市場へのメッセージ(証券監視委メールマガジン)

〔2月20日(月)配信分より〕

◆ 最近の取引調査に基づく勧告について ◆

証券取引等監視委員会(以下「証券監視委」といいます。)は、取引調査の結果に基づいて、以下の事案について課徴金納付命令勧告を行いました。

  • H29.1.31
IGポート株式に係る相場操縦に対する課徴金納付命令の勧告について
http://www.fsa.go.jp/sesc/news/c_2017/2017/20170131-1.htm

【事案の概要】

本件は、インターネットで株取引を行っていた個人投資家が、IGポート株式の売買を誘引する目的をもって、直前の約定値より高指値の自己の売り注文に自己の買い注文を対当させて株価を引き上げ(以下、「対当売買」といいます。)たり、直前の約定値より高指値の買い注文を連続して発注して株価を引き上げる(以下「買い上がり買付け」といいます。)などの方法により、同株式を買い付ける一方、同株式を売り付け、同株式の売買が繁盛であると誤解させ、かつ、同株式の相場を変動させるべき一連の売買をしたという事案です。

【事案の特色等】

昨年9月27日勧告のテクノホライゾン・ホールディングス株式外2銘柄に係る相場操縦事案や昨年11月22日勧告のクロス・マーケティンググループ株式外1銘柄に係る相場操縦事案と同様に、本件も個人投資家による相場操縦事案です。

本件課徴金納付命令対象者(以下「対象者」といいます。)は、現物取引と信用取引を併用し、複数の証券会社を介して、対当売買や買い上がり買付けなどを行っています。本件取引以前より受託証券会社から注意を受けていますが、対象者は自身の取引手法はそれほど悪質なものではないと勝手に解釈し、同じような取引を続けました。そして、最終的に新規取引を停止されても、別の証券会社の口座を利用し、同様の取引手法を繰り返しており、悪質性が高いものと考えています。

対象者は、対当売買が受託証券会社に発覚することを避けるために、売り注文と買い注文を異なる証券会社から発注していましたが、複数の証券会社を用いた対当売買であっても、日本取引所自主規制法人が行っている売買審査や証券監視委の審査・調査によって、誰がそうした取引を行っているのかは容易に判明し、そのような違法行為は必ず発覚します。証券監視委では、こうした相場操縦行為に対して、引き続き関係機関と連携のうえ、厳正に対処してまいります。

証券監視委は、これまでにも相場操縦規制違反について多数の告発・勧告を行ってきたところですが、相場操縦規制違反は後を絶たない状況にあり、その要因・背景としては以下のようなものが考えられます。

  • インターネット取引の普及及び発注システムの進歩等により、個人投資家であっても、迅速かつ大量の発注・取消が可能となっているため、見せ玉等の手法を用いて人為的に相場を変動させれば、容易に売買差益を稼げる、又は損失回避を図ることができるとの誘惑

  • 市場では膨大な取引が行われているため、個人が行う小規模の相場操縦行為までは市場監視の目も届かないだろうとの誤解

相場操縦行為は証券市場の公正性・健全性を損なうものであり、証券監視委は、証券市場に対する投資家の信頼を確保するため、厳正な調査を実施しており、調査の結果、法令違反が認められた場合には、課徴金勧告や刑事告発を行っています。

本件が広く周知されることにより、相場操縦の抑止効果が発揮されることを期待しています。

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