平成21年1月30日
金融庁

「金融サービス利用者相談室」における相談等の受付状況等
(期間:平成20年10月1日〜12月31日)

【今期の特徴】

  • 相談等の受付件数は15,093件となり、相談室開設(平成17年7月)以来最高

  • 中小企業の業況感が全般的に厳しさを増していることもあり、いわゆる貸し渋り・貸し剥がし、金融の円滑化等の融資業務に関するものが大幅に増加(3.(7)(8))

  • 株式市況等が大幅に変動していることもあり、株式市況等に関する意見など行政に対する要望等が大幅に増加(3.(3))

  • 貸出条件緩和債権の取扱いの変更に関する相談等が寄せられた(5.(1))

1. はじめに

  • (1)金融庁では、金融サービス利用者の利便性の向上を図るとともに、寄せられた情報を金融行政に有効活用するため、金融サービス等に関する利用者からの電話・ウェブサイト・ファックス等を通じた質問・相談・意見等に一元的に対応する金融サービス利用者相談室(以下「相談室」)を開設しています。

  • (2)利用者からの相談等については、専門の相談員が電話で対応しています。相談員からは、問題点を整理するためのアドバイスを行ったり、業界団体が開設している紛争処理機関等を紹介しています。なお、寄せられた相談等の内容や処理状況等については、金融庁内の関係部局に回付し、検査・監督等の参考として活用しています。

  • (3)相談室に寄せられた利用者からの相談件数や主な相談事例等のポイント等については、四半期毎に公表しています。平成20年10月1日から12月31日までの間(以下「今期」)における相談等の受付状況及び特徴等は、以下のとおりです。なお、今回の公表分とは別に、金融円滑化「大臣目安箱」情報として受け付け、大臣に直接届けられたものがあります。

2. 受付状況

平成20年10月1日から12月31日までの間に、15,093件の相談等(詳細については、PDF別紙1(PDF:23K)をご参照ください。)が寄せられています。1日当たりの受付件数は平均229件となっており、20年7月1日から9月30日までの間(以下「前期」)の実績(201件)と比べ増加し、相談室開設以来最高の受付件数となっています。これは、中小企業の業況感が全般的に厳しさを増していること、株式市況等が大幅に変動していること等が影響していると考えられます。

相談等の内訳は、以下のとおりです。

  • (1)相談等の類型

    質問・相談として寄せられたものが11,923件(79%)、意見・要望として寄せられたものが2,345件(16%)、情報提供として寄せられたものが734件(5%)、その他が91件(1%)となっています。

  • (2)相談等の方法

    電話による相談等が13,084件(87%)、ウェブサイトによる相談等が1,105件(7%)、ファックスによる相談等が236件(2%)、手紙による相談等が396件(3%)、その他が272件(2%)となっています。

  • (3)相談等の分野

    預金・融資等に関するものが4,612件(31%)、保険商品等に関するものが3,077件(20%)、投資商品等に関するものが5,219件(35%)、貸金等に関するものが1,909件(13%)、金融行政一般・その他が276件(2%)となっています。

3. 分野別の特徴

  • (1)預金・融資等に関する相談等の受付件数4,612件のうち、個別取引・契約の結果に関するものが1,450件(31%)、一般的な照会・質問に関するものが1,315件(29%)等となっています。

    業態別では、銀行に関するものが2,756件(60%)、信用金庫・信用組合等の協同組織金融機関に関するものが541件(12%)、その他1,315件(29%)となっています。

    業務別では、預金業務に関するものが1,365件(30%)、融資業務に関するものが1,934件(42%)、その他注1が1,313件(28%)となっています。

    今期の受付件数は、一般的な照会・質問に関する相談等が増加(921件→1,315件)したこと等から、前期に比べて大幅に増加(3,398件→4,612件)しています。

    注1:その他では、為替についての相談等が寄せられています。

  • (2)保険商品等に関する相談等の受付件数3,077件のうち、個別取引・契約における顧客説明及び個別取引・契約の結果に関するものが合計1,572件(51%)(うち保険金の支払に関するもの1,193件)、金融機関の態勢・各種事務手続に関するものが576件(19%)(うち保険金請求時等における保険会社の対応に関するもの332件)等となっています。

    業態別では、損害保険会社に関するものが1,506件(49%)、生命保険会社に関するものが1,006件(33%)、その他565件(18%)となっています。

    今期の受付件数は、保険金の支払に関する相談等が減少(1,456件→1,193件)したこと等から、前期に比べて減少(3,698件→3,077件)しています。

  • (3)投資商品等に関する相談等の受付件数5,219件のうち、一般的な照会・質問に関するものが1,780件(34%)、行政に対する要望等に関するものが1,417件(27%)等となっています。

    業態別では、証券会社(第一種業)に関するものが1,205件(23%)、市場に関するものが729件(14%)、登録詐称・無登録業者に関するものが409件(8%)、その他注2が2,876件(55%)となっています。

    商品別では、上場株式に関するものが384件(7%)、投資信託に関するものが339件(6%)、未公開株に関するものが311件(6%)等となっています。

    今期の受付件数は、株式市況等に関する意見など行政に対する要望等に関する相談等が増加(900件→1,417件)したこと等から、前期に比べて大幅に増加(3,848件→5,219件)しています。

    注2:その他では、個別法人や外国為替証拠金取引業者(第一種業)に関する相談等が寄せられています。

  • (4)貸金等に関する相談等の受付件数1,909件のうち、個別取引・契約の結果に関するものが692件(36%)、一般的な照会・質問に関するものが691件(36%)、不適正な行為に関するものが217件(11%)等となっています。

    今期の受付件数は、個別取引・契約の結果に関する相談等が増加(351件→692件)したこと等から、前期に比べて大幅に増加(1,419件→1,909件)しています。

  • (5)金融行政一般・その他に対する意見・要望等の受付件数276件のうち、一般的な照会・質問に関するものが86件(31%)、行政に対する要望等に関するものが65件(24%)等となっています。

  • (6)預金口座の不正利用に関する情報提供は、18件寄せられています。(金融庁及び全国の財務局等より金融機関及び警察当局への情報提供については、同日公表の「預金口座の不正利用に係る情報提供件数等について」をご参照ください。)

  • (7)貸し渋り・貸し剥がしに関する情報提供は、205件寄せられています。(「貸し渋り・貸し剥がしに関する情報の受付・活用状況について」は、PDF別紙2(PDF:24K)をご参照ください。)

  • (8)金融円滑化ホットラインに寄せられた金融の円滑化に関する情報提供は、213件となっています。(「金融円滑化ホットラインに寄せられた情報の受付・活用状況について」は、PDF別紙3(PDF:21K)をご参照ください。)

  • (9)(7)の貸し渋り・貸し剥がしに関する情報及び(8)の金融円滑化ホットラインに寄せられた情報の受付件数の推移(再掲)については、PDF別紙4(PDF:14K)をご参照ください。

4. 利用者から寄せられた相談等の活用状況

利用者の皆様から寄せられた相談等は、利用者全体の保護や利便性向上の観点から検査・監督上の参考として活用しています。

20年10月1日から12月31日までに受け付けた情報提供のうち、以下のものなどについて、金融機関に対する検査における検証や監督におけるヒアリング等、金融行政を行う上での貴重な情報として活用しています。

  • (1)預金取扱金融機関によるリスク性商品等の販売時における顧客への説明態勢及び広告等の不適正な表示に関するもの

  • (2)預金取扱金融機関における本人確認や説明を求めた際の不適切な顧客対応に関するもの

  • (3)預金取扱金融機関が借り手に対する優越的な地位を利用して行った金融商品の販売に関するもの

  • (4)預金取扱金融機関の個人情報の取扱いに関するもの

  • (5)いわゆる貸し渋り・貸し剥がしに関するもの

  • (6)保険会社等の不払い等(保険金等の不適切な不払い、支払漏れ等)に関するもの

  • (7)保険募集人等の不適正な行為(重要事項の不十分な説明、不告知の教唆、無断契約、保険料の立替等)に関するもの

  • (8)損害保険会社の火災保険の保険料過徴収に関するもの

  • (9)いわゆる集団投資スキームを利用した法令違反のおそれのある行為に関するもの

  • (10)金融商品取引業者によるリスク性商品等の販売時における顧客への説明態勢に関するもの

  • (11)証券会社の高齢者に対する勧誘に関するもの

  • (12)金融商品取引業者の不適正な行為(ホームページを閉鎖し電話に出ない等)に関するもの

  • (13)貸金業者による法令違反のおそれのある行為(取立行為規制違反、取引履歴の不当な開示拒否等)に関するもの

また、預金口座の不正利用に関する情報については、金融機関及び警察当局へ45口座の情報提供を行っています。

さらに、20年7月1日から9月30日までの間における情報の活用状況は以下のとおりです。

  • (1)監督において行った268金融機関等に対するヒアリング等に際して、相談室に寄せられた情報を参考としています。

  • (2)金融庁が着手した16金融機関の検査等に際して、相談室に寄せられた情報を参考としています。

5. 利用者からの相談事例等と相談室からのアドバイス等

寄せられた相談等のうち利用者の皆様に注意喚起する必要がある事例等について、「利用者からの相談事例等と相談室からのアドバイス等」として周知しています。

今回、新たに追加する「利用者からの相談事例等と相談室からのアドバイス等」は、以下のとおりです。

  • (1)預金・融資等に関する利用者からの相談事例等と相談室からのアドバイス等

    • 融資に関する相談等

      • 【相談事例等】

        • 金融機関が中小企業向け融資の条件緩和を行っても、不良債権にならない取扱いを拡充したと聞きましたが、どのようなものですか。
      • 【アドバイス等】

        • 中小企業の資金繰り支援のため、金融検査マニュアル別冊などを改定しました。
        • 改定前は、貸出条件の緩和を行っても、不良債権に該当しないためには3年以内に経営が健全化するような経営改善計画が必要とされていました。また、計画期間中は一定以上の金利を確保する必要がありました。
        • 今回の改定において、経営改善に時間がかかるなどの中小企業の特性を踏まえ、経営が健全化するまでの期間を3年から5年(経営改善が概ね計画どおりに進捗している場合には10年)に緩和するとともに、一定以上の金利を確保する必要がなくなりました。
        • さらに、経営改善計画を作成していない場合でも、今後の経営改善の見通しがあれば、計画がある場合と同じように取り扱います。
        • 借り手側においては、経営が改善するシナリオを金融機関にアピールするなどして協力を求め、よく話合いを行ってください。
        • なお、「PDF中小企業の皆様へ(中小企業向け貸出金の条件緩和がしやすくなりました)(PDF:209K)」を掲載していますので、参考にしてください。
  • (2)保険商品等に関する利用者からの相談事例等と相談室からのアドバイス等

    • 保険加入に関する相談等

      • 【相談事例等(外国直接付保の制限)】

        • 日本に支店等を設けていない外国保険業者と保険契約を締結したいのですが、何か規制はありますか。
      • 【アドバイス等】

        • 保険業法第186条第1項においては、一部の例外を除き原則として、日本に支店等を設けない外国保険業者は、日本に住所・居所を有する人若しくは日本に所在する財産又は日本国籍を有する船舶若しくは飛行機に係る保険契約を締結してはならないと定められており、保険契約の申込みをしようとする方は、当該申込みを行う時までに内閣総理大臣の許可を受けなければなりません。許可を受けようとする方は、所定の様式で作成した許可申請書に必要な書類を添付のうえ、金融庁長官宛に提出していただくことになります。
        • ただし、審査の結果必ず許可が受けられるというものではありません。
        • 前述の規定に違反して保険契約の締結を行った外国保険業者は、罰則として、2年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科するとされています。また、前述の許可を受けずに保険契約の締結の申込みをした者は、50万円以下の過料に処するとされていますので留意が必要です。
  • (3)投資商品等に関する利用者からの相談事例等と相談室からのアドバイス等

    • 金融商品取引業の登録に関する相談等

      • 【相談事例等】

        • 取引がある金融商品取引業者の登録を確認するため、金融商品取引業者登録一覧を見ていますが、第一種金融商品取引業の登録を受ければ、第二種金融商品取引業、投資助言・代理業、投資運用業に該当する業務を無条件で行えると考えていいでしょうか。
      • 【アドバイス等】

        • 金融商品取引法では、金融商品取引業について、第一種金融商品取引業、第二種金融商品取引業、投資助言・代理業、投資運用業という類型を設けています。いずれの業であっても、金融商品取引業として一つの登録制で一つの登録手続を受ければ業務が可能ですが、同時に行う業務の区分に応じて段階的な登録拒否要件(法第29条の4第1項)が定められており、金融商品取引業者として登録を受けている者が必ずすべての金融商品取引業を行うことができるものではありません。
        • 例えば、第一種金融商品取引業の登録のみを受けている者にあっては、第二種金融商品取引業、投資助言・代理業又は投資運用業に該当するような業務を行う場合には変更登録の手続を経る必要があり、その際には、新たに追加される業務の種別に応じた登録拒否要件の該当性が判断されることになります。
  • (4)貸金業に関する利用者からの相談事例等と相談室からのアドバイス等

    • 完済後の書面交付に関する相談等

      • 【相談事例等】

        • 貸金業者から借入れをしていましたが先月完済しました。業者から完済した証明書等が発行されると思っていましたが、いっこうに発行されないので問い合わせたところ、証明書の発行義務はないと言われました。本当でしょうか。
      • 【アドバイス等】

        • 貸金業者は、債務者から返済(一部または全部)を受けた際には、その都度一定事項を記載した受取証書を交付することになっています。(貸金業法第18条)
        • さらに法第22条において、「貸金業者は、貸付けの契約に基づく債権についてその全部の弁済を受けた場合において当該債権の証書を有するときは、遅滞なく、これをその弁済をした者に返還しなければならない。」と規定されており、債務者が貸金業者からの借入れを完済した際の債権証書の返還は義務になっています。
        • しかしながら、債権証書の返還だけでなく、貸金業者からの借入れを完済したからといって、完済証明書等の新たな書面を作成・交付するような法的義務はありません。

今回、新たに追加するものを加えた以下の項目について、「利用者からの相談事例等と相談室からのアドバイス等」を公表していますので、こちらもご参照ください。


* その他、金融庁のウェブサイト(「一般のみなさんへ」)では、金融サービスを利用する皆様にご注意いただきたい情報を掲載しています。

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局政策課金融サービス利用者相談室(内線9541)
(別紙2)
総務企画局政策課(内線3168)
検査局総務課(内線2521)
監督局総務課(内線3314)
(別紙3)
検査局総務課(内線2521)
監督局総務課(内線3314)
(別紙4)
総務企画局政策課(内線3168)
監督局総務課(内線3314)

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