2.場所:

中央合同庁舎第7号館9階 金融庁共用第3会議室

【錦織室長】

それでは、定刻となりましたので、ただいまより開会させていただきます。

まず、開会に当たりまして、本PTの座長でいらっしゃいます金融担当の牧島かれん内閣府大臣政務官から御挨拶をいただきます。よろしくお願いいたします。

【牧島座長】

本日はお忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。

本PT、これまで3回にわたって会合を開催して参りました。様々な方からお話を伺いましたが、今回の会合では、預保納付金事業の見直しの具体的な方向性について討議をしたいと考えています。

全体的な見直しの方向性については、これまでのヒアリングの内容を踏まえて、犯罪被害者等の支援の一層の充実に向けて、現在の事業内容を見直すことが適当であると考えています。

具体的には、一つ目として、奨学金事業については貸与制から給付制へ変更すること。そして、その次に、団体助成事業については、犯罪被害者等支援団体における既存の支援体制に必要な相談員の育成費や、24時間365日対応に向けた新たな相談受理体制の整備に伴う相談員の育成費を対象とすることとしてはどうかと考えております。

詳細につきましては、事務局より御説明をさせていただきます。よろしくお願いいたします。

【錦織室長】

ありがとうございました。

それでは、続きまして、お手元にお配りしております討議資料に基づいて、私から御説明申し上げます。

資料を1枚おめくりいただいて1ページ目でございます。預保納付金事業に関する基本的な考え方を掲げさせていただいております。

預保納付金事業については、法律において「犯罪被害者等の支援の充実のために支出するもの」とされているところでありますが、その事業内容を見直し、資金使途の拡大を検討する際には、以下の点に留意する必要があると考えております。

本来減少していくことが望ましい振り込め詐欺等の被害金を原資とする、という預保納付金の性格を考慮すべきこと。既に国及び地方公共団体が実施している、あるいは実施が見込まれている事業の肩代わりとならないこと。また、預保納付金の使途拡大の結果、これまで被害者等支援を行っていた民間団体が支出を差し控え、全体として支援の拡充につながらないという事態は避けるべきこと。限りある財源の中で、事業の優先順位を勘案しつつ検討すべきことでございます。

2ページ目に参りまして、まず、奨学金事業のあり方の全体についてでございます。

まず、現在の貸与制奨学金の概要でございますが、考え方としては、犯罪被害者の子供が、学業を終えた後も、自らが社会により支えられたことを思い起こす機会を提供、あるいは、就職して自立するようインセンティブを付与するという考え方から、これまで貸与制奨学金を実施してきたところでございます。

現状でございますが、これまで借り手の経済状況を見ますと、低所得者層が多く、奨学生の数が低調に推移しております。このため、要望といたしましては、奨学金事業を貸与から給付へと変更すべきというものをいただいております。

下の見直しに関する主要な論点でございますが、まずは、給付制奨学金の導入の可否についてどう考えるか。そして、仮に導入するとした場合の主な論点として、マル1からマル4を掲げてございます。給付制奨学金の枠組みをどうするか。そして、給付水準をどうするか。受給資格をどのように設定するか。あるいは、既存の貸与者の方をどのようにお取り扱いするかという点でございます。

もう1ページ開いていただきまして、団体助成事業のあり方についてでございます。

まず、現在の考え方は、犯罪被害者等支援団体は財政基盤の脆弱な団体が多く、早期の経済的援助が望まれております。このため、預保納付金を支出し、その支援活動の充実・強化を図ることが有益であるとして、右に掲げてございます事業を現在実施しておるところでございます。

こうした中、現状でございますが、支援の対象として、この相談員等の人件費については助成対象外となっております。このため、支援団体における既存の支援体制や24時間365日対応に向けた新たな相談受理体制に関し、次世代の育成に必要な人件費も助成すべきであるという御要望をいただいております。

この見直しに関する論点としては大きく二つでございます。一つ目が、既存の支援体制への支援の可否。二つ目が、新たな相談受理体制への支援の可否について検討する必要があると考えております。

それでは、ただいまから、預保納付金事業の具体的な見直しの方向性について御説明いたします。

それでは、まず、奨学金事業の見直しの方向性について御説明いたします。

基本的な考え方ですが、高い所得とは言えない家計の借り手が多く、貸与制では債務返済の延滞等の発生につながる可能性が高いと考えられます。また、貸与制のもとでは、長期にわたる債権管理も必要となり、管理コストが永続的に発生することが考えられます。このため、他の給付制奨学金事業とのバランス等に留意しつつ、給付制を導入することが妥当であると考えております。

なお、奨学生の自立につきましては、犯罪被害者等というハンディを考慮すべきであり、また、奨学金終了後も連絡をとってネットワークを構築することによって、自立するよう成長を見守ることが可能であるという意見も多くございました。

給付制の具体的なイメージでございますが、まず、給付制奨学金の枠組みについてでございます。

この点につきましては、既存の貸与制は存置せず、給付制に完全移行することが考えられます。理由といたしましては、貸与制がある限り、引き続き返済負担が発生し続けること。また、無利子貸与型奨学金を日本学生支援機構等が実施している中、あえて貸与制を残す意義が必ずしも定かではないこと。そして、先ほども御説明いたしました、貸与制のもとでは長期間にわたる債権管理が必要となることといった点が挙げられます。

給付制に完全移行する際には、次の点についても留意する必要があると考えております。

まず、限りある財源の中、安定的に給付制を運用するため、所要額を慎重に見積もるべきこと。そして、モラルハザードを回避するため、例えば、定期的に成績表の提出を求めるなどといった方策を講ずることが考えられます。

続きまして、給付水準について御説明いたします。

例えば、大学生については、国立大学の授業料を賄える月額の水準に設定することが考えられます。具体的には、大学生と大学院生がそれぞれ5万円ずつ、高校生の場合は私立が2.5万円、国公立が1.7万円という水準を考えております。

これ以外にも、幾つかの選択肢を検討いたしましたので、その結果について御説明します。

まず、犯罪被害救援基金が行っている奨学金と同水準、すなわち、大学生で見ますと月額3万円といった水準に設定した場合、これまで、まごころ奨学金が行ってきた貸与額との乖離が大きいことが問題と考えられます。また、現在の貸与額と同水準、つまり、大学生でありますと最高額で月額8万円という額に給付額を設定した場合には、多額の原資が必要となる上、他の奨学金と併給した場合には、学校生活に必要な費用の金額を超える可能性があるため、これも選択肢としては非常に難しいと考えております。

また、入学時に一時金を支給する点につきましても、給付制のもとにおいても引き続き実施して参りたいと考えております。例えば、大学生は30万円といったレベルを考えております。

三つ目でございますが、受給資格でございます。

奨学生の対象となる者といたしまして、犯罪被害者等の子供であり、高校、大学、大学院生であって、犯罪被害により学費の支弁が困難であると認められる者を対象とすることを考えておりますが、この基準は基本的に今、担い手で行っている事業と同じ定義でございます。

また、対象とする人数でございますが、当面、上限をおよそ300人と想定することを考えております。もし仮にそれを超えるおそれがある場合には、学力基準や家計基準を用いて選抜することも考えられると思われます。

四つ目に、既存貸与者の取り扱いでございます。今後の給付水準を限度として、既存貸与者に対しては、返済を免除することが考えられると思います。この場合、残存債権が発生いたしますが、既存貸与者と新規で給付を受ける者の公平性が担保され、理解が得られやすいと考えております。なお、この返済免除の対象者としては、返済免除後も現在の毎月の返済額を下回らない額で返済し続けることに同意された方を対象とすることを考えております。

また、既に奨学生を終えられ社会人になられて、返済を開始されている方については、既に返済されている金額がございますが、この金額については、既に債権債務関係が解消されていることもございますので、それに対する手当ては特段講じないものといたしますが、給付制の切り替えに合わせて、先ほど申し上げました返済免除と同じものを適用させていただきたいと考えております。

次は、団体助成事業の見直しの方向性についてでございます。

考え方は、犯罪被害者等支援団体の自立を損なわない範囲で、同団体における既存の支援体制や新たな相談受理体制に必要な人材の確保を支援して参りたいという考え方でございます。

大きく分けて柱が二つございます。まず、一つ目の柱でございます。既存の支援体制への支援についてでございます。

相談員の育成費を助成対象に追加することを考えております。犯罪被害者等支援団体の担当者が被害者に対する相談業務を行うためには、相談員としての認定を受けなければならず、認定を受けるまでには3年間程度の実務経験が必要となっております。しかし、その担当者は認定を受けるまで無給で業務を行うのが一般的となっており、こうした状況から、特に若く優秀な相談員候補となるべき人材が定着しにくい状況にあると認識しております。このため、支援団体に定着することが見込まれる人材については、相談員の認定を受けるまでに必要な育成費、つまり、その期間の雇用経費を助成することが考えられると思います。

なお、相談員や支援活動責任者の活動費につきましては、支援団体の活動維持に必要な費用そのものであり、助成すると支援団体の自立を妨げるおそれがございます。また、特に支援活動責任者につきましては、管理部門の責任者と兼務しているケースもございます。こうしたことから、こうした活動費につきましては、助成対象としないことを考えております。同様に、支援活動責任者の育成費につきましても、支援活動責任者になるための要件が明確ではなく、事実上活動費への助成となりかねないため、対象としないことを考えております。

二つ目の柱でございます。新たな相談受理体制への支援でございます。

新たな相談受理体制の整備に伴って必要となる相談員について、その育成に必要な費用を助成することを考えております。現在、支援団体においては、24時間365日対応に向けた相談体制の整備に関する取り組みが進められております。こうした取り組みについても、これまで助成対象としてきた資機材の整備に加え、先ほど御説明した既存体制への支援と同様の観点から、相談員の育成費、つまり、その期間の人件費について助成対象に追加することを考えております。

なお、この新たな相談受理体制の立ち上げ以後の相談員の活動費につきましては、先ほどの既存の支援体制のところで御説明したとおり、支援団体の自立を妨げるおそれがあることから、これを対象とすることはしないと考えております。

概要の説明は以上でございます。

それでは、ただいま説明させていただきました内容につきまして、御質問、御意見等いただきたいと存じます。なお、本日の議事録は、会議終了後、金融庁ホームページに掲載させていただきますので、よろしくお願いいたします。

それでは、順次挙手の上、よろしくお願いいたします。

それでは、まず、内閣府の方からよろしいですか。

【及川参事官】

内閣府でございます。おまとめいただきましてありがとうございます。お示しいただいた内容でよろしいかと思っております。

【錦織室長】

ありがとうございました。

そのほかございますでしょうか。警察庁、どうぞ。

【坂口課長】

警察庁でございます。二点、申し上げさせていただきたいと思います。

まず、一点目は奨学金事業の関係でございます。第1回PTの会議でも御説明しましたとおり、犯罪被害給付制度の対象者と申しますのは、何の落ち度もないのに犯人からは損害の賠償を受けられない、また、自賠責や労災等による他の公的給付制度でも救済されないという立場の方々でございます。こういった小学校の児童から大学生までが支給対象となっております犯罪被害救援基金の奨学生というのは、正にそういう境遇に置かれた方々であります。したがって、そうした奨学生というのは特に救済されるべき立場にあると言えますので、預保納付金の奨学金事業においても、犯罪被害救援基金の奨学生に対して、奨学金の支給漏れが生じてしまうような制度設計等にならないように、対象者が小学生、中学生の時期との接続も含めて御配慮をお願いできればありがたいと考えております。

もう一点は、団体助成の関係でございます。ただいま御提案のあった助成対象の拡大について異論はございません。ただ、その手続の面で一点申し上げたいと思います。

警察は、これも第1回PTで御説明をいたしましたが、犯罪被害者等早期援助団体を指導・監督しておりまして、その支援活動や犯罪被害相談員の育成等に関しては知見を有しているところでございます。したがって、その助成に際しましては、警察の意見も聞いていただける仕組みを設けてもらえれば、団体助成事業がより実態に即したものとなって、一層効果的に行われるようになると考えられますので、詳細は改めて警察庁にも御相談いただければありがたいと思います。

同様に、政府の司令塔となる犯罪被害者等施策を所管する立場としての警察庁、それから都道府県、政令指定都市、市町村がこういう現場の立場に立つわけですが、その御意見を聞いていただく仕組みというのも御一考いただければありがたいと思います。

以上でございます。

【錦織室長】

ありがとうございました。

まず、第一点の奨学金事業に関する御指摘につきましては、先ほどの私の御説明にもございましたとおり、新しい給付制の奨学金制度におきましては、併給を想定しておりますので、この点、遺漏なきように措置して参りたいと考えております。

第二点の団体助成事業に関する御指摘につきましても、政府関係機関で協調・連携しながら、より良い制度にしていくことは当然のことだと思いますので、またその方向性で詳細を詰めさせていただければと思います。

そのほか、よろしゅうございますか。

それでは、第4回の会合をこれで終了させていただきます。最後に牧島政務官から閉会の御挨拶を賜りたいと思います。よろしくお願いいたします。

【牧島座長】

預保納付金事業の具体的な見直しの内容について事務局から説明をさせていただきました。そしてまた、コメントをいただきましたが、討議を踏まえますと、本PTの参加者の皆様からもその内容について賛同が得られたものと考えております。今後、本日議論いたしました具体的な見直し案を骨子として、これに預金保険機構から問題提起のありました返金率の維持・向上に向けた金融機関の取り組みなど、その他必要な事項をまた盛り込ませていただいて報告書を作成し、次回の会合で報告書の取りまとめを行いたいと考えておりますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。

ありがとうございました。

以上

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金融庁 総務企画局 企画課 調査室

電話番号:03-3506-6000(代表)(内線3647、3524)

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