平成24年4月27日
金融庁

「金融サービス利用者相談室」における相談等の受付状況等(期間:平成24年1月1日~同年3月31日)

【今期の特徴】

  • 金融サービス利用者相談室に寄せられた相談件数は10,850件と、前期(平成23年10月1日から同年12月31日までの間:以下同じ)と比べて、やや増加(+707件)している(2.)。

    分野別に見ると、次のとおり。

    • 預金・融資に関する相談等は、個別取引・契約の結果や金融機関の態勢・各種事務手続きなどに関する件数が増加したことから、3,155件(前期比+390件)となっている(3.(1))。

    • 投資商品に関する相談等は、一般的な照会・質問に関する件数が増加したことから、4,076件(前期比+268件)となっている(3.(3))。

    • 保険商品に関する相談等及び貸金等に関する相談等は、それぞれ2,350件(前期比▲4件)、910件(前期比+9件)となっている(3.(2)、(4))。

  • 東日本大震災関係の相談は、64件(前期比+6件)となっている。

1. はじめに

  • (1)金融庁では、金融サービス利用者の利便性の向上を図るとともに、寄せられた情報を金融行政に有効活用するため、金融サービス等に関する利用者からの電話・ウェブサイト・ファックス等を通じた質問・相談・意見等に一元的に対応する金融サービス利用者相談室(以下、「相談室」という。)を開設しています。

  • (2)利用者からの相談等については、専門の相談員が電話で対応しています。金融サービス相談員からは、問題点を整理するためのアドバイスを行ったり、業界団体が開設している紛争解決機関等を紹介しています。なお、寄せられた相談等の内容や処理状況等については、金融庁内の関係部局に回付し、検査・監督等の参考として活用しています。

  • (3)相談室に寄せられた利用者からの相談件数や主な相談事例等のポイント等については、四半期毎に公表しています。平成24年1月1日から同年3月31日までの間(以下、「今期」という。)における相談等の受付状況及び特徴等は、以下のとおりです。

2. 受付状況

今期は、10,850件の相談等(詳細については、別紙1(PDF:78KB)をご参照ください。)が寄せられています。1日当たりの受付件数は平均178件となっており、平成23年10月1日から同年12月31日までの間(以下、「前期」という。)の実績(174件)に比べて増加しています。

相談等の内訳は、以下のとおりです。

  • (1)相談等の類型

    質問・相談として寄せられたものが8,975件(83%)、意見・要望として寄せられたものが1,117件(10%)、情報提供として寄せられたものが570件(5%)、その他が188件(2%)となっています。

  • (2)相談等の方法

    電話による相談等が9,589件(88%)、ウェブサイトによる相談等が463件(4%)、手紙による相談等が385件(4%)、ファックスによる相談等が222件(2%)、その他が191件(2%)となっています。

  • (3)相談等の分野

    投資商品等に関するものが4,076件(38%)、預金・融資等に関するものが3,155件(29%)、保険商品等に関するものが2,350件(22%)、貸金等に関するものが910件(8%)、金融行政一般・その他が359件(3%)となっています。

3. 分野別の特徴

  • (1)預金・融資等に関する相談等の受付件数3,155件のうち、個別取引・契約の結果に関するものが1,464件(46%)、一般的な照会・質問に関するものが636件(20%)、金融機関の態勢・各種事務手続に関するものが475件(15%)等となっています。

    業態別では、銀行に関するものが1,690件(54%)、信用金庫・信用組合等の協同組織金融機関に関するものが488件(15%)、その他が977件(31%)となっています。

    業務別では、融資業務に関するものが1,425件(45%)、預金業務に関するものが941件(30%)、その他が789件(25%)となっています。

    今期の全体の受付件数は、個別取引・契約の結果に関する相談や、金融機関の態勢・各種事務手続きに関する相談等が増加したことから、前期に比べてやや増加(2,765件→3,155件)しています。

    なお、銀行協会等の業界団体を紹介した相談等は212件ありました。

  • (2)保険商品等に関する相談等の受付件数2,350件のうち、個別取引・契約の結果に関するものが1,075件(46%)(うち保険金の支払に関するもの953件)、金融機関の態勢・各種事務手続に関するものが425件(18%)(うち保険金請求時等における保険会社の対応に関するもの277件)等となっています。

    業態別では、損害保険会社に関するものが1,127件(48%)、生命保険会社に関するものが526件(22%)となっています。

    今期の全体の受付件数は、前期に比べて、ほぼ同水準(2,354件→2,350件)となっています。

    なお、保険協会等の業界団体を紹介した相談等は465件ありました。

  • (3)投資商品等に関する相談等の受付件数4,076件のうち、一般的な照会・質問に関するものが1,971件(48%)、個別取引・契約の結果に関するものが1,034件(25%)等となっています。

    業態別では、個別法人・団体に関するものが1,502件(37%)、証券会社(第一種業)に関するものが662件(16%)、登録詐称・無登録業者に関するものが221件(5%)、その他が1,691件(42%)となっています。

    商品別では、未公開株に関するものが564件(14%)、社債に関するものが417件(10%)、上場株式に関するものが363件(9%)、ファンドに関するものが284件(7%)、投資信託に関するものが263件(6%)等となっています。

    今期の全体の受付件数は、一般的な照会・質問に関する相談等が増加したことから、前期に比べてやや増加(3,808件→4,076件)しています。

    なお、証券業協会等の業界団体を紹介した相談等は137件ありました。

  • (4)貸金等に関する相談等の受付件数910件のうち、一般的な照会・質問に関するものが417件(46%)、個別取引・契約の結果に関するものが153件(17%)等となっています。

    今期の全体の受付件数は、前期に比べて、ほぼ同水準(901件→910件)となっております。

    なお、貸金業協会等の業界団体を紹介した相談等は35件ありました。

  • (5)金融行政一般・その他に対する意見・要望等の受付件数359件のうち、一般的な照会・質問に関するものが59件(16%)、行政に対する要望等に関するものが32件(9%)等となっています。

  • (6)預金口座の不正利用に関する情報提供は195件寄せられています(金融庁及び全国の財務局等より金融機関及び警察当局への情報提供については、「預金口座の不正利用に係る情報提供件数等について」をご参照ください)。

  • (7)貸し渋り・貸し剥がしに関する情報提供は、16件寄せられています。(「貸し渋り・貸し剥がしに関する情報の受付・活用状況について」は、別紙2(PDF:103KB)をご参照ください)。

  • (8)金融円滑化ホットラインに寄せられた金融の円滑化に関する情報提供は、5件となっています。(「金融円滑化ホットラインに寄せられた情報の受付・活用状況について」は、別紙3(PDF:125KB)をご参照ください)。

  • (9)(7)の貸し渋り・貸し剥がしに関する情報及び(8)の金融円滑化ホットラインに寄せられた情報の受付件数の推移(再掲)については、別紙4(PDF:59KB)をご参照ください。

4. 利用者から寄せられた相談等の活用状況

利用者の皆様から寄せられた相談等は、利用者全体の保護や利便性向上の観点から検査・監督上の参考として活用しています。

今期に受け付けた情報提供のうち、以下のものなどについて、金融機関に対する検査における検証や監督におけるヒアリング等、金融行政を行う上での貴重な情報として活用しています。

  • (1)預金取扱金融機関によるリスク性商品等の販売時における顧客への説明態勢に関するもの

  • (2)預金取扱金融機関における不適切な顧客対応に関するもの

  • (3)預金取扱金融機関の融資業務における担保の取扱いに関するもの

  • (4)いわゆる貸し渋り・貸し剥がしや貸出条件変更に関するもの

  • (5)預金取扱金融機関の個人情報の取扱いに関するもの

  • (6)保険会社の不払い等(付随的な保険金の支払漏れ、第三分野商品に係る保険金の不払い等)に関するもの

  • (7)保険募集人等の不適正な行為(重要事項の不十分な説明、手続に関する不適切な案内・対応、不告知の教唆、無断契約、名義借り、保険料の立替等)に関するもの

  • (8)貸金業者による法令違反のおそれのある行為(取立行為規制違反等)に関するもの

  • (9)貸金業者による顧客への不適切な説明に関するもの

  • (10)システム障害に関するもの

  • (11)外国為替証拠金取引業者の不適正な行為に関するもの

  • (12)外国為替証拠金取引業者とのインターネット経由での取引に関するもの

  • (13)無登録営業に関するもの

  • (14)金融商品取引業者の不適正行為(ホームページを閉鎖し電話に出ない、無断売買、高齢者に対する勧誘等)に関するもの

  • (15)金融商品取引業者によるリスク性商品等の販売時における顧客への説明態勢に関するもの

  • (16)いわゆる集団投資スキームを利用した法令違反の恐れのある行為に関するもの

  • (17)金融機関の信託業務における不適切な行為に関するもの

また、預金口座の不正利用に関する情報については、金融機関及び警察当局へ129口座の情報提供を行っています。

前期における情報の活用状況は以下のとおりです。

  • 監督において行った178金融機関等に対するヒアリング等に際して、相談室に寄せられた情報を参考としています。

  • 金融庁が着手した20金融機関の検査等に際して、相談室に寄せられた情報を参考としています。

5. 利用者からの相談事例等と相談室からのアドバイス等

寄せられた相談等のうち利用者の皆様に注意喚起する必要がある事例等について、「利用者からの相談事例等と相談室からのアドバイス等」として周知しています。

今回、新たに追加する「利用者からの相談事例等と相談室からのアドバイス等」は、以下のとおりです。

預金・融資等に関する相談事例及びアドバイス等

「免許の確認、預金保険制度に関する相談等」

【相談事例等】<新規追加>

  • 業者から、日本に拠点のない外国の銀行への預金口座の開設を代行すると勧誘されたが、当該業者の口座に資金を振込みしても大丈夫だろうか。

【アドバイス等】

  • 日本において、預金の受入は銀行法等で免許等を受けた銀行、外国銀行等以外は禁止されています。また、一般の業者が日本に拠点のない外国の銀行への預金口座の開設を勧誘し、顧客から資金を預かるような行為も禁止されています。

  • 預金の受入等を行える金融機関等については、「免許・許可・登録等を受けている業者一覧」で確認できますので、ご覧ください。

今回、新たに追加するものを加えた以下の項目について、「利用者からの相談事例等と相談室からのアドバイス等」として公表していますので、こちらもご参照ください。


* その他、金融庁のウェブサイト(「一般のみなさんへ」)では、金融サービスを利用する皆様にご注意いただきたい情報を掲載しています。

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局政策課金融サービス利用者相談室
(別紙2)
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検査局総務課
監督局総務課
(別紙3)
検査局総務課
監督局総務課
(別紙4)
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