市場へのメッセージ(証券監視委メールマガジン)

〔6月30日(木)配信分より〕

「証券取引等監視委員会の活動状況」の公表について

証券取引等監視委員会(以下「証券監視委」といいます。)は、毎年、その事務処理状況をとりまとめて公表しており、平成28年6月23日に、平成27年度(平成27年4月1日〜平成28年3月31日)における活動状況を公表しました。平成27年度版の主な記載内容は以下のとおりです。詳しくは、こちら( http://www.fsa.go.jp/sesc/reports/n_27/n_27.htm )をご覧ください。

  • 金融行政方針を踏まえた取組み

    • (1)市場規律の強化

      • 連携対象の拡大・深化:国税、警察、取引所等に加え、監査役協会、大手証券会社経営陣等との意見交換等の実施

      • 証券監視委の存在の「見える化」:近畿財務局での開催(平成27年11月)

      • 市場規律強化のための情報発信の強化:事案の意義・特徴や発生原因等のわかりやすい説明に努めた。

      • 財務局監視官部門等との連携強化

    • (2)マクロ的視点、時代の先を見た(Forward looking)市場監視

      • 内外金融・資本市場を巡る動向、資源エネルギー価格の下落に伴うリスク要因等に着目

    • (3)市場の構造的変化への対応

      • 増大するクロスボーダー取引に対する海外証券当局との連携による迅速な対応

      • アルゴリズム取引等の実態把握

      • 複雑化・巧妙化する不公正取引等に対する調査手法の高度化への対応(デジタル・フォレンジックの有効な活用等、HFTのシステム面での対応強化)

  • 証券監視委が実施した勧告案件等の事例を掲載(以下は主なもの)

    • 社債発行会社の財務状況の実態を意図的に秘匿・隠蔽したまま、顧客に対して自ら社債販売を継続するとともに、複数の地場証券に対しても社債販売を継続させていた事例

    • インサイダー取引における情報伝達者への初の課徴金適用

    • グローバルに活動する上場企業に係る有価証券報告書等の虚偽記載

    • 複雑化・巧妙化した犯則事例(相場操縦や風説の流布・偽計の組み合わせ等)

  • 今後の取組み方針

    • 調査・検査で把握した問題点の共通課題の抽出、適時・的確な情報発信

    • ビジネスモデル等に一層着目したリスクアセスメントを強化し、オンサイト・オフサイト一体となったモニタリングを実施。地場証券のビジネスモデルの実態やその持続可能性等について検証

    • 上場企業の経営環境の変化に伴う開示規制違反の潜在的リスクに着目した情報収集・分析

  • おわりに

    以上のとおり、証券監視委はこの一年実効性のある市場監視に努めてまいりました。

    証券監視委としては、引き続き、市場に対する投資者の信頼を保持すべく最善を尽くし、投資者保護の確保に取り組んでいきます。


夢の街創造委員会株式会社株券に係る相場操縦事件の告発について

証券監視委は、平成28年6月14日、金融商品取引法違反(相場操縦)の嫌疑で、犯則嫌疑者A、同B、同Cの3名を東京地方検察庁に告発しました。

【告発の対象となった犯則事件の概要等】

本件は、犯則嫌疑者3名が共謀の上、東京証券取引所が開設するジャスダック市場に上場されていた夢の街創造委員会株式会社が発行した株券について、その株価を操作したものです。

Aは、Bと共謀の上、同株券の株価の高値形成を図ろうと企て、連続した高指値注文を行って高値を買い上がるなどの方法や下値買い注文を大量に入れるなどの方法により、変動操作取引を行うとともに、複数名義を用いて売付けと同時に別途買付けをすることにより、権利の移転を目的としない仮装売買を行い、同株券の株価を、平成25年7月17日から同月24日までの6取引日にわたり、850円から1050円まで上昇させ、同年12月30日から平成26年1月7日までの3取引日にわたり、1653円から1800円まで上昇させました。

さらに、Aは、B及びCと共謀の上、同株券の株価をAによる信用取引に係る追加保証金の発生しない1190円程度に維持しようと企て、連続した高指値注文を行って高値を買い上がるなどの方法により違法な安定操作取引を行い、同年4月28日から同年5月28日までの20取引日にわたり、同株券の株価を1184円から1223円の間に安定させました。

本件は、犯則行為当時、発行会社の特別顧問という立場にあった犯則嫌疑者Aが、知人Bと共謀して、個人的な動機により、借名口座を利用するなどして、その株価を人為的に操作しただけでなく、その後、自らの追加保証金支払いを回避する必要に迫られるや、更に証券会社の外務員Cらと共謀し、借名口座を利用するなどして、その株価を固定したものであり、長期間にわたり、一般投資者に不測の損害を与えた悪質な事案といえます。証券監視委が、こうした証券取引の公正を害する悪質な行為に対して、告発して刑事訴追を求めるなど厳正に対処することは、証券市場の健全な発展の観点から重要であると考えております。

また、本件調査においては、日本取引所自主規制法人から多大な支援を受けております。証券監視委が、問題事案に即した効果的・効率的な対応を行うためには、自主規制機関等の関係機関との協力関係は非常に重要であり、今後も緊密に連携していきたいと考えております。

(本件に関する公表文)

http://www.fsa.go.jp/sesc/news/c_2016/2016/20160614-1.htm

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