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〔2月21日(水)配信分より〕

1.最近の取引調査に基づく勧告について
 
 証券取引等監視委員会(以下「証券監視委」といいます。)は、取引調査の結果に基づいて、以下の事案について課徴金納付命令勧告を行いました。
 
平成30年1月26日 あんしん保証株式会社との契約締結交渉者の役員及びあんしん保証株式会社の役員からの情報受領者による内部者取引違反行為並びに同社役員による重要事実に係る伝達違反行為
         ( http://www.fsa.go.jp/sesc/news/c_2018/2018/20180126-1.htm )
 
【事案の概要】
 本件は、課徴金納付命令対象者(以下「対象者」といいます。) が3名の事案です。

・対象者(1)について

 対象者(1)は、不動産賃貸管理等の事業を営むA社の役員ですが、あんしん保証株式会社(以下「あんしん保証」といいます。)とA社との家賃決済サービスに係る契約の締結交渉に関し、あんしん保証の業務執行を決定する機関が、イオンクレジットサービス株式会社等との業務上の提携を行うことについての決定をした旨の重要事実(以下「本件事実」といいます。)を知りながら、本件事実の公表前に、自己の計算において、あんしん保証株式を買い付けています。

・対象者(2)について

 対象者(2)は、対象者(3)から本件事実の伝達を受けながら、本件事実の公表前に、自己の計算において、あんしん保証株式を買い付けています。

・対象者(3)について

 対象者(3)は、あんしん保証の役員ですが、本件事実を本件事実の公表前にあんしん保証株式の買付けをさせることにより対象者(2)に利益を得させる目的を持って伝達したものであり、上記のとおり対象者(2)は本件事実の公表前に、自己の計算において、あんしん保証株式を買い付けています。
 
【事案の特色等】
 本件は、「業務上の提携」を知った者によるインサイダー取引事案です。平成28年度(平成28年4月1日~平成29年3月31日)の勧告事案を振り返ってみますと、インサイダー取引に関する勧告事案数43件における重要事実等数45件のうち業務上の提携を重要事実とするインサイダー取引の勧告件数は15件(33.3%)となっており、重要事実等別の勧告件数ではトップとなっております。また、平成29年度(平成29年4月1日以降)では、これまで本件勧告を含め4件となっております。さらに、平成17年4月の課徴金制度導入以降まで広げてみても、本事案までのインサイダー取引累積事案数280件のうち52件が業務上の提携を知った者によるインサイダー取引となっております。業務上の提携については、当事者間での検討開始から最終的な合意・公表までに相当な時間を要し、社内のみならず社外においても重要事実を知り得る関係者が多くなることから、他の重要事実に比べてインサイダー取引が行われやすいとの指摘があります。繰り返しになりますが、業務上の提携に関わる者全てに厳正な情報管理に努めることが強く求められています(詳しくは、平成29年8月29日公表の課徴金事例集23ページのコラムをご覧ください)。
( http://www.fsa.go.jp/sesc/jirei/torichou/20170829.htm )

 また本件は、あんしん保証役員による重要事実に係る伝達違反行為についての勧告事案でもあります。本来、上場会社の役員であれば情報管理体制を整備し、役職員へ教育する立場にあるはずです。しかしながら、本件対象者(3)である役員自ら、利益を得させる目的をもって伝達したものであり、上場会社役員の行動としては、非常に問題がある行為です。なお、利益を得させる等の目的をもって、未公表の重要事実等を伝達した場合、伝達者は取引により利益を得ていない場合であっても、伝達された者が行った取引金額に応じて課徴金が課せられることになり得ます。自身のインサイダー取引だけではなく、情報伝達行為も課徴金納付命令の対象となることを十分ご理解いただきたいと思います。
 
 本件が広く周知されることにより、インサイダー取引の抑止効果が発揮されることを期待しています。

2.東芝テック株式会社株券に係る内部者取引事件の告発について

 証券監視委は、平成30年1月25日、金融商品取引法違反(内部者取引)の嫌疑で、犯則嫌疑者2名を東京地方検察庁に告発しました。

平成30年1月25日 東芝テック株式会社株券に係る内部者取引
         ( http://www.fsa.go.jp/sesc/news/c_2018/2018/20180125-1.htm )
【事案の概要】
 犯則嫌疑者Aは、東京証券取引所市場第一部に株券を上場している東芝テック株式会社(以下「東芝テック」といいます。)の財務部に所属する従業員として、平成27年10月16日頃、その職務に関し、東芝テックが、特別損失を計上することにより業務遂行の過程で生じた損害が発生した旨の同社の業務等に関する重要事実(下記「本件重要事実」参照)を知ったもの、犯則嫌疑者Bは、その知人です。
 犯則嫌疑者両名は、前記事実の公表前に同社株券を売り付け、その公表後に買い戻して利益を得ようと考え、共謀の上、法定の除外事由がないのに、前記事実の公表前である平成27年10月19日から同年11月5日までの間、証券会社1社を介し、東京証券取引所において、B名義で、東芝テックの株券合計16万株を代金合計7,178万円で売り付け(空売り)ました。

【本件重要事実】
 本件重要事実は、平成27年11月5日午後3時、東芝テックが、日本取引所自主規制法人が運営する適時開示情報伝達システムであるTDnetを通じて公表したものであり、同社の(連結)固定資産について減損損失659億5,700万円を特別損失に計上する見込みとなったことにより、業務遂行の過程で損害が生じたというものです。

【本件の意義】
 犯則嫌疑者Aは、発行会社の重要事実を厳に管理すべき財務部職員の立場にありながら、当社の特別損失の計上を知ったことを奇貨として、本件インサイダー取引を敢行しており、その責任は極めて重大です。また、犯則嫌疑者Bは、Aの立場を知ってAと共謀の上で本件取引に加わっており、その責任はAと同様重大です。さらに、犯則嫌疑者両名は、インサイダー取引の発覚を免れるため、発行会社の職員であるAではなくB名義の証券口座を利用して取引を行っており、犯行態様も狡猾で悪質と言えます。

 


 

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