市場へのメッセージ(証券監視委メールマガジン)

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〔5月30日(火)配信分より〕

◆ 最近の取引調査に基づく勧告について ◆

 証券取引等監視委員会は、取引調査の結果に基づいて、以下の事案について課徴金納付命令勧告を行いました。

・H29.3.31 株式会社フュートレック役員からの情報受領者3名によるインサイダー取引及び同社役員2名による重要事実に係る伝達違反行為
              ( http://www.fsa.go.jp/sesc/news/c_2017/2017/20170331.htm )
・H29.3.31 公開買付者との契約締結交渉者からの情報受領者3名によるアイセイ薬局株式に係るインサイダー取引
              ( http://www.fsa.go.jp/sesc/news/c_2017/2017/20170331_2.htm )
 
1.株式会社フュートレック役員からの情報受領者3名によるインサイダー取引及び同社役員2名による重要事実に係る伝達違反行為

【事案の特色等】
 本件において、上場会社の役員2名が、別々の時期に知人に対して重要事実を漏らさなければ、情報を受領した3名によるインサイダー取引が行われることはありませんでした。役員両名によるこのような伝達違反行為は、上場会社の役員として当然有しておくべきインサイダー取引に係る規範意識の欠如から生じたものであり、非常に問題性が高いと考えています。
 金融商品取引法第167条の2に規定されている情報伝達・取引推奨規制は平成26年4月に施行されていますが、同一の上場会社の複数の役員に対して情報伝達規制違反を適用したのは、本事案が初となります。なお、これまで情報伝達・取引推奨規制違反により、本事案の対象者2件を含めると8件の勧告を行っています。
本事案が広く周知されることにより、インサイダー取引の抑止効果が発揮されることを期待しています。

【事案の概要】
 本件は、重要事実が2つ、課徴金納付命令対象者(以下「対象者」といいます。)が4名の事案です。
・対象者(1)について
 違反行為事実A
 対象者(1)は、株式会社フュートレック(以下「フュートレック」といいます。)の役員である対象者(2)から、同人がその職務に関し知った、フュートレックの業務執行を決定する機関が、同社と株式会社NTTドコモ及びSYSTRAN INTERNATIONAL CO., LTDと業務上の提携を行うことについての決定をした旨の重要事実(以下「本件事実ア」といいます。)の伝達を受けながら、本件事実アの公表前に、自己の計算において、フュートレック株式を買い付けたものです。
 
 違反行為事実B
 対象者(1)は、フュートレックの役員に就任後、同人がその職務に関し知った、同社の属する企業集団の平成28年3月期の売上高、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益の予想値について、平成27年5月8日に公表された直近の予想値に比較して、同社が新たに算出した予想値において、投資者の投資判断に及ぼす影響が重要なものとなる差異が生じた旨の重要事実(以下「本件事実イ」といいます。)を、対象者(3)に対し、本件事実イの公表前にフュートレック株式の買付けをさせることにより対象者(3)に利益を得させる目的をもって、伝達したものです。なお、対象者(3)は、本件事実イの公表前に、自己の計算において、フュートレック株式を買い付けています。
 
 違反行為事実C
 対象者(1)は、本件事実イを、対象者(4)に対し、本件事実イの公表前にフュートレック株式の買付けをさせることにより対象者(4)に利益を得させる目的をもって、伝達したものです。なお、対象者(4)は、本件事実イの公表前に、自己の計算において、フュートレック株式を買い付けています。
 
・対象者(2)について
 対象者(2)は、フュートレックの役員ですが、同人がその職務に関し知った、本件事実アを、対象者(1)に対し、本件事実アの公表前にフュートレック株式の買付けをさせることにより対象者(1)に利益を得させる目的をもって、伝達したものです。なお、対象者(1)は、本件事実アの公表前に、自己の計算において、フュートレック株式を買い付けています。
 
・対象者(3)について
 対象者(3)は、フュートレックの役員である対象者(1)から、同人がその職務に関し知った、本件事実イの伝達を受けながら、本件事実イの公表前に、自己の計算において、フュートレック株式を買い付けたものです。
 
・対象者(4)について
 対象者(4)は、フュートレックの役員である対象者(1)から、同人がその職務に関し知った、本件事実イの伝達を受けながら、本件事実イの公表前に、自己の計算において、フュートレック株式を買い付けたものです。
 
2.公開買付者との契約締結交渉者からの情報受領者3名によるアイセイ薬局株式に係るインサイダー取引

【事案の特色等】
 公開買付けに係るインサイダー取引の勧告事案は、平成28年4月から平成29年3月までの1年間で、本件が7件目となります。この1年間における、インサイダー取引の勧告事案数が19件ですので、実に1/3超が公開買付けに係るものとなります(対象者数でみた場合は、43件中11件。)
 これまでにも言われてきていることですが、公開買付けについては、公開買付けの当事者である買付企業や買付対象会社のみならず、コンサルティング会社や金融機関など多くの関係者が関与することから、他の重要事実等に比べてインサイダー取引が行われやすいとの指摘があります。これを踏まえると、公開買付けに関わる関係者全てが厳正な情報管理に努めることが強く求められていると言えます。
本事案が広く周知されることにより、インサイダー取引の抑止効果が発揮されることを期待しています。

【事案の概要】
 本件における対象者は3名です。
・対象者(1)について
 対象者(1)は、株式会社アイセイホールディングス(以下「アイセイHD」といいます。平成28年10月1日株式会社アイセイ薬局を吸収合併。同日株式会社アイセイ薬局に商号変更。)と、公開買付けに関する契約の締結交渉をしていた者である甲から、同人がその契約の締結交渉に関し知った、アイセイHDの業務執行を決定する機関が、株式会社アイセイ薬局(以下「アイセイ」といいます。平成28年5月2日上場廃止。平成28年10月1日アイセイHD(現株式会社アイセイ薬局)に吸収合併され解散。)の株式の公開買付けを行うことについての決定をした旨の公開買付けの実施に関する事実(以下「本件事実」といいます。)の伝達を受けながら、本件事実の公表前に、自己の計算において、アイセイ株式を買い付けたものです。
・対象者(2)(3)について
 対象者(2)(3)は、上記甲と金銭貸借関係がある法人の職員ですが、その職務に関し、本件事実を知りながら、本件事実の公表前に、それぞれが自己の計算において、アイセイ株式を買い付けたものです。


 

 

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