平成20年7月31日
金融庁

「金融サービス利用者相談室」における相談等の受付状況等
(期間:平成20年4月1日~6月30日)

1. はじめに

  • (1)金融庁では、金融サービス利用者の利便性の向上を図るとともに、寄せられた情報を金融行政に有効活用するため、金融サービス等に関する利用者からの電話・ウェブサイト・ファックス等を通じた質問・相談・意見等に一元的に対応する金融サービス利用者相談室(以下「相談室」)を平成17年7月19日に開設しました。

  • (2)利用者からの相談等については、専門の相談員が電話で対応しています。相談員からは、問題点を整理するためのアドバイスを行ったり、業界団体が開設している紛争処理機関等を紹介しています。なお、寄せられた相談等の内容や処理状況等については、金融庁内の関係部局に回付し、検査・監督等の参考として活用しています。

  • (3)相談室に寄せられた利用者からの相談件数や主な相談事例等のポイント等については、四半期毎に公表しています。平成20年4月1日から6月30日までの間(以下「今期」)における相談等の受付状況及び特徴等は、以下のとおりです。

2. 受付状況

平成20年4月1日から6月30日までの間に、11,441件の相談等(詳細については、PDF別紙1(PDF:81K)をご参照ください。)が寄せられています。1日当たりの受付件数は平均185件となっており、20年1月1日から3月31日までの間(以下「前期」)の実績(199件)と比べやや減少しています。

相談等の内訳は、以下のとおりです。

  • (1)相談等の類型

    質問・相談として寄せられたものが9,188件(80%)、意見・要望として寄せられたものが1,489件(13%)、情報提供として寄せられたものが705件(6%)、その他が59件(1%)となっています。

  • (2)相談等の方法

    電話による相談等が9,713件(85%)、ウェブサイトによる相談等が786件(7%)、ファックスによる相談等が209件(2%)、手紙による相談等が442件(4%)、その他が291件(3%)となっています。

  • (3)相談等の分野

    預金・融資等に関するものが2,970件(26%)、保険商品等に関するものが3,124件(27%)、投資商品等に関するものが3,518件(31%)、貸金等に関するものが1,595件(14%)、金融行政一般・その他が234件(2%)となっています。

3. 分野別の特徴

  • (1)預金・融資等に関する相談等の受付件数2,970件のうち、個別取引・契約の結果に関するものが859件(29%)、一般的な照会・質問に関するものが732件(25%)等となっています。

    業態別では、銀行に関するものが1,910件(64%)、信用金庫・信用組合等の協同組織金融機関に関するものが441件(15%)、その他619件(21%)となっています。

    業務別では、預金業務に関するものが795件(27%)、融資業務に関するものが935件(31%)、その他注1が1,240件(42%)となっています。

    今期の受付件数は、前期と同水準(2,881件→2,970件)となっています。

    注1:その他では、為替についての相談等が寄せられています。

  • (2)保険商品等に関する相談等の受付件数3,124件のうち、個別取引・契約における顧客説明及び個別取引・契約の結果に関するものが合計1,643件(53%)(うち保険金の支払に関するもの1,147件)、金融機関の態勢・各種事務手続に関するものが553件(18%)(うち保険金請求時等における保険会社の対応に関するもの327件)等となっています。

    業態別では、損害保険会社に関するものが1,537件(49%)、生命保険会社に関するものが861件(28%)、その他726件(23%)となっています。

    今期の受付件数は、個別取引・契約の結果に関する相談等が減少(1,442件→1,355件)したこと等から、前期に比べてやや減少(3,424件→3,124件)しています。

  • (3)投資商品等に関する相談等の受付件数3,518件のうち、一般的な照会・質問に関するものが1,633件(46%)、不適正な行為に関するものが443件(13%)等となっています。

    業態別では、証券会社(第一種業)に関するものが651件(19%)、登録詐称・無登録業者に関するものが464件(13%)、有価証券報告に関するものが387件(11%)、その他注2が2,016件(57%)となっています。

    今期の受付件数は、前期と同水準(3,550件→3,518件)となっています。

    注2:その他では、個別法人に関する相談や市場に関する要望等が寄せられています。

  • (4)貸金等に関する相談等の受付件数1,595件のうち、一般的な照会・質問に関するものが516件(32%)、個別取引・契約の結果に関するものが359件(23%)、不適正な行為に関するものが327件(21%)等となっています。

    今期の受付件数は、前期と同水準(1,556件→1,595件)となっています。

  • (5)金融行政一般・その他に対する意見・要望等の受付件数234件のうち、一般的な照会・質問に関するものが41件(18%)、行政に対する要望等に関するものが34件(15%)等となっています。

  • (6)貸し渋り・貸し剥がしに関する情報提供は、44件寄せられています。(「貸し渋り・貸し剥がしに関する情報の受付・活用状況について」は、PDF別紙2(PDF:139K)をご参照ください。)

  • (7)預金口座の不正利用に関する情報提供は、77件寄せられています。(金融庁及び全国の財務局等より金融機関及び警察当局への情報提供については、同日公表の「預金口座の不正利用に係る情報提供件数等について」をご参照ください。)

  • (8)金融円滑化ホットラインに寄せられた金融の円滑化に関する情報提供は、79件となっています。(「金融円滑化ホットラインに寄せられた情報の受付・活用状況について」は、PDF別紙3(PDF:118K)をご参照ください。)

4. 利用者から寄せられた相談等の活用状況

利用者の皆様から寄せられた相談等は、利用者全体の保護や利便性向上の観点から検査・監督上の参考として活用しています。

20年4月1日から6月30日までに受け付けた情報提供のうち、以下のものなどについて、金融機関に対する検査における検証や監督におけるヒアリング等、金融行政を行う上での貴重な情報として活用しています。

  • (1)預金取扱金融機関によるリスク性商品等の販売時における顧客への説明態勢及び広告等の不適正な表示に関するもの

  • (2)預金取扱金融機関における本人確認や説明を求めた際の不適切な顧客対応に関するもの

  • (3)預金取扱金融機関の個人情報の取扱いに関するもの

  • (4)いわゆる貸し渋り・貸し剥がしに関するもの

  • (5)保険会社等の不払い等(保険金等の不適切な不払い、支払漏れ等)に関するもの

  • (6)保険募集人等の不適正な行為に関するもの

  • (7)いわゆる集団投資スキームを利用した法令違反のおそれのある行為に関するもの

  • (8)貸金業者による法令違反のおそれのある行為(取立行為規制違反、取引履歴の不当な開示拒否等)に関するもの

また、預金口座の不正利用に関する情報については、金融機関及び警察当局へ117口座の情報提供を行っています。

さらに、20年1月1日から3月31日までの間における情報の活用状況は以下のとおりです。

  • (1)監督において行った224金融機関等に対するヒアリング等に際して、相談室に寄せられた情報を参考としています。

  • (2)金融庁が着手した15金融機関の検査等に際して、相談室に寄せられた情報を参考としています。

5. 利用者からの相談事例等と相談室からのアドバイス等

寄せられた相談等のうち利用者の皆様に注意喚起する必要がある事例等について、「利用者からの相談事例等と相談室からのアドバイス等」として周知しております。

今回、新たに追加又は改訂する「利用者からの相談事例等と相談室からのアドバイス等」は、以下のとおりです。

  • (1)預金・融資等に関する利用者からの相談事例等と相談室からのアドバイス等

    • 振り込め詐欺救済制度に関する相談等

      • 【相談事例等】

        • 振り込め詐欺の被害に遭い、お金を振り込んでしまいました。振り込め詐欺救済法が施行されたと聞きましたが、施行前の被害も救済の対象になりますか。どのような手続をしたらいいですか。
      • 【アドバイス等】

        • 振り込め詐欺救済法の施行前の被害も救済の対象となります。ただし、返済される金額は、振込先口座に残っている資金を、被害を受けた方へ被害額に応じて分配することになるため、被害額全額が支払われるとは限りません。また、被害を国や銀行が補填するというものではありません。
        • 手続は、振り込んだ先の金融機関で行われますので、被害に遭われた場合は、すみやかに振込先の金融機関にご連絡いただくとともに、お近くの警察署へ被害を届け出てください。
        • 振り込め詐欺救済法(正式名称は「犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律」)は、振り込め詐欺等の犯罪により、金融機関の口座に振り込まれ滞留している犯罪被害金を、被害に遭われた方に支払う手続等について定めた法律です。平成20年6月21日に施行されました。

        • 本法律については、金融庁ウェブサイトに「振り込め詐欺救済法」を掲載しておりますので、参考にしてください。

  • (2)保険商品等に関する利用者からの相談事例等と相談室からのアドバイス等

    • 保険金の支払に関する相談等

      • 【相談事例等(保険金の支払時期)】

        • 保険金の支払を保険会社に請求してからしばらく日数が経過しましたが、まだ保険金が支払われていません。通常、請求してからどのくらいの日数で保険金は支払われるのでしょうか。
      • 【アドバイス等】

        • 保険会社は、保険金の請求があった場合の支払時期を約款において定めています。例えば、生命保険の死亡保険については、おおむね5日以内、損害保険の自動車保険であれば、30日以内に支払うこととしていることが多いようです。
        • ただし、保険会社や商品によって定めている日数は異なりますので、支払時期については約款を確認してください。
        • また、事実確認のため特に日数を要する場合は、支払時期が延長されることもあります。約款の支払時期を超えているようであれば、保険会社に問い合わせてみてください。
  • (3)投資商品等に関する利用者からの相談事例等と相談室からのアドバイス等

    • 自社発行未公開株に関する相談等

      • 【相談事例等】

        • ある事業会社から、未公開株の勧誘を受けています。当社は発行会社なので金融商品取引法の登録は必要ない、特別な方への限定販売であると言っています。また、当社から勧誘を受けて以後、他の業者から、当社は有望なので株式があれば譲ってほしいとの電話が頻繁にかかるようになりました。信用できるでしょうか。
      • 【アドバイス等】

        • 未公開株の販売は、金融商品取引業者(証券会社)のほか当該未公開株の発行会社でも可能ですが、一般的に、未公開株の発行体自らが、不特定の第三者に対して電話勧誘等を通じて自社株を販売することは考えられません。業として株式の販売を行うことができるのは、金融商品取引業者(証券会社)のみですが、一般的には、これらの金融商品取引業者も業界内の自主規制ルールにより、未公開株の勧誘・販売は行っておりません。
        • また、勧誘を受けた後に、タイミングよく別の業者から買取りの電話が入ることも不自然な印象を受けます。
        • 未公開株は流動性が乏しく、発行会社によっては譲渡制限が付されている場合もあります。したがって未公開株は、上場しない限り換金する方法はほとんどありませんので、非常にリスクの高い投資ということを十分認識してください。また、詐欺的なものが多発していますので、少しでも不審な点が見受けられた場合には、投資を見合わせることをお勧めします。
        • 未公開株に投資をした後に騙されたとお考えになるのであれば、警察に相談してください。また、返金等を求めるのであれば、消費生活センターや各地の弁護士会に相談してください。
        • 金融庁でも「未公開株購入の勧誘にご注意!」等の注意喚起情報をウェブサイトに掲載しています。また、無登録業者の情報を収集していますので、金融サービス利用者相談室に情報提供をお願いいたします。
  • (4)貸金業に関する利用者からの相談事例等と相談室からのアドバイス等

    • 違法な金融業者からの借入れに関する相談等(改訂)

      • 【相談事例等】

        • 業者の指示にしたがって、借入れを行う前にお金を振り込みましたが、融資が実行されません。
      • 【アドバイス等】

        • 保証料等様々な名目で融資実行前に金銭の振込みを要求してくる場合、振り込め詐欺である可能性が極めて高いので慎重に対応する必要があります。
        • 相談内容からして、振り込め詐欺の可能性が高いと思われますので、早急に振込先の金融機関に相談してください。平成20年6月21日に「振り込め詐欺救済法」が施行されましたので、振込先口座にお金が残っている場合には返還される可能性があります。詳しい手続等については、振込先の金融機関にお尋ねください。
        • また、無登録営業や詐欺といった犯罪行為は捜査当局で対応することになりますので、警察にも情報提供してください。
        • なお、借入れを行う前には、金融庁のウェブサイトや財務局、都道府県で登録の確認を行うことをお勧めします。雑誌やウェブサイト上の広告で登録番号が記載されていても実際には登録を受けていない場合もあり、注意が必要です。

今回、新たに追加するものを加えた以下の項目について、「利用者からの相談事例等と相談室からのアドバイス等」を公表しておりますので、こちらもご参照ください。


* その他、金融庁のウェブサイト(「一般のみなさんへ」)では、金融サービスを利用する皆様にご注意いただきたい情報を掲載しております。

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局政策課金融サービス利用者相談室(内線9541)
(別紙2)
総務企画局政策課(内線3168)
検査局総務課(内線2521)
監督局総務課(内線3314)
(別紙3)
検査局総務課(内線2521)
監督局総務課(内線3314)

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