平成11年7月19日 |
証券取引等監視委員会 |
1.勧告の内容
○ 実勢を反映しない作為的相場を形成させるべき一連の有価証券の売買及び実勢を反映しない作為的相場が形成されることとなることを知りながら一連の有価証券の売買の受託をする行為 野村証券(株)は、エクイティ部等の関与により、 (1) 平成7年3月9日、自己が相手方となって特定の顧客との間で行った、特定の店頭登録銘柄についてのいわゆる益出し取引の戻し取引の際、当該銘柄の株価が上昇したことから、当初の価格と同値で戻し取引を行うことが可能な価格まで、当該銘柄の株価を引き下げる目的をもって、午前9時32分から同35分までの間、自己の計算による一連の低い指値の売付けを行った。 (2) 平成7年3月17日、自己が相手方となって特定の顧客との間で行った、特定の上場銘柄についてのいわゆる益出しクロスの戻し取引の際、当該銘柄の株価が下落したことから、当初の価格と同値で戻し取引を行うことが可能な価格まで、当該銘柄の株価を引き上げる目的をもって、午前10時56分から同11時00分までの間、自己の計算による一連の成行又は高い指値の買付けを行った。 (3) 平成7年3月24日、自己が相手方となって特定の顧客との間で行った、7銘柄の上場株式についてのいわゆる益出しクロスの戻し取引の際、内6銘柄の株価が下落したことから、戻し取引による自己の売買損を縮小するため、3銘柄について、株価を引き上げる目的をもって、予め、顧客に買注文発注を依頼した上で、当該買注文を受託し、午前9時35分から同10時30分までの間、当該顧客の計算による一連の高い指値の買付けを行った。 上記(1)(2)の行為は、証券取引法(平成10年法律第107号(平成10年12月1日施行)施行前のもの。)第50条第1項第6号に基づく証券会社の健全性の準則等に関する省令(平成10年総理府令・大蔵省令第33号(平成10年12月1日施行)施行前のもの。)第2条第3号に規定する「実勢を反映しない作為的相場を形成させるべき一連の有価証券の売買をする行為」に、(3)の行為は、同号に規定する「実勢を反映しない作為的相場が形成されることとなることを知りながら一連の有価証券の売買の受託をする行為」に該当すると認められる。 |