株式会社ヴァリック役員及び元社員による内部者取引に対する課徴金納付命令の勧告について


平成20年10月17日
証券取引等監視委員会

  • 1.勧告の内容

    証券取引等監視委員会は、株式会社ヴァリック役員及び元社員による内部者取引について検査した結果、下記のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。

  • 2.法令違反の事実関係

    課徴金納付命令対象者マル1は、

    • (1) 株式会社ヴァリックの役員であったが、同社の業務執行を決定する機関が株式会社AOKIホールディングスとの間で株式交換を行うことについての決定をした旨の事実を、その職務に関し知り、この事実が公表される平成19年11月15日午後3時30分より以前の同日に、株式会社ヴァリックの株券合計8株を総額93万4,000円で買い付け、

    • (2) 株式会社ラヴィスと機密保持契約を締結していた株式会社ヴァリックの役員として、同契約を履行していたものであったが、株式会社ラヴィスの業務執行を決定する機関が株式会社AOKIホールディングスとの間で株式交換を行うことについての決定をした旨の事実を、同契約の履行に関し知り、この事実が公表される平成19年11月15日午後3時30分より以前の同月14日及び同月15日に、株式会社ラヴィスの株券合計12株を総額97万2,000円で買い付け

    たものである。

    課徴金納付命令対象者マル2は、株式会社ヴァリックの社員であったが、同社の業務執行を決定する機関が株式会社AOKIホールディングスとの間で株式交換を行うことについての決定をした旨の事実を、その職務に関し知り、株式会社ヴァリックを退職した後、この事実が公表される平成19年11月15日より以前の同月2日及び同月7日に、株式会社ヴァリックの株券合計2株を総額22万5,000円で買い付けたものである。

    上記2名が行った上記の各行為は、金融商品取引法第175条第1項に規定する「第百六十六条第一項又は第三項の規定に違反して、自己の計算において同条第一項に規定する売買等をした」行為に該当すると認められる。

  • 3.課徴金の額の計算

    上記の違法行為に対し金融商品取引法に基づき納付を命じられる課徴金の額は、課徴金納付命令対象者マル1については34万円、課徴金納付命令対象者マル2については5万円である。

    計算方法の詳細については、別紙のとおり。

(別紙)

  • ○ 課徴金の額の計算方法について

    金融商品取引法第175条第1項に基づき、課徴金の額は、

    (重要事実が公表された翌日の終値)×(買付株数)

    -(買付価格)×(買付株数)

    となる。

    したがって、重要事実の公表翌日の平成19年11月16日の株式会社ヴァリックの株価の終値は、142,000円、株式会社ラヴィスの株価の終値は、92,800円であることから、課徴金の額は下記の金額となる。

    • 課徴金納付命令対象者マル1

      • (1) 株式会社ヴァリック株式について

        • (142,000円×8株)

          -買付価額934,000円(注)=202,000円

          ⇒課徴金の額は1万円未満を切り捨てるため、20万円

          (注)買付価額は、


          115,000円× 1株
          117,000円× 7株



          の合計額である。
      • (2) 株式会社ラヴィス株式について

        • (92,800円×12株)

          -買付価額972,000円(注)=141,600円

          ⇒課徴金の額は1万円未満を切り捨てるため、14万円

          (注)買付価額は、



          80,800円×8株
          80,000円×2株
          82,800円×2株




          の合計額である。
    • 課徴金納付命令対象者マル2

      • (142,000円×2株)

        -買付価額225,000円(注)=59,000円

        ⇒課徴金額は1万円未満を切り捨てるため、5万円

        (注)買付価額は、


        113,000円× 1株
        112,000円× 1株



        の合計額である。
 

 

 

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