株式会社ジェイ・エヌ・エスに対する検査結果に基づく勧告について


平成20年4月25日
証券取引等監視委員会

  • 1.勧告の内容

    東海財務局長が株式会社ジェイ・エヌ・エス(愛知県名古屋市、資本金450百万円、役職員37名)を検査した結果、下記のとおり、当該金融商品取引業者及び当該金融商品取引業者の役員に係る法令違反等の事実が認められたので、本日、証券取引等監視委員会は、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、行政処分及びその他の適切な措置を講ずるよう勧告した。

  • 2.事実関係

    • ○ 金融商品取引業に関し、不正又は著しく不当な行為をした場合において、その情状が特に重いと認められる状況等

      株式会社ジェイ・エヌ・エス(以下「当社」という。)代表取締役社長(以下「社長」という。)は、その業務に関し、顧客の課税免脱に加担する中で、以下の(2)記載のとおり多数の法令違反行為を発生させている。

      • (1) 顧客の課税免脱に加担する行為等

        当社社長は、平成13年2月頃、外国為替証拠金取引により大きな収益を上げている顧客がいたことから、当該顧客の税金対策、さらには顧客との取引拡大や当社の手数料収入の向上につなげる目的で、平成13年2月28日から同18年8月22日までの間において、顧客が売買損を発生させたような取引を装い、当該顧客の口座から海外居住者口座等に委託証拠金等を資金移転のうえ、移転先口座で外国為替証拠金取引を行う取引一任勘定取引契約の締結を行った。

        当社役員(以下「一任運用担当役員」という。)は、当該取引一任勘定取引契約に基づく資金運用を担当していたところ、外国為替相場を読み違えて運用に失敗し、全建玉を決済した平成18年5月9日までに、資金移転した委託証拠金等の全額を消失させ、さらには、当社の計算に帰属する損失を発生させた。一任運用担当役員は、これらの損失が社長に発覚することをおそれ、架空売買により、(取引一任勘定取引契約を締結した顧客とは別の)当社顧客(以下「一般顧客」という。)の口座にその損失を付け替え、当社損失の隠蔽を図った。

        社長は、平成18年7月頃までには、当社損失が一般顧客口座に付け替えられている事実を認識したにもかかわらず、何ら是正措置を図ることなく放置したばかりか、当社経理を担当する役員に対して、さらに架空売買による委託証拠金等の資金移転を指示し、平成20年1月7日現在、一般顧客口座には当社の計算に帰属する損失合計308,000千円が存在する状況となっている。

      • (2) 認められた法令違反行為

        • マル1 不正の手段により金融先物取引業者の登録を受けた行為

        • マル2 取引一任勘定取引の契約を締結する行為

        • マル3 委託証拠金等を不正の手段により取得する行為

        • マル4 外国為替証拠金取引について生じた顧客の損失の全部を補てんするため当該顧客に対し財産上の利益を提供する行為

        • マル5 虚偽の自己資本規制比率を届け出る行為及び虚偽の数値を記載した事業報告書を提出する行為

        • マル6 業務に関する帳簿書類に不実の内容を記載する行為

        • マル7 顧客から預託を受けた保証金等(委託証拠金等)を自己の固有財産と区分して管理していない状況

        • マル8 自己資本規制比率が120パーセントを下回る状況
          (※個々の法令違反行為の詳細については、別紙(PDF/116KB)のとおり。)

      • 前述(1)記載のような当社の業務の状況は、前述(2)記載の各法令違反行為を踏まえれば、金融商品取引法(以下「金商法」という。)第52条第1項第9号に規定する「金融商品取引業に関し、不正又は著しく不当な行為をした場合において、その情状が特に重いとき」に該当するものと認められる。

        また、社長は、前述(1)記載の顧客の課税免脱に加担する行為等の主謀者であり、同人の行為は、前述(2)記載の各法令違反行為を踏まえれば、金商法第64条の5第1項第2号に規定する「外務員の職務に関して著しく不適当な行為」に該当するものと認められる。

        前述(2)記載の各行為は、以下のとおり法令違反に該当するものと認められる。

        マル1の行為は、当社が金融先物取引法(以下「金先法」という。)第87条第1項第2号の虚偽の登録申請書の提出という不正の手段により登録を受けたと認められる。

        マル2の行為は、金先法第76条第3号に該当すると認められる。

        マル3の行為は、金先法第76条第8号に該当すると認められる。

        マル4の行為は、金先法第76条第9号に基づく同法施行規則第25条第3号に該当すると認められる。

        マル5の行為は、金商法第46条の6第1項(平成19年9月30日以降の行為について。平成19年9月29日以前の行為については、「証券取引法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成18年6月14日法律第66号)」による廃止前の金先法第82条第1項)及び金先法第79条第1項にそれぞれ違反すると認められる。

        マル6の行為は、金先法第78条に基づく同法施行規則第26条第1項第1号、同第2号及び同第4号、並びに、金商法第46条の2に基づく金融商品取引業等に関する内閣府令第157条第1項第9号(平成19年9月30日以降の行為について。平成19年9月29日以前の行為については、「証券取引法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成18年6月14日法律第66号)」による廃止前の金先法第78条に基づく同法施行規則第26条第1項第3号)にそれぞれ違反すると認められる。

        マル7の状況は、金商法第43条の3第1項に違反すると認められる。

        マル8の状況は、金商法第46条の6第2項に違反すると認められる。

 
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