政策評価に関する有識者会議の議事要旨
(令和5年6月1日)

1.開催概要:

令和5年6月1日(木曜日)10時00分~11時00分
 中央合同庁舎7号館 13 階共用第一特別会議室

本会議は「政策評価に関する有識者会議運営要領」第2条第2項に基づき、金融行政において外部の意見や提言を継続的かつ的確に反映させるため、金融行政として取り組むべき重要な課題となる事項について議論を行うために開催したもの。

2.出席委員:

内田 貴和 委員  三井物産株式会社顧問
 江川 雅子 委員  学校法人成蹊学園学園長
 岡崎 哲二 委員  東京大学大学院経済学研究科教授
 中曽 宏 委員   株式会社大和総研理事長
 星 岳雄 委員   東京大学大学院経済学研究科教授
 本田 桂子 委員  コロンビア大学国際関係公共政策大学院客員教授

3.議事要旨:

足元の金融行政をとりまく課題について、以下のような議論が行われた。


 (海外の一連の信用不安)

〇 海外の一連の信用不安を踏まえ、金融規制や監督・モニタリングの在り方について重要性を再認識すべき。また、情報拡散のスピードを踏まえ、従来とは異なる即応体制が求められることから、予兆の把握や体制について更に一層の備えが必要。

〇 今回の海外の一連の信用不安は、公債・社債等の債券に関するリスクが顕在化したと理解しており、こういったものも価格変動リスクがあることを踏まえて、金融システムに関する監督をする必要。


(資産所得の倍増)

〇 資産所得の倍増に関する施策を進めるにあたって、顧客本位の業務運営の浸透とともに、資産運用・販売の更なる高度化、全体の品質・機能の向上が必要。 

〇 個人でよく理解した上で投資を行うよう金融リテラシーの向上に取り組むことが重要であり、何らかのインセンティブが必要ではないか。


(国際金融センターの実現)

〇 官民一体となったプロモーションを組織的に展開し、情報発信力を強化する必要。

〇 資産運用業の抜本的改革にあたっては、グロース市場からプライム市場まで、上場後も企業の成長に寄り添って伴走支援する資産運用業者の育成が肝要。

〇 国際金融センターの実現にあたっては、他都市からの優位性が小さいようであれば何らかのインセンティブが必要ではないか。

〇 国際金融センターの実現に向け、日本の取引所の国際競争力の向上が重要。


(サステナブルファイナンスの推進)

〇 サステナブルファイナンスやESG投資といった色々な投資について、誤解の回避のために定義を明確化することが必要ではないか。


(コーポレートガバナンスの実質化)

〇 形式論に傾注する動きは避けながら、実質的な進捗が図られるように後押ししていくことが肝要。


(企業開示制度の見直し)

〇 サステナビリティ情報に関する開示にあたっては、グリーンウォッシュとならないよう開示に関する規制を強化すべき。

〇 四半期開示制度の見直しは評価できる。今後、会社法に基づく事業報告書と金融商品取引法に基づく有価証券報告書の整理や有価証券報告書の開示のタイミング等について検討することが必要ではないか。


(政策評価の在り方)

〇 重要な政策については、研究者を活用する等して定量的に客観的な第三者評価を行うことも必要ではないか。

〇 政策決定の際にエビデンスを重視し、政策を実行する上でも効果を検証していくというEBPMの体制を整えることが重要。


(金融行政全般)

〇 金融庁職員の更なるモチベーション向上、組織力向上に向けた施策について、実施に向けて引き続き尽力いただきたい。

〇 色々な政策課題がある中、限られた金融庁の人的資源を重要な政策分野に集中することが重要であり、それができているか常に検証することが必要。また、色々な取組みが行われる中、その相互関係を意識し、取組みの間に矛盾がないのかどうか確認することが必要。

 

以上

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)

総合政策局総合政策課

(内線3154、3716)

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