平成20年1月31日
金融庁

「金融サービス利用者相談室」における相談等の受付状況等
(期間:平成19年10月1日~12月31日)

1.はじめに

  • (1)金融庁では、金融サービス利用者の利便性の向上を図るとともに、寄せられた情報を金融行政に有効活用するため、金融サービス等に関する利用者からの電話・ホームページ・ファックス等を通じた質問・相談・意見等に一元的に対応する金融サービス利用者相談室(以下「相談室」)を平成17年7月19日に開設しました。

  • (2)利用者からの相談等については、専門の相談員が電話で対応しています。相談員からは、問題点を整理するためのアドバイスを行ったり、業界団体が開設している紛争処理機関等を紹介しています。なお、寄せられた相談等の内容や処理状況等については、金融庁内の関係部局に回付し、検査・監督等の参考として活用しています。

  • (3)相談室に寄せられた利用者からの相談件数や主な相談事例等のポイント等については、四半期毎に公表しています。平成19年10月1日から12月31日までの間(以下「今期」)における相談等の受付状況及び特徴等は、以下のとおりです。

2.受付状況

平成19年10月1日から12月31日までの間に、11,608件の相談等(詳細については、PDF別紙1をご参照ください。)が寄せられています。一日当たりの受付件数は平均187件となっており、19年7月1日から9月30日までの間(以下「前期」)の実績(169件)と比べ増加しています。

相談等の内訳は、以下のとおりです。

  • (1)相談等の類型

    質問・相談として寄せられたものが8,924件(77%)、意見・要望として寄せられたものが1,732件(15%)、情報提供として寄せられたものが865件(7%)、その他が87件(1%)となっています。

  • (2)相談等の方法

    電話による相談等が9,546件(82%)、ホームページによる相談等が950件(8%)、ファックスによる相談等が225件(2%)、手紙による相談等が499件(4%)、その他が388件(3%)となっています。

  • (3)相談等の分野

    預金・融資等に関するものが2,713件(23%)、保険商品等に関するものが3,833件(33%)、投資商品等に関するものが3,158件(27%)、貸金等に関するものが1,677件(14%)、金融行政一般・その他が227件(2%)となっています。

3.分野別の特徴

  • (1)預金・融資等に関する相談等の受付件数2,713件のうち、個別取引・契約の結果に関するものが821件(30%)、金融機関の態勢・各種事務手続に関するものが703件(26%)等となっています。

    業態別では、銀行に関するものが1,826件(67%)、信用金庫・信用組合等の協同組織金融機関に関するものが365件(13%)、その他522件(19%)となっています。

    業務別では、融資業務に関するものが836件(31%)、預金業務に関するものが789件(29%)、その他注1が1,088件(40%)となっています。

    今期の受付件数は、前期と同水準(2,659件→2,713件)となっています。

    注1:その他では、為替についての相談等が寄せられています。

  • (2)保険商品等に関する相談等の受付件数3,833件のうち、個別取引・契約における顧客説明及び個別取引・契約の結果に関するものが合計2,021件(53%)(うち保険金の支払に関するもの1,517件)、金融機関の態勢・各種事務手続に関するものが671件(18%)(うち保険金請求時等における保険会社の対応に関するもの372件)等となっています。

    業態別では、損害保険会社に関するものが1,779件(46%)、生命保険会社に関するものが1,370件(36%)、その他684件(18%)となっています。

    今期の受付件数は、一般的な照会・質問に関する相談等が増加(237件→408件)したこと等から、前期に比べてやや増加(3,543件→3,833件)しています。

  • (3)投資商品等に関する相談等の受付件数3,158件のうち、一般的な照会・質問に関するものが1,281件(41%)、行政に対する要望等に関するものが445件(14%)等となっています。

    業態別では、証券会社(第一種業)に関するものが707件(22%)、ファンド(投資運用業・第二種業)に関するものが291件(9%)、外国為替証拠金取引業者(第一種業)に関するものが225件(7%)、その他注2が1,935件(61%)となっています。

    今期の受付件数は、一般的な照会・質問に関する相談等が増加(835件→1,281件)したこと等から、前期に比べて増加(2,543件→3,158件)しています。

    注2:その他では、市場に関する要望や無登録業者に関する相談等が寄せられています。

  • (4)貸金等に関する相談等の受付件数1,677件のうち、一般的な照会・質問に関するものが637件(38%)、不適正な行為に関するものが368件(22%)、個別取引・契約の結果に関するものが336件(20%)となっています。

    今期の受付件数は、一般的な照会・質問に関する相談等が増加(529件→637件)したこと等から、前期に比べて増加(1,515件→1,677件)しています。

  • (5)金融行政一般・その他に対する意見・要望等の受付件数227件のうち、一般的な照会・質問に関するものが57件(25%)、行政に対する要望等に関するものが50件(22%)等となっています。

  • (6)貸し渋り・貸し剥がしに関する情報提供は、32件寄せられています。(「貸し渋り・貸し剥がしに関する情報の受付・活用状況について」は、PDF別紙2をご参照ください。)

  • (7)預金口座の不正利用に関する情報提供は、103件寄せられています。(金融庁及び全国の財務局等より金融機関及び警察当局への情報提供については、同日公表の「預金口座の不正利用に係る情報提供件数等について」をご参照ください。)

4.利用者から寄せられた相談等の活用状況

利用者の皆様から寄せられた相談等は、利用者全体の保護や利便性向上の観点から検査・監督上の参考として活用しています。

19年10月1日から12月31日までに受け付けた情報提供のうち、以下のものなどについて、金融機関に対する検査における検証や監督におけるヒアリング等、金融行政を行う上での貴重な情報として活用しています。

  • (1)預金取扱金融機関によるリスク性商品等の販売時における顧客への説明態勢及び広告等の不適正な表示に関するもの

  • (2)預金取扱金融機関における本人確認や説明を求めた際の不適切な顧客対応に関するもの

  • (3)預金取扱金融機関の個人情報の取扱いに関するもの

  • (4)いわゆる貸し渋り・貸し剥がしに関するもの

  • (5)保険会社の不払い等(保険金等の不適切な不払い、支払漏れ等)に関するもの

  • (6)保険募集人等の不適正な行為(重要事項の不十分な説明、手続きに関する不適切な案内・対応、保険料の立替、名義借り等)に関するもの

  • (7)金融商品取引業者の不適正な行為(ホームページを閉鎖し電話に出ない等)に関するもの

  • (8)いわゆる集団投資スキームを利用した法令違反のおそれのある行為に関するもの

  • (9)貸金業者による法令違反のおそれのある行為(取立行為規制違反、取引履歴の不当な開示拒否等)に関するもの

また、預金口座の不正利用に関する情報については、金融機関及び警察当局へ119口座の情報提供を行っています。

さらに、19年7月1日から9月30日までの間における情報の活用状況は以下のとおりです。

  • (1)監督において行った150金融機関に対するヒアリング等に際して、相談室に寄せられた情報を参考としています。

  • (2)金融庁が着手した19金融機関の検査等に際して、相談室に寄せられた情報を参考としています。

5.利用者からの相談事例等と相談室からのアドバイス等

寄せられた相談等のうち利用者の皆様に注意喚起する必要がある事例等について、「利用者からの相談事例等と相談室からのアドバイス等」として周知しております。

今回、新たに追加又は改訂する「利用者からの相談事例等と相談室からのアドバイス等」は、以下のとおりです。

  • (1)預金・融資等に関する利用者からの相談事例等と相談室からのアドバイス等

    • 免許の確認、預金保険制度に関する相談等

      • 【相談事例等】

        • 最近、○○銀行という聞きなれない銀行ができたと聞きますが、免許のある銀行ですか。預金保険の対象金融機関ですか。どのような預金が保護されますか。
      • 【アドバイス等】

        • 金融庁から免許を受けている銀行等の金融機関については、金融庁ホームページの「免許・許可・登録等を受けている業者一覧」で確認できますので、ご覧ください。
        • 預金保険の対象金融機関は日本国内に本店のある銀行、信用金庫、信金中央金庫、信用組合、全国信用協同組合連合会、労働金庫、労働金庫連合会です。対象金融機関の一覧は預金保険機構のホームページで確認できますので、ご参照ください。
        • 預金保険制度により保護される預金等は、1金融機関1人当たり、同一名義を合算して元本1,000万円までとその利息等です。決済用預金(無利息、要求払い、決済サービスを提供できる、という3要件をすべて満たすもの)については全額保護されます。個々の預金商品が預金保険の対象であるか否かは、当該銀行へご確認ください。
  • (2)保険商品等に関する利用者からの相談事例等と相談室からのアドバイス等

    • 特定保険業者に関する相談等

      • 【相談事例等(信用性)】

        • 共済業者(特定保険業者)から加入の勧誘をされています。「少額短期保険業者として登録申請中であるから大丈夫」と言われていますが、この共済業者の信用性はどうでしょうか。
      • 【アドバイス等】

        • 個別業者の信用性について、金融庁(含む財務局)としてコメントすることはできません。加入にあたっては、ご自身でよくご検討いただくこととなりますが、特定保険業者についても保険募集に際して保険契約の重要事項等を説明する義務が課せられており、ご不明な点は、業者より納得されるまで説明を受け、契約内容を十分に理解した上で契約するようにしてください。
        • なお、平成20年4月以降、特定保険業者が新規契約を行うためには、平成20年3月末までに保険会社の免許申請又は少額短期保険業の登録申請を行っている必要があります。
  • (3)投資商品等に関する利用者からの相談事例等と相談室からのアドバイス等

    • ファンドに関する相談等(改訂)

      • 【相談事例等】

        • 投資事業有限責任組合から出資を勧められていますが、迷っています。注意点があれば教えてください。
        • 投資ファンドや未公開株等に投資する投資事業有限責任組合から執拗な勧誘を受けています。当該事業組合は、「金融庁整備番号LP○○○○」で登録していると言っていますが、登録を受けた業者ということでしょうか。
      • 【アドバイス等】

        • いわゆるファンドについて、金商法施行以降自己募集を行う際には、登録が必要となっていますので、まずは登録番号を確認してください。登録番号は「○○財務局長(金商)第・・・・号」という形で付与されています。「LP○○○○」という番号は、EDINET(*)コードであり、登録番号ではありません。
          ただし、金商法施行前に既にファンドを組成し施行後も引き続き募集を行う場合には、平成20年3月31日までは登録を受けずに業務を行うことができますので、そうした業者と取引を行う場合においては、その業者の信用力をより慎重に判断し取引内容をよく理解することが重要です。

        • 種々の投資に際しては、詐欺事件等に発展している事例も数多くありますので十分に注意し、たとえ登録番号が確認できた場合においても業者の信用性が疑われるような場合には、慎重な対応をお勧めします。
        • なお、「いわゆるファンド形態での販売・勧誘等業務について」を掲載していますので参考にしてください。
          • (*)EDINETとは、有価証券届出書や有価証券報告書等の開示書類について、その提出から公衆縦覧等に至るまでの一連の手続を電子化するシステムで、当該事業組合が有価証券届出書等の届出をしていることは確認できますが、登録とは関係ありません。

  • (4)貸金業に関する利用者からの相談事例等と相談室からのアドバイス等

    • 金利引下げに関する相談等

      • 【相談事例等】

        • 貸金業法が改正されて、上限金利が引下げになると聞きましたが本当ですか。10数年前から貸金業者で借りて返済していますが、なかなか債務が減りません。
      • 【アドバイス等】

        • 出資法の上限金利の引下げは、改正貸金業法の施行(平成19年12月19日)から2年半以内に行われることとなっており、まだ引き下げられておりません(注)。
        • お申し出によると長期間の取引ですので、利息制限法の利息の制限額を超える部分を利息制限法の金利へ引き直すことにより、債務の軽減や過払金が生じる可能性もあります。
        • なお、過払金が生じているかどうかは個々の取引状況によるものであり、取引履歴の開示や利息制限法の金利への引直しなどの手続も必要ですので、(財)日本クレジットカウンセリング協会や弁護士、司法書士等の法律の専門家などに相談されてはいかがでしょうか。
          • (注)将来金利の引下げが実施されても、過去の契約に遡って適用されるわけではありません。

今回、新たに追加するものを加えた以下の項目について、「利用者からの相談事例等と相談室からのアドバイス等」を公表しておりますので、こちらもご参照ください。


* その他、金融庁のホームページ(「一般のみなさんへ」)では、金融サービスを利用する皆様にご注意いただきたい情報を掲載しております。

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局政策課金融サービス利用者相談室(内線9541)
(別紙2)
総務企画局政策課(内線3168)
検査局総務課(内線2530)
監督局総務課(内線3314)

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