事実関係の概要



(1)



 顧客の月次の財務状況の資料の受領

 

しんきん証券代表取締役社長Aは、平成13年6月、顧客の財務の状況に応じた商品提供を行うために、Aが以前に在籍していた親法人から顧客甲ら(法人顧客 326顧客)の月次の財務の状況を記載した資料(預金、貸出金、期中損益の他、有価証券の種別ごとの残高等が記載されたもの)を受領するよう社内の会議において指示を行い、これにより同社は、同年7月以降の毎月、甲らの同意を得ないまま、これを親法人から受領していた。

 

こうして同社が親法人から受領していた情報は、同社において、同社で策定した債券の勧誘基準の該当性の判定資料や同社の営業戦略策定のための基礎資料等として利用されていた。

 

なお、Aらは、甲らの財務状況を記載した資料が親子法人間で授受が禁止されている非公開情報に当たる可能性があると認識していた。


(2)


 顧客の有価証券の注文内容に係る情報の提供

 

同社常務取締役B及び部長Cは、以前から仕組債等複雑な商品の顧客乙への勧誘を慎重にするよう親法人から要望を受けていたため、顧客乙から特定の仕組債の買付けの申込みを受けた際に、約定の前にその注文内容を親法人に連絡しておくべきと判断し、平成15年5月、乙から同意を得ないまま、乙から買付けの申込みを受けた仕組債の内容(当該債券の発行条件等が記載されたもの)をファックスにより親法人に提供した。

 

なお、B及びCは、当該ファックスに記載された内容が非公開情報に当たる可能性があると認識していた。

 

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