株式会社国泰キャピタルに対する検査結果に基づく勧告について


平成19年12月18日
証券取引等監視委員会

.勧告の内容
 関東財務局長が株式会社国泰キャピタル(東京都中央区、資本金1億5千万円、役職員29名)を検査した結果、下記のとおり、当該金融商品取引業者及び当該金融商品取引業者の役員に係る法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、行政処分及びその他の適切な措置を講ずるよう勧告した。


.事実関係
 
(1)  顧客から預託を受けた委託証拠金を自己の固有財産と区分して管理していない状況

 株式会社国泰キャピタルは、顧客から預託を受けた外国為替証拠金取引に係る委託証拠金のうち、カバー取引先に預託し、区分して管理していた額の一部について、代表取締役社長の友人への貸付けに流用するなど、自己の固有財産と区分して管理していなかった。そのため、平成17年7月から同年10月まで、同18年2月及び同年4月から同19年8月までの各月末において、区分して管理すべき額(以下「区分管理額」という。)が不足している状況となっていた。(なお、同年9月末においては、当該貸付けを解消したことなどから、区分管理額の不足は生じていない。)
 代表取締役社長及び委託証拠金の区分管理を担当する取締役副社長は、上記のとおり、区分管理額が不足している状況を認識していたにもかかわらず、その原因を究明するなどの措置を講じず、区分管理額が不足している状況をそのまま放置していた。

 当該金融商品取引業者及び当該金融商品取引業者の役員が行った上記の行為は、金融先物取引法第91条第1項に違反すると認められる。

(2)

 自己資本規制比率の虚偽の届出等

 代表取締役社長及び取締役副社長は、その業務に関し、カバー取引先に預託していたカバー取引に係る委託証拠金の一部を国内の預金口座に振り替えたように見せかける架空の資金移動操作を行い、取引先リスク相当額を過小に算出することなどにより、実際よりも過大な虚偽の自己資本規制比率を算出した上で、マル1当該自己資本規制比率を記載した届出書(平成17年12月から同19年8月まで(同18年4月を除く。)の各月末)を関東財務局長に提出し、マル2当該自己資本規制比率を記載した書面(平成17年12月並びに同18年3月、6月、9月及び12月並びに同19年3月及び6月の各月末)を公衆の縦覧に供し、マル3当該自己資本規制比率を記載した事業報告書(平成18年2月期、同19年2月期及び同年3月期)を関東財務局長に提出した。(なお、同年9月末においては、適正に自己資本規制比率が算定されている。)

 当該金融商品取引業者及び当該金融商品取引業者の役員が行った上記の行為のうち、マル1は金融先物取引法第82条第1項に、マル2は同条第3項に、マル3は同法第79条第1項に、それぞれ違反すると認められる。
 

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